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*ゲーム内の世界じゃないです。
もうすぐ小テストがあるため、家では集中できないと地元の図書館で勉強をしていた七子。
(そういえば社会のテストでは最近のニュースも取り上げているんだっけ…)
やっている問題集の区切りがついたため、いったん気分を入れ替えようと広げている問題集を片づけ、新聞コーナーへと向かった。
夕方だったため人はいなく、そこは閑散としていた。
(ラッキー!新聞読み放題だなー)
そんなに新聞の内容を読むのが得意ではない七子にとっては、新聞はぱらぱらとめくるぐらいのものであった。
他に新聞を読んでいる人がいれば少しは記事を読むのだが、時間が時間だけに人はいない。
気軽に新聞を選んでさらりと読み、違う新聞へと読み替えていた。
コツコツ…
そこそこ若そうな男性がこちらの新聞コーナーに来た。
若いのに真面目な人もいるもんだな…。と思いながら、男性を見ていると、ニコリと笑顔を向けたため思わずニコリと返したが、恥ずかしくなり持っていた新聞で顔を覆った。
"N町で遺体発見!数日前の犯行と同じような形跡が!連続殺人事件か"
ふと目に入った見出しの内容を読む。数日前に見たテレビでもこの殺人の内容がニュースに上がっていた。そして今回、たまたまだろうか…まるで私の通っている高校周囲で殺人が起きているかのように思えた。
(なんか高校周囲に多いの嫌だな…。っていやいや…さすがに社会のテストにこの記事の内容は出ないだろう…。)
とはいえ、記事の内容に思わず引き込まれるように読んでしまった。
現実味があるような…新聞とはいえここまで被害者の詳細が書けるいるものだろうか。
読んでいくうちに段々と不安と恐怖に引きづりこまれそうになるが、引き込まれるような文章だった。
――――もうすぐ閉館のお時間です。本を――
ハッと、見上げると図書館の閉館の音楽が流れる始める。
もうそんな時間か…と窓から外を見ると夕暮れ時だった。
こんな記事を見てしまった後だからか、さすがに真っ暗の夜道を帰るのは嫌だし早く帰ろうと、読んでいた新聞を急いで元の場所に戻した。
新聞を読んでいた男性は帰りの支度のそぶりも見せない。
閉館の時間なのに大丈夫なのかな…?とちらりと男性を見ると目が合った。
一瞬、ドキっと心臓が鳴った。
「ねえ僕の記事はどうだった?」
「え、あの…どうと言われても…」
急に声をかけられ、思わず反応できずにその場で固まってしまう。
どうだった?と見ず知らずの男性に突然感想を求められても答える余裕はなかった。
いやいや、それよりも”僕の記事”という言葉が引っかかっる。
この人がこのような記事を書いたのか…知人に警察の関係者でもいるのだろうか?
「げ、現実味が…があって、」
「よかった!やっぱりこの仕事には現実味が大切だもんね。」
ぼそりと男性が、”もっと頑張らなくちゃ”と呟き、にっこりと微笑んだ。
思わず微笑み返した、がきっと引きつっていただろう…。
(なんだろう…この人怖い。今は急いで家に帰ることにしよう…。)
バッグを持ち図書館を後にし、置いていた自転車を漕ぐ。
(また来た時にこの人には一人で会いたくはないな…次はせめて友達と来るか家で勉強しよう。)
街並みは夕日も沈みかけ、街灯がついているとはいえ暗かった。
「はあーもう変な人に会っちゃった。」
家に着き、悪態をつきながら自転車を置き玄関へと向かう。
と、家の前にぼんやりと黒い人が立っていた。
家の照明がついていないということは親はまだ帰ってきていないのだろう。
親に用がある人だったら申し訳ないな…と思いつつ、用件でも伺っとこうと近づいた。
「あのーうちに何か用事…ヒッ」
黒い人がふと振り返ると、ハロウィンで見かけるマスクを着けていた。
こんにちは、とそのマスクの人が言うかのように手を小さく振った。
「え…あ、こ、こんにち、は…」
思考が一瞬フリーズをする。
ゴトン、と持っていたバッグを手から落ち、バッグから教科書や問題集やらと出てしまったが、それどころではなかった。
パニックで頭がいっぱいだった。
(え、何?誰?黒いゴーストのマスクをかぶった人がうちに何の用事があるの?
そ、それに…なんだか血生臭い?そのもう片方の手にあるナイフは…一体何に使うの…?)
