第7夜



「……う…ん」

夜中に目が覚めて、時計を見ると午前3時だった。なんか、のどかわいた…。

「………水」

半分寝ぼけた状態でふらふらと台所に向かう。コップの水を飲んで一息ついた直後、違和感を感じた。

「…あ、れ?」

なんだ?お腹、すいてない…よな?ちゃんと夕飯食べたし、小腹が空くとも思えない。すいてないはずなのに…。なんか、おかしい…。

「飢え…?」

自分で言ってハッとした。この感覚、前に血が欲しくて仕方なかった時と同じだ。何故?響は混血種なら、1ヶ月に最低一度でも飲めば大丈夫って言っていた。前に怜亜の血を飲んだんだ、少なくとも来月までは飲まなくてもいいはず。なのになんで―……。

「……っ……は…ひ、ぅっ……」

首を自分の手でおさえ、もう片方の手をテーブルにかけたままズルリとその場に崩れ落ちた。なんで、なんで?その事に気づくと飢えが大きくなっていった。喉が渇く、お腹がすいた。血…血が欲しい………。

「ふ、ざけんな…血なんているか…!!なんでだよ、落ち着け…落ち着け…!!」

胸を片手で押さえながら深く深呼吸してみるが、落ち着くどころかどんどん呼吸が荒くなっている。

「……レオ?」

「!!!!」

ピタ、と動きを止めた。
……この声は。

「…なに、してる?」

物音に気付いた怜亜が、僕の様子に首をかしげながら近寄ってきた。

「……れ…い、あ……」

「…なんだ、何をして…」

「……血」

血…ぃ、

「なにっ、……!?」

.
1/5ページ
スキ