ジャンピンジャックサイコネス(ウスパパの教え子になる)
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教え子がこんなに酒に弱いとは知らなかった。懇親の意味を込めてボトルをいくつか開けて飲むことにしたのだが、今思えば三口飲んだあたりから目がとろーんとしてきていたように思う。そして一杯飲み終わった今、彼女はドラルクを叩きながら笑い転げていた。
「あははは! っん、ふふ! どらるくさんおもしろ、ふふ!」
「君びっくりするほど力ないね? マシュマロに叩かれてるようだぞ」
幸い我が息子は〇に叩かれても死なないようだ。手首を掴んで下ろさせてはまた叩かれるという可愛いやり取りを続けている。なんにせよこの光景はとても幸せなものだった。息子には自分で手に入れた居場所があり、愛されずに育った教え子も人との関わりというものを肯定的に受け止めている。二人は同じゲームが好きで打ち解けたようでいつのまにか仲良くなっていた。それを見ることが出来るだけでじゅうぶん……いやほんとはめちゃくちゃ混ぜてほしいけどじゅうぶんだ。
そんなことを感じつつ眺めていると、ふと〇が笑みを浮かべたままくるっとこちらを向いた。
「……ね! ドラウスさんも! ドラウスさん!」
「! 私!?」
「はい! ドラウスさんも、肩叩いてあげます」
あれはマシュマロパンチじゃなくて肩たたきだったのか。感心しつつも背を向けるとぽこぽこと軽すぎるパンチが飛んでくる。
「あ~万病に効く……」
「おいあれ大丈夫なのか? なにかしらに抵触しないか?」
「私を備品として登録してる君がそれ言う?」
ポール君は控えめにしているようであまり飲んでいないがそのぶんよく喋る。娘の肩たたきで捕まるわけがないだろうが。この人間はまた私のことを馬鹿にしおって……!
「だからなんでオーってなってんだよ! ほら、新しいのついでやるから」
「ふん、気が利くなポール君」
「えと、〇さんも飲みます? アルコールフリーのあるし」
「ふりー? ふりー欲しいです!」
「もうその子には味噌汁でも飲ませたらどうだね。明日しんどいかもしれないし」
さすが我が子、優しくて天才だ。のそのそ立ち上がって鍋に火をかけはじめたドラルクを手伝おうと私も立ち上がろうとする。と、マントが何かに引っかかったようだった。否、引っかかったのではない。見れば〇が桃ジュースを飲みながら私のマントを引いている。
「どらうすさん」
「どうしたんだい〇。肩たたきはすごくよかったよ。神の腕を持っているのかもしれないな」
「甘やかしてんなあ……」
「……だったら」
〇は控えめながらもぼそっと呟いた。
「ご褒美ほしいです」
それは二週間過ごしてきた中でも唯一といっていいおねだりだった。ここまで酔って理性をふやかさないと言えないのか。その可愛い甘え顔は私を殺そうとしているのか? とにかくするべきことは一つ。この子をこれでもかと言うほど甘やかす選択しかなかった。
「ん"!!! パパがなんでもしてあげようね」
「パパ? でも……父は……私を捨てて」
……。まだ、家族の影が残るか。まあいい、簡単な話だ。それなら____
「そんなことはない! 私が君の父親だ。私は君を捨てない。兄だっているじゃないか!」
__こういうことにしてしまえばいい。
「うわ……お父様ガチ催眠かけてる」
「催眠!? ちょっ、いいのかそれ」
「んー、でもあの子の親ろくでなしっぽいしいいんじゃない? 妹みたいなのが増えるのは私たちにとってよくあることだし。ホラ血を分けたりするから」
「つっても……お前の親父なんか余計なもんまでかけようとしてるけど」
「私のことはパパと呼びなさい。君はパパのことが大好きだ。他の男のことはきら」
「まっってくださいお父様! 彼女にも自由意志というものが」
「パパ大好き~」
「あ~! だめだこの子催眠耐性ゼロだ」
ドラルクの言う通り、〇の精神防御は綿あめかと思うほど脆かった。あちこちぼろぼろでどこからでも滑り込める。その気になれば全て書き換えてしまえるほどに。だが何の問題がある? これからは私が守ってやれる。そうだ、私がこの子の瞳を曇らせるもの全てを消して新しく与えてやればいいのだ。
抱擁を求めてひっついてくる〇を胸に閉じ込めれば見たこともないほどリラックスした表情で〇がうっとり目を閉じる。それに満足したのもつかの間、視界に伸ばされた手が映った。ドラルクか? そんなに焦った顔をしてなんだというのだ。
「お父様! 思い出してください、そもそもこの子はだいぶお父様に懐いていた。それを催眠で上書きするのは彼女の気持ちを蔑ろにしていることになります」
__。
「な、なんだと……!?」
風船に針を刺すように、ドミノを爪で弾くように。反射でばちっと解いた催眠に混乱しているのだろう、胸の中で〇が目をぐるぐるにして私のマントを握りしめている。
「すまない、私はなんてことを……つい反射で催眠をかけるなんて」
どこを見たらいいのか分からない、という風に困っていた〇がこちらを向いた。ほっと安心した様子のドラルクが味噌汁を運んできて、〇をマントから出してやる。