~♪
携帯の着信音でハッと我に返る。
誰からかかってきたのか、今は気にしている余裕はなかった。
パニックで動かなかった私に”どうしたの?”というかのように首をかしげる。
―――襲ってこない…?
(ラッキー?いやでもなんで?いや、今はとにかく逃げなきゃ…!)
殺人鬼?に背を向けるなんて無謀ではあったが、彼はどうやら襲ってこないらしい。
とはいえ、いつ気が変わって襲ってくるかわからない。今は一刻も早くここから逃げよう、と落とした携帯だけを拾い自転車にまたがり漕ぎだす。
(ど、どこへ…?交番?と、とにかく人通りが多いところへ行かないと)
ちらりと家を見ると、彼が見送るかのように小さく手を振っていた。
「はぁ…はぁ…」
追ってこない?なんで?
そもそも彼は巷でいろいろとニュースで取り上げられている殺人鬼?
なんで襲ってこなかった?
考えても仕方ないと、ひたすら自転車を漕ぐ。
願わくば家族が帰ってきてないことを祈りつつ…。
「すみません!!家に変な人が……ッ!!!」
交番にいた警官帽の人に話しかける。
お巡りさんらしき人がゆっくりと顔をあげると、そこにはさっき家の前にいた不気味なマスクをした彼だった。
「ヒッ!!あ、あぁ…ああ…」
へなへなと腰を抜かす。立ち上がるはもちろん、這って逃げるようとさえできなかった。
なんで?どうして?先回り?家から交番までそこそこ距離があるはずなのに?
思考がぐるぐると回り、冷静に考えることができなかった。
コツコツと彼がナイフを片手に来る。
(殺される!!)
と、その時がらりとドアが開く音がした。
「あれ?どうしたんだ…ぃ…」
お巡りさんがひょこっと顔を出した。とその瞬間、彼が持っていたナイフで胸を刺された。
「あ、あぁぁううぅう…あ、あ、の…」
声にならない声を絞るも震えてまともにしゃべることさえできなかった。
彼はどうしたの?と首をかしげる。
「ぁぁ…うぅ……」
震えて動けない私をしり目に、彼はポケットから出したデジカメで警察の顔写真を撮っていた。
「お、お願い…殺さないで…」
頼ってきた警官はすでに殺されている。もう必死のお願いをするしかなかった。
「七子。図書館で読んでいた記事はどうだった?」
あれは結構リアリティあるよね。やっぱ資料がいいからかな?
と付け加え、ナイフに着いた血を手袋で拭う。
私の願いは聞こえたのだろうか…?
もはや聞いちゃいないということなのだろうか。
「ねえ、せっかくだから詳細に覚えておきたいんだ。さあ笑って。素敵な写真を撮ってやるからさ。」
そんな笑ってと言われて笑うことなんてできなかった。泣き顔で後退りをする私を、彼はくつくつと楽しそうに笑い見つめながら迫る。
手に持っているナイフが袋の中の鼠だと私に伝える。
「あ…あぁ……うっうぅ…」
嗚咽を漏らすとより楽しそうに、彼は距離を詰める。
ゴツン、と壁に頭をぶつけたが、痛みなんか気にしている場合ではない。
どうあがいても、どう動いても逃げられない。
彼はカシャと、写真を撮っては映像を確認している。
うーんと唸ると、今度はカシャカシャと何回も写真を撮る。
いいね、と怯えた顔に満足したのか持っていたナイフを近づけた。
殺される!と思い思わず目をつぶるがただツーショットを取るように顔を隣り合わせにしただけだった。黒い布から伝わるぬくもりが気持ち悪い。
「せっかくだから、七子とツーショット取りたいんだよね。ほら笑って笑って」
トントン、と持っているナイフを顔に当てられる。笑わなくちゃ、笑わなくちゃ…と思うも顔は泣き顔しかできなかった。
「うーん笑顔が素敵なのに…。」
「…」
「でも次の記事を書くのにいい資料になりそうだよ、ありがとう!…でももうそろそろここから離れないといけないかな?」
何かしら答えようにも口を開けば血がごぽりと出るだけだった。
がらりと扉をあける。外はもう真っ暗だった。
「それじゃ!七子またね!」
そう彼は言うとゴーストのように闇に消えていった。
___________
あまりキラーはしゃべらないので、もし口調がイメージと異なってましたらすみません…。
新キラーは強い弱いは置いといて、実装楽しみです。
切られてる描写あった方がいいかな…加筆修正しようかな…(そして忘れる。)
お読みいただきありがとうございました!
