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私の彼女はかなりの恥ずかしがり屋だ。すぐ赤くなって慌てふためく姿は何度見ても愉しい。特に涙目が可愛くて――あ、いいこと思いついた。
「ねえ〇ちゃん、お願いを聞いてくれないかい?」
「お願い?」
散歩の休憩中に急に言われるとは思っていなかったのだろう、彼女は目を丸くしてこちらを見上げてくる。その視線を引き付けて、人差し指を自分の唇に。とんとん、と当ててわざと目を細めて見つめると、意味しているものを理解したのか後退りながら首をぶんぶんと振られてしまった。
「むっ、むりです! むり!」
「だめかぁ、いつも私からしているからたまにはと思ったんだけどなァ。残念だが仕方ないね……」
「それは……だって……」
「あ~残念だなあ、寂しいなあ……恋人から口づけも貰えないとは」
「……、……っ、だって……」
大げさに嘆いてみせると段々と〇ちゃんの顔が赤くなっていく。服の端を握って、うるうるとした瞳が私の顔を見てはサッと避けられた。……ふむ、もう少し押したいな。
「……あの、あの……」
「んー?」
何を考えているかバレないように澄ました声で返すと、既にいっぱいいっぱいの彼女が握った服を引く。かーわいい。何この子。ニヤつきそうになるのを堪えはしているが、焦りすぎてあたふたしているからどんな顔をしても気づかれないだろうね。
「ごめんなさ、その……あの……」
「どうしたんだい、〇ちゃん。ちゃんとお話できる?」
こくこく、と頷く彼女の頬に手を添えて見つめれば、すっかり混乱して泣きそうになりながらも小さな口がぱくぱくと動いた。ぷるぷる震えてしにそうになりながらもたどたどしく言葉が紡がれる。
「よるまさんは、かっこよすぎる、から……顔、ちゃんとみたら、しんぞうがこわれちゃうんです……」
「おや、ふふっそうかい。それは光栄だ」
「……すみません……」
「でもキスはしてほしいな」
「っ!?」
私の言葉に怯えて後退りかけた体を逃がさない。当たり前だろ、なにを逃げようとしているのかな? 心臓が壊れてしまうなら壊れたところが見たい。ほら、と促すと焦点の定まっていない瞳がきゅっと瞑られる。
「や、まって……、よるまさんに……? 、……やっぱむりですもんん!」
「できるできる。私の口にちゅってしてごらん? やり方はいっぱい教えただろう?」
「……! でも……、ぁぅ……」
くすぐるように耳元で囁けばついに睫毛に支えられていた涙がぽたりとこぼれた。困るなあ、そんな可愛い表情をされると今すぐにでも押し倒して舌を絡ませたくなる。とはいっても――いじめるのは本意ではない。額にちゅっとキスを落として抱きしめてあげる。すると安心したようにぐずりだしてしまった〇ちゃんの手がしがみついてきて、心の底から愛しく感じた。
「ぇぇん、ほんとに、ほんとにすきなの……なんです……っうぅ、しんじて……」
「分かってるよ。ふふ、ごめんね、いじわるしてしまったね。帰ったらいっぱい可愛がってあげようね」
「っ、…………」
仕方ないが照れ顔をたくさん頂くことはできたし、そもそも可愛がることが許されれば私は満足だ。そろそろ帰ってあたたかいブランケットに包んであげないと。いつものように抱き上げるように立たせようとする……が、彼女は動かなかった。
「? 君……」
不思議に思って顔を覗き込んだとき、唇に柔らかいものが触れた。まさか、と唇を確かめればラメが指についている。間違いなく彼女の唇に塗られたリップグロスによるものだ。
「……私も、お返しがしたいです……っ」
真っ赤な耳をして、すぐにまた泣いてしまった恋人を強く抱きしめると私の名前を呼ぶ嗚咽が聞こえた。ここまでは求めていなかったのに。多少の申し訳なさと共にたまらない熱が溢れて焼かれてしまいそうだ。この子の愛はツツジの甘露のようだとも思う。普段は照れてばかりで少ないが、舌に乗せればたしかに甘い。
「ねえ、今日は少しがんばれるかな?」
