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~第1幕 利口な生き方の提案を致します~

木漏れ日が心地いい公園。
その雰囲気は、この場所に居る人間を少しだけ穏やかな気持ちにさせる。
そこを通りかかる、体格のいい探偵と美しい俳優の2人組。
桜伽:いい晴天です。今日は散歩日和ですね〜。
零:散歩に来た訳じゃないだろ。依頼を引き受けたのはお前なんだから、きちんと仕事しろよ。
桜伽:そう言って…零…小生に期待なんてしていない癖に。
零:する訳無いだろ。奇人。
桜伽:酷い言い草ですねぇ。小生…涙が…
零:嘘泣きなんてやめろ。

???:やっ、やめてくださいっ!
桜伽:んむ?
零:騒がしいな。
2人が声のした方へ目をやると、1人の女性が3人の若者に絡まれていた。
男A:ちょっとくらいいいじゃんか…減るもんでもないし…
男B:先っちょだけのお付き合い♡
男C:ちょ、ソレモロじゃん!
男達:ギャハハハハ!

桜伽:…不穏な空気ですね。
零:ヤバそうだったら止めるか。
桜伽:おっと。あの零が。珍しい。
零:あの女を依頼人に仕立てあげればいいだけだろ。ただの探偵業だ。
桜伽:ふむ。しかし心配は要りません、零。
零:あ?
桜伽:小生に名案が浮かんだので。
そう言った俳優は、探偵の胸に指を当て、悪戯っぽく笑みを浮かべた。
零:はあ…ロクな事にならない気がしてきたな…
桜伽:とりあえず少し泳がせてみますか。
???:ピッ!

桜伽:ちょっと待ってください!そこのゴロツキ達っ!
男達:ああ?
男A:何だ兄ちゃん。綺麗な顔してるじゃん。代わりになってくれるの?
男B:お前男もいけるのかよ!ま、まあ、コイツなら俺もやぶさかでは…
男C:ってかコイツ…俳優の空話 桜伽じゃね?
男A:マジかよ!ウケる!え、何かのドッキリ?

零:(言った通りじゃねえか…止めるか?)
桜伽:貴方達には、痴漢及び脅迫の疑いがかかっています。
男A:は?
桜伽:証人は小生。そしてもう1人。
零:(俺の名前出すなよ。)
男B:何グチグチ言ってんだ?やんのか?ああ?
桜伽:恐らく全員前科持ちでしょう。まだ裁かれていない、ね。
男C:…なっ!

桜伽:ここに盗聴器があります。決定的な証人、決定的な証拠。裁判はトントン拍子で進むでしょうね。
零:(言ってみたかっただけだろ…)
男A:へえ…なら…
男B:その機械。ちょっと貸してくれよ。桜伽クン?
男C:いい子にしてたら痛くしないかもよ?
桜伽:…
零:(こっちを見るな。俺は他人のフリを決め込む。それに…それくらいのゴロツキなんて、1人で何とか出来るだろ)

桜伽:全く。おいたが過ぎますよ。正当防衛で捻り潰しますか。
男A:やるぅ!流石、超有名俳優!言う事が違うねえ!
男B:泣き顔はどんな顔かな?さぞ高値で売れるだろうな?
男C:拉致もアリだな。
桜伽:あ、因みにですが…
男達:ああ?
桜伽:後ろ。あの女性逃げましたよ。
男達:ああ!?
男達は全員後ろを向く。

桜伽:駄目じゃないですか。小生から目を離しては。

数秒後…
ドサドサっと次から次へと倒れていく男達。
桜伽:はい。ゴロツキタワー完成です。何だ、見掛け倒しですか。
男A:お前…その杖…テレビでもよく見るから気に入っている小物かと思っていたら…仕込み杖って…
桜伽:お気に入りの小物ですよ♡
男B:いつも仕込み杖持って歩いているとかヤバ過ぎ…
男C:コイツどこかおかしいって…しかも何でこんなに強いんだよ…ただの俳優だろ…
桜伽:小生…か弱い俳優なので…貴方達が手加減してくださって大変好都合でした…!ご協力ありがとうございます…!
男A:な、殴りてえ。
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