御堂 宰という男
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「はぁ!?くそっ……またかよ」
掲示板に貼り出された上位10名の成績表を見て、オレはいつものごとく落胆した。そんなオレを横目に、友人も隣から成績表を見上げた。
「うわー、すごいね御堂。また学年2位だよ」
「よくピンポイントに狙えるよね。去年の中間も期末も2位だったでしょ。この間のクラスの小テストでも2位だっけ?」
「狙ってねぇよ!徹夜までしてテスト範囲全部見直したってのに!一番にならなきゃ意味ねぇだろ……!!」
また2位。前も、その前も。勉強だけじゃない。運動だっていくら努力しても一番になれない。なんでいつもいつも誰かの踏み台にされるんだ。2位も、それも決して悪いわけじゃない。なのにトップを称賛する声に埋もれてしまう。もういいだろ。もう充分だろ。誰かオレを認めてくれよ。
「……御堂の親父さんって厳しいよね」
「なんでもかんでも一番ってのは無理じゃないかなぁ。誰にだって得意不得意はあるんだからさ」
「でも最近は成績のことで文句言われないんだよね?だったらもう拘らなくてもいいんじゃない?親父さんも理解してくれたのかもよ」
理解?今まで自分の考えしか押し付けてこなかった奴が?ずっとオレのする事なす事を否定してた、あのクソ親父が?理解なんてするわけねぇだろ。
「口で言わなくても心の中では呆れてんだよ。一番じゃないと意味がないんだ。そうでなきゃ、誰もオレを―……」
友人2人はオレから視線を外して顔を見合わせていた。…なんだよその目。お前らもそうなんだろ。オレに呆れてるんだろ。ああ、やってらんねぇ。だるいなぁ、逃げたいなぁ。誰もいないところに行きたい。そうすれば評価を気にすることもないのに。
「……そういや、今日は早く帰ってこいって言われてた。会わせたい奴がいるとかなんとか。めんどくせぇ」
「そうなの?」
「会わせたいっていうなら、説教ではなさそうだね」
いちいち一言余計な奴だな。
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ガチャッ
「……ただいま」
「あっ!宰、お帰りなさい。こっちにいらっしゃい。もう相手の方を待たせているの。制服のままでいいわ」
母さんに背中を押されて客間まで向かうと、そこには 姿は時々見かけるくらい、そして名前だけはよく知っている人物が椅子に座って待っていた。
「お前、隣のクラスの……」
オレに気づいた彼女はスッと立ち上がり、小さく頭を下げた。
「初めまして、ではないな。隣のクラスの六路木みつばだ。よろしく」
「ああ……」
「ああ、じゃなくて貴方も自己紹介なさい!」
バシッと頭に衝撃を受け、オレもしぶしぶ自己紹介をした。なんなんだよ。なんでこいつがここに?彼女はオレを知らないだろうが、オレは彼女を知っている。ギフテッド制度に認められた超高校級の護衛官だ。諸事情で護衛官ではなく貴公子を名乗っていると聞いたが、そんなことはどうでもいい。早く帰ってほしい。何が超高校級だよ。どうせたいした努力もしてないんだろ。生まれながらにしての天才ってやつ?いいご身分だな。
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