御堂 宰という男
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ある時、みつばが学校に来なくなった。後から聞いた話で、希望ヶ峰学園が企画した恋愛バラエティとかいうものに拉致られて参加させられていたみたいで。でもしばらくしたら また絢爛に戻ってくると思ってた。なのに結局転校だとか言って、みつばは戻ってこなかった。そこまではまだいい。みつばの家も希望ヶ峰学園の場所も知ってるし、オレが会いに行けばいい話だ。
だけど、
「オレは王馬小吉だよ」
いつの間にかみつばの隣に立っていた男。他の超高校級の生徒たちにも囲まれていたけど、当然のようにみつばの隣にいたこいつだけは許せなかった。
オレにはみつばがいないと駄目なんだ。みつばが取られる。嫌だ、絶対に。どうせお前ら勝ち組なんだろ。認められてるくせに、居場所があるくせに。何かオレに譲ってくれてもいいじゃないか。やっと見つけたオレの居場所を奪わないでくれよ。
……結局カッとなって希望ヶ峰に乗り込んだものの、ぶちギレたみつばに押さえ込まれてしまったのだけど。他の超高校級の生徒に嫉妬して八つ当たりしていた部分はあった。気に入らない事に変わりはないが、前のようにどうこう言うつもりもない。何よりみつばが大切にしている友人たちだ。とはいえ、これでもかってくらいみつばにベタベタしている王馬小吉、てめぇは別だ。この際、彼らの才能は認める。超高校級であることに文句はない。オレのみつばにベタベタすんじゃねぇ。ただそれだけだ。
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───
「……御堂くん!何やってるの、バイト中は双眼鏡しまって。というか、いつも熱心に何を見てるの?」
「え、あー……野鳥の観察です」
「……へぇ。絢爛の子は考えてることが違うね」
んなわけねぇだろ!野鳥見て楽しいなんて、どこの愛好会だよ。運よくみつばの姿を見かけられないかなと思ってこのバイトを始めたけど、そう甘くはなかった。
「何やってんの?真面目に仕事しないと駄目じゃん。サボってたって六路木ちゃんに言いつけてやろー」
聞いたことがある声が聞こえたと思って双眼鏡から目を離すと、根倉とチビッ子がオレを見上げて立っていた。まぁ、コンビニだしな。希望ヶ峰の近くだったら、当然こいつらだって来るわけで。
「……イラッシャイマセー」
「うわ、すげー棒読み」
「どう?御堂くん。もうバイトには慣れた?」
「まぁな…。オレだってバカじゃねぇ。いい社会経験だと思ってなんとかやってるよ。なぁ、今日みつばは?」
「六路木さんなら、いつも通り学園でトレーニングしているよ。コンビニ行くから一緒に来ない?って誘ったんだけど、行かないって即答されちゃって……」
なるほど、頭に浮かぶな。みつばだってオレがここにいることは知ってるだろうし、もしかして避けられてる?まぁ…いくらみつばのためだったとはいえ、今まで普通の女なら嫌がって逃げるようなことも結構してきちゃったしな…。みつばは心が広いから何だかんだ許してくれているけど。そうでなきゃ、オレは今頃塀の中だ。うぅ…でも一緒にいたい。
「……オレ、本気でみつばに嫌われてんのかな」
根倉はチビッ子が店内をチョロチョロしている様子を眺めていたが、やがてオレに視線を向けて微笑んだ。
「前に王馬くんが言ってたんだ。本当に嫌いなら、そもそも喋りもしないし関わらないって。六路木さんはキミのことちゃんと友達だと思ってるよ。……恋愛では対象外みたいだけど」
さてはこいつも一言余計なタイプだな?けど、そうか。友達…かぁ。気遣ってくれたのか知らないけど。
「お前、いい奴だな最原」
「言っておくけど、赤松さんを乳牛呼ばわりしたことは忘れてないからね」
……一言余計だし、さらに根に持つタイプらしいな。
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