🐾本編🐾
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7.愛語
片腕に〇〇を抱えた圭介は、ペットショップの自動ドアをくぐると軽く店内を見渡した。もう買うものが決まっている様子で、迷うことなくずんずん奥へと進んでいく。
腕の中の〇〇はというと、普段見ない数の人、ガラスの向こうにいる動物たち、そして色とりどりのパッケージ商品がずらりと並ぶ店内に、満月を輝かせながらキョロキョロと辺りを見回していて、少々興奮気味である。
ガラガラガラ~
カランカラーン♪
「おめでとうございまーす!四等でーす」
今日の店内は、いつになく賑やかだった。至る所に、"周年イベント開催中"というポスターが貼られている。
「にぁんなんにゃ!」
「おまえ、コレ好きな」
目的の棚に着くや否や、〇〇が一生懸命前足を伸ばし指したのは、彼女のお気に入りネコ用フード。高くはないが安くもない、原材料以外も良いバランスの取れた一品である。棚から一袋を取り出した圭介は、レジカウンターへと向かった。
会計を済ませると、にっこり顔の店員から八角形の抽選機を回すように促された圭介。めんどくせぇな、と思いつつ景品の種類を確認すると、そこにはペット用のおもちゃが含まれていた。つい〇〇が遊ぶ姿を想像し、まぁそれも悪くないかと思い直す。
その時、〇〇が圭介の腕の中から興味津々の様子で前方へ身体を伸ばし、さらに両前足で抽選機のハンドルを掴んだ。そのなんとも奇妙な光景は、店員やその場にいた客たちの注目の的となる。
「ふふ、めちゃくちゃ回す気満々ですね」
「〇〇、コラ離せっ」
店員に笑われ、後方からは「あのネコちゃん見て~」と小声まで聞こえてくる始末。
引っ張っても離そうとしない〇〇に、圭介から漏れた深いため息。見れば、意地でも離さん、とでも言いたげな顔をしていて。仕方が無いので、そのまま〇〇ごとハンドルを回した。
ガラガラガラ~
「・・・え?」
「にぁんっ」
一瞬の静寂の後、一際大きな鐘の音が店中に響き渡ったのだった。
***
「―――てことがあってよ」
その日の夜。ここは東京卍會集会が終わった神社の石段。万次郎、ドラケン、千冬、そして圭介の雑談声が、夜の静かな神社に響いていた。
「スゲェッスね!〇〇、クジ運つよ」
「ははっ、余っ程回したかったのな」
「いやー、それオレも見たかったなー」
バシの焦ってるところ。そう揶揄うように告げる万次郎に、圭介は苦虫を噛み潰したような表情をしている。このやり取りもいつものこと、と隣の二人は呆れ顔やら苦笑いやら。
「ガラポンで何当たったんスか?場地さん」
「遊園地のペア入場券」
「へー。めっちゃ人気のとこじゃん」
ペラッとポケットから取り出したチケット。誰もが知る人気スポットに、さすがの彼らも思わず見入ってしまった。
しかし、景品を手にする本人の表情は少し複雑そうで。
「でも別に、一緒に行くヤツいねェしあんま興味ねェし」
「っぇえ!?オオオレ、お供しますよ場地さんっ!」
「はァ?だから興味ねーんだって。それにヤローと遊園地なんて引くだろ」
「・・・」
ガクッと撃沈した千冬に向けられた二つの視線が、「確かに無いわ」という無言の同意を無遠慮に浴びせる。
「バジ、〇〇と行きゃいーじゃん」
「あン?」
ドラケンがなんてこと無しに出した提案。
それに対し、コイツは何を言っているんだ。そう言いたげな顔で一時停止した圭介。
そんな彼の返答を待つことなく話は進む。
「当てたの〇〇なんだろ?連れてってやれよ」
「えーっ!〇〇と行けるんならオレが行くしー!」
「っな、ダメに決まってんだろ!つーかアイツは―――っ」
ネコ。だけど人間に変身できる女の子。ついついネコの姿を思い浮かべる圭介だったが、言われてみれば人間の姿なら一緒に行けなくもない、ということに気づく。
「〇〇と・・・?」
腕を組みながら圭介は考えた。前回の集会終わり、人前でネコから女の子に変身してしまったトラブル例がある。人が集まる所に連れていくのは少々抵抗があったが。
「まぁ・・・喜びそうだけど」
ペットショップでさえあの様子。何十倍も広い娯楽地へ行こうものなら、大興奮間違い無しである。その姿を想像して、思わず口元が緩む。
はてさて、主の決断やいかに。
***
「ケースケ!ケースケ!あった!あった!」
