~第1幕 カルティック・ショットガン~
教団生まれ教団育ちの人間が、教団を抜けて社会に出たいだなんて…
世界にすら疎まれる存在であろう僕に、帰る場所なんてない。
僕はきっと、教団からしても邪魔で排除されるべき人間だ。
飛び出したところで、特に何をする、だとかは決めていなかった。
ただ、地下でない世界を見てみたかっただけなのかも知れない。
そうだとしたら、僕は、教団の人間が追ってきて連れ戻そうとしてきたら、どうするのだろうか。
大人しく捕まるのだろうか。喜んで帰るのだろうか。
ぼんやりと考え事をしながら、抜け殻のようにあてもなく、転々と日本中を彷徨っていた。
このまま行く場所もやる事も無いのなら、いっその事、身投げでもしてみようか。
海を見つめる僕の足に、何かが当たった。
下を見てみると、ソレは気を失っている獣人だった。
狼男、と表現するのが正しいのだろうか。
初めての「外」での異種族との出会い。
暫くはどう言葉をかけていいものかと悩んでいたが、その獣人からは…
「生」の気配が殆ど感じられなかった。
――僕は息を吸い込んで、自分の手にその獣人の「生」がかかっている事を改めて確かめると、本で読んだ通りに蘇生の手順を正しく行った。
その獣人の命を助けた事から、僕の世界は色付いた気がしたんだ。
世界にすら疎まれる存在であろう僕に、帰る場所なんてない。
僕はきっと、教団からしても邪魔で排除されるべき人間だ。
飛び出したところで、特に何をする、だとかは決めていなかった。
ただ、地下でない世界を見てみたかっただけなのかも知れない。
そうだとしたら、僕は、教団の人間が追ってきて連れ戻そうとしてきたら、どうするのだろうか。
大人しく捕まるのだろうか。喜んで帰るのだろうか。
ぼんやりと考え事をしながら、抜け殻のようにあてもなく、転々と日本中を彷徨っていた。
このまま行く場所もやる事も無いのなら、いっその事、身投げでもしてみようか。
海を見つめる僕の足に、何かが当たった。
下を見てみると、ソレは気を失っている獣人だった。
狼男、と表現するのが正しいのだろうか。
初めての「外」での異種族との出会い。
暫くはどう言葉をかけていいものかと悩んでいたが、その獣人からは…
「生」の気配が殆ど感じられなかった。
――僕は息を吸い込んで、自分の手にその獣人の「生」がかかっている事を改めて確かめると、本で読んだ通りに蘇生の手順を正しく行った。
その獣人の命を助けた事から、僕の世界は色付いた気がしたんだ。