御堂 宰という男
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─数十分後。
「ねぇ最原ちゃん、これも買おうよ。あっ、これ罰ゲーム用に買っていこう!百田ちゃんに食べさせる」
「もう前提じゃないか…。食べきれる分だけにしなよ」
マジかよあいつら、いつまでコンビニに居座るつもりだよ。いろいろ買い込んでるけど、お菓子パーティーでもするのか?いや、それはどうでもいい。話を聞いてりゃ あのチビッ子、何度もみつばの名前を呼びやがって…!一緒にいるときもそんな感じか?オレがみつばの名前を連呼すると“うるさい”ってどつかれるのに!!
「こんなもんでいいでしょ。御堂ちゃん、会計よろしくー」
チラッとチビッ子に視線を向ければ、オレの考えていることがわかっているかのようにニタリと笑みを浮かべた。あああああ゙!!くっそ腹立つ!
「なになにー?何かオレに言いたそうだけど。まぁ、御堂ちゃんの考えてることなんて六路木ちゃんのことしかないよね。六路木ちゃんの相手なら代わりにオレがしといてあげるからさ。御堂ちゃんはここで馬車馬のごとく働くがいいよ」
「……本当に何様だよ」
「は?何様って、総統様ですけど何か?」
「ああ、だから偉そうなんだな!このチビッ子が!!」
「うるっさいなぁ。デカけりゃそれで偉いのか!?黙っとけよ、このモブ顔!!!」
「ちょっと、2人とも…!」
なっなんだとこの野郎!!言っていいことと悪いことがあるだろうが!超高校級はそんなこともわからねぇのか!?ちょっと前のオレなら人のこと言えない立場だったけど…!
「もっモブ顔!!?生まれてこの方、モブ顔なんて言われたことねぇぞ!前の学園祭でも地元のミスターコンでも選ばれたんだからな!!」
「えっ、そうなの?すごいね。優勝したんだ?」
「いや、2位だったけど」
「2位かよ!」
うるせぇな!準優勝してんだから、それはそれですごいことだろ!誰かオレを褒めろ。……いやいや。こんな奴の相手してる場合じゃない。今 他にお客さんがいないとはいえ、真面目にバイトしないとみつばに幻滅されてしまう。
「……みつばによろしくな。ありがとうございましたー」
はぁ…。勉強も運動も、恋愛も。なんだよ。結局オレはどんなに頑張っても二番目かよ。みつばの隣に立ちたかったな……。なんて、しみじみ言ってるけどみつばを諦めたわけじゃない。でも今のみつば、楽しそうだ。オレがそうであるように、みつばにとっての居場所はこいつらってことか。オレ、場違いじゃん。邪魔したいけど出来ないだろ。そんなことしたらみつばにどんな顔されるか。
「はい」
目の前に何かを突きつけられたと思ったら、さっき会計した炭酸飲料だった。チビッ子がオレに差し出している。
「御堂ちゃんの仕事ぶりはちゃんと六路木ちゃんに報告しておくよ。双眼鏡片手に脳内お花畑でしたってね!」
「なっ…!」
「御堂くんも、良かったら今度一緒に遊びに行こうよ。六路木さんも誘っておくから。数人で集まるより、友達みんなと集まった方が楽しいだろうしね」
「にしし。根倉が言うよねー」
「王馬くん」
“赤松さんがそう言ってたから”とかなんとか聞こえてきたけど、それ以外はオレの耳に入ってこなかった。……友達、か。それって オレも当てはまってんの?お人好しな奴。
「……オレはみつばと2人がいいね」
そっぽを向きながら呟いたオレに、2人は何も言わなかった。ただ チビッ子はオレに炭酸飲料を押し付けて、根倉は小さく手を振って希望ヶ峰学園に帰っていった。
「なんだよ…。いい奴ぶんなよ」
あーあ…。超高校級ってのは本当に、敵わねぇなぁ。
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