星に願いを~Shun's Birthday~』
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「……っくしゅ!」
「ヒロインちゃん……寒い?」
「ううん、大丈夫だよ?」
お屋敷のテラスで夜空を見上げながら、隣で心配そうに私を見つめている瞬くんに笑顔で返す。
「本当に? 無理、しないでね?」
「やだな。無理なんてしてないよ?」
瞬くんがこんな風に心配する理由は、5日前にさかのぼる。
獅子座流星群のピークを翌日に控えていたその日。
一緒に見ようね、と瞬くんと約束したにも拘わらず、高熱を出した私はそのまま寝込んでしまい、ようやく平熱に下がったのが昨日の事。
ピークの日に見れなかった流星群を見たい、と言った私を、病み上がりなんだからと心配するお兄ちゃん達をなんとか説き伏せて。
今こうして、瞬くんとテラスにいる。
「瞬くん。星、流れた?」
「ううん、全然」
だけど肝心の流星群はピークを過ぎているからか、なかなか星が流れる気配がない。
それに、まだ11月とはいえ夜の空気は冷たくて、待っている間にも体はどんどん冷えてくる。
隣にいる瞬くんに見つからないように、冷たくなった指先をそっと擦り合わせる。
今日は特別な日だもの……。熱を出して数日寝込んでたせいで、何も準備出来なかったんだし、このくらいの寒さ我慢しなきゃ。
「……っくしゅん!!」
だけど、私の意に反して体は正直みたいで、二度目のくしゃみが思わず出てしまう。
「ヒロインちゃん……やっぱり部屋、戻ろ?」
そう言うと瞬くんが私の顔を覗き込む。
「へ、平気だって。全然寒くなんてな……っくしゅん!」
「…………」
瞬くんが無言で私の手をぐい、と引っ張る。
「え……し、瞬くん?」
「……手」
「え?」
「こんなに冷たくなってる。……無理しないで、って言ったのに」
「あ……」
そのまま私の手は瞬くんの両手に包み込まれ、冷えて感覚のなくなった指先に、じんわりと体温が戻ってくる。
「……もう、今日はおしまい」
「え?」
瞬くんの手の温かさに気を取られていると、不意にその手が私の体を引き寄せ、テラスから離れさせようとしていた。
「え……し、瞬くん? 待って。まだ流れ星、ひとつも見れてない……」
「……うん。でも今日はもう寒いから。ヒロインちゃんの体の方が大事」
「で、でも今日は瞬くんの……」
誕生日なのに……。そう言いかけた時、ぐいぐいと引っ張っていた彼が私の方へ振り向いて、ふわりと微笑む。
「うん。僕の誕生日だから、だよね? 流れ星、僕と一緒に見ようって、本当は寒いのに僕のために頑張ってくれたんだよね?」
「……わ、私平気、だよ? だから……」
「ダメ。今日は僕の誕生日なんだから……僕の言うとおりにして」
優しい口調だけど、有無を言わせない瞬くんに私はただ頷くしか出来なかった。
――……。
「はい。ヒロインちゃん、これ飲んで」
「ありがとう」
差し出されたマグカップからココアの甘い香りと湯気が立ち上っている。
ベッドに腰掛けてひとくち飲むと、ほろ苦さと共に温かさが体の内側へと広がっていく。
「……あったかい」
そう呟いた私の言葉に、安心したように瞬くんが微笑む。
そんな優しい彼の笑顔を見ていると、自分の情けなさになんだかいたたまれなくなってくる。
「ごめんね。瞬くん」
「……どうして謝るの?」
「結局流れ星、全然見れなかったでしょ? 流星群、すごく楽しみにしてたのに……」
「うん……でもいいんだ。流星群はまた来年も見られるから……」
少し照れたように顔を赤らめてそう言うと、私の隣にちょこんと腰を下ろす。
「それはそうだけど……」
「それより、もう寒くない?」
「あ、うん。もう大丈夫」
「……良かった」
ふわりと柔らかく笑う瞬くん。体だけじゃなくて心までもがぽかぽかになっていく。それって、きっと瞬くんのこの笑顔のお陰だよね。
「あ、ねぇ? 瞬くんプレゼントは? 何が欲しい?」
「プレゼント?」
「うん。ずっと何がいいのかなって考えてたんだけど、寝込んじゃってて用意出来なかったから……。あ! ねぇ良かったら明日一緒に……」
買いに行かない? と言いかけた時、唇に柔らかな感触が伝わる。
一瞬、だけど確かに唇に残る温もり。
「瞬……くん?」
「プレゼント……いらないよ?」
「え?」
「ヒロインちゃんが元気になってくれたら……それだけで嬉しい」
「瞬くん……」
「……もう一回、しても……いい?」
返事の代わりに目を閉じる。再び唇に触れる柔らかな感触を、今度は少し長めに受け止める。
今日は残念ながら流れ星は見れなかったけど
またこれから何度も見られる機会は訪れる。
その時まで、心の中でずっと願いを掛けるから。
来年も、そのずっと先も
瞬くんの隣にいつもいられますように――。
END.
