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本編(完結)
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「待て〇〇!!止まれ!!」
「やだ!!来ないでー!!」
頭が真っ白になった。とにかくあの光景から逃れたくて、〇〇はひたすら走り抜けていた。いくら足が速いと豪語する〇〇でも、男女の筋力差に敵うはずもない。スタートダッシュは真一郎の方が上。
のはずだったのだが。
「っ!!ちょ、なんだあいつ・・・!」
ぜぇはぁと真一郎の息があがる。二人の距離は、縮まるどころか離される一方だった。いじめっ子から逃げまくっていた〇〇の持久力は、もはや並外れたレベルに達していた。
「うっ・・・嘘だろ・・・!」
バタッ。限界が近づいた真一郎は崩れ落ちた。必死に酸素を求めながら、全速力で走る彼女の小さな背中を見送るしかなかったのだった。
「はぁ、はぁ・・・っ」
人目のつかない場所を目指して飛び込んだのは、グラウンドで部活動に勤しむ生徒の掛け声がかすかに聞こえる校舎裏だった。ここは、〇〇が入学間も無い頃いじめっ子たちに囲まれ、真一郎と初めて出会った場所だった。
「ふっ・・ぅ、もうやだぁ・・・!」
自分はなんと浅ましい人間なのだろう。もう、彼の目は自分のことを見てくれないのかもしれないと思った途端、ドロドロと嫌なモノが湧いてきて慌てて蓋を閉じた。こんな醜い感情いっその事捨ててしまいたい。どうしたらいいのか分からず、〇〇は一人で声を殺して泣いていた。
「〇〇ちゃん?」
その時、突然声をかけられ思わず振り向いた。そこには沖田がいた。彼は、涙でべしゃべしゃになった〇〇を見てギョっとすると、大層慌てた様子で声をかけた。
「!?どうした!またなんかあった!?」
「おっ、きた先輩・・・っ」
「猛スピードで走ってたけど、誰かにまた変なことされたか!?」
〇〇は、助けてくれ。と優しく心配の声をかけてくれた沖田に縋った。
「っぅぇぇ・・・っ」
「〇〇ちゃん・・・」
自分の胸に顔を寄せた〇〇を見て、取りあえず触れても嫌がることはなさそうだと思った沖田は、両手を背中に回して落ち着くようにと撫でてやった。
「・・・〇〇ちゃん、佐野呼んでこようか?」
沖田が訊ねると、〇〇は大きく首を横に振った。
「お願い呼ばないでっ」
「え。」
「真一郎先輩見ると、泣いちゃう、から・・・っ」
真一郎を見ると泣く?もしかしてホントに嫌われたのかアイツは?確かに感情丸出し下心丸出しのサイテー野郎ではあるが、それでも今まであれほど仲良くしてきた様子だったのに。突然の変わり様に沖田は困惑した。
「佐野のこと嫌いになっちゃったの?」
「好き・・・」
「え?」
「好きっ。だから、巨乳美女と一緒にいる先輩は嫌だぁ・・・!」
んー?つまり、好きな真一郎が他の女と一緒にいるのは嫌だ。その女の容姿を具体的に口にしたと言うことは、実際に巨乳美女と一緒にいるところを目撃して、ショックを受けて逃げ込んできて泣いていた。どうだこの推理。名探偵沖田は一つの真実にたどり着いた。なるほど。ついに真一郎の想いも報われる時が来たわけだ。彼は全てを悟った。
「そうかそうか。かわいそうになぁ。アイツは女心がまるで分ってないからなぁ。」
「誰が何を分ってないって・・・?」
二人が声のした方へ振り向くと、今にもブチギレる寸前ですという顔で真一郎が仁王立ちしていた。
「っ!?」
「おーっと。修羅場。」
真一郎の姿を見るや否や、〇〇がサッと沖田の背に隠れた。まるで親に叱られ逃げ惑う子どものように。
「なに〇〇に馴れ馴れしく触ってんだよ。どけ。」
「いや、〇〇ちゃん怖がってるじゃん。お前が落ち着くまで渡せないかなぁ。」
「〇〇はお前のもんじゃない。」
「佐野のもんでもないだろ。」
