バレンタインは戦争だ
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ということで食堂にやってきたが、彼はここにいるだろうか。中を見回していると 王馬と最原、百田が一緒にご飯を食べている姿が目に入った。
「あ、おはよー六路木ちゃん!」
私に気づくと王馬が手を振ってきた。王馬に続けて最原と百田にも挨拶を済ませると、私はさっそく質問をしてみることに。
「王馬。チョコは欲しいか」
「何その “力が欲しいか” 的な聞き方は。……ああ。そういえば明日はバレンタインデーだったね」
「あ、そうだった」
王馬が呟くと、最原は思い出したようにハッとした。
「嘘くさー!最原ちゃん絶対わかってたでしょ‼今日はそわそわして眠れないパターン?」
「本当に忘れてたんだよ!」
「オレは覚えてたぜ!その様子じゃ、六路木も何かくれるんだろ?」
「ああ、皆には世話になってるからな。作って明日持っていくよ」
「そんな…気を遣わなくてもいいのに」
いや…それはいいんだ。世話になってるのは事実だからな。そうではなく、今重要なのは王馬が私からの手作りがいるか要らないかだ。
「で、お前はどうなんだ?」
「んー…。それって手作り?それじゃ食べられないかなぁ。六路木ちゃんを信用してないわけじゃないけど、中に何入ってるかわかんないしさ」
ふむ…。悪の総統だから、ということか。何となくそんな気はしていたがその通りだったようだ。つまり私に、得体の知れないチョコよりも 世界的に有名で人気な高級菓子を献上しろというわけだな?承知した。
「…って言うのは嘘で!どうしてもって言うなら―……」
「わかった。そういうことなら、お前には近所のコンビニで買った二千円相当のチョコレート詰め合わせを用意しよう。安心するといい」
「え」
「一気にグレードが下がったな……」
「何を言う。二千円分だぞ」
「値段じゃねーんだよ!いや、ちょっと待って!うそっ…嘘だから‼六路木ちゃんが作ってくれたものなら欲しいから!!!」
「別に無理しなくていい。安心安全で美味しく食べてもらった方がいいからな。とにかく、その確認で来ただけだ。これから買い出しに行くので失礼する。明日を楽しみにしていてくれ。ではな」
私は時計を確認しながら3人に手のひらを向けると、校門で待っているであろう楓と春川の元へ急いで向かった。…しまった。朝食を食べ損ねたが…まぁいいか。よくあることだ。
「……六路木ちゃん。オレのは?」
「王馬…テメー、やっちまったな」
「素直じゃないから……」
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