本編(改)【完】
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13.A promise(3)
※暴行描写が含まれますのでご注意ください。
「矢野先生……なんで鍵、閉めたんですか……?」
「邪魔が入らないようにだよ。君と二人で話がしたくてね」
──しまった。
真一郎にあれほど油断するなと言われていたのに。
「こっち、来ないで……」
「あまり先生を困らせないでくれ。忠告したはずだ。教師の言うことには素直に従った方がいいと」
じりじりと近寄ってくる矢野から逃げるように、誉もその距離を取りながら後方へと下がる。
「僕はね、優秀な生徒にはそれなりの振る舞いをしてもらいたいと考えているんだ。そうでなければ僕の評価にも影響するしね」
「そんなの、わたしには関係ありません……!」
「それに、君は非常に優秀な女性だ。付き合う人間はそれに相応しい者でなければ、その輝きが半減してしまう」
言っている意味が、一ミリも理解できなかった。暗に真一郎との関係をなじりたいのだろうが、どれだけ人間の表面しか見ていない男なのか。
矢野の独善的な言葉に、恐怖を通り越して、段々と誉の胸の中に激しい苛立ちが募っていく。
「わたしはそんなくだらない理由で友人を選びません!」
「そういうところが気に入らない」
その瞬間、矢野の目の色が変わる。張り付いていた不気味な笑顔が一瞬で消え失せ、半ば睨みつけるような冷酷な視線が突き刺さる。
誉は慄いた。震えて足がもつれそうになるのを必死に堪える。
「なぜ僕を選ばない?あんな不良に心奪われている君は、本当に愚かだと思うよ」
「は……?」
「今まで僕が目にかけてきた優秀な生徒は、皆僕にその身を委ねたというのに」
「な、に言って……」
「そうすれば、難関大学に受かりやすいよう贔屓にもしてやれるんだ。君にとってもメリットしかないと思うけどねぇ。特に君は医学部志望……面接、論文が試験に含まれる。僕なら合格しやすいよう裏から手を回すことだって容易い」
「それって……不正じゃないですか……っ! 」
「──君、暴力団組長の娘なんだってね」
その一言に息が詰まる。
──細心の注意を払ってきた。書面上でだって、学校側にバレることなどないはずなのに。
「そんなに驚くことかい?調べればすぐ分かることだよ。僕に見破られるようじゃあ、ヤツらも大したことない連中だな」
何とかしてこの場から逃げなければ。焦りから、誉の呼吸が激しく上がっていく。
この教室の出入り口は一つだけ。先ほどから、矢野が近づいてくるたびに、追いかけっこのようにぐるぐると教卓や机を挟んで回っていた。もう少しで、今走り出せば、あのドアに手が届く──。
「大丈夫、無闇に他言するつもりはないよ。せっかくの優秀な人材を学校から追い出すようなこと、僕だって避けたいしね」
先日、彼が口にしていた「立場」という意味が、ようやく線となって繋がった。
素性を、脅すための種にするつもりなのだ──手遅れになる前に、誉は意を決して、ドアに向かって全速力で走り出した。
だが、当然のように読まれていた。遮るように回り込んだ矢野に追いつかれ、強引に腕を掴まれる。
「いやッ!!」
逃げようと暴れる身体を乱暴に倒された誉は、背中を強く打ち付けた。衝撃のあまり息ができずに顔を歪める。その隙に、覆いかぶさってきた矢野に遠慮のない力で両腕を拘束された。
「僕は君が欲しい。大人しく言うことを聞いていれば、君の秘密をバラさないと約束しよう」
「離してッ! 誰か……ッ!!」
「いいのかな?君が組長の娘で、あの不良もヤクザと繋がりがあると言ってしまって」
「え……ッ」
「元から素行の悪い男だ。退学処分くらい、簡単に下るだろうね」
歪んだ笑みを浮かべる矢野の顔が、至近距離で迫る。
──真一郎まで巻き込むつもりだ。
──こんな最低な男の言いなりになるしかないのが悔しい。
──痛い。
──怖い。
何もできない無力感に、誉の瞳から大粒の涙が溢れ、頬を伝って床にこぼれ落ちた。
***
「誉!!」
進路相談室の引き戸を、壊さんばかりの勢いで開けた。
だが、そこはもぬけの殻──真一郎の叫びは無人の教室に虚しく響いただけだった。
「どこ行った……!?」
「佐野!!」
廊下の向こうから、沖田が勢い良く駆けてきた。その額には、薄く汗が滲んでいる。
「誉ちゃんどうしたんだよ!?」
「矢野ってセンコーに嫌がらせされてたんだ。アブねー感じだったから警戒しとけって言ってたのに……クソッ、どこ連れていきやがった!?」
「進路相談室で別れたって言ってたよな……ここしか……あっ!」
沖田が何かを思い出したように声を上げた。
「上の階、空き教室を次の三年用に相談室にするらしいって先輩が言ってたぞ」
──そこだ。
確信を得た二人は、階段に向かって勢いよく飛び出した。
***
「これまでの教師生活、君以上に美しく聡明な生徒は見たことが無かった……僕のような優秀な人間が傍にいてこそ、君の魅力も増す……素晴らしいだろう?」
この教室はフロアの一番端に位置する。ほとんど使われていなかったこの場所に、出入りする人間はいないに等しい。
更には放課後──大声をあげて助けを求めても、そのSOSが誰かに届く可能性は限りなく低かった。
なにより、誉はもう絶望と恐怖に圧し潰され、思うように声が出せずにいた。
セーラー服のスカーフを乱暴に解かれ、胸元のファスナーを下ろされる。露になったそこへ、矢野が容赦なく顔を埋めた。
「安心するといい……あんな不良のことなんて忘れるほどに、すぐに僕の良さが分かるさ」
こんな場所に来るはずがない。そう頭では分かっていても、縋るように、一縷の望みをかけて、誉は消え入るような声でその名を呼んだ。
「ゃ……、真一郎……っ」
──ガンッ!!!
