風花雪月
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ローレンツ=ヘルマン=グロスタールに好んで近づく女子学生は多くない。むしろ彼は迷惑だと苦情を申し出る者さえいる。
だが、■■〇は違っていた。
彼女は良い家柄の娘であるが、リンハルトに負けないほどマイペースな娘であった。突然閃くともう誰にも手がつけられず、ブーケガルニを作りたいから草原へ、星を見たいから屋根の上へ、気分じゃないからロッカーの中へ、と突拍子もなく行動する。
そうして今日もまた頭の中の空想をローレンツにぶつけていた。
「ね、ローレンツ!」
「君か……今度はどうしたんだ?」
「思いついたんだけど、鷲獅子戦で木の下をぬかるませておくのはどうかな。戦うときって敵を見るでしょ。気づかずに転んじゃいそうじゃない?」
ふと憎らしい級長が頭によぎったローレンツだったが、すぐに頭から追い出して首をふる。そして"今度は"なんて言われても気にせずに、子供のようにキラリと目を輝かせる〇を見てため息を吐いた。
「それは名案だな。君たちの学級を転ばせたらいいのか?」
「あ」
「せめて同じ学級の生徒に話したまえよ。君はなんでもかんでも僕に話して……」
「だ、だって」
もにょもにょ、と誤魔化す〇。最近ヒルシュクラッセに課題協力していたせいか、敵になるかもしれないという意識がすっかり抜け落ちていたようだ。たっぷり目を泳がせたあと、あは、と笑った。
「みんなすごいねえ……こっちの級長も頑張ってるし、エーデルガルトさんとかヒューベルト君なんてバッチバチだもんね。クロード君に入れてくださいって頼んでこようかな」
「全く君という人は……ヒルシュクラッセをなんだと思っているんだ」
「だって楽しそうなんだもん! ……それに」
「それに?」
〇はロー……と言いかけて口を閉じた。不思議に思ったローレンツが首を傾げると、彼女の耳は紅葉が訪れたかのように赤く染まる。
「なんでもない! ベレト先生に呼ばれてるから行くね!」
「いや先生の部屋はそっちじゃ……」
「せっ、セテス先生だった!」
「セテス先生の部屋も真逆だぞ」
だが、■■〇は違っていた。
彼女は良い家柄の娘であるが、リンハルトに負けないほどマイペースな娘であった。突然閃くともう誰にも手がつけられず、ブーケガルニを作りたいから草原へ、星を見たいから屋根の上へ、気分じゃないからロッカーの中へ、と突拍子もなく行動する。
そうして今日もまた頭の中の空想をローレンツにぶつけていた。
「ね、ローレンツ!」
「君か……今度はどうしたんだ?」
「思いついたんだけど、鷲獅子戦で木の下をぬかるませておくのはどうかな。戦うときって敵を見るでしょ。気づかずに転んじゃいそうじゃない?」
ふと憎らしい級長が頭によぎったローレンツだったが、すぐに頭から追い出して首をふる。そして"今度は"なんて言われても気にせずに、子供のようにキラリと目を輝かせる〇を見てため息を吐いた。
「それは名案だな。君たちの学級を転ばせたらいいのか?」
「あ」
「せめて同じ学級の生徒に話したまえよ。君はなんでもかんでも僕に話して……」
「だ、だって」
もにょもにょ、と誤魔化す〇。最近ヒルシュクラッセに課題協力していたせいか、敵になるかもしれないという意識がすっかり抜け落ちていたようだ。たっぷり目を泳がせたあと、あは、と笑った。
「みんなすごいねえ……こっちの級長も頑張ってるし、エーデルガルトさんとかヒューベルト君なんてバッチバチだもんね。クロード君に入れてくださいって頼んでこようかな」
「全く君という人は……ヒルシュクラッセをなんだと思っているんだ」
「だって楽しそうなんだもん! ……それに」
「それに?」
〇はロー……と言いかけて口を閉じた。不思議に思ったローレンツが首を傾げると、彼女の耳は紅葉が訪れたかのように赤く染まる。
「なんでもない! ベレト先生に呼ばれてるから行くね!」
「いや先生の部屋はそっちじゃ……」
「せっ、セテス先生だった!」
「セテス先生の部屋も真逆だぞ」