妙にバチバチな二人の様子に、流石の〇〇もハラハラしだしていた。真一郎が今にも沖田に殴りかかりそうな勢いである。
「せ、先輩やめて」
「お前、〇〇ちゃんに避けられて焦ってんのは分かるけど、ちょっと頭冷やしてこい。心配しなくても、その間に俺が〇〇ちゃんのこと慰めと」
バキッ!沖田の左頬に真一郎の拳が入った。一瞬何か起きたか分からず放心していた〇〇だったが、気づくと沖田が尻もちをついていて思わず駆け寄る。
「痛っぇ」
「おっ沖田先輩!?だ、大丈」
「何でだよ・・・」
ハっとして〇〇が真一郎を見上げた。初めて見る、今にも泣き出しそうな彼の顔に心が締め付けられた。
「オレに言えって言ったじゃねぇか・・・っなんで沖田なんだよ!それとも、本当にオレのこと嫌いになったのか!?」
「っ・・・真」
その時、沖田が立ち上がり真一郎の胸倉を掴むと、その背を壁に打ち付けた。お前が泣かせてどうするんだ。感情に任せていては益々状況が悪化する。見るに見かねて沖田が動いた。
「いい加減にしろ。」
「あ゙!?」
「ちょっと冷静になって考えろ。何で〇〇ちゃんが泣いてたのか。何でお前のこと避けてんのか。」
「は?」
「さっき、お前他の女と一緒にいたんじゃねぇの?」
「っお、沖田先輩!?」
真一郎は、珍しく強気な沖田の態度に驚き、彼の言葉を理解しようと状況整理を始めた。
他の女?女と一緒・・・あぁマイちゃんに渡したい物があって隣のクラスを訪ねていたんだった。その時こずえちゃんの声がして、振り向いたら〇〇が泣いてて・・・え?それってつまり?オレがマイちゃんと喋ってたから?・・・え??いやいや〇〇だぞありえねーだろ。そういえば、先日1年の教室を訪ねた時、熱があるのかと思っておでこに手を当てて、その瞬間逃げるように去っていったのは・・・恥ずかしかったからとか?そもそも顔が真っ赤だったのって、オレが目の前にいたから???
「〇〇ちゃんのこと責める前に、言うことがあんだろ。」
「・・・沖田、これマジ?」
「それは自分で確かめろ。」
ぐっ。と沖田が親指を立てた姿に、真一郎の心臓がどくどくと波打った。待ち望んでいた。まさに時は来た。今こそ実行に移す絶好のチャンスである。
「〇〇!そこぜってー動くな。」
振り向いた真一郎にビクッ!と肩を震わせた〇〇が、こちらに向かってくるその姿をドキドキしながら見つめていた。先ほどのような泣きそうな顔をもうこれ以上見たくなくて、取りあえず避けてしまったことを謝ろうと彼の到着を待ち構えていた。
「あ、あの、先輩。に、逃げちゃってごめんなさ」
ガシッ!ともう逃げられないように勢いよく〇〇の肩を掴んだ真一郎が、大きく息を吸う音が聞こえた。大音量で怒鳴られるのか。〇〇が覚悟をしてぎゅっと目を閉じた。
「〇〇!おまえが好きだ!!」
「・・・・・・え?」
「大好きだ!!だから」
〇〇が思わず閉じていた目を開き、真一郎を見上げた。真剣な表情で一呼吸置くと、彼がまた大きく息を吸った。
「オレの彼女になってください!!」
はぁ~~~~~。沖田は心の中で安堵のため息をついていた。いやーこんなめでたい瞬間に立ち会えることができるとは、やはり自分は持って生まれた天性の運があるのかもしれない。グッジョブ俺!あとでこずえちゃんに自慢しよー♪なんてウキウキで二人の成り行きを見ていた。
のだが。
「~~~~~っ!!///」
ドンッ!真一郎は突然の衝撃にたたらを踏んでよろけた。尻もちをついて一瞬何が起こったのか分からず放心する。〇〇に肩を押されたのだと理解すると、目を丸くしながら目の前の彼女を見上げた。
「・・っご・・・ごめんなさいっっ!!!」
ぴゅー!再び脱兎のごとく全速力で去っていった〇〇の姿を、その場に残された二人がア然としながら見送っていた。
「「・・・え?」」
ーーー卍おまけ卍ーーー
〇〇「うそうそうそうそ嘘だぁー!!///」
陸上部顧問「・・・おい、誰かあの子スカウトしてこい。」
