王馬に仕返しする
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「どういうことだよ!」
「 知らないよ…。僕が聞きたいよ」
お昼過ぎ。たまたま最原ちゃんとトイレで鉢合わせたので、今抱いている疑問をぶつけている。ちなみに言うと、昼食の時間も六路木ちゃんの方からベタベタくっついて、オレにあーんしてきた。その間ずーっと微笑んでるんだよ?それ以外の行動のときは、やっぱりオレの隣を恋人みたいにくっついて歩いているし。オレから何かするとやめろって言うのに、一体どういうことだ。明日の天気は槍か。
「キミがしつこく頼んで 仕方なく彼女がやってあげてるのかと思ったけど、違うみたいだしね…」
「そりゃ確かにオレがいつもして欲しいって言ってるからさ。それでしてくれてるんだとしても…。急にだよ?何の前触れもなく、突然!何か裏があるに違いない…!」
「だけど、王馬くんにとっては嬉しいことなんじゃないの?いつも六路木さんに嫌がられてるのに、その彼女が進んでしてくれてるんだから。何故かはわからないけど、素直に喜んでもいいと思うよ」
それは…そうなんだけど。いや、そうか。理由はどうあれ、今は六路木ちゃんからオレを求めてくれている。あの!六路木ちゃんが!感動する。これは願ってもない状況だ。だったらいつもは断られることでも、今お願いすれば受け入れてくれるんじゃ…?いや。どうせならオレから言うんじゃなくて、六路木ちゃんの方から言ってほしい。上手くいけば、行けるところまで行けるんじゃない!?だったらオレも楽しんじゃうよ!
「六路木ちゃん、お待たせー」
トイレから出ると、六路木ちゃんは無意識なのかなんなのか、オレを見てパッと表情を明るくさせた。なんかいつにも増してかわいく見える。というか、これはもう間違いない。気のせいじゃなかった。今日の六路木ちゃんはおかしい!
「王馬、この後の予定は?どこにでも付き合うぞ。護衛はしっかりするからな」
「そうだなー。じゃあオレの部屋行こう!」
ニコニコしながら彼女の手を引いて部屋まで向かい、オレがベッドに座ると六路木ちゃんも隣に座ってすり寄ってきた。顔を覗くと少しだけ照れくさそうにしている。かっかわ、いい……。かわいいんだけど!
それを見てオレも横から抱きつくと、今度はオレの頭を撫でてきた。
「にしし」
「どうした?」
「いやー、ついに六路木ちゃんもオレを受け入れてくれたのかと思ってさ。オレのこと好きになってくれた?」
「言わなくてもわかるだろ」
「え、」
パッと六路木ちゃんを見上げると、オレを見てふっと微笑んだ。髪の毛を指に絡めたりしながら、オレの頭を撫で続けている。……あ、れ?おかしい。きゅんときた。六路木ちゃんがかわいい。かわいいけど、なんかそれ以上に―……。
「かっこ、いい……」
スッと細められた、綺麗な紅紫をした瞳がじっとオレを見下ろしている。鏡見ないとわからないけど、たぶんこういうのは客観的に見れば ぽーっとした、とか とろんとした、みたいな表情だと言うのだろう。そんな顔でオレも六路木ちゃんを見つめ返していると、六路木ちゃんはオレの頬を両手で包んできた。
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