ねむり姫
安易な返事はするものではないとあの時の自分に言ってやりたい…
あと…よく目を見ろ、とも。
「なぁマッシュ…新しい機械を作ったんだが…効果を調べたくてな
ちょっと試してはくれないか?」
本をぺらりとめくりながら横目で此方を伺う兄に何の考えもなしに
二つ返事でああ、いいけど、と了承してみせれば、少し小さな溜息を吐いた後
お前は本当、そういう所心配だなぁ…と呟いて見せたので
首を傾げる。頼まれ事を引き受けるのに何故そんな心配をされなければいけないのか
よくわからないし、第一頼んだのは自分だろうと言ってやりたかったが
まぁいいかと諦めて、で?と続きを促してやれば
「地下の秘密の部屋…覚えてるか?」
「あの…兄貴が機械とかを作る部屋だろ…?一人になりたい時に篭ってる…」
「ああ、そこに集合だ」
いいけど…と言えばじゃあ先に行って支度しておくから
なんて言って足早にその場を去る。
別に支度なんて何があるんだ?と首を傾げて出された紅茶を飲み干し
積み上げられた書類が崩れないように整理をしてから地下へと向かった
「相変わらず沢山の機械があるもんだな…」
辺りを見渡しながらそう関心すると
「あぁ、お前が城を出て行ってからも色々改良したり新作が出来たからな…
すまないが床に腰かけていてくれ…もうすぐ支度も終わる」
そう言われ床に直に座ると、支度が終わったのか近づいてくる
兄が手にしたものに目をぱちくりとさせた後
「目隠し…?」
と確認すると、ああと、さも当然とばかりに俺の視界を布で遮ぎってくる、厚めの布だからか、すぐに
視界は真っ暗になってしまう、そこに不安などはないのだが…
ふと何の実験なのか聞いていなかったとふと思い出す
「そういえば…何の実験なんだ?」
周りでガチャガチャと機械をいじる音が聞こえ
「…本当にお前は鈍いな、そこがまたお前らしい…とも言えるんだが…」
という声と同時に腕を前で固定されジャラッと鎖の音が響く
「…?手錠?」
「ああ、お前が勢いで機械を壊すと困るからな」
「…壊さねぇし」
多分、と付け加えるとくつくつと笑い声が響く、本当お前は素直過ぎると
聞こえた後ゆっくりと耳元で声が聞こえる、いつもよりずっと低い、痺れるような
熱を孕んだ甘い、甘い声
「…っ」
びくりと身を強張らせると吐息と共に
「壊す、なよ?」
「わかってるっ…って!で…何を…」
じれったくなって身を捩るとしゅるりと腰紐が解かれてゆく
「なっ!?」
予想だにしていなかった出来事に頭がついていけず危機感からか
この拘束をとらなくてはという行動に移ろうとしていた、その時だ
『壊す、なよ?』
先程の言葉が頭の中で響きわたって、力を込めていた腕はくたりと腹上に落ちる
目隠しをされている以上自分の力加減がわからず物を壊してしまうかもしれない
近くにいる兄にその拳が当たって怪我をさせてしまうのではという
一種の不安が脳裏に過ぎる
マッシュが戸惑っているのをしり目に細かい装飾を器用に外し、
ズボンを下着ごとずらしてゆく、外気に触れ、ひっ…とか細い声が部屋に反響し
自身の耳にも届くとあまりの恥ずかしさにぐっと唇を噛むがそれも
口を割って入れられた指に阻まれ端から涎が伝う。
「んぅ…っ」
「初めてだからな…まずは気持ちよくなれるよう身体を作り変えてやるから
力を抜いて」
気持ちよくなる…?作り変える???何のことかとんと分からず困惑するが
もう一度、力を抜けと耳元で囁かれゆっくりと脱力させてゆく
「いいこだ」
そう言って口に入れられていた手をゆっくりと抜くと
頬をするりと撫でられる。褒められたことが嬉しくて
先程の不安な事など頭の片隅に置かれてしまっていた
とぽぽっと水音がして何の音だ…?と首を傾げると引き締まった腹筋の上を
