1章 新しい職場
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隊士は皆、夜の巡回前の者も、他の任務をしていた者も、隊士全員稽古場に集っている。
緊急招集だ。
近「皆!忙しいのに悪いな!
昼間に屯所にいたものは、今日とっつぁんが来てたのを確認している者も多いと思う。その件で、上から新しい命が下る事となった。」
土「上からのお達しはこうだ。
幕府が抱える兵力の強化対策の施策だそうだ。
その為、一人新しく新選組に隊士が入る事なった。本日付けの配属だ。」
途端ざわざわし始める。
近「ここは武力に関しちゃ俺も頼もしいが、ほぼ全て、頭脳面ではトシがずっと担っていたからな。
補強する人物として、とりあえずトシの側近として就いてもらう事にした!。
入ってくれ!」
カラカラカラ
閉めてある扉が開くと、ひょこっ。と狐の天人が顔をだし、すたすたと歩いてきた。
否、狐の天人ではなく、ただ狐の面を被った背丈の低い人間が平隊士達の前に立ち、ぺこっとお辞儀をしてみせた。
真っ黒な黒装束をきている。
隊士達は、上(幕府)からの施策に対し、どんなインテリがくるのかと思いきや、
こんな剽軽な恰好で出てくるものだから驚きである。新選組のマスコットキャラクターにでもなるつもりなのか。
加えて背も低め。沖田よりも幾分低い。
というかなぜどんな理由で面をしているのか。
その胡散臭いその風体に誰もが不思議がる。
隊士「その、彼が上から配属された方、なんすか?」
沖「まあまあ、お前らがいうのもわかるんで、腕試ししやしょうや。
原田さん」
原「んあ!?俺か?」
びっくりして素っ頓狂な声を上げながらスキンヘッドの頭をかいて立ち上がった。
彼は10番隊の隊長、槍の得意な原田右之助である。
180センチある大柄な男は狐面のそれとは体格差は歴然で、身長差は20センチはあるだろう。
沖田の誘いに満更でもない原田は、隊士が集まっていない稽古場の空間に歩いていき、狐の面を被ったそれも、続いた。
(俺、夜の巡回前でありあまってるんだが・・・)正直相手になるのかなあと思いつつ、ポキポキ関節を鳴らしながら狐面の方を見やる。
歓迎ムードでも、毛嫌いもされてないこの様子は土方の手引き通りに運ばれていた。
狐の面を被っているのは紛れもなく桜なのだが、今の所女という事は誰も気づいていなそうだ。黒装束が体形を隠し、近藤も沖田も、上手い事ことを運んでくれている。
土「ルールはなんでもいい。相手から1本とれれば終了だ。」
沖田が稽古用の槍と竹刀を手で遊ばせる。
沖「原田さんどっちにしますかい?」
原「じゃあ槍でいくぞ!総悟っ」
その言葉を合図に槍を原田へ、竹刀を桜へと投げ渡す。クルクル円を描いて綺麗に二人の手に収まる。
近「二人とも、はじめ!」
近藤の合図を皮切りに、巧みに原田は槍をまわす。
大柄にしては早い手さばきが綺麗に曲線を描く。
原「先手必勝!」
大きく振りかざしながらも早い身のこなしに、隊士達からも声があがりだす。
桜に関してはまた後手で、ただ竹刀を構えようとはしない。のらりくらりとかわしている様にみえる。
沖「・・・あの姉ちゃん後手に構えなくたって、ヤれるとおもうんですがねい。」
沖田は一人ごちる。先程の斉藤との手合わせといい、今の原田との手合わせといい、遊んでいるのか、演出しているのか、沖田にはそのように見えた。
胴元を狙った槍が突けば、そのまま胴体を仰け反らせて転がり回避する。
近藤が(○トリックス・・)なんていいながら傍観する
桜は転がる拍子に体制を立て直し、原田の間合いへ入ると、竹刀の持ち手よりも上の方を両手で持ち、そのまま原田の手首に思い切り振りかざした。
原「ぐっ」
思わず槍を手放してしまい槍が手元から落ちる。
原「クッソ!」
落ちた反対の左手で拳を振り下ろせば桜はすかさず原田の振り下ろしてくる肘裏に右前腕でかわし、次の手が来る前にそのままかがんで上腕を蹴る。
原田は右手で桜の襟ぐりを掴み無理矢理起き上がらせれば、もう一発拳をふりかざす。
桜は両腕でそれを防ぎながら、襟ぐりを掴まれたまま原田の腕を抱き軸にして、自身の体を持ち上げ脚を原田の首に巻き付けた。
そのまま体を原田の頭にくっつけると、首を脚と腕を使い締め上げようとする。
原田は絞められそうになっている事よりも、狐の面の体が顔面にくっついた瞬間に違和感を感じた。
自分のスキンヘッドの頭に乗っかる、柔らかいものに。
それは自分の体にはないものであった。
原「ちょ、ギブギブギブギブギブ!!!」
近「やめ!」
言われた瞬間、桜は締め上げるのを止めた。
身を離して降りようとするが、原田ががっちり脚を持っていて降りれない。
固唾を飲んで見守っていた隊士達は両者の手合わせに高揚していた。
座っていたのにいつの間にか皆立っており、思っていた以上に狐の面がやり手な事に皆騒ぎ立てだす。
原「ちょっと、近藤さん土方さん、あんたらどういう事だよ!?」
原田は驚きを隠せない。
桜「あの・・・・」
原「!」
こぼれた声は、今原田が抱えている狐の面の奥からだ
沖「原田さん、それ以上触ってると、セクハラですぜ。」
原「あ!?・・おう、色々とすまん。」
と言い、原田は漸く桜を降ろした。
近藤が2人に近寄り、新しく隊士として働く同志の肩に手を乗せる。
近「皆!聞いてくれ!
