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第1章

文面は嫌いだ。
絶対に自分の伝えたい言葉は正しく伝わらない。伝わっているかを確認するのは「面倒」という他者の不満にもなる。

電話は好きだ。
感情でも返答でも、何かしらはリアルタイムに返ってくる。1人になる時間がない。


1人になるのは嫌だ。
酷く嫌なことを思い出す。

1人になる時、決まって思い出すのは彼女が死んだ日あの日のことだ。
彼女の作ったしがらみから解放された日。
彼女への憎しみを自覚した日。

胸の中を壊れるほど強く掻きむしりたくなるような、
痒みにも似た、
酷く不快な気持ちを抱えた日。
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