イドへ至る森へ至るイド

光と闇の童話


―そして歴史だけが残った・・・

あはは、まってよー 遅いよ兄さん! あ、井戸んとこになんか落ちてる!

『Das Marchen des Lichts & Dunkels』

足元に気を付けて。
うん!
大丈夫?怖くないかい?
ええ、それよりわたし、今とてもドキドキしているわ。だって森は、世界はこんなにも広いんですもの!
じゃあ、今日は取って置きの場所を教えてあげるね。行こう!
うん! うふふ、あはは

うわぁぁぁ!!


♪見上げれば丸い夜空 揺らめく蒼い月夜
神の名を呪いながら 奈落の底で唄う・・・・・・


盲(めし)いた闇で彼が 光だと思っていたのは 誤りで
その温もりの名は 愛だと 後に知った

初めての友達は 碧い瞳(め)の可愛い女の子(ミ・メルヒェン)(うふふ) お別れさ
その切なさの名が 恋だと 遂に知らず


花に水を遣るように 儘 罪には罰が要る 嗚呼
やがて《迎宵(グーテン・アーベント)》 疾しる《第七の物語(ズィーベン・メルヒェン)》
摂理(かみ)に背を向けて――

見下ろせば昏い大地 揺らめく紅い焔尾(ほのお)
(メル!)母の瞳(め)に抱かれながら 奈落の底へ堕ちる・・・・・・(うわぁ)
寒かった。まるで墓場ね。うふふ
エリーゼ、本当はいつだって、墓場から始まるのさ


<何故 コノ村ニハ 今 誰モイナイノ?)
(――其れは 昔 皆 死んじゃったからさ>

<ジャ...何故 昔 村人 皆 死ンジャッタノ?)
(――其れは 黒き 死の 病 のせいさ>

<ジャ...何故 ソノ森ノ 村ニ 母子ハイタノ?)
(――其れは 或の【イド】が 呼んだからさ>

<ジャ...何故【イド】ハ 何ノ為ニ 人ヲ呼ブノ?)
(――其れこそが 奴の本能だからさ>


嗚呼 墓穴(はかあな) 掘っても掘っても掘っても
必死に掘っても キリがない
「悲惨な時代さ」

嗚呼 死体と土塊...肢体と土塊...屍体と土塊
【多層菓子(ミルフィーユ)】
「無残な事態さ」


生命の目的は
→《生キル事》と
→《増エル事》

『殺セ』と『侵セ』と
【イド】は唄う

増えすぎても結局宿主を殺してしまうのにね。うふふ
人と大地の関係と同じさ。さぁ、物語を続けようか。

【仄暗き宵闇の森】

おいおい、ほんとにこっちでいいのか? さぁな、知るかよ。たくよーほんとに気持ちの悪い森だぜ。なぁおい、あの髪、噂のテューリンゲンの魔女のガキじゃねぇか?うひょー!こいつはついてるぜ!ほいっ

夜霧に濡れた 苔藻(こけ)を踏み鳴らす 少年の
その足取りは 哀しい程に軽く(もし坊っちゃん) 少年を

呼び止めた声は 下卑(げび)た響きで されど彼はまだ知らない(勿論、おつれいたしましょう。)
嗚呼 世界の作為など 世間の悪意など 何ひとつ触れぬまま育ったから

友達を抱いたまま → 招かざる客を連れ → 優しい母の元へと → そして...

見渡せば
(母上、ただいま帰りました。その男は何者…うわぁー)
     【イド】


そのような輩は、二度とこの○に○ぬものと思え!とあー!
無理無理無理 ぐっ

鳥に羽が有るように 儘 夜には唄が在る 嗚呼
いずれ《迎暁(グーテン・モルゲン)》 染まる《薔薇の庭園(オゥゼン・ゴルデン)》
摂理(かみ)を背に受けて――

「キミが今笑っている、眩(まばゆ)い其の時代に。
誰も恨まず、死せることを憾まず、必ず其処で逢おう」

~「光と闇の童話(メルヒェン)」

さぁ、復讐劇を始めようか
ひゃあはははは…
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イイイネ