休日の午前。晴天の青空の下、圭介は〇〇を連れてバイクを走らせていた。目的地に着くと、期待に満ちた視線を送りグイグイ服の袖を引っ張る愛猫に、「おー」と返事をした主。その手には、例の景品が握られている。
そして、その後ろを着いて歩く姿が二つ。
「うわーすげぇ!テンション上がるー♪」
「もーっドラケンと来たかったのにぃ!」
佐野兄妹である。
「つーか、何でオメーら着いてくんだよ!」
「いやー、まさかうちのじーちゃんも当ててくるとは。町内会の行事も侮れねぇなー」
「ウチが貰ったのに、なんでこのメンツで一緒に行くことになってる訳ー!?」
そんな言い合いを繰り広げる3人の隣。ソワソワとワクワクが行ったり来たりしている様子で見つめる〇〇が、早く行こう、と無言の圧をかけてくる。
つぶらな瞳から放たれたキュルルンスパークル光線を浴びた幼なじみたち。その瞬間、早く〇〇を遊園地の中へ入れてやらねば。という使命を抱く同志となったのだった。
***
「ケースケ、これたべていい?」
「おお、いーぞ」
「ケースケ、これたべていい?」
「それはしょっぱいからダメ」
「ケースケ、これたべていい?」
「あー、ちょっとだけな」
「ケースケ、こr」
「なぁ、なんでいちいち許可取ってんの?」
入場するのも一苦労。混雑する中やっとのことでゲートをくぐった4人は、どこもかしこも行列をつくるアトラクションに圧倒された。空いてるエリアをいくつか回った後は、早めに腹ごしらえをすることに。
そんな中、目の前で「食べていいか」と繰り返し確認を入れる〇〇の様子に、万次郎は思わず抱いた疑問が口に出る。
「ネコは塩気多いのダメだかんな。いちおーキャットフード以外はオレに聞いてから食えって躾てんの」
〇〇は、テーブルいっぱいに並ぶエマお手製の弁当を目の前に、ひとつずつ主に確認をとりつつ、頬をパンパンにしながら口に運んでいた。その隣で、圭介が汚れた口周りを拭いてやり、ぽろぽろこぼれる食べカスを拾っている。
「おまえはハムスターか」
「ハムたべたーい」
「バカ、そのハムじゃねぇよ」
「「バジが子育てしてる・・・」」
らしからぬその姿。普段の彼からは微塵も想像できない様子に、佐野兄妹は衝撃を受けつつ、ランチタイムが穏やかに過ぎてゆくのだった。
***
「・・・」
アトラクションから降りると、〇〇があんぐり口を開けて放心していた。時々、あぐあぐと口を動かすがフリーズが溶ける気配はない。
ジェットコースターなのに、「わ〜」も「きゃー」も言わず静かに乗ってんな。そう思いながら、隣に座る圭介が様子を見てみたらこの状態。今、一先ず出口のそばにあったベンチに〇〇を座らせたところである。
「衝撃で固まっちまった・・・」
「怖かったのかなぁ?」
「いや、多分びっくりしただけだと思う」
「お~い、〇〇~~~?」
万次郎が、真ん丸の満月の前で手のひらをブンブンと振ってみたが、効果なし。
どうしたものか、と思案していると、圭介が何かに気づいた様子でその場を離れた。少し先にあった屋台で買った物を手に戻って来ると、それを〇〇の口目掛けて突っ込んだ。
「ふぁむ゙っ!?!?」
「ほれ、食え〇〇」
突然、口の中に伝わる冷感。渦を巻いたそれに、流石の〇〇も一瞬で目が覚めた。
初めて見る真っ白なソフトクリームを、恐る恐る圭介の手から受け取った〇〇。改めて物体をじっくり観察し、慣れない様子でぺろぺろと食べ始めた。
「うまいにゃ」
「お!元に戻った」
食べ始めた姿を確認した圭介は、やれやれといった表情で微笑み、その場を後にしようと背を向けた。「ちょっと便所」と一言告げると「オレも」と万次郎が続いて行き、先程まで慌ただしかったのが嘘のように静かなな時間が流れ始める。遊園地の中心エリアから少し外れにあるこの場所は、アトラクションに乗った興奮を覚ますのにも適した場所だ。
二人を見送ったエマは、ほっとため息をつくとベンチに座り、隣でアイスを頬張る〇〇の様子を観察する。よっぽど美味しいのか、一生懸命渦の山に食らいついていた。
「バジも〇〇のことが大好きなんだね」
「・・・だいすき?」
「あんなに優しく世話してるとは思わなかったな」
「エマ。ケースケ、だいすき?」
「ええっ?まぁ、嫌いじゃあない、けど・・・」
「マイキー、だいすき?」
「うん、大好きだよ」
「すき、スキ、だいすき・・・」
―――「おまえ、これ好きな」―――