「ヒロインちゃん……寒い?」
「ううん、大丈夫だよ?」
お屋敷のテラスで夜空を見上げながら、隣で心配そうに私を見つめている瞬くんに笑顔で返す。
「本当に? 無理、しないでね?」
「やだな。無理なんてしてないよ?」
瞬くんがこんな風に心配する理由は、5日前にさかのぼる。
獅子座流星群のピークを翌日に控えていたその日。
一緒に見ようね、と瞬くんと約束したにも拘わらず、高熱を出した私はそのまま寝込んでしまい、ようやく平熱に下がったのが昨日の事。
ピークの日に見れなかった流星群を見たい、と言った私を、病み上がりなんだからと心配するお兄ちゃん達をなんとか説き伏せて。
今こうして、瞬くんとテラスにいる。
「瞬くん。星、流れた?」
「ううん、全然」
だけど肝心の流星群はピークを過ぎているからか、なかなか星が流れる気配がない。
それに、まだ11月とはいえ夜の空気は冷たくて、待っている間にも体はどんどん冷えてくる。
隣にいる瞬くんに見つからないように、冷たくなった指先をそっと擦り合わせる。
今日は特別な日だもの……。熱を出して数日寝込んでたせいで、何も準備出来なかったんだし、このくらいの寒さ我慢しなきゃ。
「……っくしゅん!!」
だけど、私の意に反して体は正直みたいで、二度目のくしゃみが思わず出てしまう。
「ヒロインちゃん……やっぱり部屋、戻ろ?」
そう言うと瞬くんが私の顔を覗き込む。
「へ、平気だって。全然寒くなんてな……っくしゅん!」
「…………」
瞬くんが無言で私の手をぐい、と引っ張る。
「え……し、瞬くん?」
「……手」
「え?」
「こんなに冷たくなってる。……無理しないで、って言ったのに」
「あ……」
そのまま私の手は瞬くんの両手に包み込まれ、冷えて感覚のなくなった指先に、じんわりと体温が戻ってくる。
「……もう、今日はおしまい」
「え?」
瞬くんの手の温かさに気を取られていると、不意にその手が私の体を引き寄せ、テラスから離れさせようとしていた。
「え……し、瞬くん? 待って。まだ流れ星、ひとつも見れてない……」
「……うん。でも今日はもう寒いから。ヒロインちゃんの体の方が大事」
「で、でも今日は瞬くんの……」
誕生日なのに……。そう言いかけた時、ぐいぐいと引っ張っていた彼が私の方へ振り向いて、ふわりと微笑む。
「うん。僕の誕生日だから、だよね? 流れ星、僕と一緒に見ようって、本当は寒いのに僕のために頑張ってくれたんだよね?」
「……わ、私平気、だよ? だから……」
「ダメ。今日は僕の誕生日なんだから……僕の言うとおりにして」
優しい口調だけど、有無を言わせない瞬くんに私はただ頷くしか出来なかった。
――……。
「はい。ヒロインちゃん、これ飲んで」
「ありがとう」
差し出されたマグカップからココアの甘い香りと湯気が立ち上っている。
ベッドに腰掛けてひとくち飲むと、ほろ苦さと共に温かさが体の内側へと広がっていく。
「……あったかい」
そう呟いた私の言葉に、安心したように瞬くんが微笑む。
そんな優しい彼の笑顔を見ていると、自分の情けなさになんだかいたたまれなくなってくる。
「ごめんね。瞬くん」
「……どうして謝るの?」
「結局流れ星、全然見れなかったでしょ? 流星群、すごく楽しみにしてたのに……」
「うん……でもいいんだ。流星群はまた来年も見られるから……」
少し照れたように顔を赤らめてそう言うと、私の隣にちょこんと腰を下ろす。
「それはそうだけど……」
「それより、もう寒くない?」
「あ、うん。もう大丈夫」
「……良かった」
ふわりと柔らかく笑う瞬くん。体だけじゃなくて心までもがぽかぽかになっていく。それって、きっと瞬くんのこの笑顔のお陰だよね。
「あ、ねぇ? 瞬くんプレゼントは? 何が欲しい?」
「プレゼント?」
「うん。ずっと何がいいのかなって考えてたんだけど、寝込んじゃってて用意出来なかったから……。あ! ねぇ良かったら明日一緒に……」
買いに行かない? と言いかけた時、唇に柔らかな感触が伝わる。
一瞬、だけど確かに唇に残る温もり。
「瞬……くん?」
「プレゼント……いらないよ?」
「え?」
「ヒロインちゃんが元気になってくれたら……それだけで嬉しい」
「瞬くん……」
「……もう一回、しても……いい?」
返事の代わりに目を閉じる。再び唇に触れる柔らかな感触を、今度は少し長めに受け止める。
今日は残念ながら流れ星は見れなかったけど
またこれから何度も見られる機会は訪れる。
その時まで、心の中でずっと願いを掛けるから。
来年も、そのずっと先も
瞬くんの隣にいつもいられますように――。
END.
