名前変換のみです(苗字はそのままデフォルトです。申し訳。)
本編(完結)
Name change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「居ない、か・・・」
放課後。好きも嫌いも聞いてねぇんだからハッキリさせてこい。と沖田に急かされ、真一郎は〇〇を訪ねに来ていた。少々遅かったようで、教室に残っている数人の生徒の中に彼女の姿はなく、ため息をこぼす。
帰ろう、と肩を落とし下駄箱へと向かっていた彼が、廊下の向こうから小走りで向かってくるこずえの姿を捉えた。
「あっ、いたいた!佐野先輩!」
「こずえちゃん?」
「教室にいないから焦った~!」
こずえが安堵の表情を見せる。どうやら真一郎を探しに2年の教室へ行っていたようだった。
「何?」
「〇〇ちゃんが、佐野先輩のバイクの前で待ってるって!」
「・・・え?」
「突然居てびっくりさせちゃいけないから、伝えて欲しいって言わ」
こずえが言い終わる前に、真一郎が駐輪場へ向かって飛び出した。あまりの早業に思わず苦笑する。その必死な背中を見送りながら、こずえがやれやれと一つ息を吐いていた。
真一郎が駐輪場の前まで来たところで、思わず距離を置いて立ち止まる。バブに腰かける少女の姿に、彼の心音がバクバクと身体中に響いた。
「・・・〇〇。」
〇〇がその声に反応して振り向いた。彼女は何を言うつもりなのだろうか。聴きたい。けど、聴いてしまえば今度こそ全てが終わる気がして、真一郎は耳を塞ぎたくもなるという矛盾の中にいた。
「先輩。もう逃げないので、お話聞いてもらえませんか。」
〇〇の声が、真一郎の心にじわりと染みて溶けていく。彼女の手には、山茶花のハンカチーフが握り締められていた。
二人が学校帰りに寄る定番スポット、いつもの堤防の上に並んで座っていた。まだまだ春めくには早い時期。コンクリートの上は、少しひんやりとしていた。
「〇〇、なんでオレのこと嫌いになったの・・・?」
「好きです。」
「だからどうして好・・・え!?」
「大好きです。」
「あ、あぁ・・・じゃああれか。お兄ちゃんみたいで好きってやつな。」
「ううん。先輩と同じ"大好き"です。」
「・・・・・・ぉおん!?!?」
真一郎の頭の中は、いろんな感情がごちゃ混ぜになり荒れに荒れていた。取りあえず嫌われてなくてホッとして、でもやっぱりお兄ちゃん以上にはなれないのかと思った矢先。どういうことだ?幻聴かこれは?〇〇は自分も好きだと言っている。ならば何故。
「じゃ、じゃあどうしてあのとき断って!?」
「あ、あれは、その・・・まさか、先輩があんなところで好きって言ってくれるって思ってなかったから、つい・・・///」
「お、ん、ぬ、!?」
「怖かったんです・・・自分が自分じゃないみたいで。なんで先輩のこと考えてるだけで泣いちゃうのとか、心の奥がぎゅってなってごはん食べられないのとか、全部・・・」
「え・・・」
「わたしの知らない"好き"って分かったら、今度は先輩が離れていっちゃったらどうしようって。やっぱり好きじゃなかったって言われるかもしれないし。」
「そっそんな訳ないだろ!」
「でも、おっぱいおっきい女の子に好きって言われたら、その人といっぱい過ごすでしょ?そう考えたら、もう先輩の顔見るのも嫌になっちゃって・・・」
「・・・おっぱい?」
「前、おっぱいおっきい女の子が好きって言ってたじゃないですか。」
・・・あ。あの時はっきり否定していなかったやつか!一度こずえに責められたが、その場で話題から遠ざかったきりだったことを真一郎は思い出した。そして焦る。
「ち、違う!あれは誤解!」
「なんで?だってマイ先輩はめっちゃおっきいじゃないですか!」
「ぁあ!?ああああれはだな、そのー・・・」
「やっぱ好きなんじゃん!」
「待て!そうじゃない!おっぱいだけじゃないんだって!」
「つまり、おっきいおっぱい"も"好きってことでしょ!?」
「・・・・・・うん。ハ!いや、だからって〇〇のこと好きにならないとかいうわけじゃなくてね!?・・・ん?」
「・・・いいですよ。わたしの胸は貧相だって言いたいんでしょ?」
「ちちち違うって!!」
終わりの見えない痴話喧嘩が白熱していた。真一郎は、このループからなんとかして脱しようと懸命に言葉を探すが、〇〇に納得してもらえそうな気の効いたセリフは出てこなかった。なんとも情けないことである。
「もういいんです。それでもわたしのこと好きって想ってくれてるなら、先輩のこと信じたい。」
「〇〇・・・」
本当は分かっていた。彼は、そんな見た目で人の良し悪しを計るような人ではないこと。
「先輩に初めて会った日、守ってやるから医者になる夢諦めるなって言ってもらったの、すごく嬉しかった。」
それは〇〇にとって、一人じゃないと思えた特別な日になった。
「おまえなら絶対できるよって言ってくれたのも、悩んだ時はオレに言えって言ってくれたのも、全部・・・っ。もう先輩がいないと、迷った時にどっちに行ったらいいか分かんなくなる・・・前に進めないの・・・だから・・っ」
〇〇が、涙で詰まりそうな言葉を一生懸命その声に乗せる。
傍にいて欲しい。大切な人がいなくなるのは、この世で一番辛い事だから。
「わたし、先輩の彼女になりたいって思っ」
ふわりと風を感じた。隣に座る真一郎の方へと振り向いた瞬間、目の前に飛び込んできた大好きな人の顔と、唇に触れる彼の一等やさしい場所。
〇〇が目を閉じると、その瞳に溜まっていた涙が一気に零れ落ちた。
一度離れると、瞼を開けた真一郎と目が合った。再び、どちらからともなく顔を寄せ合う。今度はゆっくり啄むようなキスだった。二人の吐息が混ざり合い、冷えた身体に熱が入る。それは初めてのはずなのに、自分でも驚くほど自然に、〇〇もそれに応えるように彼を求めた。
ひゅっと僅かな隙間を抜けた冷たい風を合図に、二人の距離が開いていく。恥ずかしさで頬を染めた〇〇が、真一郎を見つめていた。彼の目も少し潤んでいるのが分かってドキドキと心臓が騒がしい。
「・・・なぁ。もう一回、オレから言い直してもいい?」
「え?」
真一郎は微笑んで、一呼吸置いた後ゆっくりと息を吸い込んだ。
「〇〇、大好きだ。
だから、オレの彼女になってください。」
〇〇の瞳から、引っ込んだ涙がまた流れ落ちる。
21回目の正直。真一郎にとって、彼の人生これ程緊張して、これ程心躍る告白は無かった。
「――っはい!」
大好きな笑顔に向かって勢いよく飛び込んだ〇〇を、真一郎が受け止めた。
まだ、肌寒さ残る浅春の風が息吹く頃。ヤクザの娘と暴走族総長という異色のコンビに、新たな絆が芽生えたのだった。
ーーー卍おまけ卍ーーー
真一郎「〇〇。彼氏として一つお願いがあんだけど。」
〇〇「あ、は、はい!///」
真一郎「どれくらいあんのかな~ってすげぇ気になるから、〇〇のおっぱいちょーっと触らs」
ボゴッ!
真一郎「・・・ゴベンナハィ。」
