バレンタインは戦争だ
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※コンビニスイーツを馬鹿にしてるわけではありません。私も大好きです。
「みつばちゃん、一緒にお菓子作ろうよ!」
朝、食堂に向かおうと ちょうどベッドから立ち上がった時。インターホンが鳴ったと思ったら何やらそわそわした楓と春川が顔を覗かせた。…で、唐突にお菓子とは?
「それはお茶会か何かをするのに必要なお菓子を作ろうということか?」
「違う違う!ほら、明日はバレンタインデーでしょ?だからみんなに配るお菓子を作るんだよ。あ、あと本命も……。で、東条さんにもレシピを教えてもらったし、よければ買い出しして一緒にどうかなと思って」
なるほど。妙に世間が騒がしいと思ったらバレンタインデーだったか。一番ハッピーなのはチョコレート会社だろうが…。
「状況は理解した。しかし何故わざわざ私を誘いに?」
「何言ってるのみつばちゃん。私たち仲間でしょ‼」
ガシッと肩を掴まれて思わずビクついてしまった。いや…仲間?何の?春川を見れば、自分の髪を弄りながら頬を赤く染めている。
「仲間とか…赤松が勝手に言ってるだけだよ」
「そんなことないって!春川さんは百田くんに、私は最原くんに渡す予定で…。みつばちゃんは王馬くんにあげるんだよね‼」
何故王馬に作ることが決定事項のようになっているのか。確かに普段一緒にはいるが、お互いそういうつもりではない。故に王馬に手作りを渡す理由がない。
「ちょっと疑問に思ってはいたが…。好いている者や恋人に手作りを渡し、他の友人には義理を買うというならわかる。何故本命でもない相手にまで手作りを渡すんだ?」
「それは友チョコってやつだよ。みんなにもお世話になってるからさ。本命には後から別に、グレードアップしたチョコをこっそり渡す感じかな」
へぇ…。今は友チョコとやらが流行っているのか。まぁ確かに日頃から世話にはなっているし、感謝の気持ちを込めて渡すのはいいかもしれないな。誰かにあげるくらいなら自分で食べたい気もするけど。
「とりあえず王馬は置いておいて…。そういうことなら私も皆のために作りたいな。ぜひ参加させてくれ」
「え。王馬には別に作らないの?」
「むしろ何でだ」
「たぶん…あいつ、あんたから直接貰えるつもりでいると思うよ」
「個別に?」
「個別に」
よくわからない…。たくさん作って みんなでどうぞじゃ駄目なのか?楓と春川の、最原と百田に渡したいというのはいいんだけど。特別何でもないのに、私が王馬に渡すのは意味不明だと思うんだが。むしろ私が渡すことで本人の迷惑になるような…。
「むぅぅ……」
「あんた、何をそんなに悩んでるの。作るんでしょ?」
「作るけど…かくなる上は、いるか要らないか本人に聞く」
「本人に⁉そんな大胆な…」
「欲しいって言うなら作るし、いらないならそれでいい。というわけで食堂へ行ってきます。お菓子作ることバレても大丈夫か?」
「うん。みんなに作るっていうのは言っても大丈夫だよ。…あっ!最原くんに渡そうとしてるのは内緒ね⁉」
「百田にもね」
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