🐾本編🐾
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3.帰郷
この数日、圭介はなんとかかんとか〇〇との共同生活を送っていた。基本はネコの姿にしておくのだが、どうしても圭介が寝ている間などに隙をついて、〇〇が彼に鼻を寄せてくる。そのまま口が当たるので、その度に人間になってしまっていた。大体、朝起きると横には少女の姿をした〇〇が寝ているのだ。
「またか・・・」
今も同様に、裸の少女が横でスヤスヤと寝ていた。はぁ。と思わずため息を漏らす。今日は土曜日で学校は休日。一方母親は、土曜も出勤日で今日一日不在。大音量の目覚ましを鳴らすことなく、静かに出て行ってくれたようだった。なんだか彼女を元の姿に戻すのも面倒くさくなった圭介は、そのまま〇〇を置いてベッドから降りた。
ピンポーン。玄関の呼び鈴が鳴った。休日のこんな時間に誰だ。母親が作ってくれた朝食を口に含みながら、圭介が玄関ドアのスコープを覗くと、そこには黒ネコを抱いた千冬がいた。
「よぉ、どーした?」
「おはようございます、場地さん!今日、場地さんの部屋でペケと一緒に遊ぼうって約束してたじゃないっスか。」
あ。忘れていた。〇〇のことで頭がいっぱいだった圭介は、千冬との約束などすっかり頭から飛んでいたようだ。
「ワリ。忘れてたわ。」
「朝飯食ってたんスか?出直しましょうか?」
「いや、いーよ。もうすぐ食い終わるからオレの部屋入って。」
はいっ、おじゃまします!と元気よく千冬が奥へと進む。
やれやれ。あとひと口片づけてさっさと久しぶりのペケと戯れなければ。圭介があと一欠けの食パンを頬張り牛乳を飲もうとしたところで、自室へ続くふすまがスパーン!と勢いよく開いた。
「あン?どーした千冬ぅ?」
「・・・場地さん。やっぱオレ出直します。」
「ぁあ?」
「べ、ベッドにいる女の子、まだ裸だったんで・・・!///」
ブーッ!!しまった。〇〇をネコに戻していなかった。口元が牛乳まみれになった圭介が自室の方へ顔を向けると、赤面した千冬と目が合った。
「え・・・ネコ!?」
千冬にならいいだろう。と圭介が事の次第を説明していた。〇〇に服を着せ、ダイニングテーブルに待機させていた千冬を自室へ呼び戻し、現在に至る。〇〇は、千冬の飼いネコ"ペケJ"と鼻をすり寄せている。まるで、ネコ同士が交わす挨拶のようだ。
「信じられないっスけど・・・確かに、まるでネコみたいな動きしてるな。」
「だから、ネコなんだってコイツ。」
「いつ、ネコの姿に戻るんスか?」
「キスしたら戻んだよ。」
「・・・えええ!?キスー!?///」
再び千冬が顔を赤面させる。何を言っているんだこの人は。この世で唯一尊敬して止まない人物のとんでも発言に、千冬は目玉が飛び出るんじゃないかという程驚愕していた。
「やってやろうか?」
「え。ま、え、ちょ、場地さん!?」
〇〇~。とペケと会話中の少女を呼んだ圭介が、こちらへと顔を向かせると少女の肩に手を添え、なんてことない様子で唇を寄せた。オレは一体何を見せられているんだ。突然のキスシーンに動揺しまくっていた千冬だが、その瞬間、少女の身体が徐々に小さくなっていく様子に目を丸くした。圭介が言っていたことは本当だった。
「う・・・嘘だろ・・・!?」
「にゃ~ん」
服の中からのそっと出てきたのは、銀色に輝く毛色をしたネコだった。千冬は、その綺麗な容姿に思わず手を伸ばす。彼女は、怯えることなくその手へ誘われるようにすり寄ってきた。
「わ・・ぁ・・・」
「かわいいだろ?」
ニカ。と笑った圭介につられるように、千冬も顔をほころばせる。〇〇は、もっと撫でてくれとでもいうように、されるがまま気持ちよさそうに千冬の手を受け入れていた。
「ちなみに、またキスすると人間になる。」
「ええ・・・」
もう何が何だか。千冬の頭の中は大混乱だった。まさに摩訶不思議。まるで漫画やアニメの世界の話である。冷や汗をかきながら混乱する千冬の横では、〇〇とペケJがネコパンチをしながらじゃれて遊んでいた。
「場地さん。この子飼うんスか?」
「最初は、〇〇のケガが治るまでって思ってたんだけどよぉ、こんなんじゃ悪いヤツに拾われでもして、ひでぇことされてもなーって思ってな。」
「確かに。」
「つーかコイツ、たぶん月からやってきたんだよ。」
「っ、えええ!?」
またあなたは何を。こんな冗談を言う人間ではないことを良く知っている千冬は、まるでおとぎ話のようなことを真面目に語る目の前の男に、困惑の視線を向ける。
「満月の夜に拾ったんだ。」
