1章 新しい職場
あなたのお名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
警察庁から帰宅した近藤達一向は、屯所へ帰って各々仕事についた。
桜は屯所で待機していた山崎と買い出しへ行って、帰宅する所である。
桜「助かりました。」
山「いえいえ。早く部屋もつくれちゃうといいんだけどね。今日も残念だけど客間かなあー」
買い出しはアザミの施設が襲撃で大破し、荷の少ない状態できた桜の為の買い出しだ。
それと会話の通り、桜の部屋が決まった。
書類置き場になっている為、整頓してから蔵に入れるのにもう少し自室になるには時間がかかりそうだ。
場所に関しては土方の案である。書類の山になっているこの部屋は一番奥まった所に位置し、尚且つ土方の部屋を通らないとこの部屋へは向かえない。桜の自室にするには丁度いいだろう。
帰宅するともう辺りはすっかり暗く、殆どの者が屯所に帰ってきていた。
隊士「あっ桜さん隊服じゃないっすか。」
隊士「いよいよ新選組の隊士として、活躍されるんですねっ!」
隊士「あーいいいなあ俺も一緒に巡回してえ」
和気あいあいとしている所を相槌を打ちながら通っていく。まだ自室となる部屋は、荷を置く様な状態では無い為、土方の部屋に置かせてもらうのだ。
山「副長、入りますよ。」
土「ああ。・・・随分買ったな。」
山「いやいや、あんたの大量のマヨネーズの重さとあんまり変わりませんでしたよ。」
土方は綺麗な姿勢で書類とにらめっこしていたが、気が逸れた。
桜の為に空けておいたスペースに荷を降ろすよう顎で促す。
山「帰ってからずっと片づけてらっしゃったんで?もう夕餉の用意がされてますよ。」
土「ああ、まあな。」
肩をコキコキとならす彼は集中力を持っていかれた様で、なんとなく2人の整理する様子を眺める。
視線に気づいた桜が顔をあげた。
桜「?。ひじかたさん?」
土「・・・いや、飯にするか。」
土方は桜に微笑んだ。
今日の夕餉はクリームシチューがメインである。美味しい。クルミパンも美味しい。桜は一口一口味わって食べていた。
隣はトロっとしたシチューがもったりするまでマヨネーズをかけ、啜っている。
桜「土方さん・・・やっぱり気になります。せめて味わってからそのマヨネーズかけてあげてください。」
土「んあ?、明日な。」
(うあー嘘くさい・・・)
桜「クルミパンも美味しいですよ。トーストしたから、ほら。」
桜はクルミパンを一口だいにちぎって土方の口に持っていった。その自然な動作に、特に気にもせず土方はその白い手に食いつく。クルミパンは美味しいと感じた。だが自分の行動が不味かった。
沖「へえー?土方さん。桜に甲斐甲斐しくみてもらって?自分の近い所に置いて何する気でさあ」
山「痛っ!なんで俺!?」
土「あっ!?いや、今のは不可抗力でだなっ」
沖「俺にも食べさせてくだせえ桜ァ。今日病院に着くなり逃げやがって。土方さんには甘えてんじゃねえ。」
桜「いやいや総悟、私のその手にパン持ってない持ってない!いやああーーっ!」
急に騒がしくなった。
今まで粛々としていた彼らも沖田の登場で一瞬で引っ掻き回される事となった。
収集がつかなくなりそうになってきた時、食堂の入り口が物凄い勢いで開かれた。
近「ねえ聞いてよーっ」
近藤である。なぜか身なりが昼間にあった時よりボロボロである。
近藤が来た事で、沖田の桜を掴む腕が緩んだ。
近「さっきまでお妙さんのとこにいたんだけどっ、それがさあーかくれんぼしてたらお妙さんすぐに俺の事見つけちゃって。愛を再確認してしまったというか。」
皆その言葉に返してやる言葉がない。
桜「・・・一緒にかくれんぼしてくださるなんて、無邪気なお方ですね。」
近「でしょー?桜ちゃんっ!。桜ちゃんはわかってるよねえー。聞いてくれる?」
桜「はい、勿論。でも近藤さんお召し物が汚れてしまっています。随分汚れてしまっていますので、
先に湯あみをされては?。」
近藤を見事に動かしてしまった桜におおーという感嘆の声があがった。大方近藤はいつもの妙のストーキングで妙に見つかり、帰ってきたのだろう。彼はその後が長いのだ。妙の良さを語り始めたら、始末書を何枚か作成出来る程だ。
