1章 新しい職場
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隊士達はグレーの甚兵衛の様なものを着用しているものが多い。
着流しは近藤と土方。沖田は袴を穿いていて、まだ幼さの残る顔にはとても似合っている。
夜の巡回のある隊士達は屯所を出る前にわざわざ挨拶に顔を出し、巡回に出かけてくれた。
目の前には美味しそうな料理が沢山並べられており、小鉢に入った胡麻豆腐を桜は見つめる。
近藤が宴会を始める為にビールのグラスを高く掲げれば賑やかな宴が始まった。
(男だらけの宴会はこうも賑やかなものなのか。いや、別に自分もほぼ男だらけの集団の中にいたのだが。)
近藤は早々に桜もいる前で全裸になって賑わう中心にいた。
お盆を持って芸人の真似事をしている。
多少挨拶周りをし、お酒を酌みに回っていた桜だったが、小突かれ振り向くと沖田が手招きをする。
姉さん、早く食べ終えといた方がいいですぜ。と手を引かれ自分のいた席に無理矢理腰を下ろさせれば、そのまま自分も隣に腰を下ろし、ぐびぐびと一升瓶にそのまま口をつけている。
(・・・・この子未成年だよな?)
もう最初の綺麗に並んでいた席とは打って変わり、原形をとどめていないこの広間は皆好き勝手に飲み、食べ、遊んでいる。
ある程度挨拶を回り終えていた桜はそのまま大人しく座り、桜は気になっていた小鉢の中身を口に運んだ。
冷やされた胡麻豆腐は濃厚でとても美味しい。グラスに注いだ透明な液体を喉に流し込んだ。
すると、熱を持った身体が体重を掛けて肩を抱いてきた。
桜「お、沖田さん?」
そのまま凭れ掛かる体重にそのまま倒れそうになったが、なんとか耐えて表情を見る。
沖田も桜を見つめていて、熱を持った視線と目が合った。
沖「おめえ、」
ひゃっく。
桜「え?」
ひゃっくりしている。
沖「飲んでねえだろ、それ。」
桜「あ?ははは。」
適当にはぐらかせば、おう?と言って顔を近づけてくる。全く、悪い酔っ払いだ。
そう、桜は全くアルコールを摂取していなかった。
アルコールは以前いた部署で仕事として何年か前に飲んだだけだ。基本娯楽を禁止されていた以前の拠点では、当然酒類も口にはしていない。
桜は怖かったのだ。
視線を外し、少し怯えた様な目の色を、沖田は見逃さなかった。
こちらに視線を合わせず適当に済まそうとする桜に少しの苛立ちと加虐心が、Sっ気に火をつけた。
彼にはそれは逆効果で、
沖「姉さん、・・・あんたのその出そうとしない感情とか思いを、俺あ全部暴いて見ちまいたくなるんでさあ。」
桜「え、・・・」
(なんだろう、口説かれてるのかな)
やっと桜は沖田に顔を向ければ思慮深く彼の目を読もうとする。
が、逃げた方がよかったらしい。
沖田は桜の掴んだ肩を強く握り、一升瓶に入っている日本酒を勢いよく桜の口に宛てがった。
桜「んっ!?」
そのまま角度をつけた一升瓶の中身は、桜の口から溢れ、首元にも零れ落ちるが構わず傾け続けられる一升瓶に桜もやむなく酒を胃に入れてしまう。
桜「んんっ」