「え?」
「この前の喧嘩の後。お前と別れてから駐輪場に戻ったら、コイツがいた。」
それは、今思えば自分は呼ばれたんじゃないかと圭介は思った。月の引力が、どうか彼女を助けてくれと。偶然だと思っていたものは、未知の力による必然だったのかもしれない。
「て、お前の持ってる漫画読んでたら、そんなこともあんのかなーって思ってよ。」
「な、なるホド・・・あ。そういえば"〇〇"って、この前場地さんが読んでた漫画の。」
千冬が、どこかで聞き覚えがあると思っていた名前の正体に気が付いた。その漫画は、主人公の少女が自分を月に見立て、数奇な運命に抗いながら成長していくというストーリーだった。
「月。だから〇〇だったんスね。」
「おぅ。なんかしっくりくるだろ?」
八重歯を見せくしゃっと笑った笑顔。彼のこんなに楽しそうな姿を見るのはかなり珍しい事だった。千冬は、そんな訳無いじゃないか。とはとてもじゃないが言えなかった。むしろ、圭介が言うのなら本当にそうなのかもしれない。現に、不思議な現象を目の前で見たのだから。
「月から・・・かぐや姫みたいっスね。」
「かぐや姫?」
「昔話に出てくるかぐや姫って、月から来たお姫さまじゃないっスか。最後は、月の使者が迎えに来て月に帰るんスよね。」
「帰る・・・」
じゃあ〇〇も、いつか帰ってしまうのだろうか。昨日の夜は新月だった。夜の暗闇に呑まれるように、その彼方へと消えてしまうのか。
「・・・場地さん?」
どうかしたんスか?という千冬の声に圭介がハっとする。なんでもねぇ。と彼が言うより前に、突如〇〇の一際大きな鳴き声が部屋中に響いた。
「にゃぁぁぁあん」
胡座をかく圭介の太ももに前足を乗せ、彼の顔を見つめる満月の双眼。どうしたんだ浮かない顔をして。そう言っているような気がするのは、流石に都合が良すぎるだろうか。
「・・・なんでもねぇよ。」
そんな心配したところで、自分は一体何がしたいというのか。圭介が〇〇の頭を撫でる。千冬に向けて言うつもりだった言葉は、気持ち良さそうにすり寄ってくる彼女へと向けられていた。
ーーー卍おまけ卍ーーー
圭介「おい、千冬ぅ。」
千冬「はいっ。」
圭介「ペケってオスだったよな?」
千冬「?はいっ。」
圭介「ちゃんと去勢してんだよなぁ・・・?」
千冬「!!も、もちろんっス!」
〇〇「にゃあん♪」 ペケ「にゃおん♪」
この数日、圭介はなんとかかんとか〇〇との共同生活を送っていた。基本はネコの姿にしておくのだが、どうしても圭介が寝ている間などに隙をついて、〇〇が彼に鼻を寄せてくる。そのまま口が当たるので、その度に人間になってしまっていた。大体、朝起きると横には少女の姿をした〇〇が寝ているのだ。
「またか・・・」
今も同様に、裸の少女が横でスヤスヤと寝ていた。はぁ。と思わずため息を漏らす。今日は土曜日で学校は休日。一方母親は、土曜も出勤日で今日一日不在。大音量の目覚ましを鳴らすことなく、静かに出て行ってくれたようだった。なんだか彼女を元の姿に戻すのも面倒くさくなった圭介は、そのまま〇〇を置いてベッドから降りた。
ピンポーン。玄関の呼び鈴が鳴った。休日のこんな時間に誰だ。母親が作ってくれた朝食を口に含みながら、圭介が玄関ドアのスコープを覗くと、そこには黒ネコを抱いた千冬がいた。
「よぉ、どーした?」
「おはようございます、場地さん!今日、場地さんの部屋でペケと一緒に遊ぼうって約束してたじゃないっスか。」
あ。忘れていた。〇〇のことで頭がいっぱいだった圭介は、千冬との約束などすっかり頭から飛んでいたようだ。
「ワリ。忘れてたわ。」
「朝飯食ってたんスか?出直しましょうか?」
「いや、いーよ。もうすぐ食い終わるからオレの部屋入って。」
はいっ、おじゃまします!と元気よく千冬が奥へと進む。
やれやれ。あとひと口片づけてさっさと久しぶりのペケと戯れなければ。圭介があと一欠けの食パンを頬張り牛乳を飲もうとしたところで、自室へ続くふすまがスパーン!と勢いよく開いた。
「あン?どーした千冬ぅ?」
「・・・場地さん。やっぱオレ出直します。」
「ぁあ?」
「べ、ベッドにいる女の子、まだ裸だったんで・・・!///」
ブーッ!!しまった。〇〇をネコに戻していなかった。口元が牛乳まみれになった圭介が自室の方へ顔を向けると、赤面した千冬と目が合った。
「え・・・ネコ!?」
千冬にならいいだろう。と圭介が事の次第を説明していた。〇〇に服を着せ、ダイニングテーブルに待機させていた千冬を自室へ呼び戻し、現在に至る。〇〇は、千冬の飼いネコ"ペケJ"と鼻をすり寄せている。まるで、ネコ同士が交わす挨拶のようだ。
