1章 新しい職場
あなたのお名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
朝の会議後、桜は張り切っていた。
そう、昨日言われた巡回である。潜入等ではない、桜として隊服を着て、町の安全を守るのだ。
近「しっかし刀がないのは少し心配だなあ。」
桜「近藤さん。心配ありません。私は刀を持たずに身を守ってきたんですよ?それに、私も好きな武具を携帯させてますし。」
近「そうなの?でもトシのそばを離れちゃだめだよ?」
さながらはじめてのおつかいに出させる親の気分である。
隊服の腰から下は前が空いたままで脚が出てしまうのも、昨日はエロいだなんだ言っていたがよそに見られるのは気に食わないらしい。
土「いくぞ、桜。」
桜「はいっ!」
運転すると言ったのだがじゃあ今日は俺なと言われ、桜は助手席に乗っている。
アザミでの5年の訓練で、バイクや乗用車は普通に乗りこなせる。肩を気遣っての行動だろうと、申し訳なく思う。
巡回は決められた道を進んでいき、桜がナビをしながら細かい地理を把握していく。
土「土地は、把握してるか?」
煙草を吹かしながら流し目で聞く。
桜「はいっ。あ、あちらの方は随分派手ですね。」
指をさした場所をみれば歌舞伎町だ。煩いわけである。
土「あそこは歌舞伎町だ。まあ巡回では幾らでも点数が稼げるところだな。しょっちゅう呼ばれる。まあお前は私生活ではいかなさそうだけどな。」
桜「土方さんは?」
煙草の紫煙を窓へと吐き出すと土方は言った。
土「俺もだ。」
そう言ってカーブに差し掛かると賑やかな通りは見えなくなる。
キャバクラやホストの看板があるそんな通りには、確かに行かなさそうだ。そう思っていた。
まさかあんなにあの町によく足を運ぶ事になるなんて。
昼を簡単に済ませ、2人がパトカーにまた乗り込もうとした時だった。
「きゃーーーっ!」
歌舞伎町の方である。
甲高い声にただ事ではない気配を感じた2人は目を合わせた後走り出す。
現場は通りで起こっていた。酒の入った帯刀した男2人が、剣を抜いて対峙していると。近くにいた女性が怪我をしたらしい。
柄の悪い野次馬がはやし立て、まだ2人は刀を抜いたままだった。
土「歌舞伎町○○通り、スナックハッピーの前、女性が一人・・・・」
土方は的確に簡易処置を施し、素早く救急車を呼び寄せる。
土「おい桜、奴等の後ろから一気に・・・!?クソっ勝手に動くなっての。」
桜は土方の傍にいなかった。
ガラの悪い人達を掻き分けて、刀を抜いている2人の目の前まで来たのである。
桜は息を大きく吸い込むと、
桜「ねえ!」
と叫んだ。
男1「あ゛あ?・・・なんだこの女。」
男2「なんか見た事ある服だな。」
桜「そんな事は、どうだっていいの。・・・貴方達女性に怪我をさせたの。謝って済む話じゃないのよ。」
男1「うるせえな!良い顔してるからって俺らが切らねえとでも、思ってんのかよ!」
男2「ハハハ!ちょっと怖がらせて素っ裸にしてやるよ!」
酒の入った2人は刀を振りかざし、桜に襲い掛かる。
周りから悲鳴が聞こえるが、桜の表情は何一つ変わらなかった。
二つの刃が振られれば、一振り目は足で捌き、一方は扇子で受け止める。
男12「「なっ!?」」
桜「ーな?」
男1「て、鉄扇・・・・」
足で捌いた方の男がもう一度振り上げると、桜は振り上げられた力と共に中を飛び、
男12「「ぐぅ・・・っ」」
鉄扇で急所をついて、2人をあっという間に気絶させてしまったのである。
うおおお!やるなあ姉ちゃんっ可愛い顔してどこの組のもんだ!?等と矢継ぎ早にはやしたてられ、近くにあるビルの上からも、見守っていたスナックのママ達から歓声の声があがった。
土方はやっと人込みから出て桜が片づけてしまった事がわかると溜息を吐き、警察手帳を周囲に見せた。
土「警察だ!傷害罪の罪で現行犯逮捕させてもらうっ!」
「え・・?って事はあの女は?」
「えーっていうかあれ新選組でしょ?あの子のも同じ隊服・・・」
「すげえ!新選組に女隊士がいるぜ!」
「可愛いーっこっち向いてー!」
桜は大衆に一切目もくれず、凶器になるものを男の身から剥ぎ取り2人の手に手錠をかける。ほどなくして土方の手配したパトカーがきた。
男2人は連れられ一段落したが、女隊士がいる事で一目見たい野次馬が沢山集まってきた。
部下に処理を任せ、土方は桜の腕を掴む。
土「来い。戻るぞ」
強い力に少々怯んでしまう。(あれ、なんだか・・・。)
