書籍1
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ひぃひぃ…
辺りも見渡さず無我夢中で病院内を駆け回る。後ろからくる赤い目線を背に受けながら、手に持っている包丁で今にも切ろうと距離を詰めてくる。その表情は私には楽しんでいるように見えるが、第三者から見たら真っ白の不気味なマスクをつけているから真顔にしか見えないのだろう。だが、マスクの下の表情はほくそ笑んでいるに違いない。
追われて距離を詰められたかと思えば窓枠を乗り越え、ほんの些細な時間稼ぎをすることができ、板を倒せば簡易な窓枠ができ、時間稼ぎをすることができる。
吊られるのも痛いし、だからといって刺されるのも嫌だ。
一人、また一人と死んでしまい、最後の一人となってしまった私にとってハッチから逃げるしかなかった。
窓枠を無我夢中で超えては板を倒しては…とで、もう応急手当した血と汗とでぐちゃぐちゃだった。
そもそもこの儀式…鬼ごっこはいつも血の匂いが鼻に付く。最初はただの何もない平原でも、最後は所々から血の匂いがするのだ。
死んでしまえば、ああ今日も儀式は終わったのだ…となるけれど、まだ生きていて尚仲間の悲鳴を何度もなんども聞いていると死ぬのが怖くなり、何としてでも逃げたい逃げたいと頭の中がいっぱいになるのだ。
マイケルの包丁の持ち方がすっと変わった。何度も経験をした。内なる邪悪が目覚めた時だ。
(そういえば今日のマイケルは墓石…!?健常だろうが殺されてしまう!!!!)
焦りに焦り、ハッチに逃げようと急いで飛び込む瞬間やつの冷たい手が私の首元をがしりと掴んだ。
ああ殺される…と思った瞬間、マイケルと目が合った。
「ぐっ………ぐるじっ……」
ただじっと見つめるマイケル。そのマスクの奥の瞳は一体何を考えているのか。
ー苦しい。呼吸をするのがしんどくなる。
マイケルの胸板を叩き、手を離してくれと言わんばかりに必死に何度も何度も叩くが、こちらはただの高校生で相手は大の大人。ピクリともするわけがなかった。
マイケルは七子の息がぜぇぜぇ…としたものから、ひゅーひゅーとか細くなるのを見て楽しんでいた。
捕まえた獲物が次々と死んでいく。今夜もこの獲物の命が消えていくのだ。
胸板を叩いているが、それも段々と弱っていった。それではつまらない。抵抗がなければ
ぐっ…と片手で持っていた包丁の先を胸にピトりとつける。七子の朦朧としていた意識が一瞬で蘇り、か細く息を飲む。
この表情を楽しんでいるとでも言わんばかり、少しずつ包丁を入れ込む。マイケルはいつも死ぬその瞬間楽しんでいるのだろう。無機質なマスクの表情がにやりと笑っているように見えた。
最期の力を振り絞り、胸板を思い切り叩く。その瞬間、油断したのかわからない。抜けたのだ。包丁もマイケルの手からも
ぐぅっ!!
唸り声をあげ、一瞬だけよろけた。
最期の力を振り絞り、ハッチまで走る。
あと数メートル…足に力は入らず覚束ないけれど、これなら逃げ切れる!!!
そう思った瞬間だった。
転んでしまった。傷の開いた胸に痛みが思い切りはしる。けれど、けれども……そんな痛みを気にしてる場合じゃない。逃げなくちゃ…逃げ……
獲物は絶対に逃がさないと転んだ足を掴まれた。ずる、ずるずると引きずられる。
「痛い痛ぃ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい許して許して許して!!!!!」
無表情の顔、今度は逃さまいと足を思い切り掴み、落とした包丁を拾う。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
怖い怖い怖くてギュッと目を瞑る。と、うつ伏せから乱暴に仰向けへと、身体をひっくり返す。ぐっと痛みが襲いかかるが、そんなことよりももう今日の儀式は終わりにしたかった。どうせ助かりはしないのだ。
ふと、あいつが何もしてこないのに疑問を思い目をちらりとほんの薄く開けた。
が、それが間違いだった。
その瞬間、マイケルは包丁を振り下ろした。
ーーーーーー
2018.12.13
*ハッチに飛び込む前に掴まれてます。
ハッチ戦はほんと胃が痛いぜ!
特に相手がヒルビリーやカニバル、マイケル、トラちゃんだと尚更な!
