あなたに出逢えた奇跡に感謝を ~Happy Birthday Dear Masaki&Masaya~
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「風が気持ちいいね。私、一年でこの季節が一番好き」
昼休みの屋上で、春風に栗色の髪を靡かせながらヒロインが言う。
たった一筋、吹いた風に髪の毛が揺れるだけでも僕の心を容易く奪っていく。
「そう? 暖かいだけでいつもと同じでしょ?」
「全然違うよ! ほら、咲いてる花たちもすっごく綺麗だし、空の色だって澄み渡ってるもん。ねぇ。今日帰り、公園寄って行こうよ!」
くるくる変わる表情。感情をあまり表さない僕とは、正反対だ。
ぼんやりと暖かな風に吹かれていると、いつの間にか時は過ぎて午後の授業開始を知らせる予鈴が鳴り響いた。
「いっけない! 授業遅れちゃう……って、雅季くん? なんで寝転がってるの?」
「だって、こんなにいい天気だし。こんな日に授業受けるのもったいないから」
そう言って、目を閉じると不意に隣に気配を感じた。
「何してるの? ヒロイン」
目を開けて隣を見ると、そこには同じように寝転がって目を閉じているヒロイン。
「私もサボる。授業受ける気分じゃないもん」
「そんなとこで寝たら制服汚れるし、シワがつくよ?」
「…………」
「ヒロイン?」
規則正しい寝息。ついさっき寝転がったとこだよね?
「ていうか、男の隣で平気で寝る、って。警戒心なさすぎ。……起きないと襲うよ?」
顔を覗き込んでみるけど、いつもなら真っ赤になるヒロインの顔色にそんな変化は見られない。
本当に寝ちゃってる。
「……本当にキミって人は。どれだけ僕を振り回すつもり?」
僕の生活にするりと入ってきて、僕のペースを散々乱した上に僕も気づかないくらい、自然に僕の心に住みついて。
「綺麗な花に澄み渡った青空……」
寝転んだまま、晴れ渡る空を見つめる。
「空ってこんなに青かったんだ」
白く立体的な雲が緩やかに流れる。時折、思い出したかのように柔らかな風が撫でていく。
「不思議な女の子だよね。ヒロインって」
今まで気づかなかったことを簡単に見つけて、僕に教えてくれる。
……なんで兄妹として出逢ったんだろう。
もし僕が西園寺家じゃなく、一般家庭で育っていたらこんなコソコソしなくて済んだのに。
未だ寝息を立てるヒロインに顔を近づけて、そっと唇に触れるだけのキスをする。
「ねぇ。ヒロイン? キミに伝えたい言葉があるんだ。聞いてくれるよね?」
「キミに恋して全てのものが輝いてみえるよ。……今まで誰かをこんなに大事に想った事、一度もなかった」
今の僕達の関係を公にするのは難しいかもしれない。
だけど、ヒロインと出逢った事、恋をした事を後悔したくない。
「愛してる。誰よりも愛しいヒロイン、もう……離さないよ」
「ヒロイン。ヒロイン、いつまで寝てるつもり?」
「ん……あれ? 私……」
「もう夕方。いくらなんでも寝過ぎでしょ?」
結局あのあと、僕も睡魔に襲われてヒロインと一緒に寝てしまっていた。
「えっ? やだ、ごめんね雅季くん! なんか凄い良い夢見てたからか、なかなか起きれなくて」
「夢? どんな?」
「ん~……。うろ覚えなんだけど、大事だよ、とか、もう離さない、とか雅季くんに言われる夢!」
寝てるからわからないかと思ったけど、なんだ。ちゃんと聞こえてたんだ。
「ふーん。そうなんだ」
「うん。夢の中の雅季くんはいっぱい喋ってくれたよ。……現実の雅季くんにも、言って欲しいな」
「……もう言ったじゃん」
ぼそっと呟く。ヒロインの耳にはそれは届くことはなかったけど。
いつか……ヒロインを誰よりも幸せに出来るそんな日が来たら、ちゃんと言ってあげるから。
その日が来るまで、僕のそばから離れたりしないで。
ずっと、ヒロインを愛し続けてくから……。
From Masaki.