たらりと何かが伝ってゆく冷たい、という程ではないのだが
ぬるりとしたそれが肌を滑る度に何とも言えない気分になる
すん…と香りを嗅ぐとそれは薔薇の香りがしているようで
「薔薇の…香り…?」
「ああ…いい香りだろう…?薔薇の香油だ…人体に影響がなく、リラクゼーション効果
もあってな…アロマテラピーでも使用されているらしい」
「へ…」
もしや新しい機械とはマッサージの類だったのかと考え直していると
まぁ、今回は使用用途が違うがなと、悪戯っぽい弾んだ声がかえってきて
なんて甘い考えをしていたのか痛感させられる
後孔の方にも垂れていったそれを掬いそのまま縁をくるりとなぞる
普段触られる事のないそこに指を這われるだけでぞくりとして思わず
声をかけずにはいられない
「な…なぁ…兄貴…これって…」
「流石に鈍感なお前でも気付いたか、そうだよ…これは…こう…使うんだ」
指がゆっくりと押し入れられてゆく、あまりの異物感に息を詰まらせると
ゆっくり息を吐いて、と促される、肩で息をしながら震える身体に鞭をうつ
何度か深呼吸をしているうちに中指が第二関節まで入っていた
中でぐにぐにと何度も折り曲げられ、ぞわりと肌が粟立つ
丁寧と言えば聞こえはいいが執拗に同じ動きをしているせいか快感とも
不快ともいえないそれにじれったくなってきた頃だった
ある一点がそこに触れた。
がたりと思わず体勢を崩しそうになるがエドガーがそれを支える
そしてふふ、と笑い声が聞こえ
「気持ちいい?」
ともう一度同じ場所をゆっくりと押す
この感覚が気持ちいいものなのかよくわからず首を傾げて見せると
マッシュはもしかしてこっちも鈍かったりするのか…?と呟いているので益々
訳が分からなくて、もうどうにでもなれと壁に体重を預けると
「マッシュ、ちょっと四つん這いになってくれないか?」
と言われ、仕方なく動かす事の出来ない腕を器用に使いゆっくりと四つん這いになった
上のタンクトップが擦れて
(何だか…変な…気分だ)
いや、もうこんな事をされている時点で変な気分なのかもしれないが
目隠しをされている以上自分に分かるのは今の自分の体勢と俺の声と…それと…
(兄貴の…声、熱…)
あとは微かな物音、それだけ。
ぴとりとまた後孔に何かが触れる、だがそれは先程のように熱をもったものではなく
硬い…ような…?
「兄貴…それ…なに…?」
「気持ちよくなれるよう身体を作り変えてやるって言ったろ?
後ろでイけるように…ちょっとした…修行…?みたいな」
「修行…?」
こんな卑猥な修行があってたまるかと思って口を開いたが二つ返事で快く引き受けて
しまった自分にも落ち度はあるので、あっ…そうとがっくりと頭を垂れた
「まぁ…簡単に言えば修行、分かり易く言えば前立腺マッサージって所だな」
「…成る程わからん」
「だろうな」
じゃなくては困る、と付け足しその玩具の頭部をやわらかくなったそこに押し入れる
慣らしたお陰かそれはすんなりと入ってゆく、ぁっと小さな声を上げてしまい
羞恥心で顔が熱くなる
(なんだ?また…変な声)
「これはな、新しい玩具…まぁ器具でもあるな、試してみたかったんだが中々機会が
なくてな…今回はこれを使う予定はなかったんだ…が」
お前があまりにも可愛らしい反応をするから、試したくなった
と意地の悪い声で囁いた。この声の時は大概悪い事企んでるんだよなぁ…と
思いつつ下部に収まった違和感のするそれに意識がどうも集まっている自分に気付く
「治療の一環で使われるそうなんだが…さっきの所はここだったか…」
そういって先程のしこりの部分に宛がう、やはり変な感じがして呻くと
さて、ここからだなと位置を固定した
「マッシュ、お前はただ俺の言う通りに試せばいい、修行と言っただろう?