じゃあ行ってこようかな!と笑顔の近藤は踵を返していく。
山「俺ら、何してたんでしたっけ。」
土「さあな。」
夕餉を食べ終えた土方は、また文机と対峙していた。
桜「土方さん」
土「あ?なんだ?」
スッと障子戸が開くと風呂上りの桜が姿を現した。
土「どうした?風呂、覗きでもいたのか?」
桜「そんな事ないですっ。まだ灯りがみえたので、お茶をお持ち致しました。」
土「おお。助かる。」
盆に乗ったのは土方専用の湯飲みで、まだ熱いお茶をぐいと飲む。
土「うめえ。」
桜「ふふふ。またマヨネーズをかけられるのかと思いましたよ。」
土「いや、いらねえ。美味い。」
桜「・・・・。ふふふ。」
本当に美味しそうにしている土方に桜は素直に喜んだ。日頃剣しか持ってない様な男共である。ちゃんとお茶の入れ方通りにやればそんなに不味い物にはならないはずなのだが、こないだ煎れた山崎のほうじ茶は舌が痺れた位だ。
それに風呂上りの彼女のいい匂いがする。すっかり土方は桜に癒されていた。
毛伸びをひとつすれば、書類を見ても?というので桜の勝手にさせる。
土「どうだ、できそうか?」
桜「はい、問題ないと思います。ちなみに、新選組はタブレット等は支給されてますでしょうか。」
土「ああ。あるにはあるんだが、埃被ってるかもしれねえ。」
桜「成る程、願書は筆を執られる方がいいですが、こちらの報告書はタブレットで作成してしまった方が早そうですね。」
土「なんだ出来る口か。全然出来る奴がいないんだ。現場は対外アナログで、清書は巡回後に皆対外やっている。」
桜「これ、兵力強化要員で派遣されたのであれば、電子器具の支給とか求めたら許可降りそうですよね。」
土「良い事考えるな。まあ予算ないし平隊士が使えなかったらダメなんだがな。明日とりあえず手伝ってくれ。日中の巡回もしてもらおうと思ってる。」
桜「はい。」
土「それと、桜、お前包帯巻きに来たんだろ?」
桜「あ・・・よくおわかりで。」
きっかけが出来たので包帯をとり、部屋を出ようとする
土「おい桜、何の為に今言ったと思ってる。」
桜「え、」
ちょっと怒った様な声音を出されてしまいびくっとしながら桜は振り向くと、文机を脇に避けて胡坐をかいた自身の前の座布団をトントンと叩く。
そういえば、と昨日の失態を思い起こせば桜の顔は真っ赤になった。
(そうだった。昨日私の包帯変えたり浴衣着つけてくれてるの、土方さんじゃない。)
土方はそんな桜に笑いかけ、
土「取って食やしねえよ。ほら、おいで。」
桜「・・・・。」
桜は座布団にそっと座るのだった。
髪をアップにし、帯を取って上半身だけ肌蹴させる。真っ白い肌が現れるが、まだ縫ったままの傷口は痛々しい。縫った上から、透明なテープが貼られている。
土「桜、文机に肘おけ、」
桜「はい。・・・」
無駄のない包帯の巻き方に関心しているとふと土方が疑問を口にした。
土「そういやお前、昨日の事はどこまで覚えてんだ?」
桜「あ。えっとですね、総悟にたらふくお酒入れられて、土方さんがいらして、見上げたのは覚えています。・・・いや本当、ご迷惑お掛けしました。背中見せながら言う事ではないのですが、」
土「ああ、別にいい。成る程な。じゃあほぼ記憶飛んじまってるのか。」
(じゃあ泣きついてきたのは覚えてねえか。あれは総悟がけしかけて怯えていた訳ではねえな。もっと別の・・・)
桜「あ の、土方さん私何か他にも粗相を・・・?」
眉を下げて申し訳なさそうにこちらを見る桜を小突く。
土「大丈夫だ。それより、これでいいか?」
綺麗に包帯が巻いてある。動きも、問題ない。
桜「はい。有難うございます。」
そう言って肌蹴た浴衣を着直し、帯を作り直す。土方はなんとなくその着直す姿をボーっと見てしまっていた。
(手当の時は手当と思ってなんも思わないようにしてたが、)
土「そそるな。」
桜「え?」
心の声が漏れてしまった土方は咳払いをして煙草に火を付ける。
土「いや、なんでもねえよ。もう寝る。おやすみ、桜。」
桜「はい。有難うございました。おやすみなさい、土方さん」
