1章 新しい職場
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クソマヨラーは早々に、私の前に姿を現した。
身支度をし、布団を片づけていると客間に山崎が顔を出す。
連れ出してくれたのは食堂である。
(・・・おおー。)
いい匂いがする。
隊士達「・・・おおー。」
食堂からも感嘆の声があがった。なんてったって、女性がこの屯所にいるのだ。
正確にいえば桜は昨日からいるし、食堂にも朝から飯を作ってくれる女性もいるのだが。
隊士達はやはり浮足立つ様で、山崎の後ろに立つ桜を目で追っている。
そんな桜はというと言葉のままボーっとしていた。完全な二日酔いの、どうしようもない女だった。酒飲んで、記憶を飛ばし、会った初日に上司となった男に介抱されているのである。
ただ薬は効いてきている様で、お腹に何か入れたい気持ちになっていた。
流れ作業に身を任せていると、自分の持ったお盆の上には美味しそうな朝食が乗っていた。
山崎に導かれ、隣の席へ腰を降ろせば目の前に土方がいた。
桜は瞬時に目を見開き、立ち上がる。
桜「土方さんっ昨日は、」
土「ああ、いいから。周りがうるせえ。席に着け。」
遮られてしまった。
桜「・・・有難うございました。」
土「おう。」
急な動作のお蔭で頭が冴えてきた。桜は自身に視線が集まっている事をやっと把握する。
これは大事にするなという意だろう。
とりあえず「皆さん、おはようございます。」と声を掛ければおはよう!と声が返ってくる。
いささか静かになっていた食堂が喧噪を取り戻した。
土「上手く着たな。」
桜「!、ええ、まあ。」
口の端を上げた土方の表情に思わず照れてしまう。からかわれてる。土方は存外恥ずかしがり屋ではないのかもしれない。悪戯っ子なのかもしれない。
土方の着流しは、普通に浴衣として着たら、おはしょりがとんでもなく長い事になる。桜は帯の中で上手い事折り、たもとは長いが綺麗に浴衣として着用していた。
(ああ成る程、浴衣が変わっていると思ったら桜ちゃん副長の着流しきてたのか。)
昨日は自分も宴会に参加していた山崎だったが近藤と一緒に〇キラ100%をしていたので途中から記憶が定かでない。
ただ沖田がなにやらこそこそ今朝客間に行ったのは知っていたので何となく把握しながら、山崎は味噌汁を啜った。
山「ブフっ!」
否、啜れなかった。戻した。
山「ちょっと、桜ちゃん、どうしたの。」
桜は山崎の背中を叩き続ける。止めてくれ。暴力上司は2人で十分である。
桜は土方を凝視しながら山崎の背を叩いていた。
(ああ。初見だったか。)
沖「おはようごぜえやす。」
近「おはよう!」
桜の隣に腰を降ろしたのは沖田で、土方の隣には近藤が腰を降ろした。
なんだ、皆。ドッキリかこれは。
皆なんで突っ込まないんだ。気付かないのか!?。
朝の献立はごはんに味噌汁だし巻き卵と焼き鮭がメニューだった。
土方はあろうことかそのすべてにマヨネーズを掛けている。否かけ続けている。
桜「・・・おはようございます。ちょっと、私まだ酔いが覚めてないのかも、」
沖「待ちなぁ桜。安心しろぃ、土方さんは本当に犬の餌を食ってるだけでさぁ。」
近「あっはっはっはっ!ごめんねえ桜ちゃん。トシは偏食なんだよ。」
偏食所の騒ぎじゃない。そんな可愛いものじゃない。
桜「そ、そんなにかけたら食堂のおばさま達に失礼ですよ!土方さんっそれ全部捨てる気ですかっ」
土「何言ってんだ桜。これがいいんじゃねえか。」
そういい音を立ててご飯をかき込んでいく。
成る程、これが
沖桜「「クソマヨラー」」
土「ああ゛ん?」
もうマヨネーズだけ食ってろよ。
食事を終えればそんなに時間を空ける事なく会議が始まった。
この朝の会議は必ずあるそうだ。
近藤と土方が前に座し、他の隊士達は2人に向かい合う様に整列している。土方は一歩下がった所に桜を置かせていた。
土「以上!巡回の者はすぐ出てくれ。解散!」
土方の言葉を皮切りに与えられた指示の元隊士達は広間から出ていく。
桜は自らの指示を仰ごうとしたら頭に手を置かれた。
近「桜ちゃんは、今日は病院と買い出し。」
桜「近藤さん、有難うございます。」
怪我を負っているのが土方から知れたのだろう。まあ突然やって来た者にあてる仕事も、そんなにないのだろうが。
沖「そういう事でしたら、俺が送ってやりやしょう。」
桜「えっ、総悟?、いやっ」
後ろから隊士達と出かけず広間にいた沖田はここぞとばかりに会話に入ってきた。
沖田に触られまいと二人のやり取りが組手ばりになってきたところで近藤が言葉を放つ。
近「あれ、いつの間に仲良くなっちゃったの?2人とも。じゃあ総悟に任せちゃおうかな。大江戸病院に桜ちゃん連れてってやれ。ちゃんと巡回してくるんだぞー。」
ひらひら手をふって、もう近藤は会話を終わらせてしまうようだ。
きゅー・・・。と音がしてしまいそうな程、抜け殻になった桜がずるずると引きずられていく。
近藤が立てば土方も立つ、ただ見かねた土方は煙草を吹かせながら引きずられる桜の上に手を置いた。
土「しょうがねえ、帰りは迎えに行ってやるから。」
桜「・・・・」