何か思うところがあるのか、少し考え込む様子を見せた〇〇。
彼女にとって「すき」は、圭介がくれるおいしいごはんのこと。だけど、それだけじゃなくて。「だい」は"特別"な意味を持つ言葉で。ということを頭の中で反芻する。
そんな考え事をしながらも、ソフトクリームを舐め続けていたのだが、突然食べる手を止めた。その視線は、中途半端に残ったソフトクリー厶に注がれていて、不思議に思ったエマが思わず声をかけた。
「どうしたの?」
「はんぶんこ」
「え?」
もしや、自分に半分くれるということか、とエマが思わず聞き返そうとしたところで、突如二人の元に注ぐ陽の光が遮られた。驚き頭上へ視線を向けると、そこにはニヤニヤと何とも不愉快な表情を携えた男たちがこちらを見下ろしていた。
「君たちかわいいね。二人で遊んでんの?」
「オレら早乗りできるパス券持ってんだけどさぁ、一緒に乗らない?」
見た目は、高校生くらいの男子3人組。いかにも、な風貌をしていてエマが瞬時に警戒する。この場を離れるよりも二人の帰りを待つほうが賢明と判断し、一刻も早い兄達の戻りを願わずにはいられなかった。
「人待ってるんで、いいです」
「並ばなくていいから、すぐ戻ってこれるって」
連れがいることを示唆するも、一向に立ち去る素振りを見せない。面倒なヤツらに絡まれてしまったと、ウンザリ顔のエマにも構うことなく、彼らはその距離を無遠慮に縮めてくる。
「あれ、アイスもうドロドロじゃーん」
「新しいの買ってあげるから、捨てちゃいなって」
ぽけー、と成り行きを見ていた〇〇の手にあるソフトクリームは、溶け出し手の甲を流れ落ち始めていた。それを見た高校生たちは、〇〇の手からそれを取り上げ、あろう事かコンクリートに投げ捨てた。
あまりに一瞬の事で、〇〇はソフトクリームが何処へ消えたのか暫し理解出来なかった。キョロキョロ見回し、やっと地面に転がっていたその姿を見て愕然とした。大事に取っておいたものをぞんざいに扱われたのが分かると、フツフツと沸くものは、紛うことなき怒りである。
「ケースケのはんぶんこっ!あっちいけクソったれーっ!」
バカ!ゴミヤロー!クサレ外道!と覚えた限りの罵りを連発する〇〇の様子に、高校生どころかエマまでもが圧倒されていた。「バジの子育て、どうなってんだ」と飼い主の教育方針に不安を募らせる。
その時、高校生の一人が視線鋭く目の前の細い手首に掴みかかった。必要以上の力を加えられ、〇〇の眉間が苦痛に歪む。
「やぁっ!」
「調子こいてんじゃねーぞ。可愛がってやっから大人しく来いっつーの」
「っ止めて!その子に触らないで!」
二人とも、無理やり引きずり連れて行かれそうになる。どうにか抜け出せないか思考を巡らせるも、拘束されれば男の腕から抜け出すのは容易ではない。エマは、何とか〇〇だけでも逃がすことが出来ればと隙を伺っていた。
「っえ・・・?」
それは、ほんの一瞬の出来事だった。高校生にがっちりと掴まれていたはずの〇〇は、いつの間にかその拘束を抜け出し威嚇態勢をとっていた。それは、瞬きひとつで見逃してしまうであろう程の刹那。だが、エマは見ていた。〇〇の手首を掴んだ男が、驚き怯んだような様子。そして同時に、〇〇の姿が跡形もなく消えて無くなったのも―――
「なにオレの"ネコ"にちょっかい出してんだテメェ」
突如降ってきた声とバキッと響いた鈍い音に、その場にいた全員が唖然とした。地面に叩きつけられ悶えている高校生一人を除いて。
身体を縮こませ警戒していた〇〇は、圭介の姿を認めると勢いよく抱きついた。グリグリと顔面を押し付けるその頭を、主が申し訳なさそうに撫でている。
「ケースケェェェ!」
「ワリ。コーラ買ってたら遅くなった」
「無理やりはダサすぎでしょ」
「マイキー!」
残り二人も、万次郎の回し蹴りで敢え無くノックアウト。現れた二人が、巷で話題の暴走族の総長と隊長だと分かったようで、高校生達はわたわたと一目散に逃げていったのだった。
「エマも〇〇も、怪我ねーか?」
万次郎の声にハっとしたエマは、返事もそこそこに慌てて〇〇に駆け寄った。
「〇〇っ!身体何ともない!?」
先程目撃した不思議現象を思い出し、圭介にしがみつく〇〇の頭や背中をぺたぺたと触った。その慌てぶりに、圭介と万次郎も〇〇が何か良からぬことをされたのかと気が荒立つ。