「ぅ、っぐす…………へ?」
泣いていた〇ちゃんが数秒置いて動きを止めた。ごめん、もう我慢できそうになくてね。
「ねえ〇ちゃん、お願いを聞いてくれないかい?」
「お願い?」
散歩の休憩中に急に言われるとは思っていなかったのだろう、彼女は目を丸くしてこちらを見上げてくる。その視線を引き付けて、人差し指を自分の唇に。とんとん、と当ててわざと目を細めて見つめると、意味しているものを理解したのか後退りながら首をぶんぶんと振られてしまった。
「むっ、むりです! むり!」
「だめかぁ、いつも私からしているからたまにはと思ったんだけどなァ。残念だが仕方ないね……」
「それは……だって……」
「あ~残念だなあ、寂しいなあ……恋人から口づけも貰えないとは」
「……、……っ、だって……」
大げさに嘆いてみせると段々と〇ちゃんの顔が赤くなっていく。服の端を握って、うるうるとした瞳が私の顔を見てはサッと避けられた。……ふむ、もう少し押したいな。
「……あの、あの……」
「んー?」
何を考えているかバレないように澄ました声で返すと、既にいっぱいいっぱいの彼女が握った服を引く。かーわいい。何この子。ニヤつきそうになるのを堪えはしているが、焦りすぎてあたふたしているからどんな顔をしても気づかれないだろうね。
「ごめんなさ、その……あの……」
「どうしたんだい、〇ちゃん。ちゃんとお話できる?」
こくこく、と頷く彼女の頬に手を添えて見つめれば、すっかり混乱して泣きそうになりながらも小さな口がぱくぱくと動いた。ぷるぷる震えてしにそうになりながらもたどたどしく言葉が紡がれる。
「よるまさんは、かっこよすぎる、から……顔、ちゃんとみたら、しんぞうがこわれちゃうんです……」
「おや、ふふっそうかい。それは光栄だ」
「……すみません……」
「でもキスはしてほしいな」
「っ!?」
私の言葉に怯えて後退りかけた体を逃がさない。当たり前だろ、なにを逃げようとしているのかな? 心臓が壊れてしまうなら壊れたところが見たい。ほら、と促すと焦点の定まっていない瞳がきゅっと瞑られる。
「や、まって……、よるまさんに……? 、……やっぱむりですもんん!」
「できるできる。私の口にちゅってしてごらん? やり方はいっぱい教えただろう?」
「……! でも……、ぁぅ……」
くすぐるように耳元で囁けばついに睫毛に支えられていた涙がぽたりとこぼれた。困るなあ、そんな可愛い表情をされると今すぐにでも押し倒して舌を絡ませたくなる。とはいっても――いじめるのは本意ではない。額にちゅっとキスを落として抱きしめてあげる。すると安心したようにぐずりだしてしまった〇ちゃんの手がしがみついてきて、心の底から愛しく感じた。
「ぇぇん、ほんとに、ほんとにすきなの……なんです……っうぅ、しんじて……」
「分かってるよ。ふふ、ごめんね、いじわるしてしまったね。帰ったらいっぱい可愛がってあげようね」
「っ、…………」
仕方ないが照れ顔をたくさん頂くことはできたし、そもそも可愛がることが許されれば私は満足だ。そろそろ帰ってあたたかいブランケットに包んであげないと。いつものように抱き上げるように立たせようとする……が、彼女は動かなかった。
「? 君……」
不思議に思って顔を覗き込んだとき、唇に柔らかいものが触れた。まさか、と唇を確かめればラメが指についている。間違いなく彼女の唇に塗られたリップグロスによるものだ。
「……私も、お返しがしたいです……っ」
真っ赤な耳をして、すぐにまた泣いてしまった恋人を強く抱きしめると私の名前を呼ぶ嗚咽が聞こえた。ここまでは求めていなかったのに。多少の申し訳なさと共にたまらない熱が溢れて焼かれてしまいそうだ。この子の愛はツツジの甘露のようだとも思う。普段は照れてばかりで少ないが、舌に乗せればたしかに甘い。
「ねえ、今日は少しがんばれるかな?」
「ぅ、っぐす…………へ?」
泣いていた〇ちゃんが数秒置いて動きを止めた。ごめん、もう我慢できそうになくてね。