わざわざパトカーの助手席を空け、押し込まれる。土方も運転席に乗り込んだ所で彼の名前を呼んだ。
土「ひじかたさっ・・・」
掴まれた肩が骨に食い込んで、痛い。
土「今のは小者だったから問題なかったが、帯刀もしてない桜が勝手に動いていいと思うなよ。」
桜「すみません・・・」
土「すみませんじゃねえ。心配してんだよ!。今度こういう現場があった時は、きちんと俺の指示を聞く事。側近が、出張るんじゃねえ。俺の近くで仕えるのが、側近だろうが。」
桜「ひじかたさん・・・」
どうやら本当に心配してくれたらしい。
本当に悪い事をしたと思った。切られて怪我をした女性をみたら、居ても立っても居られない気持ちになって、気付いたら男2人を挑発していたのである。
桜「ごめんなさい。」
桜は掴んでいる手に自分の手を置き頬を摺り寄せた。
この痛みの分だけ、心配してくれた・・・。
どうしたら伝えられるかわからなくて、本能的にとった行動である。今までこんなに心配してくれる人はいなかった。その思いに、出来る限り桜も応えたかった。
土方はそんな猫の様な桜の姿にどきりとし、自分も思った以上に感情が出てしまった事に眉間に皺を寄せ手を緩ませる。
土「いや、悪い。こんなに責めるつもりじゃなかった。最短でとっ捕まえたのは悪くねえ。・・だがペアでいるんだ。2人で、効率よくホシは押さえてくれ。」
桜「はい。」
土「戻るぞ。」
それから屯所で近藤にも大変心配されたが、無事解決に至った。次の日大江戸新聞には大きく桜が取り上げられる事になる。
<江戸を守る新選組に美女隊士現る‼>
『帯刀した男2人を扇子で一撃!。身を翻して現れたのは新選組の隊服を着た女性である。最近の・・・・』
桜「このアングル、いつ撮られたんでしょう。」
沖「やらしい写真だな。」
近「でも記事の内容すこぶるいいじゃねえか!これは新選組のイメージアップ間違い無しだな!」
土「ああ。イメージアップに加え、取り押さえたのは酒飲んだタチの悪い攘夷浪士だった。」
桜「土方さん!」
土「よくやったな。初めてにしては大手柄だよ。それと桜、お前のこの書類なんだが・・」
桜「あ、はいっ!」
と返事をし、2人は食堂から消えていく。
沖「なーんか気に食わねえ。」
近「・・・俺もだ総悟。ちょっと桜ちゃん取られちゃったきぶん。」
〔世に謳われるわ〕
そう、昨日言われた巡回である。潜入等ではない、桜として隊服を着て、町の安全を守るのだ。
近「しっかし刀がないのは少し心配だなあ。」
桜「近藤さん。心配ありません。私は刀を持たずに身を守ってきたんですよ?それに、私も好きな武具を携帯させてますし。」
近「そうなの?でもトシのそばを離れちゃだめだよ?」
さながらはじめてのおつかいに出させる親の気分である。
隊服の腰から下は前が空いたままで脚が出てしまうのも、昨日はエロいだなんだ言っていたがよそに見られるのは気に食わないらしい。
土「いくぞ、桜。」
桜「はいっ!」
運転すると言ったのだがじゃあ今日は俺なと言われ、桜は助手席に乗っている。
アザミでの5年の訓練で、バイクや乗用車は普通に乗りこなせる。肩を気遣っての行動だろうと、申し訳なく思う。
巡回は決められた道を進んでいき、桜がナビをしながら細かい地理を把握していく。
土「土地は、把握してるか?」
煙草を吹かしながら流し目で聞く。
桜「はいっ。あ、あちらの方は随分派手ですね。」
指をさした場所をみれば歌舞伎町だ。煩いわけである。
土「あそこは歌舞伎町だ。まあ巡回では幾らでも点数が稼げるところだな。しょっちゅう呼ばれる。まあお前は私生活ではいかなさそうだけどな。」
桜「土方さんは?」
煙草の紫煙を窓へと吐き出すと土方は言った。
土「俺もだ。」
そう言ってカーブに差し掛かると賑やかな通りは見えなくなる。
キャバクラやホストの看板があるそんな通りには、確かに行かなさそうだ。そう思っていた。
まさかあんなにあの町によく足を運ぶ事になるなんて。
昼を簡単に済ませ、2人がパトカーにまた乗り込もうとした時だった。
「きゃーーーっ!」
歌舞伎町の方である。
甲高い声にただ事ではない気配を感じた2人は目を合わせた後走り出す。
現場は通りで起こっていた。酒の入った帯刀した男2人が、剣を抜いて対峙していると。近くにいた女性が怪我をしたらしい。
柄の悪い野次馬がはやし立て、まだ2人は刀を抜いたままだった。
土「歌舞伎町○○通り、スナックハッピーの前、女性が一人・・・・」