「んあ……? どんな催眠かけたんです、か? 父親? ……なに、そんなの」
だがしかし、味噌汁を飲みながら彼女は言った。
「そんなのだったら、解かなくてよかったのに」
「ぁあああ!! 娘可愛い!!」
「ああお父様が窓から!!!」
「あははは! っん、ふふ! どらるくさんおもしろ、ふふ!」
「君びっくりするほど力ないね? マシュマロに叩かれてるようだぞ」
幸い我が息子は〇に叩かれても死なないようだ。手首を掴んで下ろさせてはまた叩かれるという可愛いやり取りを続けている。なんにせよこの光景はとても幸せなものだった。息子には自分で手に入れた居場所があり、愛されずに育った教え子も人との関わりというものを肯定的に受け止めている。二人は同じゲームが好きで打ち解けたようでいつのまにか仲良くなっていた。それを見ることが出来るだけでじゅうぶん……いやほんとはめちゃくちゃ混ぜてほしいけどじゅうぶんだ。
そんなことを感じつつ眺めていると、ふと〇が笑みを浮かべたままくるっとこちらを向いた。
「……ね! ドラウスさんも! ドラウスさん!」
「! 私!?」
「はい! ドラウスさんも、肩叩いてあげます」
あれはマシュマロパンチじゃなくて肩たたきだったのか。感心しつつも背を向けるとぽこぽこと軽すぎるパンチが飛んでくる。
「あ~万病に効く……」
「おいあれ大丈夫なのか? なにかしらに抵触しないか?」
「私を備品として登録してる君がそれ言う?」
ポール君は控えめにしているようであまり飲んでいないがそのぶんよく喋る。娘の肩たたきで捕まるわけがないだろうが。この人間はまた私のことを馬鹿にしおって……!
「だからなんでオーってなってんだよ! ほら、新しいのついでやるから」
「ふん、気が利くなポール君」
「えと、〇さんも飲みます? アルコールフリーのあるし」
「ふりー? ふりー欲しいです!」
「もうその子には味噌汁でも飲ませたらどうだね。明日しんどいかもしれないし」
さすが我が子、優しくて天才だ。のそのそ立ち上がって鍋に火をかけはじめたドラルクを手伝おうと私も立ち上がろうとする。と、マントが何かに引っかかったようだった。否、引っかかったのではない。見れば〇が桃ジュースを飲みながら私のマントを引いている。
「どらうすさん」
「どうしたんだい〇。肩たたきはすごくよかったよ。神の腕を持っているのかもしれないな」
「甘やかしてんなあ……」
「……だったら」
〇は控えめながらもぼそっと呟いた。
「ご褒美ほしいです」
それは二週間過ごしてきた中でも唯一といっていいおねだりだった。ここまで酔って理性をふやかさないと言えないのか。その可愛い甘え顔は私を殺そうとしているのか? とにかくするべきことは一つ。この子をこれでもかと言うほど甘やかす選択しかなかった。
「ん"!!! パパがなんでもしてあげようね」
「パパ? でも……父は……私を捨てて」
……。まだ、家族の影が残るか。まあいい、簡単な話だ。それなら____
「そんなことはない! 私が君の父親だ。私は君を捨てない。兄だっているじゃないか!」
__こういうことにしてしまえばいい。
「うわ……お父様ガチ催眠かけてる」
「催眠!? ちょっ、いいのかそれ」
「んー、でもあの子の親ろくでなしっぽいしいいんじゃない? 妹みたいなのが増えるのは私たちにとってよくあることだし。ホラ血を分けたりするから」
「つっても……お前の親父なんか余計なもんまでかけようとしてるけど」
「私のことはパパと呼びなさい。君はパパのことが大好きだ。他の男のことはきら」
「まっってくださいお父様! 彼女にも自由意志というものが」
「パパ大好き~」
「あ~! だめだこの子催眠耐性ゼロだ」
ドラルクの言う通り、〇の精神防御は綿あめかと思うほど脆かった。あちこちぼろぼろでどこからでも滑り込める。その気になれば全て書き換えてしまえるほどに。だが何の問題がある? これからは私が守ってやれる。そうだ、私がこの子の瞳を曇らせるもの全てを消して新しく与えてやればいいのだ。
抱擁を求めてひっついてくる〇を胸に閉じ込めれば見たこともないほどリラックスした表情で〇がうっとり目を閉じる。それに満足したのもつかの間、視界に伸ばされた手が映った。ドラルクか? そんなに焦った顔をしてなんだというのだ。
「お父様! 思い出してください、そもそもこの子はだいぶお父様に懐いていた。それを催眠で上書きするのは彼女の気持ちを蔑ろにしていることになります」
__。
「な、なんだと……!?」
風船に針を刺すように、ドミノを爪で弾くように。反射でばちっと解いた催眠に混乱しているのだろう、胸の中で〇が目をぐるぐるにして私のマントを握りしめている。
「すまない、私はなんてことを……つい反射で催眠をかけるなんて」
どこを見たらいいのか分からない、という風に困っていた〇がこちらを向いた。ほっと安心した様子のドラルクが味噌汁を運んできて、〇をマントから出してやる。
「んあ……? どんな催眠かけたんです、か? 父親? ……なに、そんなの」
だがしかし、味噌汁を飲みながら彼女は言った。
「そんなのだったら、解かなくてよかったのに」
「ぁあああ!! 娘可愛い!!」
「ああお父様が窓から!!!」