指示をするから、それを続けるんだ、いいね?」
「ぅ…ぁ…」
「いいね?」
ぐりっと押しあてられて思わずわかったから、と声をあげるとよし、と至極満足そうに
力を緩めた
「まずは下腹部を締めて…ゆっくり…そう…それで俺が良いというまで…
いい感じだ、次は緩めて……それの繰り返しだ」
「…こんなっ…事で…なに…が…」
「何度か、やればわかる」
「やればわかる…って…」
言われるままに締めて、緩めてを繰り返す。確かに修行みたいだななんて
どこか思い始めていると異変はすぐに起きた
「ひっ…!!??ぅぁ…?」
先程とは違う明らかな快感、何で…こんな物で…と後ろを振り返ったが
目隠しをされているので入れられているそれも、今どんな状況なのかもわからない
気を抜いて力を入れてしまわないように意識する
「あに…き…ぃ…それ…はず…し…」
「これがどうかしたのか…?」
「身体…が…ビリビリ…する…」
「そうか」
抜いてもらえる、そうほっとしたのも束の間
「ぅああぁ!?ひっ…ぁ…ァア!!!?」
強く押し当てられて強い快感が襲う、目の前が真っ暗なのに、チカチカと
まるで火花が散っているようだ、そしてこれでやっとわかったこれが
気持ちイイ事、なのだと
「ゃぁああああ!っひ…ぃあ!止め…止めっぇ…!!!」
何かが弾けマッシュ自身から勢いよく精液が零れ落ちる、同時に倦怠感がどっと
押し寄せて上腕を折りエドガーに尻を突き出す形になってしまう
そんな事に気付かないマッシュは、はーはーと荒い息遣いで肩から息をすると
ぬぽっと艶めかしい音をたてて後孔から器具を抜き去る
「良い声だった…が…マッシュ、そんな事じゃ声枯れてしまうんじゃないか?
今から試してもらうものはもっと凄いぞ…?」
何が凄いのか何が起こるのかまったくわからずにぼーっとする意識の中
しゅるりと視界が開ける。目隠しをとってくれたのか…と理解するとゆっくりと後ろを
振り向く、グロテスクな色をし、イボイボがついた男性器を象ったようなそれの大きさは
まるで凶器で、無理だ、入らない…と弱弱しく首を振ってみせる
「大丈夫、これらが全部終わったら俺のを入れてやるから」
ごとりと様々な色のバイブが床に転がる1…2…何本あるんだと自分でも顔が青ざめるのが分かった
「さぁ…マッシュ…楽しもうじゃないか」
香油を塗りたくりマッシュに宛がうとずぷりと奥へと入れる、その刺激だけでまたもや熱を吐き出すと
今度はおかまいなしにバイブをじゅぶじゅぶと抜き差しをする
「ぁ…っ…!も…ゃだぁ…!!!抜い……ッぁ…抜い…てェ…!ンッ」
「凄く良い眺めだ…その熱に浮かされた瞳も紅潮した頬も…鼻にかかった甘い声も…
全部俺しか知らないのだと思うと…ぞくぞくする…」
「ひァあっ…!ぁぁあ…!!ぅ、あ…!」
「これ…振動する機能もついているんだって」
「無理…ィ…ぁ…あぐ…っ…、ぁ!ぁああァ!!?」
かちりとスイッチの入れる音がするのと後孔がブブブと派手な振動音が室内に響く
何度吐き出したか分からない精液が床にポタポタと濡らしてゆく
派手にイったね…と思い切り抜き去れば、んっと切ない声をあげぽっかりと穴が開いている
さて、次はどれにしようかな…と手元の玩具を選別していると、掠れた音で
兄貴ィ…とねだる様な声が聞こえどうした?と微笑んでやれば
「玩具は…嫌…だ…っ…ンッ…」
「じゃあ…何がいいんだ?」
極めて優しく、甘い声で囁く、微量な毒を含ませるその声に浮かされたように
マッシュは呟く
「…兄貴が…ほし…ぃ…」
ごくりと唾を飲む、待っていたと言わんばかりに自身のズボンを下ろし
勃起したそれを濡れそぼったそこに宛がい一気に貫く
「は…ァ、ンッ!ァア…あ!ひ…ァ…あにき…のが…ぁ…入って…」
「そうだ、今中にあるのは俺だ」
「…っふ…ァ…気持ち…ィ……ッん…!」