2019.06.08
2021.05.23 ちょっと修正。
もうすぐ小テストがあるため、家では集中できないと地元の図書館で勉強をしていた七子。
(そういえば社会のテストでは最近のニュースも取り上げているんだっけ…)
やっている問題集の区切りがついたため、いったん気分を入れ替えようと広げている問題集を片づけ、新聞コーナーへと向かった。
夕方だったため人はいなく、そこは閑散としていた。
(ラッキー!新聞読み放題だなー)
そんなに新聞の内容を読むのが得意ではない七子にとっては、新聞はぱらぱらとめくるぐらいのものであった。
他に新聞を読んでいる人がいれば少しは記事を読むのだが、時間が時間だけに人はいない。
気軽に新聞を選んでさらりと読み、違う新聞へと読み替えていた。
コツコツ…
そこそこ若そうな男性がこちらの新聞コーナーに来た。
若いのに真面目な人もいるもんだな…。と思いながら、男性を見ていると、ニコリと笑顔を向けたため思わずニコリと返したが、恥ずかしくなり持っていた新聞で顔を覆った。
"N町で遺体発見!数日前の犯行と同じような形跡が!連続殺人事件か"
ふと目に入った見出しの内容を読む。数日前に見たテレビでもこの殺人の内容がニュースに上がっていた。そして今回、たまたまだろうか…まるで私の通っている高校周囲で殺人が起きているかのように思えた。
(なんか高校周囲に多いの嫌だな…。っていやいや…さすがに社会のテストにこの記事の内容は出ないだろう…。)
とはいえ、記事の内容に思わず引き込まれるように読んでしまった。
現実味があるような…新聞とはいえここまで被害者の詳細が書けるいるものだろうか。
読んでいくうちに段々と不安と恐怖に引きづりこまれそうになるが、引き込まれるような文章だった。
――――もうすぐ閉館のお時間です。本を――
ハッと、見上げると図書館の閉館の音楽が流れる始める。
もうそんな時間か…と窓から外を見ると夕暮れ時だった。
こんな記事を見てしまった後だからか、さすがに真っ暗の夜道を帰るのは嫌だし早く帰ろうと、読んでいた新聞を急いで元の場所に戻した。
新聞を読んでいた男性は帰りの支度のそぶりも見せない。
閉館の時間なのに大丈夫なのかな…?とちらりと男性を見ると目が合った。
一瞬、ドキっと心臓が鳴った。
「ねえ僕の記事はどうだった?」
「え、あの…どうと言われても…」
急に声をかけられ、思わず反応できずにその場で固まってしまう。
どうだった?と見ず知らずの男性に突然感想を求められても答える余裕はなかった。
いやいや、それよりも”僕の記事”という言葉が引っかかっる。
この人がこのような記事を書いたのか…知人に警察の関係者でもいるのだろうか?
「げ、現実味が…があって、」
「よかった!やっぱりこの仕事には現実味が大切だもんね。」
ぼそりと男性が、”もっと頑張らなくちゃ”と呟き、にっこりと微笑んだ。
思わず微笑み返した、がきっと引きつっていただろう…。
(なんだろう…この人怖い。今は急いで家に帰ることにしよう…。)
バッグを持ち図書館を後にし、置いていた自転車を漕ぐ。
(また来た時にこの人には一人で会いたくはないな…次はせめて友達と来るか家で勉強しよう。)
街並みは夕日も沈みかけ、街灯がついているとはいえ暗かった。
「はあーもう変な人に会っちゃった。」
家に着き、悪態をつきながら自転車を置き玄関へと向かう。
と、家の前にぼんやりと黒い人が立っていた。
家の照明がついていないということは親はまだ帰ってきていないのだろう。
親に用がある人だったら申し訳ないな…と思いつつ、用件でも伺っとこうと近づいた。
「あのーうちに何か用事…ヒッ」
黒い人がふと振り返ると、ハロウィンで見かけるマスクを着けていた。
こんにちは、とそのマスクの人が言うかのように手を小さく振った。
「え…あ、こ、こんにち、は…」
思考が一瞬フリーズをする。
ゴトン、と持っていたバッグを手から落ち、バッグから教科書や問題集やらと出てしまったが、それどころではなかった。
パニックで頭がいっぱいだった。
(え、何?誰?黒いゴーストのマスクをかぶった人がうちに何の用事があるの?
そ、それに…なんだか血生臭い?そのもう片方の手にあるナイフは…一体何に使うの…?)