昼休みの屋上で、春風に栗色の髪を靡かせながらヒロインが言う。
たった一筋、吹いた風に髪の毛が揺れるだけでも僕の心を容易く奪っていく。
「そう? 暖かいだけでいつもと同じでしょ?」
「全然違うよ! ほら、咲いてる花たちもすっごく綺麗だし、空の色だって澄み渡ってるもん。ねぇ。今日帰り、公園寄って行こうよ!」
くるくる変わる表情。感情をあまり表さない僕とは、正反対だ。
ぼんやりと暖かな風に吹かれていると、いつの間にか時は過ぎて午後の授業開始を知らせる予鈴が鳴り響いた。
「いっけない! 授業遅れちゃう……って、雅季くん? なんで寝転がってるの?」
「だって、こんなにいい天気だし。こんな日に授業受けるのもったいないから」
そう言って、目を閉じると不意に隣に気配を感じた。
「何してるの? ヒロイン」
目を開けて隣を見ると、そこには同じように寝転がって目を閉じているヒロイン。
「私もサボる。授業受ける気分じゃないもん」
「そんなとこで寝たら制服汚れるし、シワがつくよ?」
「…………」
「ヒロイン?」
規則正しい寝息。ついさっき寝転がったとこだよね?
「ていうか、男の隣で平気で寝る、って。警戒心なさすぎ。……起きないと襲うよ?」
顔を覗き込んでみるけど、いつもなら真っ赤になるヒロインの顔色にそんな変化は見られない。
本当に寝ちゃってる。
「……本当にキミって人は。どれだけ僕を振り回すつもり?」
僕の生活にするりと入ってきて、僕のペースを散々乱した上に僕も気づかないくらい、自然に僕の心に住みついて。
「綺麗な花に澄み渡った青空……」
寝転んだまま、晴れ渡る空を見つめる。
「空ってこんなに青かったんだ」
白く立体的な雲が緩やかに流れる。時折、思い出したかのように柔らかな風が撫でていく。
「不思議な女の子だよね。ヒロインって」
今まで気づかなかったことを簡単に見つけて、僕に教えてくれる。
……なんで兄妹として出逢ったんだろう。
もし僕が西園寺家じゃなく、一般家庭で育っていたらこんなコソコソしなくて済んだのに。
未だ寝息を立てるヒロインに顔を近づけて、そっと唇に触れるだけのキスをする。
「ねぇ。ヒロイン? キミに伝えたい言葉があるんだ。聞いてくれるよね?」
「キミに恋して全てのものが輝いてみえるよ。……今まで誰かをこんなに大事に想った事、一度もなかった」
今の僕達の関係を公にするのは難しいかもしれない。
だけど、ヒロインと出逢った事、恋をした事を後悔したくない。
「愛してる。誰よりも愛しいヒロイン、もう……離さないよ」
「ヒロイン。ヒロイン、いつまで寝てるつもり?」
「ん……あれ? 私……」
「もう夕方。いくらなんでも寝過ぎでしょ?」
結局あのあと、僕も睡魔に襲われてヒロインと一緒に寝てしまっていた。
「えっ? やだ、ごめんね雅季くん! なんか凄い良い夢見てたからか、なかなか起きれなくて」
「夢? どんな?」
「ん~……。うろ覚えなんだけど、大事だよ、とか、もう離さない、とか雅季くんに言われる夢!」
寝てるからわからないかと思ったけど、なんだ。ちゃんと聞こえてたんだ。
「ふーん。そうなんだ」
「うん。夢の中の雅季くんはいっぱい喋ってくれたよ。……現実の雅季くんにも、言って欲しいな」
「……もう言ったじゃん」
ぼそっと呟く。ヒロインの耳にはそれは届くことはなかったけど。
いつか……ヒロインを誰よりも幸せに出来るそんな日が来たら、ちゃんと言ってあげるから。
その日が来るまで、僕のそばから離れたりしないで。
ずっと、ヒロインを愛し続けてくから……。
From Masaki.