しこりを執拗に攻めてごりごりと押しつぶす、激しく出入りさせる度に
愛しい弟の声が室内に響く
誰にも聞かせたりはしないとばかりに鍛えられた背中を掌で辿り
腰を打ち付ける。
「余程気に入ったみたい…ッ…だな…?」
「ぅ…ぁ…ンう…は…あにき……ぃ…す…き…」
「それはどっちだろうなァ…?ッ…クッ」
「…ッあン…!ふ…ぅ…ぁ……ッ?」
汗が混じるなか自身も限界に近付いてくるのがわかった
「ンッ…ぁ…ひっ…あ…!ァ……!」
「ふっ…マッ……シュ…」
「ひぁ…あ…あに…き…ぃ…ッ!」
「そろそろ…中に…ッ…出すぞ…」
「ん…ッァ…!あ…ぅ…ぁァ!!」
パンパンと肉のぶつかり合う音が聞こえ高ぶったまま熱い精子を中に吐き出す
出し終わった後も暫く繋がったまま中に擦り付けるようにすると
小さい声でンッと聞こえてきた、そのままゆっくりと自身を抜き取ると
腰をびくびくと震わせて収まりきらなくなったそれが床を更に汚す。
行為が終わり脱力していると掠れた声でこれ、取って…とだるい身体を
起こして手錠がはめられた腕を差し出した。
あぁ、悪いと鍵を差し込みひねるとカラン…と音を立てて手錠が床に落ち
「くっそ…痕にならなきゃいいけど…」
と恥ずかしそうな、恨めしそうな顔をして手首をさする
髪をかき上げながらよくそれ壊さなかったな?と言ってみせれば
「…目隠ししてんのに無理に壊して兄貴に怪我なんて…させらんないだろ」
と拗ねたように呟いた。それがあまりにも可愛らしくて
「今度は普通にやろうな」
「…」
今度もあるのか、という気持ちと共に今頷かなければまた今日みたいな事になるのか
と考え、小さくああと言ってみせれば額にそっと口付けを落とされた。
あと…よく目を見ろ、とも。
「なぁマッシュ…新しい機械を作ったんだが…効果を調べたくてな
ちょっと試してはくれないか?」
本をぺらりとめくりながら横目で此方を伺う兄に何の考えもなしに
二つ返事でああ、いいけど、と了承してみせれば、少し小さな溜息を吐いた後
お前は本当、そういう所心配だなぁ…と呟いて見せたので
首を傾げる。頼まれ事を引き受けるのに何故そんな心配をされなければいけないのか
よくわからないし、第一頼んだのは自分だろうと言ってやりたかったが
まぁいいかと諦めて、で?と続きを促してやれば
「地下の秘密の部屋…覚えてるか?」
「あの…兄貴が機械とかを作る部屋だろ…?一人になりたい時に篭ってる…」
「ああ、そこに集合だ」
いいけど…と言えばじゃあ先に行って支度しておくから
なんて言って足早にその場を去る。
別に支度なんて何があるんだ?と首を傾げて出された紅茶を飲み干し
積み上げられた書類が崩れないように整理をしてから地下へと向かった
「相変わらず沢山の機械があるもんだな…」
辺りを見渡しながらそう関心すると
「あぁ、お前が城を出て行ってからも色々改良したり新作が出来たからな…
すまないが床に腰かけていてくれ…もうすぐ支度も終わる」
そう言われ床に直に座ると、支度が終わったのか近づいてくる
兄が手にしたものに目をぱちくりとさせた後
「目隠し…?」
と確認すると、ああと、さも当然とばかりに俺の視界を布で遮ぎってくる、厚めの布だからか、すぐに
視界は真っ暗になってしまう、そこに不安などはないのだが…
ふと何の実験なのか聞いていなかったとふと思い出す
「そういえば…何の実験なんだ?」
周りでガチャガチャと機械をいじる音が聞こえ
「…本当にお前は鈍いな、そこがまたお前らしい…とも言えるんだが…」
という声と同時に腕を前で固定されジャラッと鎖の音が響く
「…?手錠?」
「ああ、お前が勢いで機械を壊すと困るからな」
「…壊さねぇし」
多分、と付け加えるとくつくつと笑い声が響く、本当お前は素直過ぎると
聞こえた後ゆっくりと耳元で声が聞こえる、いつもよりずっと低い、痺れるような
熱を孕んだ甘い、甘い声