桜は客間へと出ていった。
少し温くなった残りのお茶は、やはり美味しい。
〔束の間〕
桜は屯所で待機していた山崎と買い出しへ行って、帰宅する所である。
桜「助かりました。」
山「いえいえ。早く部屋もつくれちゃうといいんだけどね。今日も残念だけど客間かなあー」
買い出しはアザミの施設が襲撃で大破し、荷の少ない状態できた桜の為の買い出しだ。
それと会話の通り、桜の部屋が決まった。
書類置き場になっている為、整頓してから蔵に入れるのにもう少し自室になるには時間がかかりそうだ。
場所に関しては土方の案である。書類の山になっているこの部屋は一番奥まった所に位置し、尚且つ土方の部屋を通らないとこの部屋へは向かえない。桜の自室にするには丁度いいだろう。
帰宅するともう辺りはすっかり暗く、殆どの者が屯所に帰ってきていた。
隊士「あっ桜さん隊服じゃないっすか。」
隊士「いよいよ新選組の隊士として、活躍されるんですねっ!」
隊士「あーいいいなあ俺も一緒に巡回してえ」
和気あいあいとしている所を相槌を打ちながら通っていく。まだ自室となる部屋は、荷を置く様な状態では無い為、土方の部屋に置かせてもらうのだ。
山「副長、入りますよ。」
土「ああ。・・・随分買ったな。」
山「いやいや、あんたの大量のマヨネーズの重さとあんまり変わりませんでしたよ。」
土方は綺麗な姿勢で書類とにらめっこしていたが、気が逸れた。
桜の為に空けておいたスペースに荷を降ろすよう顎で促す。
山「帰ってからずっと片づけてらっしゃったんで?もう夕餉の用意がされてますよ。」
土「ああ、まあな。」
肩をコキコキとならす彼は集中力を持っていかれた様で、なんとなく2人の整理する様子を眺める。
視線に気づいた桜が顔をあげた。
桜「?。ひじかたさん?」
土「・・・いや、飯にするか。」
土方は桜に微笑んだ。
今日の夕餉はクリームシチューがメインである。美味しい。クルミパンも美味しい。桜は一口一口味わって食べていた。
隣はトロっとしたシチューがもったりするまでマヨネーズをかけ、啜っている。
桜「土方さん・・・やっぱり気になります。せめて味わってからそのマヨネーズかけてあげてください。」
土「んあ?、明日な。」
(うあー嘘くさい・・・)
桜「クルミパンも美味しいですよ。トーストしたから、ほら。」
桜はクルミパンを一口だいにちぎって土方の口に持っていった。その自然な動作に、特に気にもせず土方はその白い手に食いつく。クルミパンは美味しいと感じた。だが自分の行動が不味かった。
沖「へえー?土方さん。桜に甲斐甲斐しくみてもらって?自分の近い所に置いて何する気でさあ」
山「痛っ!なんで俺!?」
土「あっ!?いや、今のは不可抗力でだなっ」
沖「俺にも食べさせてくだせえ桜ァ。今日病院に着くなり逃げやがって。土方さんには甘えてんじゃねえ。」
桜「いやいや総悟、私のその手にパン持ってない持ってない!いやああーーっ!」
急に騒がしくなった。
今まで粛々としていた彼らも沖田の登場で一瞬で引っ掻き回される事となった。
収集がつかなくなりそうになってきた時、食堂の入り口が物凄い勢いで開かれた。
近「ねえ聞いてよーっ」
近藤である。なぜか身なりが昼間にあった時よりボロボロである。
近藤が来た事で、沖田の桜を掴む腕が緩んだ。
近「さっきまでお妙さんのとこにいたんだけどっ、それがさあーかくれんぼしてたらお妙さんすぐに俺の事見つけちゃって。愛を再確認してしまったというか。」
皆その言葉に返してやる言葉がない。
桜「・・・一緒にかくれんぼしてくださるなんて、無邪気なお方ですね。」
近「でしょー?桜ちゃんっ!。桜ちゃんはわかってるよねえー。聞いてくれる?」
桜「はい、勿論。でも近藤さんお召し物が汚れてしまっています。随分汚れてしまっていますので、
先に湯あみをされては?。」
近藤を見事に動かしてしまった桜におおーという感嘆の声があがった。大方近藤はいつもの妙のストーキングで妙に見つかり、帰ってきたのだろう。彼はその後が長いのだ。妙の良さを語り始めたら、始末書を何枚か作成出来る程だ。
