~第1幕 ハート型の確信犯~
パンっと両手を合わせて、キラキラとしたヘーゼルの瞳で見つめてくる叶詩。憂晃は、碧眼を揺らめかせ首を傾げる。
叶詩:そうだ、授業中にこの作戦の名前を考えたんだ。
憂晃:そうなんだ。気になるな。聞かせてよ。
叶詩:うん!名前は恋のショコラティエ!つまり、チョコレートに見立てた恋を叶えてあげるって事!
憂晃:良いと思う。叶詩くんの名前にも「叶える」って字が入っているし、とても素敵だよ。
叶詩:だよね!流石の僕だよ。って事で早速行こうか!
憂晃:ドキドキするね。
叶詩:ソレは僕が居るから、でしょ?
憂晃:そうだよ。成功するといいね。
叶詩:流石に本人達次第だけどね~!
叶詩と手を繋いだ憂晃は、キョロキョロと辺りを見渡している。
憂晃:(誰なんだろう…)
叶詩は、とある男子生徒の前で止まる。憂晃は、高身長で男子生徒を見下ろしている。
男子生徒B:おい、何だよ!チョコ自慢でもしにきたのか~!イケメンズがよ!
ニコっと無邪気に笑った叶詩は、憂晃の下駄箱に入っていた白い小箱を、クラスメイトにずいと見せつける。
男子生徒B:何だ、やっぱり自慢かよ。ほ、施しは要らないからな!
叶詩:そうじゃなくって、もう。頭固いな~。コレに見覚えは無い?
男子生徒B:は、見覚え?も何も、叶詩が貰ったチョコを俺が知るか!
叶詩:はあ…そう勘違いしているって事は、気付いていなかったんだね。
男子生徒B:え?何が?も、もしかしてそのチョコ…!
憂晃:(演技が上手いな。叶詩くんは。ボクの叶詩くんは凄い…)
叶詩:そうだよ!君の急いで入れたんだろうね、靴箱からはみ出して落ちてきそうだったから、回収させて貰ったけど、正真正銘。君のチョコだよ!
男子生徒B:マジか~!?何その、アレ!語彙力!
とにかく、もう!崇拝していいか?
叶詩:中身は?誰からなのさ。
憂晃:(叶詩くんもボクも知っているんだけどね…)
男子生徒B:この際義理チョコでも友チョコでもいい!
涙をドバドバ流しながら中身を開け、メッセージカードに書かれている名前に気が付いた男子生徒Bは、くわっと目を見開く。
男子生徒B:お、い…このチョコ…
ぼーっと男子生徒Bを見ている憂晃の肩をトントンと叩いた叶詩は、ウインクしてみせる。
叶詩:もう僕達の伝えたい事は伝わったみたいだよ。行こうか。
憂晃:…ん。わかった。
先にスマートにその場を離れた叶詩を追って、憂晃も歩きだす。
叶詩:どうやら、大成功みたいだね~♪
憂晃:こっちサイドは、ね。
叶詩:おやおや?僕達の出来る事はしたから、もう後は本人達の問題だよ?
どうしちゃったのかな~。僕の可愛い憂晃くんは心配性なんだから。
憂晃:んー、そうだね。疲れてしまったのかな。
叶詩:だったら、お家に叶詩くん特製チョコレートがあるけれど、食べてくれる?
「断り王子の憂晃くん」♪
憂晃:喜んで。そんなあだ名が付いていただなんて知らなかった。
叶詩:でも、中学校の時は「1年女子のトラウマ」ってあだ名だったし、マシにはなってると思うよ?
小学生の時は「チョコ嫌いの憂晃くん」とも呼ばれてたし、結局どこでもそうなっちゃうみたいだね。
憂晃:チョコ、好きなのに。
しゅーんと落ち込んでいる憂晃をゆっくり抱き締める叶詩。
叶詩:甘いモノ全般好きなのにね?でも、受け取らないなら僕以外、事実を知らなくてもいいよね。
ぱっと離した叶詩は、とても機嫌が良さそうだ。
そんな彼を見て、憂晃もつられて笑顔になる。
憂晃:どんなチョコなのか、今から楽しみだよ。
叶詩:ホワイトデー、楽しみにしてるからね?僕だけの王子くん!
