~第1幕 利口な生き方の提案を致します~
桜伽:というか、この流れで先程の小生の発言を無かった事にしようとしていませんか?小生は至って真面目ですよ。
男達:…
桜伽:黙って目を背けないでください。そうやって現実から目を背け続けているから、小生の玩具にされるのですよ。いいですか。
男達:(言っちゃったよ…)
桜伽:真面目な話。痴漢して裁判沙汰になって相手にお金を払うより、安く性欲を満たす事が出来る方法なんて、ある程度は用意されていますから。
男A:はっ。真面目くんだな。超有名俳優なだけある。流石だな。
桜伽:あくまで合法的に済ませればいい話ではないですか。どうせ通りすがりの女性に声を掛け回っているんですよね。
男B:…まあ。
桜伽:ソレ、誰でもいいって事じゃないですか。その生き方は利口ではないと断言出来ます。しかも複数人だと効率も確率もぐんと下がります。
男C:じゃあ…桜伽クンがいいお店紹介してくれよ…!
男A:(ナイスだ。コイツがそういう店を紹介したっていう事実があれば…ククッ…ある事無い事タレこんでやる。)
桜伽:残念ながら、小生はそういったお店とは縁が無いので…ソレは不可能です。
男A:(イケメンがよォ!)
男B:(モテモテ俳優がァ!)
男C:(解釈一致)
桜伽:それにですよ?貴方達ってある意味利用されているの、おわかりですか?
男A:お前にな?
零:桜伽にじゃねえよ。
男B:はあ?コイツ以外に誰にだって言うんだよ!
男C:本当なのか…?その話。
零:見ろ。さっきの女のツイートだ。
そう言った零はタバコを咥えたまま、スマホを男達に見せる。
画面は、書き込みサイトの女性のアカウントのホーム欄のようで、スライドしていくと新規の書き込みが閲覧出来る。
女性アカウント:ナンパされちゃった。しかも3人の男性に…一気に…怖いよ…(>_<)
その書き込みに対する男性と思われるアカウントの返信。
男性アカウント:大丈夫?良ければ相談乗るよ。俺で良ければ、だけど。(笑)
ここまで男達が読んだ事を確認すると、零はスマホを取り上げる。
零:お前らがああいう事をすると、寧ろ助かっているんだよ。この返信している男が、な。お前らは女を弱らせる、男はそこに付け込む。
桜伽:世界とはそういうモノなのです。
零:女は清楚ぶれるし、男も話かける良いきっかけになる。
桜伽:貴方達が恋のキューピットなら良いのですが…そうでないのなら…ふふ。どんな気分ですか?
男達:…
桜伽:悪い事をしていると思っていた筈が、実際は踏み台にされている気持ち。悪い事をしている自分に酔っていた貴方達はどう感じますか?
零:見下され、憐れまれ、会話のネタにしかならない存在。
桜伽:それでも続けるというのであれば、今回は多めに見て差し上げます。
零:(飽きただけだろ…)
桜伽:それでは。小生達は忙しいので。
桜伽はポニーテールを揺らし、踵を返す。
零もタバコの火を灰皿で消し、怠そうについていく。
男A:待ってくれ。
桜伽は、男達に背中を向けたまま、立ち止まる。
男A:俺ら、これから…これから…
零がライターをしまう。
男A:Hな店に行ってきます!
桜伽:ふっ…
そのまま振り返る事はなく、2人はその公園から去って行く。
桜伽:また1つ。世間様にとって良い事をしてしまいました。
零:良い事をした?何を言っている。まだ探偵としての依頼は1つもこなしてないんだぞ。
桜伽:わかっていませんね。彼らの興味を引いた時点でソレは完璧な依頼でしょう。
零:じゃあ聞くが、報酬は?
桜伽:今頃、1人のポケットの中から零の名刺が見つかっている筈です。いずれ会いに来ますよ。正式な依頼人として。
零:今度来た時は毟り取ってやるからな。アイツら。
桜伽:まあ、次は零の言う通り、依頼に集中しましょうか。
零:お遊びが多過ぎるんだよ。最初から依頼に集中しろ。
桜伽:そうですね。小生は零の助手ですから。
零:本当に自分勝手な助手だな。
桜伽:でも有能でしょう?
