あなたに出逢えた奇跡に感謝を ~Happy Birthday Dear Masaki&Masaya~
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「ヒロインちゃんっていいよな。俺、絶対ヒロインちゃん振り向かせるよ」
放課後の生徒会室で突然、巧がそう宣言した。
「……ふーん。好きにすれば? ま、無駄な努力だと思うけど」
僕は、眼鏡のフレームを押し上げながら淡々と返した。
「ひどいな、雅季。無駄かどうかはやってみないとわからないだろ?」
「無駄だよ。だって……」
僕とヒロインはつき合ってるんだから。
ヒロインが巧に靡くわけがない。
「? だって、なんだよ?」
「……別に。何でもない。……とにかく、そんな事に労力を使うくらいなら生徒会の仕事に力を注いで欲しいんだけど」
「だったらご心配なく。会長の指示通り、次の会議で使う資料はもうまとめてあります」
目を細めて何でもないことのように、巧が言い放つ。
巧はなんでも、ソツなくこなす。そして、僕が頼んだことに対して、正確に、かつ素早く対応してくれる。
家族とヒロイン以外では、唯一信頼できる人物と言っても過言じゃない。
「よし。じゃあお兄さんの許可も得た事だし、まずはヒロインちゃんをデートに誘ってくるよ」
そう言い残し、足早に生徒会室を飛び出していく巧。
巧の言葉に呆れながら、僕も帰る準備を進める。
気にしてない、と口では言いながら、内心やっぱり気に掛かって仕方ない。
急いで生徒会室に施錠をして、ヒロインの待つ図書室へと早足で向かう。
図書室の扉を開けて、聞き慣れた声に気づいて思わず動きが止まってしまう。
そこにいたのは巧とヒロイン。……巧、本気だったんだ。
「ねぇ、ヒロインちゃん。さっき言ったこと、俺本気だよ? 真剣にヒロインちゃんとつきあいたいって思ってる」
こんな、誰が聞いてるかもわからないような場所で……。
世間的に兄妹である僕達には、学院内で恋人らしい事をするなんて到底適わないことをやってのける巧。
「巧くん……。気持ちは嬉しいけど、私……」
「あ、待って! 断ろうとしてるよね? その前に一回デートしようよ。ヒロインちゃんを楽しませる自信、俺あるから!」
そう言うと巧はヒロインの手を持ち上げて、ヒロインの指先に軽くキスをした。
「……た、巧くん?」
「どこ行きたいか考えといて。じゃあね」
満足そうな巧に見つからないように、本棚の間に身を隠す。
足音が完全に遠ざかったところで、ついさっき巧にキスされた指先を隠すようにしているヒロインの近くへと歩いていく。
「……ヒロイン」
僕が声を掛けると、全身をびくっ、と震わせてヒロインが僕を見上げる。
「雅季くん! い、今の、見てた……?」
「うん。巧に口説かれてたでしょ?」
「あ、あの私、断ってくる! 今ならまだ間に合うと思うしっ!!」
勢いよく立ち上がって走りだそうとするヒロインの腕を反射的に掴む。
「雅季くん?」
「……行かせない」
「で、でもこのままじゃ……!」
「……他の男のとこになんて、行かないでよ」
「えっ!?」
小さく呟いた声をヒロインが聞き返した時、掴んだ腕を引き寄せて僕の腕の中にヒロインを収める。
「まっ、雅季くん? ダメだよ、誰かに見られたらっ……」
「……いいよ、別に。見られても」
「で、でも!」
僕から離れようとするヒロインの体を逃がさないように、抱く腕に力を込める。
「君は僕だけのものなんだ。他の人に口説かれてる所なんて、見たくない。他の人に隙なんか……見せないで」
「……うん。ごめんなさい」
ヒロインが僕に委ねるように身を預ける。
「ヒロイン、手出して」
「? うん」
素直に差し出された手の指先にわざと音をたててキスをする。
「……っ!?」
「はい。消毒できた」
……巧には悪いと思うけど、ヒロインに触れていいのは僕だけなんだ。
髪の毛一本だって、キミは僕のものだよ?