「〇〇っ、何された?痛ぇとこあるか!?」
「痛ぇのナイィ~」
「・・・なんともないみてぇだぞ、エマ」
「で、でも!さっき〇〇が消―――」
少し怯えている以外、普段と変わらない様子の〇〇。では、先程見たものは何だったのか。エマは一瞬、霊的なそれを想像して思わず粟立った。しかし、目の前の少女はしっかり存在し、手で触れることだって出来る。きっと、あの時は何とかしなければと気が焦っていたものだから幻覚でも見たのだろうか―――
「やっぱ何でもない」と言い直し、一息ついた彼女は気の所為だったと思うことにした。
***
暫くして少し冷静さを取り戻したエマは、今だに飼い主にしがみつき元気の無さそうな〇〇を眺めていて、ふとあることを思い出した。
「あ、〇〇のソフトクリーム・・・」
そして、座っていたベンチの側を見ると、ぐちゃぐちゃになったソフトクリームが無残な姿で転がっていた。
その視線を追った圭介と万次郎が、「アイツらに弁償させりゃあよかったな」なんてボヤく。そんな二人にエマが、そういうことじゃないんだと事の次第を伝えた。
「〇〇ね、半分残して食べなかったの。バジにあげたかったんだよ、きっと」
しゅん。とした顔で俯く〇〇の旋毛を見つめる圭介は、そんな事でここまで落ち込むなんて、と呆れ半分。彼女の優しさに嬉しさ半分な心持ちだった。
しかし、ソフトクリームをもう一度買ってやるほどの手持ちは残っておらず、彼女の機嫌を戻す策を思案する。仕方がない、と手元のカップを見つめ〇〇に差し出した。
「〇〇、これで我慢な」
未だしがみつく〇〇の口元にストローを持っていく。「母ちゃんの乳みたいに吸ってみろ」と言うと、何となく分かったのかパクっと咥えたのち、ちゅるると音を立て吸い始めた。そして、ゴクッと一口目が喉を通った瞬間、足先から頭頂まで〇〇の全身がゾワワと震えだした。
「しわぁ~~~~~!」
思わず叫ぶと、真ん丸の満月を見開き、口をあんぐりと開けたまま圭介を見上げる。初めての食感に、なんとも言えない表情で訴えた。
そして再び向き直ると、コーラの入ったカップを見つめストローを咥える。
ゴクッ
「しわぁ~~~っ」
ゴクッ
「しわぁ~~~っ」
ゴクッ
炭酸の刺激がクセになった。
「オレのも残せよ、はんぶんこだぞ」
「げぷうっ」
「よし、〇〇も元気になったみたいだし、なんか乗りに行こーぜ」
「そーだ、早くしないと日が暮れちゃう!」
仕切り直しと言わんばかりに、テンションを上げて目的エリアへと歩みを進める一行。とんだトラブルに見舞われたものの、〇〇も無事元気よく歩き出した。
その様子に息をついた圭介は、密かに安堵していた。なるべく、人に対して恐怖心を抱いてほしくはない。ここでの生活が嫌になったら、―――そんなことを考えてしまうから。
少しぼんやりとしていたら、どすっ、と突然胴に衝撃を受けた圭介。何事かと驚き見ると、万次郎たちと少し前を歩いていたはずの〇〇が抱き着いてきたのが原因で。
「どした?」
「ケースケ、だいすきー!」
見上げて一言。突然の告白に圭介の思考が停止する。思わず目を見開き、満面の笑みを絶やさない少女を見つめた。
普段から、好き好きアピールは嫌というほど受けている。すり寄って来れば気の済むまで愛撫するし、布団にもぐって来れば抱き寄せて寝る。そうやって彼女からの愛情表現にしっかり応えてやっている圭介も、言葉にされたのは初めてで。"普通のネコ"ならばあり得ない言語による疎通が出来ることに、改めて感動を覚える。
「・・・オレも―――」
「おーい!何やってんだバジ~」
「ふたりとも置いてくよー!」
掛けられた声にハっとした圭介は、何こんなところでこっ恥ずかしいこと言おうとしてんだ。と頬を染めつつ脈打つ心臓を落ち着かせる。
最初は、面倒なものを拾ってしまったと思った。しかし、日に日に人間らしくなる愛猫は、もはや家族同然の存在で。手を握り引っ張る〇〇の背中を眺めながら、偶にはこうして人間の姿で並んで歩いたり、美味しいものを食べたり、そして喋るのも悪くない。そう思った圭介は―――
「ケースケ♪」
なるべく長く傍にいてくれよと、祈るようにその手を握り返した。
ーーー卍おまけ卍ーーー
帰り道
圭介「おい!〇〇!後ろで寝るなー!」
〇〇「ハム~・・・むにゃ zzz」
圭介「おまえはマイキーか!!」
万次郎「ア゙?どーゆー意味だよバジぃ」