「…っ」
びくりと身を強張らせると吐息と共に
「壊す、なよ?」
「わかってるっ…って!で…何を…」
じれったくなって身を捩るとしゅるりと腰紐が解かれてゆく
「なっ!?」
予想だにしていなかった出来事に頭がついていけず危機感からか
この拘束をとらなくてはという行動に移ろうとしていた、その時だ
『壊す、なよ?』
先程の言葉が頭の中で響きわたって、力を込めていた腕はくたりと腹上に落ちる
目隠しをされている以上自分の力加減がわからず物を壊してしまうかもしれない
近くにいる兄にその拳が当たって怪我をさせてしまうのではという
一種の不安が脳裏に過ぎる
マッシュが戸惑っているのをしり目に細かい装飾を器用に外し、
ズボンを下着ごとずらしてゆく、外気に触れ、ひっ…とか細い声が部屋に反響し
自身の耳にも届くとあまりの恥ずかしさにぐっと唇を噛むがそれも
口を割って入れられた指に阻まれ端から涎が伝う。
「んぅ…っ」
「初めてだからな…まずは気持ちよくなれるよう身体を作り変えてやるから
力を抜いて」
気持ちよくなる…?作り変える???何のことかとんと分からず困惑するが
もう一度、力を抜けと耳元で囁かれゆっくりと脱力させてゆく
「いいこだ」
そう言って口に入れられていた手をゆっくりと抜くと
頬をするりと撫でられる。褒められたことが嬉しくて
先程の不安な事など頭の片隅に置かれてしまっていた
とぽぽっと水音がして何の音だ…?と首を傾げると引き締まった腹筋の上を
たらりと何かが伝ってゆく冷たい、という程ではないのだが
ぬるりとしたそれが肌を滑る度に何とも言えない気分になる
すん…と香りを嗅ぐとそれは薔薇の香りがしているようで
「薔薇の…香り…?」
「ああ…いい香りだろう…?薔薇の香油だ…人体に影響がなく、リラクゼーション効果
もあってな…アロマテラピーでも使用されているらしい」
「へ…」
もしや新しい機械とはマッサージの類だったのかと考え直していると
まぁ、今回は使用用途が違うがなと、悪戯っぽい弾んだ声がかえってきて
なんて甘い考えをしていたのか痛感させられる
後孔の方にも垂れていったそれを掬いそのまま縁をくるりとなぞる
普段触られる事のないそこに指を這われるだけでぞくりとして思わず
声をかけずにはいられない
「な…なぁ…兄貴…これって…」
「流石に鈍感なお前でも気付いたか、そうだよ…これは…こう…使うんだ」
指がゆっくりと押し入れられてゆく、あまりの異物感に息を詰まらせると
ゆっくり息を吐いて、と促される、肩で息をしながら震える身体に鞭をうつ
何度か深呼吸をしているうちに中指が第二関節まで入っていた
中でぐにぐにと何度も折り曲げられ、ぞわりと肌が粟立つ
丁寧と言えば聞こえはいいが執拗に同じ動きをしているせいか快感とも
不快ともいえないそれにじれったくなってきた頃だった
ある一点がそこに触れた。
がたりと思わず体勢を崩しそうになるがエドガーがそれを支える
そしてふふ、と笑い声が聞こえ
「気持ちいい?」
ともう一度同じ場所をゆっくりと押す
この感覚が気持ちいいものなのかよくわからず首を傾げて見せると
マッシュはもしかしてこっちも鈍かったりするのか…?と呟いているので益々
訳が分からなくて、もうどうにでもなれと壁に体重を預けると
「マッシュ、ちょっと四つん這いになってくれないか?」
と言われ、仕方なく動かす事の出来ない腕を器用に使いゆっくりと四つん這いになった
上のタンクトップが擦れて
(何だか…変な…気分だ)
いや、もうこんな事をされている時点で変な気分なのかもしれないが
目隠しをされている以上自分に分かるのは今の自分の体勢と俺の声と…それと…
(兄貴の…声、熱…)
あとは微かな物音、それだけ。
ぴとりとまた後孔に何かが触れる、だがそれは先程のように熱をもったものではなく
硬い…ような…?
