ピアス
「…りさ?」
ドアの鍵を閉めてすぐに熱も持った理佐の目がこちらを見つめていた。
興味本位で、あたふたする理佐が可愛くて、
校内で性の勉強などと言っては理佐を抱いてしまったあの日から____
使われていない図書準備室で愛を育むのが私たちの日課になっていた。校内での行為に理佐はすっかりハマってしまったようだ。
今もそう
いつもの優しい理佐の目ではなく欲望に溺れた熱を帯びている。
ただ見つめてくるだけで何もしてこない彼女に痺れを切らし彼女の名前を読んでみた。
わかりやすく唾をごくっと飲み込む姿に思わず笑ってしまった。それと同時に細い腕を伸ばしドアに手をついて綺麗な顔が近づいてきた。
思わず見惚れてしまう綺麗な顔立ち
ゆっくりお互い視線を交えたまま合わさったそれはあまりにも気持ちが良かった。食むように合わせた唇を何度も角度を変えていやらしい水音と共に口内に侵入してきたそれは歯列をなぞりわたしの舌まで吸い付いて離さなかった。独占欲が強いはどっちなのだろうか。
今もこんなに愛おしくわたしを求めてる彼女を閉じ込めておきたい、誰にも触れさせたくない、そう思うわたしの方だろうか。
沢山愛し合いお互い乱れた制服を整えてた時、
彼女の手によって再び抱き寄せられた。
華奢な体で細い腕なのにこんなにも安心できる。
ずっと自分に自信がなかった、
真っ直ぐで不器用な彼女が全て変えてくれた。
好きとか愛だとかよくわからないけど、どんな言葉でも表せないぐらい想ってる。
「しあわせ」
自然に漏れてた自分の声。
愛おしい彼女の顔は見れないけど、先ほどよりも力強く抱きしめてくれた。
でも……
「…りさ?…苦しい」
わたしがそういうと慌てて力を緩める彼女。
やっと見ることのできた愛おしい彼女は顔も耳も赤く染めていた。なんなら目もうるうるしている。わたししか知らなくていい彼女の姿。
西日が差し込み彼女の左耳のピアスを照らしていた。
眩しく輝く彼女の覚悟のピアスを。
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