濃厚接触







『…、ちょ、近い』




「近うて当たり前、今から濃厚接触するとやけん」












自粛期間で二人で過ごす時間が前より増え、
のんびりと過ごしていると改めて思う事がある。

こうして一緒に居れる事の安心感。
一緒にご飯食べて、一緒に掃除して、
一緒にお風呂入って、一緒に寝る。



うん、幸せ。




すっかりリラックスしていつも通りソファーに寝転がっているとねるがわたしに覆い被さり視界が彼女でいっぱいになった。




今日もかわいいな…と暫く眺めていたけど一向に動く気配がない。別に何かを言う訳でもない。





『ねる、?』



「理佐、最近いちゃいちゃしてくれん」



『えっ?』



「一緒にお風呂も入ってんお風呂から出たらすぐ理佐寝てしまうし、だから」



『だから…?』



「今から濃厚接触する」



『…、ちょ、近い』



「近うて当たり前、今から濃厚接触するとやけん」



『んっ、ぁ、』





久しぶりに感じたねるの唇。
こんなに柔らかかったっけ、




ねるの腰に手を回し抱き寄せた身体。
こんなに細かったっけ、




一緒に居れる事の安心感に満足し過ぎてちゃんとねるの事見ていなかったな。





わたしの首筋に吸い付いてるねるの肩を抱き寄せ身体を反転させねるをそっと組み敷く。




『交替』

 
「んぁ、」



首筋を舐めれば可愛く漏れるねるの声。
ねるの好きなの所をたっぷり時間をかけて触る。

 

「っ、ん、」



『ねぇ、ねる?濃厚接触ってどんな事だと思う?』



「え、?」



『こっちきて』




「…りさっ?!」




ねるの手を取り寝室へ向かう。
驚きながらもちゃんと着いてきてくれるねるに思わず口角が上がるのを手で隠す。



 
ベッドにお互い向き合うように座りねるが纏っているものを取り払い自分の服を雑に脱ぎ捨て恥ずかしがるねるの脚の間に自分の身体を入れ込む。



お互いの中心を合わせる行為。

 


ねるの腰を引き寄せると、これからする行為への不安からなのか恥ずかしさからなのかわたしの手を握っている。

 



『怖い?』




さっきまで狼のような理佐だったのに、
今は尻尾と耳を垂らした可愛い子犬。

あー、そんなに目をうるうるせんで…

きっと怖いって一言言えば理佐はねるに絶対手を出さない。自分より人を優先する優しい理佐。


ねるの返事なんか待たんでもっと強引にきてんよかとに……狼になりきれん子犬なりっちゃん。


ねるはそんなりっちゃんが好いとーよ







「のーこーせっしょく」




そう耳元で囁けば____







熱を帯びた眼差しで見つめれる




お互いが磁石のように
どちらかともなく引き寄せ合い一つになる



「っん、ぁっんん、」


『っん、はぁ、ねる、わたしが動くから、』


お互いの中心が吸い付くように求め合い密着し溢れ出る愛液がいやらしい水音を立てる。今までに感じた事のない快楽に身体がビクビクと小刻みに震えながらもねるが気持ち良くなる事を考えながら動きを早くする。



「ん、んぁ、っはぁ、り、さ、!もう、っ」


『っ、ねる、、んっ』


快楽に飲み込まれそうになる前にねるを抱き寄せキスをする。



それと同時に、

身体中に電撃が走ったようにガクガクと震える身体、叫びに近い声をあげ身体が脱力する。


『っん、はぁ、はぁ、』


暫く余韻で身体がビクつかせながらも側にいる愛おしい彼女を抱き寄せ胸いっぱいに彼女の匂いを体内
に取り込む。




『ねる、あの…どうだった、?やっぱり、怖かった、?』



さっきまでの熱を帯びたギラギラした目ではなく目を潤わせた子犬の表情をしている理佐。


ほんと可愛か。

私だけが知ってればいい理佐の一面。



「理佐…」


耳元でそっと「好きだよ」と言えばすぐに頬を染める姿も。

優しく身体を包み込んでくれる身体も。


全部、ぜんぶ、私だけのもの










『…のーこーせっしょく』





そう言ってキスをせがんでくる理佐は今日も世界一可愛か。




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