キミの隣は…
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希望ヶ峰学園に来てから、いや…その前からだけど。六路木さんはずっと王馬くんと一緒に行動し、生活している。それは王馬くんが六路木さんに護衛を頼んだからなんだけれど。
「……はぁ」
2人を見ているともやもやする。別に2人は付き合ってるわけじゃないし、護衛だから一緒にいるっていうのもわかってる。けどやっぱり、六路木さんを見ていると王馬くんに振り回されながらも何だか楽しそうで、満更でもない様子で…。
「…僕じゃ、駄目なのかな」
「最原くん…さっきからため息ついてるけど。どうしたの?」
「あ。赤松さん」
食堂の端の方で、手元にある本も読まずにため息ばかりついている人物がいたら、それは何か深刻な悩みでもあるんだろうと思われるかもしれない。
「僕、そんなにため息ついてたかな?」
「うん。ご飯食べ終わってから、ずーっとね。ちなみにみつばちゃんが王馬くんと食堂にいるときは、ずっとみつばちゃんのことチラチラ見てたよ。出ていくときは目で追いかけてたし…。みつばちゃんは人の視線とか気配に敏感だし、気づいてたかもね」
「えっ!?う、嘘……!」
それは恥ずかしい。いや、恥ずかしいとかそれよりも…。六路木さんがそれに気づいてたとして、気を悪くしてなければいいんだけど。ど、どうしよう…。
「…最原くん。そんなにみつばちゃんが好きなら、もう告白しちゃいなよ!」
「ええ!!?こっ告白なんてそんな…!僕には無理だよ…」
「もー!またそうやってうじうじしないの!このままだと王馬くんに取られちゃうかもよ?」
「え゛」
お、王馬くん…?確かに…王馬くんは六路木さんにべったりだし、嘘かどうかはともかく、けっこう“好き”だとかも言ってるみたいだった。六路木さんもそれに対して嫌がったりとかもしてなくて。ということはつまり。こ、このままじゃ…?
「そっそれは駄目だよ!!!」
ガタンッと、つい勢いよく立ち上がったために周囲の視線を一遍に浴びることとなってしまった。そんな僕を赤松さんが慌てて座るように促した。
「さっ最原くん!落ち着いて!あくまでも可能性の話だから…」
「可能性があるなら急がないとまずいじゃないか!……でも、やっぱり無理だよ。六路木さんは護衛官なんだよ?僕なんて女顔だし、頼りないし…。百田くんみたいに男らしくもなければ、六路木さんみたいに強くもないんだよ」
自分で言ってて悲しくなってきたけど、全部事実だし。どうせ僕はコンプレックスの塊だよ…。強いて言えば、人よりちょっと頭が切れることくらいだろうけど…これ、自分で言うことじゃない。
「ふふふ…。実はね、みつばちゃんに張り付いてようやく好きなタイプを聞き出したんだよ!長かった…。最原くんには嬉しい情報だと思うな!」
「ほ、本当に!?ありがとう赤松さん!!」
「どういたしまして!それでね…みつばちゃんのタイプなんだけど、“自分を守ってくれる人”だって!」
「え…?」
まさか。意外と普通と言ったら失礼だけど、護衛官である六路木さんなら自分の身は自分で守れると言いそうだし…。その言葉を聞くとは思わなかった。
「みつばちゃんは護衛官だけど…それをわかってる上で、自分には護れる力がないと思いながらも身を挺して護りに来てくれるような人…だってさ。みつばちゃんらしいよね!たぶん、護衛官だからこそというか…。“お前のことは私が護るから、私の背中は預けたぞ”って感じじゃないかな?あとは一緒にいて落ち着く人って言ってたよ」
なるほど…。確かに六路木さんらしいかもしれない。ということは、まだ僕にもチャンスはあるんだ!一緒にいて落ち着くっていうのも本当だと思う。王馬くんと一緒にいるときに、何だか落ち着くな…って呟いていたのを聞いたことがあるし、立場上そういう居場所があると安心できるのかもしれないな。
…あれ?というか、この流れだと六路木さんは王馬くんが好きってことになっちゃうじゃないか!まずい、こんなことしてる場合じゃない!!
「ごめん赤松さん…!僕行かなきゃ!!」
「え?…うん!頑張って最原くん!!」
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