王馬に仕返しする
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「…………だるいな」
なに。目が死んでいるだと?ほっとけ。最近な、寝ても覚めても王馬の事ばかり頭に浮かぶんだ。そりゃそうだろう。朝から晩まで一緒に過ごしていればな。その間、ずっと王馬の顔を見て 声も聞いているんだ。昨日も六路木ちゃん、一昨日も六路木ちゃん、その前も六路木ちゃん、ずーっと六路木ちゃん六路木ちゃん六路木ちゃん。
「ああああああ゙!!!!」
「ど、どうしたんですか六路木さん」
頭を抱えながらテーブルに伏せると、食堂で向かいに座っていたキーボが驚いて声をかけてきた。
「どうしたもこうしたもない…。どこに行っても、何を考えてても王馬の声と姿がまとわりついてくる。このままだと 王馬小吉恐怖症になりそうだ…!」
「そういう事ですか…。ボクとしてはありがたいんですけどね。最近の王馬クンはキミにかまけているお陰でロボット差別が減ったんです」
「……そうか。それは良いことだな」
まったく、人の反応を面白がって好き放題やってくれる。だからといって、このままというのも納得がいかない。ならば私もやってやろうじゃないか。
「王馬に仕返ししてやろう」
「え?お、王馬クンにですか?」
「王馬の真似をしつつ、私なりにやり返してみる」
なに、演技と同じだ。そういうものだとわかって行動すれば羞恥心などない。今回は私が攻めまくって、王馬の反応を窺ってやろう。そうと決まれば明日、さっそく行動開始だ!
*
AM5:00
「…………うぅ、ん」
あれ、今何時だ?あー…5時か。もう起きよう。準備したら六路木ちゃん起こしに行かないとなー。毎度の事ながら本当に寝坊助だよね。護衛官なら当然、警護対象者よりも早く起きて一歩先を行かないといけないのに。まぁでも?今までは夢のこともあってまともに寝れてなかっただろうし、オレは優しいからね!ちゃんと彼女のことも気遣ってあげられるよ!
「さーて、今日はどんな顔して寝てるのかな~」
独り言を言いながらちゃっちゃと着替えて自室の扉を開ける。まだ薄暗い中、部屋を出たすぐの所で誰かが立っていることに気づき、オレは驚いて動きを止めた。
「……おはよう。王馬」
そこにいたのは六路木ちゃんだった。びっくりした。壁に背を向けて当然のようにそこに立っている。オレに気づくと見下ろして挨拶してきた。
「……あ、あれ。六路木ちゃん?今日は早いんだね」
「そうだな。だが おかしな事ではない。お前は私の依頼主なのだから。先に起きて、ここで警護にあたっていただけの事だ」
いや、そりゃそうなんだけど。なんで急に?今日はたまたま早く目が覚めたからってこと?……なんか違和感がある。特に深い意味はないのか?
「ふーん…。ま、いいや。じゃあさ、食堂が開くまでちょっとその辺散歩しようよ」
「ああ、構わない」
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