From Masaki.
放課後の生徒会室で突然、巧がそう宣言した。
「……ふーん。好きにすれば? ま、無駄な努力だと思うけど」
僕は、眼鏡のフレームを押し上げながら淡々と返した。
「ひどいな、雅季。無駄かどうかはやってみないとわからないだろ?」
「無駄だよ。だって……」
僕とヒロインはつき合ってるんだから。
ヒロインが巧に靡くわけがない。
「? だって、なんだよ?」
「……別に。何でもない。……とにかく、そんな事に労力を使うくらいなら生徒会の仕事に力を注いで欲しいんだけど」
「だったらご心配なく。会長の指示通り、次の会議で使う資料はもうまとめてあります」
目を細めて何でもないことのように、巧が言い放つ。
巧はなんでも、ソツなくこなす。そして、僕が頼んだことに対して、正確に、かつ素早く対応してくれる。
家族とヒロイン以外では、唯一信頼できる人物と言っても過言じゃない。
「よし。じゃあお兄さんの許可も得た事だし、まずはヒロインちゃんをデートに誘ってくるよ」
そう言い残し、足早に生徒会室を飛び出していく巧。
巧の言葉に呆れながら、僕も帰る準備を進める。
気にしてない、と口では言いながら、内心やっぱり気に掛かって仕方ない。
急いで生徒会室に施錠をして、ヒロインの待つ図書室へと早足で向かう。
図書室の扉を開けて、聞き慣れた声に気づいて思わず動きが止まってしまう。
そこにいたのは巧とヒロイン。……巧、本気だったんだ。
「ねぇ、ヒロインちゃん。さっき言ったこと、俺本気だよ? 真剣にヒロインちゃんとつきあいたいって思ってる」
こんな、誰が聞いてるかもわからないような場所で……。
世間的に兄妹である僕達には、学院内で恋人らしい事をするなんて到底適わないことをやってのける巧。
「巧くん……。気持ちは嬉しいけど、私……」
「あ、待って! 断ろうとしてるよね? その前に一回デートしようよ。ヒロインちゃんを楽しませる自信、俺あるから!」
そう言うと巧はヒロインの手を持ち上げて、ヒロインの指先に軽くキスをした。
「……た、巧くん?」
「どこ行きたいか考えといて。じゃあね」
満足そうな巧に見つからないように、本棚の間に身を隠す。
足音が完全に遠ざかったところで、ついさっき巧にキスされた指先を隠すようにしているヒロインの近くへと歩いていく。
「……ヒロイン」
僕が声を掛けると、全身をびくっ、と震わせてヒロインが僕を見上げる。
「雅季くん! い、今の、見てた……?」
「うん。巧に口説かれてたでしょ?」
「あ、あの私、断ってくる! 今ならまだ間に合うと思うしっ!!」
勢いよく立ち上がって走りだそうとするヒロインの腕を反射的に掴む。
「雅季くん?」
「……行かせない」
「で、でもこのままじゃ……!」
「……他の男のとこになんて、行かないでよ」
「えっ!?」
小さく呟いた声をヒロインが聞き返した時、掴んだ腕を引き寄せて僕の腕の中にヒロインを収める。
「まっ、雅季くん? ダメだよ、誰かに見られたらっ……」
「……いいよ、別に。見られても」
「で、でも!」
僕から離れようとするヒロインの体を逃がさないように、抱く腕に力を込める。
「君は僕だけのものなんだ。他の人に口説かれてる所なんて、見たくない。他の人に隙なんか……見せないで」
「……うん。ごめんなさい」
ヒロインが僕に委ねるように身を預ける。
「ヒロイン、手出して」
「? うん」
素直に差し出された手の指先にわざと音をたててキスをする。
「……っ!?」
「はい。消毒できた」
……巧には悪いと思うけど、ヒロインに触れていいのは僕だけなんだ。
髪の毛一本だって、キミは僕のものだよ?
From Masaki.