苦しみながら桜は沖田の一升瓶を持った腕を押すが、びくともしない。
桜は段々自身が熱くなっているのを感じていた。
その時、後ろ手に障子の戸が開いた。
タバコを外で吸った土方が帰ってきたのだ。
土「!総悟っ!」
土方は沖田の暴走に目を見開き沖田の顔を足蹴りした。
沖田の力が一瞬緩んだ隙をみて、桜は素早く一升瓶を持っていた腕を押し口から漸く瓶を離すが、あまりにも急な量のアルコール摂取に沖田の腕を離すだけで、両腕をぺたりと畳につける。
周囲は近藤の一発芸に夢中で、沖田の背で死角になっていた桜の状態は他の隊士では気付かなかったらしい。
土「総悟、お前何してんだてめえ」
沖「・・・・・・」
沖田は桜をちらりとみやり、桜の肩口を押しこっち向けいとまだ構う。土方はその沖田の行動に眉間に皺をよせ、止めてもまだ桜に突っかかる沖田に拳骨を落とそうとすると桜がきっと沖田を見やる。
桜「・・・あのねえ。」
桜は涙を浮かべながらカーっと熱くなる身体に鞭を打ち、沖田に持たれた肩を払えば向き直った。
桜「あんたもあの場にいたんだ。気に食わないなら松平様の重要機密をさっさとみればいいじゃない。
それにお酒は何年も任務以外でのんでないのよ。
こっちだって、戸惑ってんだから。」
土方と沖田はその最後の言葉に琴線に触れた気がした。
沖「・・・。やあっと言ってくれやしたねい。
姉さん、あんた泣いてる方が可愛いですぜ。」
土方は沖田のやりたい事を理解し、言葉足らず、それに乱暴なやり方に頭をかく。
土「総悟、お前もう黙ってろ。
何もかも足りねえんだよ。」
と言って拳骨をお見舞いした。
土「桜、歩けるか?」
土方は優しい声音で囁いた。
桜はその声に振り返ろうとし、そのまま身体ごと土方の足元に寄りかかってしまった。目を瞑り、眉間に皺を寄せている桜の顔はいよいよしっかり酒がまわってきたらしい。真っ赤である。
土方は溜息を1つ零した。
土「総悟、明日ちゃんと謝るんだぞ。」
そう沖田に釘をさし、ひょいと丸まった桜をそのまま抱きかかえると、器用に足で障子を開ける。閉めとけ。と沖田に言い残し、宴会場を後にした。
〔そんなお前が気に食わない〕
着流しは近藤と土方。沖田は袴を穿いていて、まだ幼さの残る顔にはとても似合っている。
夜の巡回のある隊士達は屯所を出る前にわざわざ挨拶に顔を出し、巡回に出かけてくれた。
目の前には美味しそうな料理が沢山並べられており、小鉢に入った胡麻豆腐を桜は見つめる。
近藤が宴会を始める為にビールのグラスを高く掲げれば賑やかな宴が始まった。
(男だらけの宴会はこうも賑やかなものなのか。いや、別に自分もほぼ男だらけの集団の中にいたのだが。)
近藤は早々に桜もいる前で全裸になって賑わう中心にいた。
お盆を持って芸人の真似事をしている。
多少挨拶周りをし、お酒を酌みに回っていた桜だったが、小突かれ振り向くと沖田が手招きをする。
姉さん、早く食べ終えといた方がいいですぜ。と手を引かれ自分のいた席に無理矢理腰を下ろさせれば、そのまま自分も隣に腰を下ろし、ぐびぐびと一升瓶にそのまま口をつけている。
(・・・・この子未成年だよな?)