「兄貴…それ…なに…?」
「気持ちよくなれるよう身体を作り変えてやるって言ったろ?
後ろでイけるように…ちょっとした…修行…?みたいな」
「修行…?」
こんな卑猥な修行があってたまるかと思って口を開いたが二つ返事で快く引き受けて
しまった自分にも落ち度はあるので、あっ…そうとがっくりと頭を垂れた
「まぁ…簡単に言えば修行、分かり易く言えば前立腺マッサージって所だな」
「…成る程わからん」
「だろうな」
じゃなくては困る、と付け足しその玩具の頭部をやわらかくなったそこに押し入れる
慣らしたお陰かそれはすんなりと入ってゆく、ぁっと小さな声を上げてしまい
羞恥心で顔が熱くなる
(なんだ?また…変な声)
「これはな、新しい玩具…まぁ器具でもあるな、試してみたかったんだが中々機会が
なくてな…今回はこれを使う予定はなかったんだ…が」
お前があまりにも可愛らしい反応をするから、試したくなった
と意地の悪い声で囁いた。この声の時は大概悪い事企んでるんだよなぁ…と
思いつつ下部に収まった違和感のするそれに意識がどうも集まっている自分に気付く
「治療の一環で使われるそうなんだが…さっきの所はここだったか…」
そういって先程のしこりの部分に宛がう、やはり変な感じがして呻くと
さて、ここからだなと位置を固定した
「マッシュ、お前はただ俺の言う通りに試せばいい、修行と言っただろう?
指示をするから、それを続けるんだ、いいね?」
「ぅ…ぁ…」
「いいね?」
ぐりっと押しあてられて思わずわかったから、と声をあげるとよし、と至極満足そうに
力を緩めた
「まずは下腹部を締めて…ゆっくり…そう…それで俺が良いというまで…
いい感じだ、次は緩めて……それの繰り返しだ」
「…こんなっ…事で…なに…が…」
「何度か、やればわかる」
「やればわかる…って…」
言われるままに締めて、緩めてを繰り返す。確かに修行みたいだななんて
どこか思い始めていると異変はすぐに起きた
「ひっ…!!??ぅぁ…?」
先程とは違う明らかな快感、何で…こんな物で…と後ろを振り返ったが
目隠しをされているので入れられているそれも、今どんな状況なのかもわからない
気を抜いて力を入れてしまわないように意識する
「あに…き…ぃ…それ…はず…し…」
「これがどうかしたのか…?」
「身体…が…ビリビリ…する…」
「そうか」
抜いてもらえる、そうほっとしたのも束の間
「ぅああぁ!?ひっ…ぁ…ァア!!!?」
強く押し当てられて強い快感が襲う、目の前が真っ暗なのに、チカチカと
まるで火花が散っているようだ、そしてこれでやっとわかったこれが
気持ちイイ事、なのだと
「ゃぁああああ!っひ…ぃあ!止め…止めっぇ…!!!」
何かが弾けマッシュ自身から勢いよく精液が零れ落ちる、同時に倦怠感がどっと
押し寄せて上腕を折りエドガーに尻を突き出す形になってしまう
そんな事に気付かないマッシュは、はーはーと荒い息遣いで肩から息をすると
ぬぽっと艶めかしい音をたてて後孔から器具を抜き去る
「良い声だった…が…マッシュ、そんな事じゃ声枯れてしまうんじゃないか?