今日から新選組に入る、『桜ちゃん』だ!。宜しくな!」
紹介をする近藤の言葉、それに可愛らしい名前に揃って首を傾げだす。
土「おい、桜。」
肩を掴まれながらシュッと狐の面が土方の方に向く。
土「面をとってやれ。」
その言葉を皮切りに、紅い紐で縛られた面の紐を解いていく。
狐の面をとれば、そこには透き通った肌に運動して頬を上気させた女性の姿だった。
隊士達はびっくりしたり惚けたり、反応は様々だが、面を外して現れたそれはとても魅力的だった。
桜「桜、と申します。副長の側近として働かせていただきます。いきなりで皆さんもびっくりしたかもしれませんが
どうぞ、宜しくお願い致します。」
近「桜ちゃんは、見ての通り、女性だ!
こんな事は初めてで、桜ちゃんも大変だとおもうが、皆で乗り越えていこう!
この後7時から宴だから!
それまで各自仕事に戻れ
宜しくなー!。解散!。」
一瞬静まり返った稽古場が、はち切れんばかりに騒ぎ立てる。
土「5番隊はザキが宴会の段取り組んでるから手伝え!
あと桜・・・は、」
隊士達に押し寄せられていた。
潰れてなさそうなのを確認し、1つ溜息を零したあと、土方は桜に群がる隊士達を掻き分け桜に向かってこう言った。
土「桜、側近としての仕事だ。来い。」
桜「!。はいっ」
土方は桜を従え稽古場から出ていこうとする。
ずるいぞ副長!等ヤジが飛ぶが近藤が隊士をまあまあ仕事だから、となだめる。
土方の策略は、まんまと張り巡らせた通りとなるのだった。
〔Women hero〕
緊急招集だ。
近「皆!忙しいのに悪いな!
昼間に屯所にいたものは、今日とっつぁんが来てたのを確認している者も多いと思う。その件で、上から新しい命が下る事となった。」
土「上からのお達しはこうだ。
幕府が抱える兵力の強化対策の施策だそうだ。
その為、一人新しく新選組に隊士が入る事なった。本日付けの配属だ。」
途端ざわざわし始める。
近「ここは武力に関しちゃ俺も頼もしいが、ほぼ全て、頭脳面ではトシがずっと担っていたからな。
補強する人物として、とりあえずトシの側近として就いてもらう事にした!。
入ってくれ!」
カラカラカラ
閉めてある扉が開くと、ひょこっ。と狐の天人が顔をだし、すたすたと歩いてきた。
否、狐の天人ではなく、ただ狐の面を被った背丈の低い人間が平隊士達の前に立ち、ぺこっとお辞儀をしてみせた。
真っ黒な黒装束をきている。
隊士達は、上(幕府)からの施策に対し、どんなインテリがくるのかと思いきや、
こんな剽軽な恰好で出てくるものだから驚きである。新選組のマスコットキャラクターにでもなるつもりなのか。
加えて背も低め。沖田よりも幾分低い。
というかなぜどんな理由で面をしているのか。
その胡散臭いその風体に誰もが不思議がる。
隊士「その、彼が上から配属された方、なんすか?」
沖「まあまあ、お前らがいうのもわかるんで、腕試ししやしょうや。
原田さん」
原「んあ!?俺か?」
びっくりして素っ頓狂な声を上げながらスキンヘッドの頭をかいて立ち上がった。
彼は10番隊の隊長、槍の得意な原田右之助である。
180センチある大柄な男は狐面のそれとは体格差は歴然で、身長差は20センチはあるだろう。
沖田の誘いに満更でもない原田は、隊士が集まっていない稽古場の空間に歩いていき、狐の面を被ったそれも、続いた。
(俺、夜の巡回前でありあまってるんだが・・・)正直相手になるのかなあと思いつつ、ポキポキ関節を鳴らしながら狐面の方を見やる。
歓迎ムードでも、毛嫌いもされてないこの様子は土方の手引き通りに運ばれていた。
狐の面を被っているのは紛れもなく桜なのだが、今の所女という事は誰も気づいていなそうだ。黒装束が体形を隠し、近藤も沖田も、上手い事ことを運んでくれている。
土「ルールはなんでもいい。相手から1本とれれば終了だ。」
沖田が稽古用の槍と竹刀を手で遊ばせる。
沖「原田さんどっちにしますかい?」
原「じゃあ槍でいくぞ!総悟っ」
その言葉を合図に槍を原田へ、竹刀を桜へと投げ渡す。クルクル円を描いて綺麗に二人の手に収まる。
