第1夜
吸血鬼が噂されていたのはずいぶん昔のことだ。
人間とは比べ物にならないほどの身体能力。驚異の再生能力。あらゆるものに姿形を変えられる。森羅万象を操る。
そんな風に言われてきた、
人間を遥かに越えた伝説の存在。
吸血鬼にも欠点はある。
杭を打てば死ぬとか、十字架や日光に弱いとか。または吸血鬼に噛まれた人間も吸血鬼になるとか。
でも、本当にそうなのか?誰か確かめた奴がいるのか?これは人間が勝手に妄想して広まっただけの話にすぎない。そして吸血鬼自体も人間が恐怖心から生み出した空想上の存在だ。
この世に
いるはずがないんだ。
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