圭介「ちょ、マジで落ちる!!」
(ネコに変身させて連れて帰ったとさ)
片腕に〇〇を抱えた圭介は、ペットショップの自動ドアをくぐると軽く店内を見渡した。もう買うものが決まっている様子で、迷うことなくずんずん奥へと進んでいく。
腕の中の〇〇はというと、普段見ない数の人、ガラスの向こうにいる動物たち、そして色とりどりのパッケージ商品がずらりと並ぶ店内に、満月を輝かせながらキョロキョロと辺りを見回していて、少々興奮気味である。
ガラガラガラ~
カランカラーン♪
「おめでとうございまーす!四等でーす」
今日の店内は、いつになく賑やかだった。至る所に、"周年イベント開催中"というポスターが貼られている。
「にぁんなんにゃ!」
「おまえ、コレ好きな」
目的の棚に着くや否や、〇〇が一生懸命前足を伸ばし指したのは、彼女のお気に入りネコ用フード。高くはないが安くもない、原材料以外も良いバランスの取れた一品である。棚から一袋を取り出した圭介は、レジカウンターへと向かった。
会計を済ませると、にっこり顔の店員から八角形の抽選機を回すように促された圭介。めんどくせぇな、と思いつつ景品の種類を確認すると、そこにはペット用のおもちゃが含まれていた。つい〇〇が遊ぶ姿を想像し、まぁそれも悪くないかと思い直す。
その時、〇〇が圭介の腕の中から興味津々の様子で前方へ身体を伸ばし、さらに両前足で抽選機のハンドルを掴んだ。そのなんとも奇妙な光景は、店員やその場にいた客たちの注目の的となる。
「ふふ、めちゃくちゃ回す気満々ですね」
「〇〇、コラ離せっ」
店員に笑われ、後方からは「あのネコちゃん見て~」と小声まで聞こえてくる始末。
引っ張っても離そうとしない〇〇に、圭介から漏れた深いため息。見れば、意地でも離さん、とでも言いたげな顔をしていて。仕方が無いので、そのまま〇〇ごとハンドルを回した。
ガラガラガラ~
「・・・え?」
「にぁんっ」
一瞬の静寂の後、一際大きな鐘の音が店中に響き渡ったのだった。
***
「―――てことがあってよ」
その日の夜。ここは東京卍會集会が終わった神社の石段。万次郎、ドラケン、千冬、そして圭介の雑談声が、夜の静かな神社に響いていた。
「スゲェッスね!〇〇、クジ運つよ」
「ははっ、余っ程回したかったのな」
「いやー、それオレも見たかったなー」
バシの焦ってるところ。そう揶揄うように告げる万次郎に、圭介は苦虫を噛み潰したような表情をしている。このやり取りもいつものこと、と隣の二人は呆れ顔やら苦笑いやら。
「ガラポンで何当たったんスか?場地さん」
「遊園地のペア入場券」
「へー。めっちゃ人気のとこじゃん」
ペラッとポケットから取り出したチケット。誰もが知る人気スポットに、さすがの彼らも思わず見入ってしまった。
しかし、景品を手にする本人の表情は少し複雑そうで。
「でも別に、一緒に行くヤツいねェしあんま興味ねェし」
「っぇえ!?オオオレ、お供しますよ場地さんっ!」
「はァ?だから興味ねーんだって。それにヤローと遊園地なんて引くだろ」
「・・・」
ガクッと撃沈した千冬に向けられた二つの視線が、「確かに無いわ」という無言の同意を無遠慮に浴びせる。
「バジ、〇〇と行きゃいーじゃん」
「あン?」
ドラケンがなんてこと無しに出した提案。
それに対し、コイツは何を言っているんだ。そう言いたげな顔で一時停止した圭介。
そんな彼の返答を待つことなく話は進む。
「当てたの〇〇なんだろ?連れてってやれよ」
「えーっ!〇〇と行けるんならオレが行くしー!」
「っな、ダメに決まってんだろ!つーかアイツは―――っ」
ネコ。だけど人間に変身できる女の子。ついついネコの姿を思い浮かべる圭介だったが、言われてみれば人間の姿なら一緒に行けなくもない、ということに気づく。
「〇〇と・・・?」
腕を組みながら圭介は考えた。前回の集会終わり、人前でネコから女の子に変身してしまったトラブル例がある。人が集まる所に連れていくのは少々抵抗があったが。
「まぁ・・・喜びそうだけど」
ペットショップでさえあの様子。何十倍も広い娯楽地へ行こうものなら、大興奮間違い無しである。その姿を想像して、思わず口元が緩む。
はてさて、主の決断やいかに。
***
「ケースケ!ケースケ!あった!あった!」
