○○しないと出られない部屋
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「…ん?そうか」
「なに?」
オレの上に跨がっていた六路木ちゃんがぽつりと呟いた。そして部屋の扉をじっと見つめて。
「簡単な話だったな。扉が開かないなら蹴破ればいいじゃないか」
「さも当然のように言ってるけど、扉を蹴破るってゴリラじゃないと無理じゃない?」
「緊急事態だ…。今は器物損壊とかどうでもいい。私は外に出るんだ!」
「意志は固いようだね…。とりあえずオレの上から退いてもらえると助かるんだけど。さっきから内臓を圧迫してる」
「ああ、失礼」
六路木ちゃんが退いてくれたおかげでようやく体が軽くなった。それにしても…いくら六路木ちゃんが護衛官だからって、扉蹴破る程の力ある?試すだけなら何もしないよりマシだろうけど…。こうしてる間にも時間はどんどん減っていってる。もし駄目だったら結局セッ○スするしかなくなるんだけど、少ない時間だとそれも絶望的な状況だ。オレは別に早漏とかじゃないんでね。
「はぁあああああ!!!!!!」
気合いの入った声をあげながら六路木ちゃんが扉に向かって蹴りを入れた。すぐに体勢を立て直し、もう一発。それを何度か繰り返しているとミシミシと音が聞こえ始め、終いには扉の金具がバキッと音を立てて壊れた。
「…マジか」
*
「ちょっとちょっと!画面揺れてるわよ!地震!!?」
モニターを見ていたモノクマの子供、モノファニーが向こう側の様子に声をあげた。
「どう考えても六路木がドア蹴破ったせいじゃねーか!」
「なんでそんな簡単に壊れるんだよ!確かに最近金具が緩んでたけど…。ボク、モノタロウに補強するようお願いしたよね?」
「きっと最原クンが頻繁に開け閉めしてるせいじゃないかなぁ…。え?…あっ!オイラ忘れてた!」
「何しとんねん!」
「2人トモ…モウ、外ニ出チャッタヨ」
扉はすでに破壊されて、ずいぶん風通しのいい事になってしまっている。いとも簡単に扉が壊れたのは金具が緩んでいたせいだったようだが、最原が頻繁に出入りしているのも事実だったらしい…。部屋からは2人の姿は消えている。他の利用者のためにすぐに扉を直さなければという話になったが、これはこれで悪くないと思ったモノクマだった。
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六路木ちゃんと外に出ると、辺りを見回しながらこちらに向かってくる最原ちゃんがいた。最原ちゃんはオレたちの姿を見つけると名前を呼びながら駆け寄ってきたが、六路木ちゃんは最原ちゃんの姿を目にした途端、足を止めて一歩後ずさった。
「あっ…王馬くん、六路木さん!」
「…!!!さっ最原…!」
「あれ~。最原ちゃん、今からラブアパートに用事?見られて興奮する趣味がないなら今はやめておいた方がいいよ」
「はっ?いや、こっちに探索に行ったって聞いたから呼びに来たんだけど…。どういうこと?」
呼びに来た?ああ…もうすぐ夕食だから、東条ちゃんの代わりに献立を確認しに来たとかそんなんかな。首を傾げている最原ちゃんと目が合うと、六路木ちゃんはビクッと肩を震わせてオレの後ろに隠れてしまった。全然収まってないけど。
「みみみ見損なったぞ最原!こんな場所に連日通っているとは!」
「えっ!?ちょっと六路木さん!!?」
そう言って走り去って行った六路木ちゃんを、最原ちゃんはあっけに取られた様子で見送った。
「……彼女に何言ったの?」
「最原ちゃんは色欲魔だって言っておいたよ」
「全然違う!!どうしてくれるんだよ、また誤解されたじゃないか!!」
「だって、こそこそ通ってるのは事実なんでしょ?別に誤解じゃないじゃん。オレもそのうち最原ちゃんに連れ込まれちゃうのかなー」
「連れ込まないよ!き、来たことがあるのは事実だけど…。でもそれは中を調べるためで…!!」
「かぁーッ!探偵はいいよね~。それを口実に好き勝手出来るんだからさ」
「口実ってなんだよ!…というか、2人は何してたの?もしかして僕、邪魔だったとか…」
ふと、思い出したように最原ちゃんが呟いた。まぁラブアパートから2人で出てくれば、そう勘違いしてもおかしくないけどさ。
「それは大丈夫だよ。できればもっと早く来てくれれば良かったんだけどね。そうすれば扉ぶち壊さずに済んだのに。たぶんモノクマの仕業だろうけど」
ぶち壊す!!?と驚きながら、最原ちゃんはじっと建物を見つめていた。そっか…。扉なんていつ直るかわからないし、通いつめてた最原ちゃんには残念なお知らせだったね!扉ないと丸見えだもんね!
「…そうだ。ここの鍵さ、最原ちゃん使ったことあるんだよね?何ができるの?」
「ああ…。僕も詳しいことまではわからないけど、モノクマの話だと相手の理想を夢で見られるってことみたいだよ」
「理想?ってことは、相手には自分がその理想の人に見えてるってこと?」
「そういうことみたいだね」
へぇ…なんか面白そう!それって相手を指定できたりするのかな?それともランダム?今日は六路木ちゃんの意外な一面が見れたことだし、理想の人がどんなものかも気になるよねー。好きな人の前だとデレデレだったりして。
「お、王馬くん…。まさかキミ、使うつもりじゃ…?」
「当たりー!こんな面白そうなもの、見過ごすわけにはいかないよ!」
「悪いことは言わない…。やめた方がいい。目当ての人がくればいいけど、僕は何度か地獄を見たよ…。夢だからよく覚えてないんだけど、確か前は真宮寺くんがいたような…?とにかく、よくないものだったことは覚えてる」
真宮寺ちゃんかぁ。最原ちゃんが言うなら、よっぽどな内容だったんだろうけど…。やっぱり興味の方が勝るね!暇をもて余したせいでコインは腐るほどあるし、交換できるだけ交換しちゃおう!六路木ちゃんが相手なら何か弱み握れそうだなー。にしし。
…………と、王馬が意気込んでからしばらくして。才囚学園では他のメンバーに怯えている王馬の姿が度々目撃されたという。
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