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番外編
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Extra editio3.
Happy brother’s day!
ある日〇〇は、柴田から神保組東京支部の近所にある和菓子屋が、創業記念の割引セールをしていると聞きつけ店を訪れていた。
「こんにちは。」
「あら!〇〇ちゃんいらっしゃい。」
和菓子屋の女将は、柴田と顔見知りだった。事務所でも店をよく利用しているらしい。神保組は、所謂暴力団が用心棒代などと銘打って、飲食店や小売店に金銭を要求する「みかじめ料」をこの店から徴収していた。こうした多くの店舗は、断ると関係者から嫌がらせ・暴力の実力行使等を示唆され、場合によっては実際に被害に遭うこともある。ただ、この和菓子店に限っては、「地代」と言うことにして自ら支払っているというのだからかなりの例外といえる。
「この間ねぇ、ここからこんなとこまで刺青入れた人たちが店の前で騒いでて迷惑してたのよ~。そしたら、柴田さんたちが追い払ってくれて助かったわ~。」
と、こんな調子で対価分の仕事はきっちりやっているらしい。〇〇は、この女将の肝っ玉には毎度舌を巻いていた。昔、そのスジの方と交流があったという噂である。
「創業50周年おめでとうございます。どら焼きとお饅頭買いに来ました。」
「あらありがとう!今日はおまけたくさんしちゃうわね!」
〇〇はお得に買えるついでに、佐野家と佐野道場に通う子どもたちにも持っていこうと考えていた。どの味にしようかとショーケースの中を覗くと、菓子一つ一つの包みにシールが貼られているのに気がついた。
「あ。今日は母の日か。」
「そうなの。限定でカーネーションシール貼ってみたの。かわいいでしょ♪」
特別感がある粋な計らいだ。〇〇は、子どもたちもこれを見て喜んでくれたらいいな。そう思いながら、買って帰る和菓子を選んだ。
「なんかすいません。先週来たばっかりなのに。」
「はは!わざわざありがとな。」
〇〇は、再び佐野家を訪れた。どうやら稽古はまだ始まっていないらしい。
「子どもたちの分も買ってきたんです。たぶんみんな一つずつはあると思うので、あとで渡してあげてください。」
「おぉ、みんな喜ぶよ。」
「あ、〇〇ちゃんだ!」
「〇〇、また来たのかよ。よっぽど暇なんだな。」
声を聞きつけて、エマと万次郎も玄関まで出てきていた。
(悪かったな。暇人で。)
「そんなこと言う子にはどら焼きあげなーい。」
「「え!?どら焼き!?」」
二人は、真一郎の持つ紙袋の中を覗き込んだ。よっぽど気に入ったらしい。
「こら、道場に来るみんなの分もあるんだから、稽古終わってからだぞ。」
「そんな固いこと言うなってシンイチロー。」
そう言うと、万次郎が真一郎の手から紙袋を強奪した。
「もうみんな来てるから、配ってきてやるよ!」
「あ!マイキーズルい!」
ウチもー!と言いながら幼い二人はあっという間に道場へと走って行ってしまった。
「アイツら・・・」
「嵐のように去っていきましたね。」
二人は苦笑しながら、その姿を見送った。
「やったー!先生来る前に食っちまおーぜ!」
「おれ、白あんのまんじゅうがいいなー」
早速、道場では和菓子パーティが始まっていた。
「お!この前のどら焼きじゃん!もーらい。」
「場地。一人一個ずつだかんな。」
「て、お前。なんだその抱えてるもんは!6つもあんじゃねーか!」
「オレはこの中で一番凄いから、特別だ!」
「どういう理屈だ!!」
ギャーギャー騒ぐ二人の横で、エマが静かにその手にある和菓子を見ていた。
「どうしたエマ。食わねーの?」
「・・・これ、母の日のカーネーションだなって思って。」
和菓子を包んでいるフィルムのシールを指さしてそう告げた彼女は、少し寂しげだった。