近「二人とも、はじめ!」
近藤の合図を皮切りに、巧みに原田は槍をまわす。
大柄にしては早い手さばきが綺麗に曲線を描く。
原「先手必勝!」
大きく振りかざしながらも早い身のこなしに、隊士達からも声があがりだす。
桜に関してはまた後手で、ただ竹刀を構えようとはしない。のらりくらりとかわしている様にみえる。
沖「・・・あの姉ちゃん後手に構えなくたって、ヤれるとおもうんですがねい。」
沖田は一人ごちる。先程の斉藤との手合わせといい、今の原田との手合わせといい、遊んでいるのか、演出しているのか、沖田にはそのように見えた。
胴元を狙った槍が突けば、そのまま胴体を仰け反らせて転がり回避する。
近藤が(○トリックス・・)なんていいながら傍観する
桜は転がる拍子に体制を立て直し、原田の間合いへ入ると、竹刀の持ち手よりも上の方を両手で持ち、そのまま原田の手首に思い切り振りかざした。
原「ぐっ」
思わず槍を手放してしまい槍が手元から落ちる。
原「クッソ!」
落ちた反対の左手で拳を振り下ろせば桜はすかさず原田の振り下ろしてくる肘裏に右前腕でかわし、次の手が来る前にそのままかがんで上腕を蹴る。
原田は右手で桜の襟ぐりを掴み無理矢理起き上がらせれば、もう一発拳をふりかざす。
桜は両腕でそれを防ぎながら、襟ぐりを掴まれたまま原田の腕を抱き軸にして、自身の体を持ち上げ脚を原田の首に巻き付けた。
そのまま体を原田の頭にくっつけると、首を脚と腕を使い締め上げようとする。
原田は絞められそうになっている事よりも、狐の面の体が顔面にくっついた瞬間に違和感を感じた。
自分のスキンヘッドの頭に乗っかる、柔らかいものに。
それは自分の体にはないものであった。
原「ちょ、ギブギブギブギブギブ!!!」
近「やめ!」
言われた瞬間、桜は締め上げるのを止めた。
身を離して降りようとするが、原田ががっちり脚を持っていて降りれない。
固唾を飲んで見守っていた隊士達は両者の手合わせに高揚していた。
座っていたのにいつの間にか皆立っており、思っていた以上に狐の面がやり手な事に皆騒ぎ立てだす。
原「ちょっと、近藤さん土方さん、あんたらどういう事だよ!?」
原田は驚きを隠せない。
桜「あの・・・・」
原「!」
こぼれた声は、今原田が抱えている狐の面の奥からだ
沖「原田さん、それ以上触ってると、セクハラですぜ。」
原「あ!?・・おう、色々とすまん。」
と言い、原田は漸く桜を降ろした。
近藤が2人に近寄り、新しく隊士として働く同志の肩に手を乗せる。
近「皆!聞いてくれ!
今日から新選組に入る、『桜ちゃん』だ!。宜しくな!」
紹介をする近藤の言葉、それに可愛らしい名前に揃って首を傾げだす。
土「おい、桜。」
肩を掴まれながらシュッと狐の面が土方の方に向く。
土「面をとってやれ。」
その言葉を皮切りに、紅い紐で縛られた面の紐を解いていく。
狐の面をとれば、そこには透き通った肌に運動して頬を上気させた女性の姿だった。
隊士達はびっくりしたり惚けたり、反応は様々だが、面を外して現れたそれはとても魅力的だった。
桜「桜、と申します。副長の側近として働かせていただきます。いきなりで皆さんもびっくりしたかもしれませんが
どうぞ、宜しくお願い致します。」
近「桜ちゃんは、見ての通り、女性だ!
こんな事は初めてで、桜ちゃんも大変だとおもうが、皆で乗り越えていこう!
この後7時から宴だから!
それまで各自仕事に戻れ
宜しくなー!。解散!。」
一瞬静まり返った稽古場が、はち切れんばかりに騒ぎ立てる。
土「5番隊はザキが宴会の段取り組んでるから手伝え!
あと桜・・・は、」
隊士達に押し寄せられていた。
潰れてなさそうなのを確認し、1つ溜息を零したあと、土方は桜に群がる隊士達を掻き分け桜に向かってこう言った。
土「桜、側近としての仕事だ。来い。」
桜「!。はいっ」
土方は桜を従え稽古場から出ていこうとする。
ずるいぞ副長!等ヤジが飛ぶが近藤が隊士をまあまあ仕事だから、となだめる。
土方の策略は、まんまと張り巡らせた通りとなるのだった。
〔Women hero〕