今から試してもらうものはもっと凄いぞ…?」
何が凄いのか何が起こるのかまったくわからずにぼーっとする意識の中
しゅるりと視界が開ける。目隠しをとってくれたのか…と理解するとゆっくりと後ろを
振り向く、グロテスクな色をし、イボイボがついた男性器を象ったようなそれの大きさは
まるで凶器で、無理だ、入らない…と弱弱しく首を振ってみせる
「大丈夫、これらが全部終わったら俺のを入れてやるから」
ごとりと様々な色のバイブが床に転がる1…2…何本あるんだと自分でも顔が青ざめるのが分かった
「さぁ…マッシュ…楽しもうじゃないか」
香油を塗りたくりマッシュに宛がうとずぷりと奥へと入れる、その刺激だけでまたもや熱を吐き出すと
今度はおかまいなしにバイブをじゅぶじゅぶと抜き差しをする
「ぁ…っ…!も…ゃだぁ…!!!抜い……ッぁ…抜い…てェ…!ンッ」
「凄く良い眺めだ…その熱に浮かされた瞳も紅潮した頬も…鼻にかかった甘い声も…
全部俺しか知らないのだと思うと…ぞくぞくする…」
「ひァあっ…!ぁぁあ…!!ぅ、あ…!」
「これ…振動する機能もついているんだって」
「無理…ィ…ぁ…あぐ…っ…、ぁ!ぁああァ!!?」
かちりとスイッチの入れる音がするのと後孔がブブブと派手な振動音が室内に響く
何度吐き出したか分からない精液が床にポタポタと濡らしてゆく
派手にイったね…と思い切り抜き去れば、んっと切ない声をあげぽっかりと穴が開いている
さて、次はどれにしようかな…と手元の玩具を選別していると、掠れた音で
兄貴ィ…とねだる様な声が聞こえどうした?と微笑んでやれば
「玩具は…嫌…だ…っ…ンッ…」
「じゃあ…何がいいんだ?」
極めて優しく、甘い声で囁く、微量な毒を含ませるその声に浮かされたように
マッシュは呟く
「…兄貴が…ほし…ぃ…」
ごくりと唾を飲む、待っていたと言わんばかりに自身のズボンを下ろし
勃起したそれを濡れそぼったそこに宛がい一気に貫く
「は…ァ、ンッ!ァア…あ!ひ…ァ…あにき…のが…ぁ…入って…」
「そうだ、今中にあるのは俺だ」
「…っふ…ァ…気持ち…ィ……ッん…!」
しこりを執拗に攻めてごりごりと押しつぶす、激しく出入りさせる度に
愛しい弟の声が室内に響く
誰にも聞かせたりはしないとばかりに鍛えられた背中を掌で辿り
腰を打ち付ける。
「余程気に入ったみたい…ッ…だな…?」
「ぅ…ぁ…ンう…は…あにき……ぃ…す…き…」
「それはどっちだろうなァ…?ッ…クッ」
「…ッあン…!ふ…ぅ…ぁ……ッ?」
汗が混じるなか自身も限界に近付いてくるのがわかった
「ンッ…ぁ…ひっ…あ…!ァ……!」
「ふっ…マッ……シュ…」
「ひぁ…あ…あに…き…ぃ…ッ!」
「そろそろ…中に…ッ…出すぞ…」
「ん…ッァ…!あ…ぅ…ぁァ!!」
パンパンと肉のぶつかり合う音が聞こえ高ぶったまま熱い精子を中に吐き出す
出し終わった後も暫く繋がったまま中に擦り付けるようにすると
小さい声でンッと聞こえてきた、そのままゆっくりと自身を抜き取ると
腰をびくびくと震わせて収まりきらなくなったそれが床を更に汚す。
行為が終わり脱力していると掠れた声でこれ、取って…とだるい身体を
起こして手錠がはめられた腕を差し出した。
あぁ、悪いと鍵を差し込みひねるとカラン…と音を立てて手錠が床に落ち
「くっそ…痕にならなきゃいいけど…」
と恥ずかしそうな、恨めしそうな顔をして手首をさする
髪をかき上げながらよくそれ壊さなかったな?と言ってみせれば
「…目隠ししてんのに無理に壊して兄貴に怪我なんて…させらんないだろ」
と拗ねたように呟いた。それがあまりにも可愛らしくて
「今度は普通にやろうな」
「…」
今度もあるのか、という気持ちと共に今頷かなければまた今日みたいな事になるのか
と考え、小さくああと言ってみせれば額にそっと口付けを落とされた。
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