「あ!そーだった。すっかり忘れてた。オフクロになんも準備してなかったな~。」
このどら焼き持って帰ってやるか。とつぶやく圭介の横で、万次郎は妹の姿を静かに見つめていた。
〇〇が、真一郎と一緒にダイニングテーブルでお茶を飲んでいるところに、万次郎が戻って来た。
「あれ、万次郎稽古は?」
「今日は気が乗らねーからやめた。」
ええ~自由すぎる・・・サボり癖は兄譲りなのか。〇〇は、万次郎の将来が心配になった。
「なんだアイツ。どら焼き食ったわりにゃ機嫌悪ぃな。」
「え?」
道場で何かあったのか。〇〇は、心配そうにその寂しそうな小さい背中を見送った。
「あ、あんなところに・・・」
〇〇は、お手洗いを借りて戻る途中、縁側に腰かけている万次郎を見つけた。そっと近づいて様子を見ると、彼は手に何か持っている。絵のようだ。
「それ、万次郎が描いたん?」
びく!と肩を揺らした彼を見て、〇〇はしまったと思った。
「ああごめん。脅かすつもりじゃなかった。」
「のぞき見か。趣味わりーな。」
その絵を半分に折って、万次郎がジトっと〇〇を睨んだ。
「だからゴメンって。」
そう言いながら〇〇は彼の隣に腰かけた。やっぱりご機嫌斜めのようだ。
「上手に描けてると思うよ。もっと見たいなー。」
「・・・そんなに見てえなら、オレの質問に答えろ。」
「え?」
突然の交換条件に〇〇は目を丸くした。まさかそんなことを言ってくるとは思いもよらなかった。彼も、少しは自分に興味を持ってくれているのかと思ったらそれはそれで喜ばしい事。なのだが、なぜか分からないが〇〇は、彼の様子からちょっと嫌な予感がしてならなかった。
「〇〇が初めて家の前まで来た日、黒い車からシンイチローが降りてくるとこ見たんだ。」
「!?」
これは、嫌な予感が的中か。〇〇の心臓はバクバクだった。
「ほっ、ほぉ~?」
「アイツ、前ヤクザのバイク仲間ができたって言ってたから、たぶんソイツの車。」
「そっそれは・・・スゴイデスネ?」
「しらばっくれんな。おまえも乗ってだだろ。」
そこまで見てたのか―――!〇〇はどう誤魔化そうかと必死に考えた。いやこれは無理案件だ。
「おまえ、何者?」
「・・・え~っと・・・ぉ」
〇〇は、小学1年生の鋭い眼光に負けた。
「ほぉ。クミチョーの娘なんだ。」
「・・・ハイ。」
東京に来てまだ半年も経っていない。こんな短期間に、しかも立て続けて身バレしてしまって、〇〇はこの先やっていけるのかと不安になった。
「あの、この事はどうぞご内密に何卒!!」
「そぉだな~。どうしよっかなぁ~。」
おいおい、うちの組員にもここまで性格悪い人はいないぞ!?〇〇は目の前の小さなギャングにたじたじだった。
「よし、またあのどら焼き持ってきてくれたら黙っててやるよ。」
「・・・ど、どら焼き?」
「うん♡」
あまりにもかわいいお願いに、〇〇は目が点になった。なんとちょろい。所詮は小学1年生。〇〇は地獄から一転、天国へ昇る勢いで歓喜した。
「よ、よし分かった!男に二言はないな!?」
「おう!」
交渉成立。平和協定締結。何とか首の皮一枚つながっている。
「じゃあ次はわたしの番。絵、見せて。」
「・・・チッ、忘れてなかったのかよ。」
こんなんで誤魔化されるか。一転して優位に立った〇〇が、ほら寄越せと言わんばかりに手のひらを差し出した。彼女も相手によっては容赦がない。
「ん。」
「どらどら。」
一瞬見た時にもしや、とは思ったが、やはり見間違いではなかった。と、〇〇は笑みがこぼれた。
「これ、真一郎先輩だ!」
特長的なリーゼントで一目瞭然だった。余白には、彼とエマ二人の名前が書いてあるので合作のようだ。万次郎は、照れているのかぷいっと顔を反対側に向けていて、その表情は定かではない。
「素敵。きっと見たら先輩喜ぶと思う。」