もう最初の綺麗に並んでいた席とは打って変わり、原形をとどめていないこの広間は皆好き勝手に飲み、食べ、遊んでいる。
ある程度挨拶を回り終えていた桜はそのまま大人しく座り、桜は気になっていた小鉢の中身を口に運んだ。
冷やされた胡麻豆腐は濃厚でとても美味しい。グラスに注いだ透明な液体を喉に流し込んだ。
すると、熱を持った身体が体重を掛けて肩を抱いてきた。
桜「お、沖田さん?」
そのまま凭れ掛かる体重にそのまま倒れそうになったが、なんとか耐えて表情を見る。
沖田も桜を見つめていて、熱を持った視線と目が合った。
沖「おめえ、」
ひゃっく。
桜「え?」
ひゃっくりしている。
沖「飲んでねえだろ、それ。」
桜「あ?ははは。」
適当にはぐらかせば、おう?と言って顔を近づけてくる。全く、悪い酔っ払いだ。
そう、桜は全くアルコールを摂取していなかった。
アルコールは以前いた部署で仕事として何年か前に飲んだだけだ。基本娯楽を禁止されていた以前の拠点では、当然酒類も口にはしていない。
桜は怖かったのだ。
視線を外し、少し怯えた様な目の色を、沖田は見逃さなかった。
こちらに視線を合わせず適当に済まそうとする桜に少しの苛立ちと加虐心が、Sっ気に火をつけた。
彼にはそれは逆効果で、
沖「姉さん、・・・あんたのその出そうとしない感情とか思いを、俺あ全部暴いて見ちまいたくなるんでさあ。」
桜「え、・・・」
(なんだろう、口説かれてるのかな)
やっと桜は沖田に顔を向ければ思慮深く彼の目を読もうとする。
が、逃げた方がよかったらしい。
沖田は桜の掴んだ肩を強く握り、一升瓶に入っている日本酒を勢いよく桜の口に宛てがった。
桜「んっ!?」
そのまま角度をつけた一升瓶の中身は、桜の口から溢れ、首元にも零れ落ちるが構わず傾け続けられる一升瓶に桜もやむなく酒を胃に入れてしまう。
桜「んんっ」
苦しみながら桜は沖田の一升瓶を持った腕を押すが、びくともしない。
桜は段々自身が熱くなっているのを感じていた。
その時、後ろ手に障子の戸が開いた。
タバコを外で吸った土方が帰ってきたのだ。
土「!総悟っ!」
土方は沖田の暴走に目を見開き沖田の顔を足蹴りした。
沖田の力が一瞬緩んだ隙をみて、桜は素早く一升瓶を持っていた腕を押し口から漸く瓶を離すが、あまりにも急な量のアルコール摂取に沖田の腕を離すだけで、両腕をぺたりと畳につける。
周囲は近藤の一発芸に夢中で、沖田の背で死角になっていた桜の状態は他の隊士では気付かなかったらしい。
土「総悟、お前何してんだてめえ」
沖「・・・・・・」
沖田は桜をちらりとみやり、桜の肩口を押しこっち向けいとまだ構う。土方はその沖田の行動に眉間に皺をよせ、止めてもまだ桜に突っかかる沖田に拳骨を落とそうとすると桜がきっと沖田を見やる。
桜「・・・あのねえ。」
桜は涙を浮かべながらカーっと熱くなる身体に鞭を打ち、沖田に持たれた肩を払えば向き直った。
桜「あんたもあの場にいたんだ。気に食わないなら松平様の重要機密をさっさとみればいいじゃない。
それにお酒は何年も任務以外でのんでないのよ。
こっちだって、戸惑ってんだから。」
土方と沖田はその最後の言葉に琴線に触れた気がした。
沖「・・・。やあっと言ってくれやしたねい。
姉さん、あんた泣いてる方が可愛いですぜ。」
土方は沖田のやりたい事を理解し、言葉足らず、それに乱暴なやり方に頭をかく。
土「総悟、お前もう黙ってろ。
何もかも足りねえんだよ。」
と言って拳骨をお見舞いした。
土「桜、歩けるか?」
土方は優しい声音で囁いた。
桜はその声に振り返ろうとし、そのまま身体ごと土方の足元に寄りかかってしまった。目を瞑り、眉間に皺を寄せている桜の顔はいよいよしっかり酒がまわってきたらしい。真っ赤である。
土方は溜息を1つ零した。
土「総悟、明日ちゃんと謝るんだぞ。」
そう沖田に釘をさし、ひょいと丸まった桜をそのまま抱きかかえると、器用に足で障子を開ける。閉めとけ。と沖田に言い残し、宴会場を後にした。
〔そんなお前が気に食わない〕