大人しく桜は引きずられていく。先程よりも、映えた顔で。
〔こんなの知らない〕
身支度をし、布団を片づけていると客間に山崎が顔を出す。
連れ出してくれたのは食堂である。
(・・・おおー。)
いい匂いがする。
隊士達「・・・おおー。」
食堂からも感嘆の声があがった。なんてったって、女性がこの屯所にいるのだ。
正確にいえば桜は昨日からいるし、食堂にも朝から飯を作ってくれる女性もいるのだが。
隊士達はやはり浮足立つ様で、山崎の後ろに立つ桜を目で追っている。
そんな桜はというと言葉のままボーっとしていた。完全な二日酔いの、どうしようもない女だった。酒飲んで、記憶を飛ばし、会った初日に上司となった男に介抱されているのである。
ただ薬は効いてきている様で、お腹に何か入れたい気持ちになっていた。
流れ作業に身を任せていると、自分の持ったお盆の上には美味しそうな朝食が乗っていた。
山崎に導かれ、隣の席へ腰を降ろせば目の前に土方がいた。
桜は瞬時に目を見開き、立ち上がる。
桜「土方さんっ昨日は、」
土「ああ、いいから。周りがうるせえ。席に着け。」
遮られてしまった。
桜「・・・有難うございました。」
土「おう。」
急な動作のお蔭で頭が冴えてきた。桜は自身に視線が集まっている事をやっと把握する。
これは大事にするなという意だろう。
とりあえず「皆さん、おはようございます。」と声を掛ければおはよう!と声が返ってくる。
いささか静かになっていた食堂が喧噪を取り戻した。
土「上手く着たな。」
桜「!、ええ、まあ。」
口の端を上げた土方の表情に思わず照れてしまう。からかわれてる。土方は存外恥ずかしがり屋ではないのかもしれない。悪戯っ子なのかもしれない。
土方の着流しは、普通に浴衣として着たら、おはしょりがとんでもなく長い事になる。桜は帯の中で上手い事折り、たもとは長いが綺麗に浴衣として着用していた。
(ああ成る程、浴衣が変わっていると思ったら桜ちゃん副長の着流しきてたのか。)
昨日は自分も宴会に参加していた山崎だったが近藤と一緒に〇キラ100%をしていたので途中から記憶が定かでない。
ただ沖田がなにやらこそこそ今朝客間に行ったのは知っていたので何となく把握しながら、山崎は味噌汁を啜った。
山「ブフっ!」
否、啜れなかった。戻した。
山「ちょっと、桜ちゃん、どうしたの。」
桜は山崎の背中を叩き続ける。止めてくれ。暴力上司は2人で十分である。
桜は土方を凝視しながら山崎の背を叩いていた。
(ああ。初見だったか。)
沖「おはようごぜえやす。」
近「おはよう!」
桜の隣に腰を降ろしたのは沖田で、土方の隣には近藤が腰を降ろした。
なんだ、皆。ドッキリかこれは。
皆なんで突っ込まないんだ。気付かないのか!?。
朝の献立はごはんに味噌汁だし巻き卵と焼き鮭がメニューだった。
土方はあろうことかそのすべてにマヨネーズを掛けている。否かけ続けている。
桜「・・・おはようございます。ちょっと、私まだ酔いが覚めてないのかも、」
沖「待ちなぁ桜。安心しろぃ、土方さんは本当に犬の餌を食ってるだけでさぁ。」
近「あっはっはっはっ!ごめんねえ桜ちゃん。トシは偏食なんだよ。」
偏食所の騒ぎじゃない。そんな可愛いものじゃない。
桜「そ、そんなにかけたら食堂のおばさま達に失礼ですよ!土方さんっそれ全部捨てる気ですかっ」
土「何言ってんだ桜。これがいいんじゃねえか。」
そういい音を立ててご飯をかき込んでいく。
成る程、これが
沖桜「「クソマヨラー」」
土「ああ゛ん?」
もうマヨネーズだけ食ってろよ。
食事を終えればそんなに時間を空ける事なく会議が始まった。
この朝の会議は必ずあるそうだ。
近藤と土方が前に座し、他の隊士達は2人に向かい合う様に整列している。土方は一歩下がった所に桜を置かせていた。
土「以上!巡回の者はすぐ出てくれ。解散!」
土方の言葉を皮切りに与えられた指示の元隊士達は広間から出ていく。
桜は自らの指示を仰ごうとしたら頭に手を置かれた。
近「桜ちゃんは、今日は病院と買い出し。」
桜「近藤さん、有難うございます。」
怪我を負っているのが土方から知れたのだろう。まあ突然やって来た者にあてる仕事も、そんなにないのだろうが。
沖「そういう事でしたら、俺が送ってやりやしょう。」
桜「えっ、総悟?、いやっ」
後ろから隊士達と出かけず広間にいた沖田はここぞとばかりに会話に入ってきた。
沖田に触られまいと二人のやり取りが組手ばりになってきたところで近藤が言葉を放つ。
近「あれ、いつの間に仲良くなっちゃったの?2人とも。じゃあ総悟に任せちゃおうかな。大江戸病院に桜ちゃん連れてってやれ。ちゃんと巡回してくるんだぞー。」
ひらひら手をふって、もう近藤は会話を終わらせてしまうようだ。
きゅー・・・。と音がしてしまいそうな程、抜け殻になった桜がずるずると引きずられていく。
近藤が立てば土方も立つ、ただ見かねた土方は煙草を吹かせながら引きずられる桜の上に手を置いた。
土「しょうがねえ、帰りは迎えに行ってやるから。」
桜「・・・・」
大人しく桜は引きずられていく。先程よりも、映えた顔で。
〔こんなの知らない〕