1章 新しい職場
あなたのお名前は?
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
屯所内の稽古場へ道着を着て場所を移した近藤達は土方が来るのを待っていた。
桜は長い髪を高い所で結わいている。
カラカラカラ。
戸が開き、土方が顔をのぞかせると後方に派手な髪色の一人が一緒に入ってきた。
土「終を連れて来た。」
派手な出で立ちに桜の視線は釘づけである。
彼はアフロだった。アフロのうえ派手なオレンジの髪色は、とても目立つのではないだろうか。
土「桜、こいつは三番隊隊長の斉藤終だ。
とりあえず力も申し分なく、口の堅えやつ連れて来た。
終、今日から配属された桜だ。詳しい事は後で会議を開こうと思うが、1つ手合わせしてくんねえか?
総悟が相手だと相手を潰すまでやっちまうだろうしな。」
沖「えー俺じゃねえんですかい、土方さん。」
土方はそんな沖田の言葉をかわして斉藤を桜の前に突き出せば、2人は互いに挨拶をかわした。若干焦りながらぺこぺこする斉藤。
桜は全く言葉を発さない斉藤に不思議そうな顔をするがにこりと微笑んだ。
その瞬間、桜の前にいた斉藤はバンッと大きく足を踏み出し、真っ赤な目をまあるくして迫っていた。土方に。
土「え?、」
ジェスチャーで必死に伝えようとしているが、言葉を一言も発さない斉藤。
沖「終兄さんあれじゃねえですかい?奴さん女なもんで、急な情報に追いついてねえんでさあ。」
そんな時は、と言いながら立ち上がり、どこからともなく狐のお面を桜に被せたのだ。
沖「終兄さん、これなら顔もわからないですし、男かどうかパッと見わかりゃしやせんぜ。」
桜「あ、ちょっと。」
沖田は桜の顎を持ち、面をつけた顔面を斉藤に向かせると、斉藤はあっそっかー。とでも言う様に相槌を打った。
(・・・・この屯所内にまともな感性の持ち主はいねえのか。)土方は虚無感を感じながら桜を見やる。
土「そんな面つけて大丈夫か?
それとまだ資料通しで見れていないが、桜お前さん剣術は、」
桜「はい面に関しては問題ないです。剣述に関しては、扱えてもどこぞの流儀を体得してる訳でもなく、腕は大して御座いません。ですので、みなさんには私がどの様に立ち振る舞えるか把握いただければとおもうのですが。」
近「ああ、それで構わないよ。」
土「じゃあ、いいな?」
桜と斉藤は頷いた。斉藤は2本、桜も竹刀を1本持ち、中央に立つ。礼をすれば、土方は両者を見、息を吸い込んだ。
土「はじめ!」
パンッ!!
桜「・・・・っふぅっ!」
斉藤の方が、まあ見ればわかるが、体格差もあり力が強いのだろう。桜は思わず噛み締めた隙間から苦痛の息が漏れる。
竹刀の弾ける様なぶつかる音が響く。打ち合いこそするが、桜はずっと後手に回っている。何手か竹刀が打ち合った後、斉藤の竹刀の1本が、桜の左斜め上で桜の竹刀とかちあう。じりじりと押される桜に、斉藤が容赦なくもう片方の竹刀で下から突き上げる。
その時だった。
近土沖「「「!」」」
桜が斉藤の眼前から忽然と姿を消した様に見えたからだ。桜は頭上に迫っている竹刀の切っ先をずらし、もう一つの竹刀の振り上げられる竹刀の力を利用して宙に飛んだのだ。
斉「っ、」
斉藤は上を見上げ、狙いを定め剣劇をお見舞いしようと構えて両の竹刀で突こうとした時だった。桜の鳩尾目掛けて。
斉「・・・・・・」
土「止め。桜、一本。」
沖「ほー?。」
近「ははは。桜ちゃん剣より体術の方が得意そうだね。」
斉藤の懐には桜がおり、斉藤の首元に手刀を入れる目前でにこりと微笑んで立っていたのだ。斉藤と桜の手合いは桜が勝利を飾った。
斉藤の狙いは完璧だった。
鳩尾目掛けてクロスさせた竹刀は見事桜を撃ち抜こうとしていた。桜は鳩尾に入る直前に自分の持った竹刀をクロスした中に差し込み円をかいて斉藤の懐に飛び込んだのだ。
桜「斉藤さん、お手合わせありがとうございました。
肩で息をしている桜はぺこりと斉藤にお辞儀をした。」
土「その速さなら、使えそうだな。」
沖「持久戦はあんまり持ちそうになさそうですけどねい。」
近「うん。でも申し分ない技量だね。なんとなく把握出来てきたよ。
側近の件、申し分ないんじゃないか?」
土方は徐に携帯を取り出し監察方の山崎退に連絡を入れる。
土「山崎、至急予定を変更しろ。
本日の7時、-----」
携帯を切り終えると、桜を見ながらニヒルな笑みを浮かべて口を開いた。
土「桜、お前もう少しそのお面つけて遊んでみるか?」
桜「?」
狐のお面を持ったまま、彼女は首をかしげるのだった。
〔私は玉藻前〕
桜は長い髪を高い所で結わいている。
カラカラカラ。
戸が開き、土方が顔をのぞかせると後方に派手な髪色の一人が一緒に入ってきた。
土「終を連れて来た。」
派手な出で立ちに桜の視線は釘づけである。
彼はアフロだった。アフロのうえ派手なオレンジの髪色は、とても目立つのではないだろうか。
土「桜、こいつは三番隊隊長の斉藤終だ。
とりあえず力も申し分なく、口の堅えやつ連れて来た。
終、今日から配属された桜だ。詳しい事は後で会議を開こうと思うが、1つ手合わせしてくんねえか?