突如、ドアが激しく音を立てた。誉がハっとして涙に濡れた視線を向けると、擦りガラスの向こうに人影が浮かんでいた。
「蹴破るぞ、沖田」
二人が息を合わせる掛け声が聞こえると、横開きのドアが室内に向かって激しく倒れた。
──来た。いつも助けてほしい時に現れてくれる、いつか読んだマンガのヒーローみたいな人――
「──誉ッ!!」
真一郎は、室内の様子を見て驚愕する。床に倒れた誉に馬乗りになっている矢野。
誉の胸元がはだけた姿に、その顔はみるみる怒りと憎悪に満ちていく。
「今すぐ誉から離れろッ!!!」
真一郎の鬼気迫る叫び声に矢野が怯む。
その一瞬の隙を、誉は見逃さなかった。ありったけの力を込め、至近距離にある矢野の鼻っ柱目掛けて思い切り頭突きを叩き込む。
「っぐぁぁ゙!!」
急所を強打され、鼻血を吹き出しながら横に倒れ込んだ矢野。誉は這うようにして必死に距離を取り、壁際へと逃げた。
真一郎が、痛みに悶える矢野を目掛け迫る。その胸ぐらを掴むと、顔面にトドメの一発を食らわせ叩き伏せた。
「テメェ……ッ!死ぬ覚悟出来てんだろうな、ァア゛ッ!!?」
誉は、その光景を呆然と──見ているようで状況を上手く飲み込めていなかった。それよりも息苦しさを感じて、呼吸を整えることに懸命になっている。
「ッ、誉ちゃんッ!!」
あまりの凄惨な現場に放心していた沖田が、我に返って誉の元へと駆け寄った。学ランを素早く脱ぐと、優しく誉の肩にかけ、はだけた胸元を隠す。
「誉ちゃん、大丈夫か!?」
激しく短い呼吸を繰り返す誉の震える肩を抱きながら、沖田が必死に顔を覗き込む。しかし、誉の瞳は虚空の一点を見つめたまま、何の返答も返さない。その異様な様子に、沖田は息を呑んだ。
誉の喉から、段々と「ヒュー、ヒュー」と引き攣った音が鳴り始める。そのまま力なく身体が傾いた。
「誉ちゃんッ!!?」
沖田のただならぬ悲鳴に、矢野を殴り飛ばしていた真一郎が弾かれたように振り返った。掴んでいた胸ぐらをゴミのように投げ捨て、二人の元へ向かう。
「どうした!?」
「これ、多分過呼吸だ……!」
「代われ!!」
脱力した誉の身体を、真一郎がその胸に抱き寄せた。大きな手のひらで、落ち着かせるように何度も背中を優しくさする。
「誉、落ち着いて。ゆっくりでいい、息を吐いて、ながーくゆっくり……吐かないと息吸えねぇだろ?」
優しく語りかける声が、辛うじて誉の耳に届く。
「……そうだ、上手いぞ……大丈夫、誉ならできる」
──できる。
いつも不安になったら言ってくれる──誉は、その言葉が好きだった。
次第に荒かった息遣いが安定し、かすんでいた意識がはっきりとしていく。誉が涙に濡れた顔を上げると、笑顔の真一郎がいた。
「よくできました」
目が合った瞬間、視界が再び涙で遮られる。
誉は、その大きな胸に顔を埋めた。真一郎のシャツを両手で強く掴みながら、ボロボロと大粒の涙を流してワァワァと子供のように泣きじゃくった。
「ごめん、遅くなって……無事でよかった……ッ」
真一郎は、誉の頭を大きな手でゆっくりと何度も撫でながら、その震える身体を強く、強く抱き締めていた。
※暴行描写が含まれますのでご注意ください。
「矢野先生……なんで鍵、閉めたんですか……?」
「邪魔が入らないようにだよ。君と二人で話がしたくてね」
──しまった。
真一郎にあれほど油断するなと言われていたのに。
「こっち、来ないで……」
「あまり先生を困らせないでくれ。忠告したはずだ。教師の言うことには素直に従った方がいいと」
じりじりと近寄ってくる矢野から逃げるように、誉もその距離を取りながら後方へと下がる。
「僕はね、優秀な生徒にはそれなりの振る舞いをしてもらいたいと考えているんだ。そうでなければ僕の評価にも影響するしね」
「そんなの、わたしには関係ありません……!」
「それに、君は非常に優秀な女性だ。付き合う人間はそれに相応しい者でなければ、その輝きが半減してしまう」
言っている意味が、一ミリも理解できなかった。暗に真一郎との関係をなじりたいのだろうが、どれだけ人間の表面しか見ていない男なのか。
矢野の独善的な言葉に、恐怖を通り越して、段々と誉の胸の中に激しい苛立ちが募っていく。
「わたしはそんなくだらない理由で友人を選びません!」
「そういうところが気に入らない」