休日の午前。晴天の青空の下、圭介は〇〇を連れてバイクを走らせていた。目的地に着くと、期待に満ちた視線を送りグイグイ服の袖を引っ張る愛猫に、「おー」と返事をした主。その手には、例の景品が握られている。
そして、その後ろを着いて歩く姿が二つ。
「うわーすげぇ!テンション上がるー♪」
「もーっドラケンと来たかったのにぃ!」
佐野兄妹である。
「つーか、何でオメーら着いてくんだよ!」
「いやー、まさかうちのじーちゃんも当ててくるとは。町内会の行事も侮れねぇなー」
「ウチが貰ったのに、なんでこのメンツで一緒に行くことになってる訳ー!?」
そんな言い合いを繰り広げる3人の隣。ソワソワとワクワクが行ったり来たりしている様子で見つめる〇〇が、早く行こう、と無言の圧をかけてくる。
つぶらな瞳から放たれたキュルルンスパークル光線を浴びた幼なじみたち。その瞬間、早く〇〇を遊園地の中へ入れてやらねば。という使命を抱く同志となったのだった。
***
「ケースケ、これたべていい?」
「おお、いーぞ」
「ケースケ、これたべていい?」
「それはしょっぱいからダメ」
「ケースケ、これたべていい?」
「あー、ちょっとだけな」
「ケースケ、こr」
「なぁ、なんでいちいち許可取ってんの?」
入場するのも一苦労。混雑する中やっとのことでゲートをくぐった4人は、どこもかしこも行列をつくるアトラクションに圧倒された。空いてるエリアをいくつか回った後は、早めに腹ごしらえをすることに。
そんな中、目の前で「食べていいか」と繰り返し確認を入れる〇〇の様子に、万次郎は思わず抱いた疑問が口に出る。
「ネコは塩気多いのダメだかんな。いちおーキャットフード以外はオレに聞いてから食えって躾てんの」
〇〇は、テーブルいっぱいに並ぶエマお手製の弁当を目の前に、ひとつずつ主に確認をとりつつ、頬をパンパンにしながら口に運んでいた。その隣で、圭介が汚れた口周りを拭いてやり、ぽろぽろこぼれる食べカスを拾っている。
「おまえはハムスターか」
「ハムたべたーい」
「バカ、そのハムじゃねぇよ」
「「バジが子育てしてる・・・」」
らしからぬその姿。普段の彼からは微塵も想像できない様子に、佐野兄妹は衝撃を受けつつ、ランチタイムが穏やかに過ぎてゆくのだった。
***
「・・・」
アトラクションから降りると、〇〇があんぐり口を開けて放心していた。時々、あぐあぐと口を動かすがフリーズが溶ける気配はない。
ジェットコースターなのに、「わ〜」も「きゃー」も言わず静かに乗ってんな。そう思いながら、隣に座る圭介が様子を見てみたらこの状態。今、一先ず出口のそばにあったベンチに〇〇を座らせたところである。
「衝撃で固まっちまった・・・」
「怖かったのかなぁ?」
「いや、多分びっくりしただけだと思う」
「お~い、〇〇~~~?」
万次郎が、真ん丸の満月の前で手のひらをブンブンと振ってみたが、効果なし。
どうしたものか、と思案していると、圭介が何かに気づいた様子でその場を離れた。少し先にあった屋台で買った物を手に戻って来ると、それを〇〇の口目掛けて突っ込んだ。
「ふぁむ゙っ!?!?」
「ほれ、食え〇〇」
突然、口の中に伝わる冷感。渦を巻いたそれに、流石の〇〇も一瞬で目が覚めた。
初めて見る真っ白なソフトクリームを、恐る恐る圭介の手から受け取った〇〇。改めて物体をじっくり観察し、慣れない様子でぺろぺろと食べ始めた。
「うまいにゃ」
「お!元に戻った」
食べ始めた姿を確認した圭介は、やれやれといった表情で微笑み、その場を後にしようと背を向けた。「ちょっと便所」と一言告げると「オレも」と万次郎が続いて行き、先程まで慌ただしかったのが嘘のように静かなな時間が流れ始める。遊園地の中心エリアから少し外れにあるこの場所は、アトラクションに乗った興奮を覚ますのにも適した場所だ。
二人を見送ったエマは、ほっとため息をつくとベンチに座り、隣でアイスを頬張る〇〇の様子を観察する。よっぽど美味しいのか、一生懸命渦の山に食らいついていた。
「バジも〇〇のことが大好きなんだね」
「・・・だいすき?」
「あんなに優しく世話してるとは思わなかったな」
「エマ。ケースケ、だいすき?」
「ええっ?まぁ、嫌いじゃあない、けど・・・」
「マイキー、だいすき?」
「うん、大好きだよ」
「すき、スキ、だいすき・・・」
―――「おまえ、これ好きな」―――
何か思うところがあるのか、少し考え込む様子を見せた〇〇。