総悟が相手だと相手を潰すまでやっちまうだろうしな。」
沖「えー俺じゃねえんですかい、土方さん。」
土方はそんな沖田の言葉をかわして斉藤を桜の前に突き出せば、2人は互いに挨拶をかわした。若干焦りながらぺこぺこする斉藤。
桜は全く言葉を発さない斉藤に不思議そうな顔をするがにこりと微笑んだ。
その瞬間、桜の前にいた斉藤はバンッと大きく足を踏み出し、真っ赤な目をまあるくして迫っていた。土方に。
土「え?、」
ジェスチャーで必死に伝えようとしているが、言葉を一言も発さない斉藤。
沖「終兄さんあれじゃねえですかい?奴さん女なもんで、急な情報に追いついてねえんでさあ。」
そんな時は、と言いながら立ち上がり、どこからともなく狐のお面を桜に被せたのだ。
沖「終兄さん、これなら顔もわからないですし、男かどうかパッと見わかりゃしやせんぜ。」
桜「あ、ちょっと。」
沖田は桜の顎を持ち、面をつけた顔面を斉藤に向かせると、斉藤はあっそっかー。とでも言う様に相槌を打った。
(・・・・この屯所内にまともな感性の持ち主はいねえのか。)土方は虚無感を感じながら桜を見やる。
土「そんな面つけて大丈夫か?
それとまだ資料通しで見れていないが、桜お前さん剣術は、」
桜「はい面に関しては問題ないです。剣述に関しては、扱えてもどこぞの流儀を体得してる訳でもなく、腕は大して御座いません。ですので、みなさんには私がどの様に立ち振る舞えるか把握いただければとおもうのですが。」
近「ああ、それで構わないよ。」
土「じゃあ、いいな?」
桜と斉藤は頷いた。斉藤は2本、桜も竹刀を1本持ち、中央に立つ。礼をすれば、土方は両者を見、息を吸い込んだ。
土「はじめ!」
パンッ!!
桜「・・・・っふぅっ!」
斉藤の方が、まあ見ればわかるが、体格差もあり力が強いのだろう。桜は思わず噛み締めた隙間から苦痛の息が漏れる。
竹刀の弾ける様なぶつかる音が響く。打ち合いこそするが、桜はずっと後手に回っている。何手か竹刀が打ち合った後、斉藤の竹刀の1本が、桜の左斜め上で桜の竹刀とかちあう。じりじりと押される桜に、斉藤が容赦なくもう片方の竹刀で下から突き上げる。
その時だった。
近土沖「「「!」」」
桜が斉藤の眼前から忽然と姿を消した様に見えたからだ。桜は頭上に迫っている竹刀の切っ先をずらし、もう一つの竹刀の振り上げられる竹刀の力を利用して宙に飛んだのだ。
斉「っ、」
斉藤は上を見上げ、狙いを定め剣劇をお見舞いしようと構えて両の竹刀で突こうとした時だった。桜の鳩尾目掛けて。
斉「・・・・・・」
土「止め。桜、一本。」
沖「ほー?。」
近「ははは。桜ちゃん剣より体術の方が得意そうだね。」
斉藤の懐には桜がおり、斉藤の首元に手刀を入れる目前でにこりと微笑んで立っていたのだ。斉藤と桜の手合いは桜が勝利を飾った。
斉藤の狙いは完璧だった。
鳩尾目掛けてクロスさせた竹刀は見事桜を撃ち抜こうとしていた。桜は鳩尾に入る直前に自分の持った竹刀をクロスした中に差し込み円をかいて斉藤の懐に飛び込んだのだ。
桜「斉藤さん、お手合わせありがとうございました。
肩で息をしている桜はぺこりと斉藤にお辞儀をした。」
土「その速さなら、使えそうだな。」
沖「持久戦はあんまり持ちそうになさそうですけどねい。」
近「うん。でも申し分ない技量だね。なんとなく把握出来てきたよ。
側近の件、申し分ないんじゃないか?」
土方は徐に携帯を取り出し監察方の山崎退に連絡を入れる。
土「山崎、至急予定を変更しろ。
本日の7時、-----」
携帯を切り終えると、桜を見ながらニヒルな笑みを浮かべて口を開いた。
土「桜、お前もう少しそのお面つけて遊んでみるか?」
桜「?」
狐のお面を持ったまま、彼女は首をかしげるのだった。
〔私は玉藻前〕