その瞬間、矢野の目の色が変わる。張り付いていた不気味な笑顔が一瞬で消え失せ、半ば睨みつけるような冷酷な視線が突き刺さる。
誉は慄いた。震えて足がもつれそうになるのを必死に堪える。
「なぜ僕を選ばない?あんな不良に心奪われている君は、本当に愚かだと思うよ」
「は……?」
「今まで僕が目にかけてきた優秀な生徒は、皆僕にその身を委ねたというのに」
「な、に言って……」
「そうすれば、難関大学に受かりやすいよう贔屓にもしてやれるんだ。君にとってもメリットしかないと思うけどねぇ。特に君は医学部志望……面接、論文が試験に含まれる。僕なら合格しやすいよう裏から手を回すことだって容易い」
「それって……不正じゃないですか……っ! 」
「──君、暴力団組長の娘なんだってね」
その一言に息が詰まる。
──細心の注意を払ってきた。書面上でだって、学校側にバレることなどないはずなのに。
「そんなに驚くことかい?調べればすぐ分かることだよ。僕に見破られるようじゃあ、ヤツらも大したことない連中だな」
何とかしてこの場から逃げなければ。焦りから、誉の呼吸が激しく上がっていく。
この教室の出入り口は一つだけ。先ほどから、矢野が近づいてくるたびに、追いかけっこのようにぐるぐると教卓や机を挟んで回っていた。もう少しで、今走り出せば、あのドアに手が届く──。
「大丈夫、無闇に他言するつもりはないよ。せっかくの優秀な人材を学校から追い出すようなこと、僕だって避けたいしね」
先日、彼が口にしていた「立場」という意味が、ようやく線となって繋がった。
素性を、脅すための種にするつもりなのだ──手遅れになる前に、誉は意を決して、ドアに向かって全速力で走り出した。
だが、当然のように読まれていた。遮るように回り込んだ矢野に追いつかれ、強引に腕を掴まれる。
「いやッ!!」
逃げようと暴れる身体を乱暴に倒された誉は、背中を強く打ち付けた。衝撃のあまり息ができずに顔を歪める。その隙に、覆いかぶさってきた矢野に遠慮のない力で両腕を拘束された。
「僕は君が欲しい。大人しく言うことを聞いていれば、君の秘密をバラさないと約束しよう」
「離してッ! 誰か……ッ!!」
「いいのかな?君が組長の娘で、あの不良もヤクザと繋がりがあると言ってしまって」
「え……ッ」
「元から素行の悪い男だ。退学処分くらい、簡単に下るだろうね」
歪んだ笑みを浮かべる矢野の顔が、至近距離で迫る。
──真一郎まで巻き込むつもりだ。
──こんな最低な男の言いなりになるしかないのが悔しい。
──痛い。
──怖い。
何もできない無力感に、誉の瞳から大粒の涙が溢れ、頬を伝って床にこぼれ落ちた。
***
「誉!!」
進路相談室の引き戸を、壊さんばかりの勢いで開けた。
だが、そこはもぬけの殻──真一郎の叫びは無人の教室に虚しく響いただけだった。
「どこ行った……!?」
「佐野!!」
廊下の向こうから、沖田が勢い良く駆けてきた。その額には、薄く汗が滲んでいる。
「誉ちゃんどうしたんだよ!?」
「矢野ってセンコーに嫌がらせされてたんだ。アブねー感じだったから警戒しとけって言ってたのに……クソッ、どこ連れていきやがった!?」
「進路相談室で別れたって言ってたよな……ここしか……あっ!」
沖田が何かを思い出したように声を上げた。
「上の階、空き教室を次の三年用に相談室にするらしいって先輩が言ってたぞ」
──そこだ。
確信を得た二人は、階段に向かって勢いよく飛び出した。
***
「これまでの教師生活、君以上に美しく聡明な生徒は見たことが無かった……僕のような優秀な人間が傍にいてこそ、君の魅力も増す……素晴らしいだろう?」
この教室はフロアの一番端に位置する。ほとんど使われていなかったこの場所に、出入りする人間はいないに等しい。
更には放課後──大声をあげて助けを求めても、そのSOSが誰かに届く可能性は限りなく低かった。
なにより、誉はもう絶望と恐怖に圧し潰され、思うように声が出せずにいた。
セーラー服のスカーフを乱暴に解かれ、胸元のファスナーを下ろされる。露になったそこへ、矢野が容赦なく顔を埋めた。
「安心するといい……あんな不良のことなんて忘れるほどに、すぐに僕の良さが分かるさ」
こんな場所に来るはずがない。そう頭では分かっていても、縋るように、一縷の望みをかけて、誉は消え入るような声でその名を呼んだ。
「ゃ……、真一郎……っ」
──ガンッ!!!
