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~第2幕 月と薬 研ぎ澄まされた正義 🌙×💊(やときわ)~

小研:あ、プリンもう1つあるけど食べていい?
夜斗:好きにしろ。食え。そして大きくなれ。
小研:流石にもう大きくはならないだろ。しかもプリンで…
夜斗:それもそうだな。っていうかお前がソレ言うんだな。
小研:ボクは夜斗と違ってリアリストだから。
夜斗:じゃあ俺は何だよ。

小研:間違いなくロマンチスト。
夜斗:おお、確かにそうかもな。
首の後ろで腕を組みながら、天井に向かって言葉を零した。
小研:誰に話しかけてるの?浮気?

夜斗:二言目で「浮気」は無いだろ。お前。空気が浮気に入るのなら呼吸出来ねえよ。
小研:じゃあ、もう呼吸するな。
夜斗:死ねってか?
小研:1回、ゆっくり休む時間を設けろ。
夜斗:…?

小研:夜斗、道場で最近刀持ってる時、凄く怖い顔をしている時がある。
夜斗:そうか?気のせいじゃ…
小研:気のせいじゃない。ボクが何年夜斗の事を見てきたと思ってる。それともこのボクを疑うの?
夜斗:そうか…そうなっちまうか…

小研:下手に隠そうとしても無駄だよ。何て言ってもボクは医学部のエリートなんだから。
夜斗:…そうだな。最近、無自覚に思い詰めているのかもな。
小研:温泉入って落ち着こう?
夜斗:…そうするか。
小研:そうしやがれ。

夜斗はゆっくりと立ち上がり、座っている小研に手を差し伸べる。
夜斗:ほら、行くぞ。
小研:(いつも、手を差し伸べるのは夜斗…か。)
夜斗:どうした?
小研:いいや、何でもないね。行こう!

2人は、獅子神家の小さな温泉で、日々の疲れを癒した。
夜斗の心に、そっと触れる小さく優しい手。
ソレは紛れもなく小研の手だ。
その手を誰にも傷付けさせたくない。
夜斗は、自分の手のひらを見つめながら、決意を固めていた。

しかし、小研との日々は、確実に夜斗の心を洗っていく。
温泉から出た夜斗は…
また、青い青い正義を、腰にぶら下げた。
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