Moira

奴隷市場


「出発!」
…(ガタゴト)ほら 荷馬車が揺れりゃ
…(ガクブル)そら 老婆(ばばあ)も≪吃驚し怖れ慄く≫(びびる)
帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い

…(ビシバシ)ほら 馬鞭(ばむち)が撓(し)なりゃ
…(ガクブル)そら 老爺(じじい)も≪挙動不審になる≫(きょどる)
帰りたいのに 言えない 帰りたくとも 家無い

る→回←る(まわるX2) 車輪は廻る 運命(Moira)は彼等を何処へ運ぶ
背中合わせの温もりだけが 双(ふた)りに灯る唯一の希望(Elpidaエルピーザ)……

「ほら急げ!この無駄飯食い共が!ほれほれ!もっと持ってけ!」 

重い足取りで 
何処へ何処へ 彼等は 何処へ向かって行くのかしら?(カプ カプ ピイェヌン カプ)
念いは届かず 
何故何故彼等は何故に行かなければならないのかしら?(ギァティ ギァティ プレピ ナ パテ)
疲れた身体で
何処へ何処へ彼等は何処へ向かって行くのかしら?(カプ カプ ピイェヌン カプ)
運命だからと
何故何故彼等は何故に行かなければならないのかしら?(ギァティ ギァティ プレピ ナ パテ)

平等なんて嘘なの? 幻想なの?
命に值段をつけられる墓所 命に值段をつけられる場所
其れは奴隷市場 奴隷市場 奴隷市場……

「ほれ、急げ!」 
「おい!」 
「ほれほれ!」
「うっ…ミーシャ…」
「うん…」
「うわっ」
「モタモタするんじゃない!」 
「チッ」
「ミーシャ…」
「エレフ…」
「ミーシャー!!」
「エレーフ!!」

離れ離れ 繋いだ手と手 遥か遥か 引き裂かれて
「Misia!」「Eleu!!」
る→巡←る(めぐるX2) 季節は廻る 運命(Moira)は双(ふた)りを何処へ運び
今は見えざる歴史の涯(はて)に 舞い降りるのは誰の光……
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イイイネ