「・・・うちは親が居ねーから、母の日はシンイチローになにかやるってエマと決めてんだ。」
〇〇はハっとした。真一郎から、母親は病死、エマの実母は彼女を置いてどこかへ行ってしまったと聞いていた。もしかしたら、和菓子に貼られていたカーネーションのシールを見て寂しい思いをさせてしまっていたとしたら。
「ごめん。わたし、全く気が回らなかった・・・。」
「別に、オレは気にしてねーし。エマもちゃんと分かってるよ。」
本当に、なんと大人びた弟妹だろう。甘えたい年頃。傍に親が居ないだなんて、心細いことだってあるだろう。〇〇は、今日の失態を反省した。
「シンイチローがいるから、寂しいって思ったことねーし。」
「!」
「知らないこと聞けばいつも教えてくれるし、行きたいところあったら連れてってくれるし、バイクに乗せてくれるし。」
「万次郎・・・」
「アイツが、オレらのとーちゃんかーちゃんみたいなもん。」
真一郎は、弟妹たちにも伝えてきたんだ。おまえは一人じゃないと。〇〇は、その兄弟愛に感動した。感動のあまり号泣してしまいそうになった衝動を抑えたかったが、案の定抑えきれずに思わず、
「マンジロぉ~!」
「ブッ!お、おい〇〇!?」
彼を思いっきり抱きしめていた。
「えーん!ごめーん!」
「なにすんだ!てかなに泣いてんだよ!」
彼は思った。やっぱり〇〇は変わっている。その生い立ちもかなり特殊。だから、今こうして泣きながら抱きついてきたり、初対面の男にホイホイついて来てケロっとしているような言動にも納得できた。不良の真一郎に物怖じせず接しているところも。
万次郎は、初めて女に抱きしめられて少々戸惑っていた。時々、ふざけて真一郎が抱きついてくるときとは違う、柔らかい感触と甘い香り。彼は、悪くはないその居心地に、しょうがないから気が済むまで大人しくしててやるか。と彼女にその身を委ねた。
ーーー卍おまけ卍ーーー
かぽーん
真一郎「ちゃんと100数えろよマンジロー。」
万次郎「シンイチロー。〇〇あんまおっぱいデカくねーけどいいのか?」
真一郎「・・・お前ら昼間なにしてたの!?!?」
万次郎「ナイショ♡」
Happy brother’s day!
ある日〇〇は、柴田から神保組東京支部の近所にある和菓子屋が、創業記念の割引セールをしていると聞きつけ店を訪れていた。
「こんにちは。」
「あら!〇〇ちゃんいらっしゃい。」
和菓子屋の女将は、柴田と顔見知りだった。事務所でも店をよく利用しているらしい。神保組は、所謂暴力団が用心棒代などと銘打って、飲食店や小売店に金銭を要求する「みかじめ料」をこの店から徴収していた。こうした多くの店舗は、断ると関係者から嫌がらせ・暴力の実力行使等を示唆され、場合によっては実際に被害に遭うこともある。ただ、この和菓子店に限っては、「地代」と言うことにして自ら支払っているというのだからかなりの例外といえる。
「この間ねぇ、ここからこんなとこまで刺青入れた人たちが店の前で騒いでて迷惑してたのよ~。そしたら、柴田さんたちが追い払ってくれて助かったわ~。」
と、こんな調子で対価分の仕事はきっちりやっているらしい。〇〇は、この女将の肝っ玉には毎度舌を巻いていた。昔、そのスジの方と交流があったという噂である。
「創業50周年おめでとうございます。どら焼きとお饅頭買いに来ました。」
「あらありがとう!今日はおまけたくさんしちゃうわね!」
〇〇はお得に買えるついでに、佐野家と佐野道場に通う子どもたちにも持っていこうと考えていた。どの味にしようかとショーケースの中を覗くと、菓子一つ一つの包みにシールが貼られているのに気がついた。
「あ。今日は母の日か。」
「そうなの。限定でカーネーションシール貼ってみたの。かわいいでしょ♪」
特別感がある粋な計らいだ。〇〇は、子どもたちもこれを見て喜んでくれたらいいな。そう思いながら、買って帰る和菓子を選んだ。
「なんかすいません。先週来たばっかりなのに。」