突如、ドアが激しく音を立てた。誉がハっとして涙に濡れた視線を向けると、擦りガラスの向こうに人影が浮かんでいた。
「蹴破るぞ、沖田」
二人が息を合わせる掛け声が聞こえると、横開きのドアが室内に向かって激しく倒れた。
──来た。いつも助けてほしい時に現れてくれる、いつか読んだマンガのヒーローみたいな人――
「──誉ッ!!」
真一郎は、室内の様子を見て驚愕する。床に倒れた誉に馬乗りになっている矢野。
誉の胸元がはだけた姿に、その顔はみるみる怒りと憎悪に満ちていく。
「今すぐ誉から離れろッ!!!」
真一郎の鬼気迫る叫び声に矢野が怯む。
その一瞬の隙を、誉は見逃さなかった。ありったけの力を込め、至近距離にある矢野の鼻っ柱目掛けて思い切り頭突きを叩き込む。
「っぐぁぁ゙!!」
急所を強打され、鼻血を吹き出しながら横に倒れ込んだ矢野。誉は這うようにして必死に距離を取り、壁際へと逃げた。
真一郎が、痛みに悶える矢野を目掛け迫る。その胸ぐらを掴むと、顔面にトドメの一発を食らわせ叩き伏せた。
「テメェ……ッ!死ぬ覚悟出来てんだろうな、ァア゛ッ!!?」
誉は、その光景を呆然と──見ているようで状況を上手く飲み込めていなかった。それよりも息苦しさを感じて、呼吸を整えることに懸命になっている。
「ッ、誉ちゃんッ!!」
あまりの凄惨な現場に放心していた沖田が、我に返って誉の元へと駆け寄った。学ランを素早く脱ぐと、優しく誉の肩にかけ、はだけた胸元を隠す。
「誉ちゃん、大丈夫か!?」
激しく短い呼吸を繰り返す誉の震える肩を抱きながら、沖田が必死に顔を覗き込む。しかし、誉の瞳は虚空の一点を見つめたまま、何の返答も返さない。その異様な様子に、沖田は息を呑んだ。
誉の喉から、段々と「ヒュー、ヒュー」と引き攣った音が鳴り始める。そのまま力なく身体が傾いた。
「誉ちゃんッ!!?」
沖田のただならぬ悲鳴に、矢野を殴り飛ばしていた真一郎が弾かれたように振り返った。掴んでいた胸ぐらをゴミのように投げ捨て、二人の元へ向かう。
「どうした!?」
「これ、多分過呼吸だ……!」
「代われ!!」
脱力した誉の身体を、真一郎がその胸に抱き寄せた。大きな手のひらで、落ち着かせるように何度も背中を優しくさする。
「誉、落ち着いて。ゆっくりでいい、息を吐いて、ながーくゆっくり……吐かないと息吸えねぇだろ?」
優しく語りかける声が、辛うじて誉の耳に届く。
「……そうだ、上手いぞ……大丈夫、誉ならできる」
──できる。
いつも不安になったら言ってくれる──誉は、その言葉が好きだった。
次第に荒かった息遣いが安定し、かすんでいた意識がはっきりとしていく。誉が涙に濡れた顔を上げると、笑顔の真一郎がいた。
「よくできました」
目が合った瞬間、視界が再び涙で遮られる。
誉は、その大きな胸に顔を埋めた。真一郎のシャツを両手で強く掴みながら、ボロボロと大粒の涙を流してワァワァと子供のように泣きじゃくった。
「ごめん、遅くなって……無事でよかった……ッ」
真一郎は、誉の頭を大きな手でゆっくりと何度も撫でながら、その震える身体を強く、強く抱き締めていた。