彼女にとって「すき」は、圭介がくれるおいしいごはんのこと。だけど、それだけじゃなくて。「だい」は"特別"な意味を持つ言葉で。ということを頭の中で反芻する。
そんな考え事をしながらも、ソフトクリームを舐め続けていたのだが、突然食べる手を止めた。その視線は、中途半端に残ったソフトクリー厶に注がれていて、不思議に思ったエマが思わず声をかけた。
「どうしたの?」
「はんぶんこ」
「え?」
もしや、自分に半分くれるということか、とエマが思わず聞き返そうとしたところで、突如二人の元に注ぐ陽の光が遮られた。驚き頭上へ視線を向けると、そこにはニヤニヤと何とも不愉快な表情を携えた男たちがこちらを見下ろしていた。
「君たちかわいいね。二人で遊んでんの?」
「オレら早乗りできるパス券持ってんだけどさぁ、一緒に乗らない?」
見た目は、高校生くらいの男子3人組。いかにも、な風貌をしていてエマが瞬時に警戒する。この場を離れるよりも二人の帰りを待つほうが賢明と判断し、一刻も早い兄達の戻りを願わずにはいられなかった。
「人待ってるんで、いいです」
「並ばなくていいから、すぐ戻ってこれるって」
連れがいることを示唆するも、一向に立ち去る素振りを見せない。面倒なヤツらに絡まれてしまったと、ウンザリ顔のエマにも構うことなく、彼らはその距離を無遠慮に縮めてくる。
「あれ、アイスもうドロドロじゃーん」
「新しいの買ってあげるから、捨てちゃいなって」
ぽけー、と成り行きを見ていた〇〇の手にあるソフトクリームは、溶け出し手の甲を流れ落ち始めていた。それを見た高校生たちは、〇〇の手からそれを取り上げ、あろう事かコンクリートに投げ捨てた。
あまりに一瞬の事で、〇〇はソフトクリームが何処へ消えたのか暫し理解出来なかった。キョロキョロ見回し、やっと地面に転がっていたその姿を見て愕然とした。大事に取っておいたものをぞんざいに扱われたのが分かると、フツフツと沸くものは、紛うことなき怒りである。
「ケースケのはんぶんこっ!あっちいけクソったれーっ!」
バカ!ゴミヤロー!クサレ外道!と覚えた限りの罵りを連発する〇〇の様子に、高校生どころかエマまでもが圧倒されていた。「バジの子育て、どうなってんだ」と飼い主の教育方針に不安を募らせる。
その時、高校生の一人が視線鋭く目の前の細い手首に掴みかかった。必要以上の力を加えられ、〇〇の眉間が苦痛に歪む。
「やぁっ!」
「調子こいてんじゃねーぞ。可愛がってやっから大人しく来いっつーの」
「っ止めて!その子に触らないで!」
二人とも、無理やり引きずり連れて行かれそうになる。どうにか抜け出せないか思考を巡らせるも、拘束されれば男の腕から抜け出すのは容易ではない。エマは、何とか〇〇だけでも逃がすことが出来ればと隙を伺っていた。
「っえ・・・?」
それは、ほんの一瞬の出来事だった。高校生にがっちりと掴まれていたはずの〇〇は、いつの間にかその拘束を抜け出し威嚇態勢をとっていた。それは、瞬きひとつで見逃してしまうであろう程の刹那。だが、エマは見ていた。〇〇の手首を掴んだ男が、驚き怯んだような様子。そして同時に、〇〇の姿が跡形もなく消えて無くなったのも―――
「なにオレの"ネコ"にちょっかい出してんだテメェ」
突如降ってきた声とバキッと響いた鈍い音に、その場にいた全員が唖然とした。地面に叩きつけられ悶えている高校生一人を除いて。
身体を縮こませ警戒していた〇〇は、圭介の姿を認めると勢いよく抱きついた。グリグリと顔面を押し付けるその頭を、主が申し訳なさそうに撫でている。
「ケースケェェェ!」
「ワリ。コーラ買ってたら遅くなった」
「無理やりはダサすぎでしょ」
「マイキー!」
残り二人も、万次郎の回し蹴りで敢え無くノックアウト。現れた二人が、巷で話題の暴走族の総長と隊長だと分かったようで、高校生達はわたわたと一目散に逃げていったのだった。
「エマも〇〇も、怪我ねーか?」
万次郎の声にハっとしたエマは、返事もそこそこに慌てて〇〇に駆け寄った。
「〇〇っ!身体何ともない!?」
先程目撃した不思議現象を思い出し、圭介にしがみつく〇〇の頭や背中をぺたぺたと触った。その慌てぶりに、圭介と万次郎も〇〇が何か良からぬことをされたのかと気が荒立つ。
「〇〇っ、何された?痛ぇとこあるか!?」
「痛ぇのナイィ~」