~♪
携帯の着信音でハッと我に返る。
誰からかかってきたのか、今は気にしている余裕はなかった。
パニックで動かなかった私に”どうしたの?”というかのように首をかしげる。
―――襲ってこない…?
(ラッキー?いやでもなんで?いや、今はとにかく逃げなきゃ…!)
殺人鬼?に背を向けるなんて無謀ではあったが、彼はどうやら襲ってこないらしい。
とはいえ、いつ気が変わって襲ってくるかわからない。今は一刻も早くここから逃げよう、と落とした携帯だけを拾い自転車にまたがり漕ぎだす。
(ど、どこへ…?交番?と、とにかく人通りが多いところへ行かないと)
ちらりと家を見ると、彼が見送るかのように小さく手を振っていた。
「はぁ…はぁ…」
追ってこない?なんで?
そもそも彼は巷でいろいろとニュースで取り上げられている殺人鬼?
なんで襲ってこなかった?
考えても仕方ないと、ひたすら自転車を漕ぐ。
願わくば家族が帰ってきてないことを祈りつつ…。
「すみません!!家に変な人が……ッ!!!」
交番にいた警官帽の人に話しかける。
お巡りさんらしき人がゆっくりと顔をあげると、そこにはさっき家の前にいた不気味なマスクをした彼だった。
「ヒッ!!あ、あぁ…ああ…」
へなへなと腰を抜かす。立ち上がるはもちろん、這って逃げるようとさえできなかった。
なんで?どうして?先回り?家から交番までそこそこ距離があるはずなのに?
思考がぐるぐると回り、冷静に考えることができなかった。
コツコツと彼がナイフを片手に来る。
(殺される!!)
と、その時がらりとドアが開く音がした。
「あれ?どうしたんだ…ぃ…」
お巡りさんがひょこっと顔を出した。とその瞬間、彼が持っていたナイフで胸を刺された。
「あ、あぁぁううぅう…あ、あ、の…」
声にならない声を絞るも震えてまともにしゃべることさえできなかった。
彼はどうしたの?と首をかしげる。
「ぁぁ…うぅ……」
震えて動けない私をしり目に、彼はポケットから出したデジカメで警察の顔写真を撮っていた。
「お、お願い…殺さないで…」
頼ってきた警官はすでに殺されている。もう必死のお願いをするしかなかった。
「七子。図書館で読んでいた記事はどうだった?」
あれは結構リアリティあるよね。やっぱ資料がいいからかな?
と付け加え、ナイフに着いた血を手袋で拭う。
私の願いは聞こえたのだろうか…?
もはや聞いちゃいないということなのだろうか。
「ねえ、せっかくだから詳細に覚えておきたいんだ。さあ笑って。素敵な写真を撮ってやるからさ。」
そんな笑ってと言われて笑うことなんてできなかった。泣き顔で後退りをする私を、彼はくつくつと楽しそうに笑い見つめながら迫る。
手に持っているナイフが袋の中の鼠だと私に伝える。
「あ…あぁ……うっうぅ…」
嗚咽を漏らすとより楽しそうに、彼は距離を詰める。
ゴツン、と壁に頭をぶつけたが、痛みなんか気にしている場合ではない。
どうあがいても、どう動いても逃げられない。
彼はカシャと、写真を撮っては映像を確認している。
うーんと唸ると、今度はカシャカシャと何回も写真を撮る。
いいね、と怯えた顔に満足したのか持っていたナイフを近づけた。
殺される!と思い思わず目をつぶるがただツーショットを取るように顔を隣り合わせにしただけだった。黒い布から伝わるぬくもりが気持ち悪い。
「せっかくだから、七子とツーショット取りたいんだよね。ほら笑って笑って」
トントン、と持っているナイフを顔に当てられる。笑わなくちゃ、笑わなくちゃ…と思うも顔は泣き顔しかできなかった。
「うーん笑顔が素敵なのに…。」
「…」
「でも次の記事を書くのにいい資料になりそうだよ、ありがとう!…でももうそろそろここから離れないといけないかな?」
何かしら答えようにも口を開けば血がごぽりと出るだけだった。
がらりと扉をあける。外はもう真っ暗だった。
「それじゃ!七子またね!」
そう彼は言うとゴーストのように闇に消えていった。
___________
あまりキラーはしゃべらないので、もし口調がイメージと異なってましたらすみません…。
新キラーは強い弱いは置いといて、実装楽しみです。
切られてる描写あった方がいいかな…加筆修正しようかな…(そして忘れる。)
お読みいただきありがとうございました!
2019.06.08
2021.05.23 ちょっと修正。