零:性格にかなりの問題はあるがな。
2人は、ひと時の暇潰しを終えると、当初の依頼を達成すべく、次の目的地へと歩みを進めた。
男達:…
桜伽:黙って目を背けないでください。そうやって現実から目を背け続けているから、小生の玩具にされるのですよ。いいですか。
男達:(言っちゃったよ…)
桜伽:真面目な話。痴漢して裁判沙汰になって相手にお金を払うより、安く性欲を満たす事が出来る方法なんて、ある程度は用意されていますから。
男A:はっ。真面目くんだな。超有名俳優なだけある。流石だな。
桜伽:あくまで合法的に済ませればいい話ではないですか。どうせ通りすがりの女性に声を掛け回っているんですよね。
男B:…まあ。
桜伽:ソレ、誰でもいいって事じゃないですか。その生き方は利口ではないと断言出来ます。しかも複数人だと効率も確率もぐんと下がります。
男C:じゃあ…桜伽クンがいいお店紹介してくれよ…!
男A:(ナイスだ。コイツがそういう店を紹介したっていう事実があれば…ククッ…ある事無い事タレこんでやる。)
桜伽:残念ながら、小生はそういったお店とは縁が無いので…ソレは不可能です。
男A:(イケメンがよォ!)
男B:(モテモテ俳優がァ!)
男C:(解釈一致)
桜伽:それにですよ?貴方達ってある意味利用されているの、おわかりですか?
男A:お前にな?
零:桜伽にじゃねえよ。
男B:はあ?コイツ以外に誰にだって言うんだよ!
男C:本当なのか…?その話。
零:見ろ。さっきの女のツイートだ。
そう言った零はタバコを咥えたまま、スマホを男達に見せる。
画面は、書き込みサイトの女性のアカウントのホーム欄のようで、スライドしていくと新規の書き込みが閲覧出来る。
女性アカウント:ナンパされちゃった。しかも3人の男性に…一気に…怖いよ…(>_<)
その書き込みに対する男性と思われるアカウントの返信。
男性アカウント:大丈夫?良ければ相談乗るよ。俺で良ければ、だけど。(笑)
ここまで男達が読んだ事を確認すると、零はスマホを取り上げる。
零:お前らがああいう事をすると、寧ろ助かっているんだよ。この返信している男が、な。お前らは女を弱らせる、男はそこに付け込む。
桜伽:世界とはそういうモノなのです。
零:女は清楚ぶれるし、男も話かける良いきっかけになる。
桜伽:貴方達が恋のキューピットなら良いのですが…そうでないのなら…ふふ。どんな気分ですか?
男達:…
桜伽:悪い事をしていると思っていた筈が、実際は踏み台にされている気持ち。悪い事をしている自分に酔っていた貴方達はどう感じますか?
零:見下され、憐れまれ、会話のネタにしかならない存在。
桜伽:それでも続けるというのであれば、今回は多めに見て差し上げます。
零:(飽きただけだろ…)
桜伽:それでは。小生達は忙しいので。
桜伽はポニーテールを揺らし、踵を返す。
零もタバコの火を灰皿で消し、怠そうについていく。
男A:待ってくれ。
桜伽は、男達に背中を向けたまま、立ち止まる。
男A:俺ら、これから…これから…
零がライターをしまう。
男A:Hな店に行ってきます!
桜伽:ふっ…
そのまま振り返る事はなく、2人はその公園から去って行く。
桜伽:また1つ。世間様にとって良い事をしてしまいました。
零:良い事をした?何を言っている。まだ探偵としての依頼は1つもこなしてないんだぞ。
桜伽:わかっていませんね。彼らの興味を引いた時点でソレは完璧な依頼でしょう。
零:じゃあ聞くが、報酬は?
桜伽:今頃、1人のポケットの中から零の名刺が見つかっている筈です。いずれ会いに来ますよ。正式な依頼人として。
零:今度来た時は毟り取ってやるからな。アイツら。
桜伽:まあ、次は零の言う通り、依頼に集中しましょうか。
零:お遊びが多過ぎるんだよ。最初から依頼に集中しろ。
桜伽:そうですね。小生は零の助手ですから。
零:本当に自分勝手な助手だな。
桜伽:でも有能でしょう?
零:性格にかなりの問題はあるがな。
2人は、ひと時の暇潰しを終えると、当初の依頼を達成すべく、次の目的地へと歩みを進めた。