「はは!わざわざありがとな。」
〇〇は、再び佐野家を訪れた。どうやら稽古はまだ始まっていないらしい。
「子どもたちの分も買ってきたんです。たぶんみんな一つずつはあると思うので、あとで渡してあげてください。」
「おぉ、みんな喜ぶよ。」
「あ、〇〇ちゃんだ!」
「〇〇、また来たのかよ。よっぽど暇なんだな。」
声を聞きつけて、エマと万次郎も玄関まで出てきていた。
(悪かったな。暇人で。)
「そんなこと言う子にはどら焼きあげなーい。」
「「え!?どら焼き!?」」
二人は、真一郎の持つ紙袋の中を覗き込んだ。よっぽど気に入ったらしい。
「こら、道場に来るみんなの分もあるんだから、稽古終わってからだぞ。」
「そんな固いこと言うなってシンイチロー。」
そう言うと、万次郎が真一郎の手から紙袋を強奪した。
「もうみんな来てるから、配ってきてやるよ!」
「あ!マイキーズルい!」
ウチもー!と言いながら幼い二人はあっという間に道場へと走って行ってしまった。
「アイツら・・・」
「嵐のように去っていきましたね。」
二人は苦笑しながら、その姿を見送った。
「やったー!先生来る前に食っちまおーぜ!」
「おれ、白あんのまんじゅうがいいなー」
早速、道場では和菓子パーティが始まっていた。
「お!この前のどら焼きじゃん!もーらい。」
「場地。一人一個ずつだかんな。」
「て、お前。なんだその抱えてるもんは!6つもあんじゃねーか!」
「オレはこの中で一番凄いから、特別だ!」
「どういう理屈だ!!」
ギャーギャー騒ぐ二人の横で、エマが静かにその手にある和菓子を見ていた。
「どうしたエマ。食わねーの?」
「・・・これ、母の日のカーネーションだなって思って。」
和菓子を包んでいるフィルムのシールを指さしてそう告げた彼女は、少し寂しげだった。
「あ!そーだった。すっかり忘れてた。オフクロになんも準備してなかったな~。」
このどら焼き持って帰ってやるか。とつぶやく圭介の横で、万次郎は妹の姿を静かに見つめていた。
〇〇が、真一郎と一緒にダイニングテーブルでお茶を飲んでいるところに、万次郎が戻って来た。
「あれ、万次郎稽古は?」
「今日は気が乗らねーからやめた。」
ええ~自由すぎる・・・サボり癖は兄譲りなのか。〇〇は、万次郎の将来が心配になった。
「なんだアイツ。どら焼き食ったわりにゃ機嫌悪ぃな。」
「え?」
道場で何かあったのか。〇〇は、心配そうにその寂しそうな小さい背中を見送った。
「あ、あんなところに・・・」
〇〇は、お手洗いを借りて戻る途中、縁側に腰かけている万次郎を見つけた。そっと近づいて様子を見ると、彼は手に何か持っている。絵のようだ。
「それ、万次郎が描いたん?」
びく!と肩を揺らした彼を見て、〇〇はしまったと思った。
「ああごめん。脅かすつもりじゃなかった。」
「のぞき見か。趣味わりーな。」
その絵を半分に折って、万次郎がジトっと〇〇を睨んだ。
「だからゴメンって。」
そう言いながら〇〇は彼の隣に腰かけた。やっぱりご機嫌斜めのようだ。
「上手に描けてると思うよ。もっと見たいなー。」
「・・・そんなに見てえなら、オレの質問に答えろ。」
「え?」
突然の交換条件に〇〇は目を丸くした。まさかそんなことを言ってくるとは思いもよらなかった。彼も、少しは自分に興味を持ってくれているのかと思ったらそれはそれで喜ばしい事。なのだが、なぜか分からないが〇〇は、彼の様子からちょっと嫌な予感がしてならなかった。
「〇〇が初めて家の前まで来た日、黒い車からシンイチローが降りてくるとこ見たんだ。」
「!?」
これは、嫌な予感が的中か。〇〇の心臓はバクバクだった。
「ほっ、ほぉ~?」
「アイツ、前ヤクザのバイク仲間ができたって言ってたから、たぶんソイツの車。」
「そっそれは・・・スゴイデスネ?」
「しらばっくれんな。おまえも乗ってだだろ。」