叶詩:そうだ、授業中にこの作戦の名前を考えたんだ。
憂晃:そうなんだ。気になるな。聞かせてよ。
叶詩:うん!名前は恋のショコラティエ!つまり、チョコレートに見立てた恋を叶えてあげるって事!
憂晃:良いと思う。叶詩くんの名前にも「叶える」って字が入っているし、とても素敵だよ。
叶詩:だよね!流石の僕だよ。って事で早速行こうか!
憂晃:ドキドキするね。
叶詩:ソレは僕が居るから、でしょ?
憂晃:そうだよ。成功するといいね。
叶詩:流石に本人達次第だけどね~!
叶詩と手を繋いだ憂晃は、キョロキョロと辺りを見渡している。
憂晃:(誰なんだろう…)
叶詩は、とある男子生徒の前で止まる。憂晃は、高身長で男子生徒を見下ろしている。
男子生徒B:おい、何だよ!チョコ自慢でもしにきたのか~!イケメンズがよ!
ニコっと無邪気に笑った叶詩は、憂晃の下駄箱に入っていた白い小箱を、クラスメイトにずいと見せつける。
男子生徒B:何だ、やっぱり自慢かよ。ほ、施しは要らないからな!
叶詩:そうじゃなくって、もう。頭固いな~。コレに見覚えは無い?
男子生徒B:は、見覚え?も何も、叶詩が貰ったチョコを俺が知るか!
叶詩:はあ…そう勘違いしているって事は、気付いていなかったんだね。
男子生徒B:え?何が?も、もしかしてそのチョコ…!
憂晃:(演技が上手いな。叶詩くんは。ボクの叶詩くんは凄い…)
叶詩:そうだよ!君の急いで入れたんだろうね、靴箱からはみ出して落ちてきそうだったから、回収させて貰ったけど、正真正銘。君のチョコだよ!
男子生徒B:マジか~!?何その、アレ!語彙力!
とにかく、もう!崇拝していいか?
叶詩:中身は?誰からなのさ。
憂晃:(叶詩くんもボクも知っているんだけどね…)
男子生徒B:この際義理チョコでも友チョコでもいい!
涙をドバドバ流しながら中身を開け、メッセージカードに書かれている名前に気が付いた男子生徒Bは、くわっと目を見開く。
男子生徒B:お、い…このチョコ…
ぼーっと男子生徒Bを見ている憂晃の肩をトントンと叩いた叶詩は、ウインクしてみせる。
叶詩:もう僕達の伝えたい事は伝わったみたいだよ。行こうか。
憂晃:…ん。わかった。
先にスマートにその場を離れた叶詩を追って、憂晃も歩きだす。
叶詩:どうやら、大成功みたいだね~♪
憂晃:こっちサイドは、ね。
叶詩:おやおや?僕達の出来る事はしたから、もう後は本人達の問題だよ?
どうしちゃったのかな~。僕の可愛い憂晃くんは心配性なんだから。
憂晃:んー、そうだね。疲れてしまったのかな。
叶詩:だったら、お家に叶詩くん特製チョコレートがあるけれど、食べてくれる?
「断り王子の憂晃くん」♪
憂晃:喜んで。そんなあだ名が付いていただなんて知らなかった。
叶詩:でも、中学校の時は「1年女子のトラウマ」ってあだ名だったし、マシにはなってると思うよ?
小学生の時は「チョコ嫌いの憂晃くん」とも呼ばれてたし、結局どこでもそうなっちゃうみたいだね。
憂晃:チョコ、好きなのに。
しゅーんと落ち込んでいる憂晃をゆっくり抱き締める叶詩。
叶詩:甘いモノ全般好きなのにね?でも、受け取らないなら僕以外、事実を知らなくてもいいよね。
ぱっと離した叶詩は、とても機嫌が良さそうだ。
そんな彼を見て、憂晃もつられて笑顔になる。
憂晃:どんなチョコなのか、今から楽しみだよ。
叶詩:ホワイトデー、楽しみにしてるからね?僕だけの王子くん!
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