「信じられないっスけど・・・確かに、まるでネコみたいな動きしてるな。」
「だから、ネコなんだってコイツ。」
「いつ、ネコの姿に戻るんスか?」
「キスしたら戻んだよ。」
「・・・えええ!?キスー!?///」
再び千冬が顔を赤面させる。何を言っているんだこの人は。この世で唯一尊敬して止まない人物のとんでも発言に、千冬は目玉が飛び出るんじゃないかという程驚愕していた。
「やってやろうか?」
「え。ま、え、ちょ、場地さん!?」
〇〇~。とペケと会話中の少女を呼んだ圭介が、こちらへと顔を向かせると少女の肩に手を添え、なんてことない様子で唇を寄せた。オレは一体何を見せられているんだ。突然のキスシーンに動揺しまくっていた千冬だが、その瞬間、少女の身体が徐々に小さくなっていく様子に目を丸くした。圭介が言っていたことは本当だった。
「う・・・嘘だろ・・・!?」
「にゃ~ん」
服の中からのそっと出てきたのは、銀色に輝く毛色をしたネコだった。千冬は、その綺麗な容姿に思わず手を伸ばす。彼女は、怯えることなくその手へ誘われるようにすり寄ってきた。
「わ・・ぁ・・・」
「かわいいだろ?」
ニカ。と笑った圭介につられるように、千冬も顔をほころばせる。〇〇は、もっと撫でてくれとでもいうように、されるがまま気持ちよさそうに千冬の手を受け入れていた。
「ちなみに、またキスすると人間になる。」
「ええ・・・」
もう何が何だか。千冬の頭の中は大混乱だった。まさに摩訶不思議。まるで漫画やアニメの世界の話である。冷や汗をかきながら混乱する千冬の横では、〇〇とペケJがネコパンチをしながらじゃれて遊んでいた。
「場地さん。この子飼うんスか?」
「最初は、〇〇のケガが治るまでって思ってたんだけどよぉ、こんなんじゃ悪いヤツに拾われでもして、ひでぇことされてもなーって思ってな。」
「確かに。」
「つーかコイツ、たぶん月からやってきたんだよ。」
「っ、えええ!?」
またあなたは何を。こんな冗談を言う人間ではないことを良く知っている千冬は、まるでおとぎ話のようなことを真面目に語る目の前の男に、困惑の視線を向ける。
「満月の夜に拾ったんだ。」
「え?」
「この前の喧嘩の後。お前と別れてから駐輪場に戻ったら、コイツがいた。」
それは、今思えば自分は呼ばれたんじゃないかと圭介は思った。月の引力が、どうか彼女を助けてくれと。偶然だと思っていたものは、未知の力による必然だったのかもしれない。
「て、お前の持ってる漫画読んでたら、そんなこともあんのかなーって思ってよ。」
「な、なるホド・・・あ。そういえば"〇〇"って、この前場地さんが読んでた漫画の。」
千冬が、どこかで聞き覚えがあると思っていた名前の正体に気が付いた。その漫画は、主人公の少女が自分を月に見立て、数奇な運命に抗いながら成長していくというストーリーだった。
「月。だから〇〇だったんスね。」
「おぅ。なんかしっくりくるだろ?」
八重歯を見せくしゃっと笑った笑顔。彼のこんなに楽しそうな姿を見るのはかなり珍しい事だった。千冬は、そんな訳無いじゃないか。とはとてもじゃないが言えなかった。むしろ、圭介が言うのなら本当にそうなのかもしれない。現に、不思議な現象を目の前で見たのだから。
「月から・・・かぐや姫みたいっスね。」
「かぐや姫?」
「昔話に出てくるかぐや姫って、月から来たお姫さまじゃないっスか。最後は、月の使者が迎えに来て月に帰るんスよね。」
「帰る・・・」
じゃあ〇〇も、いつか帰ってしまうのだろうか。昨日の夜は新月だった。夜の暗闇に呑まれるように、その彼方へと消えてしまうのか。
「・・・場地さん?」
どうかしたんスか?という千冬の声に圭介がハっとする。なんでもねぇ。と彼が言うより前に、突如〇〇の一際大きな鳴き声が部屋中に響いた。
「にゃぁぁぁあん」
胡座をかく圭介の太ももに前足を乗せ、彼の顔を見つめる満月の双眼。どうしたんだ浮かない顔をして。そう言っているような気がするのは、流石に都合が良すぎるだろうか。
「・・・なんでもねぇよ。」
そんな心配したところで、自分は一体何がしたいというのか。圭介が〇〇の頭を撫でる。千冬に向けて言うつもりだった言葉は、気持ち良さそうにすり寄ってくる彼女へと向けられていた。
ーーー卍おまけ卍ーーー
圭介「おい、千冬ぅ。」
千冬「はいっ。」
圭介「ペケってオスだったよな?」
千冬「?はいっ。」
圭介「ちゃんと去勢してんだよなぁ・・・?」
千冬「!!も、もちろんっス!」
〇〇「にゃあん♪」 ペケ「にゃおん♪」