そこまで見てたのか―――!〇〇はどう誤魔化そうかと必死に考えた。いやこれは無理案件だ。
「おまえ、何者?」
「・・・え~っと・・・ぉ」
〇〇は、小学1年生の鋭い眼光に負けた。
「ほぉ。クミチョーの娘なんだ。」
「・・・ハイ。」
東京に来てまだ半年も経っていない。こんな短期間に、しかも立て続けて身バレしてしまって、〇〇はこの先やっていけるのかと不安になった。
「あの、この事はどうぞご内密に何卒!!」
「そぉだな~。どうしよっかなぁ~。」
おいおい、うちの組員にもここまで性格悪い人はいないぞ!?〇〇は目の前の小さなギャングにたじたじだった。
「よし、またあのどら焼き持ってきてくれたら黙っててやるよ。」
「・・・ど、どら焼き?」
「うん♡」
あまりにもかわいいお願いに、〇〇は目が点になった。なんとちょろい。所詮は小学1年生。〇〇は地獄から一転、天国へ昇る勢いで歓喜した。
「よ、よし分かった!男に二言はないな!?」
「おう!」
交渉成立。平和協定締結。何とか首の皮一枚つながっている。
「じゃあ次はわたしの番。絵、見せて。」
「・・・チッ、忘れてなかったのかよ。」
こんなんで誤魔化されるか。一転して優位に立った〇〇が、ほら寄越せと言わんばかりに手のひらを差し出した。彼女も相手によっては容赦がない。
「ん。」
「どらどら。」
一瞬見た時にもしや、とは思ったが、やはり見間違いではなかった。と、〇〇は笑みがこぼれた。
「これ、真一郎先輩だ!」
特長的なリーゼントで一目瞭然だった。余白には、彼とエマ二人の名前が書いてあるので合作のようだ。万次郎は、照れているのかぷいっと顔を反対側に向けていて、その表情は定かではない。
「素敵。きっと見たら先輩喜ぶと思う。」
「・・・うちは親が居ねーから、母の日はシンイチローになにかやるってエマと決めてんだ。」
〇〇はハっとした。真一郎から、母親は病死、エマの実母は彼女を置いてどこかへ行ってしまったと聞いていた。もしかしたら、和菓子に貼られていたカーネーションのシールを見て寂しい思いをさせてしまっていたとしたら。
「ごめん。わたし、全く気が回らなかった・・・。」
「別に、オレは気にしてねーし。エマもちゃんと分かってるよ。」
本当に、なんと大人びた弟妹だろう。甘えたい年頃。傍に親が居ないだなんて、心細いことだってあるだろう。〇〇は、今日の失態を反省した。
「シンイチローがいるから、寂しいって思ったことねーし。」
「!」
「知らないこと聞けばいつも教えてくれるし、行きたいところあったら連れてってくれるし、バイクに乗せてくれるし。」
「万次郎・・・」
「アイツが、オレらのとーちゃんかーちゃんみたいなもん。」
真一郎は、弟妹たちにも伝えてきたんだ。おまえは一人じゃないと。〇〇は、その兄弟愛に感動した。感動のあまり号泣してしまいそうになった衝動を抑えたかったが、案の定抑えきれずに思わず、
「マンジロぉ~!」
「ブッ!お、おい〇〇!?」
彼を思いっきり抱きしめていた。
「えーん!ごめーん!」
「なにすんだ!てかなに泣いてんだよ!」
彼は思った。やっぱり〇〇は変わっている。その生い立ちもかなり特殊。だから、今こうして泣きながら抱きついてきたり、初対面の男にホイホイついて来てケロっとしているような言動にも納得できた。不良の真一郎に物怖じせず接しているところも。
万次郎は、初めて女に抱きしめられて少々戸惑っていた。時々、ふざけて真一郎が抱きついてくるときとは違う、柔らかい感触と甘い香り。彼は、悪くはないその居心地に、しょうがないから気が済むまで大人しくしててやるか。と彼女にその身を委ねた。
ーーー卍おまけ卍ーーー
かぽーん
真一郎「ちゃんと100数えろよマンジロー。」
万次郎「シンイチロー。〇〇あんまおっぱいデカくねーけどいいのか?」
真一郎「・・・お前ら昼間なにしてたの!?!?」
万次郎「ナイショ♡」