じゃあ行ってこようかな!と笑顔の近藤は踵を返していく。
山「俺ら、何してたんでしたっけ。」
土「さあな。」
夕餉を食べ終えた土方は、また文机と対峙していた。
桜「土方さん」
土「あ?なんだ?」
スッと障子戸が開くと風呂上りの桜が姿を現した。
土「どうした?風呂、覗きでもいたのか?」
桜「そんな事ないですっ。まだ灯りがみえたので、お茶をお持ち致しました。」
土「おお。助かる。」
盆に乗ったのは土方専用の湯飲みで、まだ熱いお茶をぐいと飲む。
土「うめえ。」
桜「ふふふ。またマヨネーズをかけられるのかと思いましたよ。」
土「いや、いらねえ。美味い。」
桜「・・・・。ふふふ。」
本当に美味しそうにしている土方に桜は素直に喜んだ。日頃剣しか持ってない様な男共である。ちゃんとお茶の入れ方通りにやればそんなに不味い物にはならないはずなのだが、こないだ煎れた山崎のほうじ茶は舌が痺れた位だ。
それに風呂上りの彼女のいい匂いがする。すっかり土方は桜に癒されていた。
毛伸びをひとつすれば、書類を見ても?というので桜の勝手にさせる。
土「どうだ、できそうか?」
桜「はい、問題ないと思います。ちなみに、新選組はタブレット等は支給されてますでしょうか。」
土「ああ。あるにはあるんだが、埃被ってるかもしれねえ。」
桜「成る程、願書は筆を執られる方がいいですが、こちらの報告書はタブレットで作成してしまった方が早そうですね。」
土「なんだ出来る口か。全然出来る奴がいないんだ。現場は対外アナログで、清書は巡回後に皆対外やっている。」
桜「これ、兵力強化要員で派遣されたのであれば、電子器具の支給とか求めたら許可降りそうですよね。」
土「良い事考えるな。まあ予算ないし平隊士が使えなかったらダメなんだがな。明日とりあえず手伝ってくれ。日中の巡回もしてもらおうと思ってる。」
桜「はい。」
土「それと、桜、お前包帯巻きに来たんだろ?」
桜「あ・・・よくおわかりで。」
きっかけが出来たので包帯をとり、部屋を出ようとする
土「おい桜、何の為に今言ったと思ってる。」
桜「え、」
ちょっと怒った様な声音を出されてしまいびくっとしながら桜は振り向くと、文机を脇に避けて胡坐をかいた自身の前の座布団をトントンと叩く。
そういえば、と昨日の失態を思い起こせば桜の顔は真っ赤になった。
(そうだった。昨日私の包帯変えたり浴衣着つけてくれてるの、土方さんじゃない。)
土方はそんな桜に笑いかけ、
土「取って食やしねえよ。ほら、おいで。」
桜「・・・・。」
桜は座布団にそっと座るのだった。
髪をアップにし、帯を取って上半身だけ肌蹴させる。真っ白い肌が現れるが、まだ縫ったままの傷口は痛々しい。縫った上から、透明なテープが貼られている。
土「桜、文机に肘おけ、」
桜「はい。・・・」
無駄のない包帯の巻き方に関心しているとふと土方が疑問を口にした。
土「そういやお前、昨日の事はどこまで覚えてんだ?」
桜「あ。えっとですね、総悟にたらふくお酒入れられて、土方さんがいらして、見上げたのは覚えています。・・・いや本当、ご迷惑お掛けしました。背中見せながら言う事ではないのですが、」
土「ああ、別にいい。成る程な。じゃあほぼ記憶飛んじまってるのか。」
(じゃあ泣きついてきたのは覚えてねえか。あれは総悟がけしかけて怯えていた訳ではねえな。もっと別の・・・)
桜「あ の、土方さん私何か他にも粗相を・・・?」
眉を下げて申し訳なさそうにこちらを見る桜を小突く。
土「大丈夫だ。それより、これでいいか?」
綺麗に包帯が巻いてある。動きも、問題ない。
桜「はい。有難うございます。」
そう言って肌蹴た浴衣を着直し、帯を作り直す。土方はなんとなくその着直す姿をボーっと見てしまっていた。
(手当の時は手当と思ってなんも思わないようにしてたが、)
土「そそるな。」
桜「え?」
心の声が漏れてしまった土方は咳払いをして煙草に火を付ける。
土「いや、なんでもねえよ。もう寝る。おやすみ、桜。」
桜「はい。有難うございました。おやすみなさい、土方さん」
桜は客間へと出ていった。
少し温くなった残りのお茶は、やはり美味しい。
〔束の間〕