土方は的確に簡易処置を施し、素早く救急車を呼び寄せる。
土「おい桜、奴等の後ろから一気に・・・!?クソっ勝手に動くなっての。」
桜は土方の傍にいなかった。
ガラの悪い人達を掻き分けて、刀を抜いている2人の目の前まで来たのである。
桜は息を大きく吸い込むと、
桜「ねえ!」
と叫んだ。
男1「あ゛あ?・・・なんだこの女。」
男2「なんか見た事ある服だな。」
桜「そんな事は、どうだっていいの。・・・貴方達女性に怪我をさせたの。謝って済む話じゃないのよ。」
男1「うるせえな!良い顔してるからって俺らが切らねえとでも、思ってんのかよ!」
男2「ハハハ!ちょっと怖がらせて素っ裸にしてやるよ!」
酒の入った2人は刀を振りかざし、桜に襲い掛かる。
周りから悲鳴が聞こえるが、桜の表情は何一つ変わらなかった。
二つの刃が振られれば、一振り目は足で捌き、一方は扇子で受け止める。
男12「「なっ!?」」
桜「ーな?」
男1「て、鉄扇・・・・」
足で捌いた方の男がもう一度振り上げると、桜は振り上げられた力と共に中を飛び、
男12「「ぐぅ・・・っ」」
鉄扇で急所をついて、2人をあっという間に気絶させてしまったのである。
うおおお!やるなあ姉ちゃんっ可愛い顔してどこの組のもんだ!?等と矢継ぎ早にはやしたてられ、近くにあるビルの上からも、見守っていたスナックのママ達から歓声の声があがった。
土方はやっと人込みから出て桜が片づけてしまった事がわかると溜息を吐き、警察手帳を周囲に見せた。
土「警察だ!傷害罪の罪で現行犯逮捕させてもらうっ!」
「え・・?って事はあの女は?」
「えーっていうかあれ新選組でしょ?あの子のも同じ隊服・・・」
「すげえ!新選組に女隊士がいるぜ!」
「可愛いーっこっち向いてー!」
桜は大衆に一切目もくれず、凶器になるものを男の身から剥ぎ取り2人の手に手錠をかける。ほどなくして土方の手配したパトカーがきた。
男2人は連れられ一段落したが、女隊士がいる事で一目見たい野次馬が沢山集まってきた。
部下に処理を任せ、土方は桜の腕を掴む。
土「来い。戻るぞ」
強い力に少々怯んでしまう。(あれ、なんだか・・・。)
わざわざパトカーの助手席を空け、押し込まれる。土方も運転席に乗り込んだ所で彼の名前を呼んだ。
土「ひじかたさっ・・・」
掴まれた肩が骨に食い込んで、痛い。
土「今のは小者だったから問題なかったが、帯刀もしてない桜が勝手に動いていいと思うなよ。」
桜「すみません・・・」
土「すみませんじゃねえ。心配してんだよ!。今度こういう現場があった時は、きちんと俺の指示を聞く事。側近が、出張るんじゃねえ。俺の近くで仕えるのが、側近だろうが。」
桜「ひじかたさん・・・」
どうやら本当に心配してくれたらしい。
本当に悪い事をしたと思った。切られて怪我をした女性をみたら、居ても立っても居られない気持ちになって、気付いたら男2人を挑発していたのである。
桜「ごめんなさい。」
桜は掴んでいる手に自分の手を置き頬を摺り寄せた。
この痛みの分だけ、心配してくれた・・・。
どうしたら伝えられるかわからなくて、本能的にとった行動である。今までこんなに心配してくれる人はいなかった。その思いに、出来る限り桜も応えたかった。
土方はそんな猫の様な桜の姿にどきりとし、自分も思った以上に感情が出てしまった事に眉間に皺を寄せ手を緩ませる。
土「いや、悪い。こんなに責めるつもりじゃなかった。最短でとっ捕まえたのは悪くねえ。・・だがペアでいるんだ。2人で、効率よくホシは押さえてくれ。」
桜「はい。」
土「戻るぞ。」
それから屯所で近藤にも大変心配されたが、無事解決に至った。次の日大江戸新聞には大きく桜が取り上げられる事になる。
<江戸を守る新選組に美女隊士現る‼>
『帯刀した男2人を扇子で一撃!。身を翻して現れたのは新選組の隊服を着た女性である。最近の・・・・』
桜「このアングル、いつ撮られたんでしょう。」
沖「やらしい写真だな。」
近「でも記事の内容すこぶるいいじゃねえか!これは新選組のイメージアップ間違い無しだな!」
土「ああ。イメージアップに加え、取り押さえたのは酒飲んだタチの悪い攘夷浪士だった。」
桜「土方さん!」
土「よくやったな。初めてにしては大手柄だよ。それと桜、お前のこの書類なんだが・・」
桜「あ、はいっ!」
と返事をし、2人は食堂から消えていく。
沖「なーんか気に食わねえ。」
近「・・・俺もだ総悟。ちょっと桜ちゃん取られちゃったきぶん。」
〔世に謳われるわ〕