「・・・なんともないみてぇだぞ、エマ」
「で、でも!さっき〇〇が消―――」
少し怯えている以外、普段と変わらない様子の〇〇。では、先程見たものは何だったのか。エマは一瞬、霊的なそれを想像して思わず粟立った。しかし、目の前の少女はしっかり存在し、手で触れることだって出来る。きっと、あの時は何とかしなければと気が焦っていたものだから幻覚でも見たのだろうか―――
「やっぱ何でもない」と言い直し、一息ついた彼女は気の所為だったと思うことにした。
***
暫くして少し冷静さを取り戻したエマは、今だに飼い主にしがみつき元気の無さそうな〇〇を眺めていて、ふとあることを思い出した。
「あ、〇〇のソフトクリーム・・・」
そして、座っていたベンチの側を見ると、ぐちゃぐちゃになったソフトクリームが無残な姿で転がっていた。
その視線を追った圭介と万次郎が、「アイツらに弁償させりゃあよかったな」なんてボヤく。そんな二人にエマが、そういうことじゃないんだと事の次第を伝えた。
「〇〇ね、半分残して食べなかったの。バジにあげたかったんだよ、きっと」
しゅん。とした顔で俯く〇〇の旋毛を見つめる圭介は、そんな事でここまで落ち込むなんて、と呆れ半分。彼女の優しさに嬉しさ半分な心持ちだった。
しかし、ソフトクリームをもう一度買ってやるほどの手持ちは残っておらず、彼女の機嫌を戻す策を思案する。仕方がない、と手元のカップを見つめ〇〇に差し出した。
「〇〇、これで我慢な」
未だしがみつく〇〇の口元にストローを持っていく。「母ちゃんの乳みたいに吸ってみろ」と言うと、何となく分かったのかパクっと咥えたのち、ちゅるると音を立て吸い始めた。そして、ゴクッと一口目が喉を通った瞬間、足先から頭頂まで〇〇の全身がゾワワと震えだした。
「しわぁ~~~~~!」
思わず叫ぶと、真ん丸の満月を見開き、口をあんぐりと開けたまま圭介を見上げる。初めての食感に、なんとも言えない表情で訴えた。
そして再び向き直ると、コーラの入ったカップを見つめストローを咥える。
ゴクッ
「しわぁ~~~っ」
ゴクッ
「しわぁ~~~っ」
ゴクッ
炭酸の刺激がクセになった。
「オレのも残せよ、はんぶんこだぞ」
「げぷうっ」
「よし、〇〇も元気になったみたいだし、なんか乗りに行こーぜ」
「そーだ、早くしないと日が暮れちゃう!」
仕切り直しと言わんばかりに、テンションを上げて目的エリアへと歩みを進める一行。とんだトラブルに見舞われたものの、〇〇も無事元気よく歩き出した。
その様子に息をついた圭介は、密かに安堵していた。なるべく、人に対して恐怖心を抱いてほしくはない。ここでの生活が嫌になったら、―――そんなことを考えてしまうから。
少しぼんやりとしていたら、どすっ、と突然胴に衝撃を受けた圭介。何事かと驚き見ると、万次郎たちと少し前を歩いていたはずの〇〇が抱き着いてきたのが原因で。
「どした?」
「ケースケ、だいすきー!」
見上げて一言。突然の告白に圭介の思考が停止する。思わず目を見開き、満面の笑みを絶やさない少女を見つめた。
普段から、好き好きアピールは嫌というほど受けている。すり寄って来れば気の済むまで愛撫するし、布団にもぐって来れば抱き寄せて寝る。そうやって彼女からの愛情表現にしっかり応えてやっている圭介も、言葉にされたのは初めてで。"普通のネコ"ならばあり得ない言語による疎通が出来ることに、改めて感動を覚える。
「・・・オレも―――」
「おーい!何やってんだバジ~」
「ふたりとも置いてくよー!」
掛けられた声にハっとした圭介は、何こんなところでこっ恥ずかしいこと言おうとしてんだ。と頬を染めつつ脈打つ心臓を落ち着かせる。
最初は、面倒なものを拾ってしまったと思った。しかし、日に日に人間らしくなる愛猫は、もはや家族同然の存在で。手を握り引っ張る〇〇の背中を眺めながら、偶にはこうして人間の姿で並んで歩いたり、美味しいものを食べたり、そして喋るのも悪くない。そう思った圭介は―――
「ケースケ♪」
なるべく長く傍にいてくれよと、祈るようにその手を握り返した。
ーーー卍おまけ卍ーーー
帰り道
圭介「おい!〇〇!後ろで寝るなー!」
〇〇「ハム~・・・むにゃ zzz」
圭介「おまえはマイキーか!!」
万次郎「ア゙?どーゆー意味だよバジぃ」
圭介「ちょ、マジで落ちる!!」
(ネコに変身させて連れて帰ったとさ)