(こいついつもハッチ設定だな…)
*補足(とても長い)
生存者4人と殺人鬼1人の隠れ鬼
発電機を人数+1台分修理すると脱出ゲートが通電し、開けることでゲームクリアとなるのですが、
生存者が1人となってしまった場合、残りの発電機を全部一人で回すなんて難しいための救済措置として、残りの生存者の人数-3になるとハッチという、擬似ゲートが出現します。そこから逃げてもゲームクリアとなります、がゲートとは違い、ハッチに飛び込む必要があるため、殺人鬼には掴むという動作を行うことができます。ある意味心理戦の始まりですね…。是非楽しんでください。(ハッチ戦は許してほしい…)
辺りも見渡さず無我夢中で病院内を駆け回る。後ろからくる赤い目線を背に受けながら、手に持っている包丁で今にも切ろうと距離を詰めてくる。その表情は私には楽しんでいるように見えるが、第三者から見たら真っ白の不気味なマスクをつけているから真顔にしか見えないのだろう。だが、マスクの下の表情はほくそ笑んでいるに違いない。
追われて距離を詰められたかと思えば窓枠を乗り越え、ほんの些細な時間稼ぎをすることができ、板を倒せば簡易な窓枠ができ、時間稼ぎをすることができる。
吊られるのも痛いし、だからといって刺されるのも嫌だ。
一人、また一人と死んでしまい、最後の一人となってしまった私にとってハッチから逃げるしかなかった。
窓枠を無我夢中で超えては板を倒しては…とで、もう応急手当した血と汗とでぐちゃぐちゃだった。
そもそもこの儀式…鬼ごっこはいつも血の匂いが鼻に付く。最初はただの何もない平原でも、最後は所々から血の匂いがするのだ。
死んでしまえば、ああ今日も儀式は終わったのだ…となるけれど、まだ生きていて尚仲間の悲鳴を何度もなんども聞いていると死ぬのが怖くなり、何としてでも逃げたい逃げたいと頭の中がいっぱいになるのだ。
マイケルの包丁の持ち方がすっと変わった。何度も経験をした。内なる邪悪が目覚めた時だ。
(そういえば今日のマイケルは墓石…!?健常だろうが殺されてしまう!!!!)
焦りに焦り、ハッチに逃げようと急いで飛び込む瞬間やつの冷たい手が私の首元をがしりと掴んだ。
ああ殺される…と思った瞬間、マイケルと目が合った。
「ぐっ………ぐるじっ……」
ただじっと見つめるマイケル。そのマスクの奥の瞳は一体何を考えているのか。
ー苦しい。呼吸をするのがしんどくなる。
マイケルの胸板を叩き、手を離してくれと言わんばかりに必死に何度も何度も叩くが、こちらはただの高校生で相手は大の大人。ピクリともするわけがなかった。
マイケルは七子の息がぜぇぜぇ…としたものから、ひゅーひゅーとか細くなるのを見て楽しんでいた。
捕まえた獲物が次々と死んでいく。今夜もこの獲物の命が消えていくのだ。
胸板を叩いているが、それも段々と弱っていった。それではつまらない。抵抗がなければ
ぐっ…と片手で持っていた包丁の先を胸にピトりとつける。七子の朦朧としていた意識が一瞬で蘇り、か細く息を飲む。
この表情を楽しんでいるとでも言わんばかり、少しずつ包丁を入れ込む。マイケルはいつも死ぬその瞬間楽しんでいるのだろう。無機質なマスクの表情がにやりと笑っているように見えた。
最期の力を振り絞り、胸板を思い切り叩く。その瞬間、油断したのかわからない。抜けたのだ。包丁もマイケルの手からも
ぐぅっ!!
唸り声をあげ、一瞬だけよろけた。
最期の力を振り絞り、ハッチまで走る。
あと数メートル…足に力は入らず覚束ないけれど、これなら逃げ切れる!!!
そう思った瞬間だった。
転んでしまった。傷の開いた胸に痛みが思い切りはしる。けれど、けれども……そんな痛みを気にしてる場合じゃない。逃げなくちゃ…逃げ……
獲物は絶対に逃がさないと転んだ足を掴まれた。ずる、ずるずると引きずられる。
「痛い痛ぃ…ごめんなさいごめんなさいごめんなさい許して許して許して!!!!!」
無表情の顔、今度は逃さまいと足を思い切り掴み、落とした包丁を拾う。
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…」
怖い怖い怖くてギュッと目を瞑る。と、うつ伏せから乱暴に仰向けへと、身体をひっくり返す。ぐっと痛みが襲いかかるが、そんなことよりももう今日の儀式は終わりにしたかった。どうせ助かりはしないのだ。
ふと、あいつが何もしてこないのに疑問を思い目をちらりとほんの薄く開けた。
が、それが間違いだった。
その瞬間、マイケルは包丁を振り下ろした。
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2018.12.13
*ハッチに飛び込む前に掴まれてます。
ハッチ戦はほんと胃が痛いぜ!
特に相手がヒルビリーやカニバル、マイケル、トラちゃんだと尚更な!
(こいついつもハッチ設定だな…)
*補足(とても長い)
生存者4人と殺人鬼1人の隠れ鬼
発電機を人数+1台分修理すると脱出ゲートが通電し、開けることでゲームクリアとなるのですが、
生存者が1人となってしまった場合、残りの発電機を全部一人で回すなんて難しいための救済措置として、残りの生存者の人数-3になるとハッチという、擬似ゲートが出現します。そこから逃げてもゲームクリアとなります、がゲートとは違い、ハッチに飛び込む必要があるため、殺人鬼には掴むという動作を行うことができます。ある意味心理戦の始まりですね…。是非楽しんでください。(ハッチ戦は許してほしい…)