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本編(完結)
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7.Quality time
文化祭明けの登校日。
正門をくぐると、大賑わいだったあの日が嘘のように校内はすっかり日常を取り戻していた。
〇〇も、いつもの時間、いつもの道を通り、いつも通り教室に入るため、いつも通り靴を履き替えようと見慣れた下駄箱をガチャっと開けた。
ドサドサドサ~~~
下駄箱の中だけいつもと様子が違った。
(いいいい一瞬、ゴミとかカエルとか入れられてるのかと思った・・・!)
〇〇は、いじめられていた頃のことを思い出し冷や汗をかいていた。
しかし、下駄箱から出てきたのはゴミでもカエルでもなく、10通程の手紙だった。
足元が手紙だらけになった〇〇を、周囲が何事だと視線を向ける。
しばし放心していた〇〇は、その視線にハっとして急いでそれをかき集めると、大急ぎで教室へ向かって走った。
「うっひゃ~。こりゃすごいわ。」
「こ、これ、ど、どうしようこずえちゃん!」
大量の手紙を前に、〇〇はどう扱っていいかわからず、こずえに相談していた。
手紙の内容は、主に仮装喫茶で披露した〇〇のねこコスプレを見た生徒、そして圧倒的な数が、あの軽音楽部のライブを観ていた生徒たちからのファンレターだった。
「どうって、ありがと♡って有難く受け取っておけば?」
「へ、返事とかした方がいい!?どうやって返事をすれば!?」
「いやいーよ。「応援してます」って内容ばっかじゃん。」
「おぉ、そういうもんなのか・・・。」
〇〇は、返事をするならどんだけ時間がかかるんだ。と心配していたが、とりあえず必要はなさそうでほっと胸をなでおろした。
「あ、待って。これは返事してあげたら?」
こずえが差し出した1通の手紙を受け取り中身を確認すると、そこには「好きです。僕と付き合ってください。」という一文が書かれていた。
「な、こ、これは・・・」
「ラブレターだねぇ♪」
噓でしょ。
先日クラスメイトの山縣に告白されて断りを入れたばかりだというのに、あの精神的疲労感は並大抵のものではない。またあの気まずい空気を体験せねばならないのか、と〇〇は気が重くなった。
「・・・ねぇこずえちゃん。なるべく相手を傷つけない断り方って何だろう。」
「え?うーん。私は告白された経験ないしなー。男子がどう思うかとか、他の経験談から予測はできても実際どうなのかはさすがに。」
「そ、そうか・・・」
何て断ったら穏便に済むのかなぁ~~~
机に突っ伏して唸る〇〇を見ていて、ピーン!とこずえは閃いた。
「ちょっと〇〇ちゃーん。適任者がいるじゃなーい♪」
「・・・適任者?」
「突然お呼び立てしてすみません。」
「いや全然。」
〇〇は放課後、真一郎と会う約束を取り付けた。
学校では落ち着いて話ができないかもと思い、先日連れてきてもらった堤防までバイクに乗ってやって来ていた。
「で?話ってなに?」
「あの、先輩って女子に告白断られたとき、なんて言われました?」
「へ?」
「例えば、他に好きな人がいるんですー。とか、私のタイプじゃないですー。とか・・・あ、ヤンキーだから嫌ですー。とか??」
「ちょ、ちょい待って。なに急に。そんなん聞いてどーすんの?」
思いもよらない質問に、何事かと真一郎は戸惑った。しかも、めちゃくちゃぐいぐい迫ってくる〇〇に、心臓が慌ただしい。
「やっぱ断られると泣いちゃいますよね。先輩号泣してましたもんね・・・」
「え。あーまぁ。ショックでしょ。フツーは。」
「ですよね~~~~~。」
膝を抱えて唸る〇〇を見て、真一郎は察した。
これは、また告られたな。と。
「おい、〇〇。誰だ。」
「え?」
「言え。」
「な、なにを?」
「誰に告られたか言えっつってんだよ。」
「せっ先輩恐い!近い!!」
〇〇は、真一郎から至近距離で初めて眼を飛ばされて思わず怯んだ。
「で、そのラブレターの主を傷つけないように断る方法を知りたいと。」
「仰る通りです。」
〇〇は堤防の上に正座をして、胡坐をかいて腕を組む真一郎に向き合っていた。
真一郎の鬼気迫る圧力に、観念して洗いざらい話したところだ。
人一倍、いや五倍?女の子にフラれた経験をもつ真一郎なら、どんな断られ方なら傷つかないか的確なアドバイスをくれるのでは。とこずえに言われ期待して聞いてみたのだが。
「無ぇわ。そんなもん。」
「なんと!?」
無かった。
「傷つけない方法は、オッケーの返事のみ。あ、でもおまえはぜってー断れよ。」
と期待に沿わない回答しか返ってこなかった〇〇は肩を落とした。
恋愛知識が乏しい〇〇は、世の男女が断られる可能性を覚悟のうえで大博打を打つその行為を日常的に行っている、という事実に驚愕した。この短期間に自身が2度も経験したのだから、他所ではもっと盛んに行われているに違いない。しかも、傷つけず断る方法が存在しないとは。
「先輩、なんで19回も断られててそんなにお元気なんですか!?」
「喧嘩売ってる?」
「先輩!総長!総長の顔になってますっっ」
・・・かわいい。
先程から真一郎は、喧嘩相手に見せる顔に怯える〇〇の姿を見て楽しんでいた。好きな子にはなんとやら。
「はは、別に傷つけないようにとか考えなくていいよ。どうせ大なり小なり傷つくんだから。」
「ぐっ。」
「その子が俺の言葉を受け止めて、真剣にその子の言葉で返事返してくれたんなら、俺はそれで納得するけど。」
「・・・」
根拠はない。でも、真一郎が言うんだからそうなんだろう。と素直に〇〇は思った。真一郎の視線が真剣なものだったというのもあるだろうし、彼が〇〇に対して見せかけやごまかしの言葉を放ったことは一度もないというのも一つ。
こうして彼と過ごす時間が増える度、黒龍のメンバーが彼の元に集まり慕っている気持ちが、とてもよく分かった。
「先輩、ありがとうございます。やっぱ経験者の言葉は違うや。」
「はは、こんなんで褒められても嬉しくねぇ。」
「ふふっ。なんか、こうやって恋バナするのってすごい友達って感じする。」
友達。先日まで、その関係すら断ってしまった方がいいなんて思っていたのに。この場所で〇〇から「そんな寂しいことを言うな」と泣きながら言われたことを真一郎は思い出していた。
もちろん彼女は、「友達」として離れたくないと思っていることは分かっている。もしも、あの後ちゃんと告白が出来ていたとしたら、彼女は今のように思い悩んでいたのだろうか―――
真一郎が秘めた想いを改めて告げる日は、まだ先のようである。
「そういえば、さ。文化祭の日、同じクラスのヤツに告白されたときは何て断ったんだよ。」
「え・・・あー、えーと・・・」
視線を外し、妙に言い渋る〇〇を見て、そんな言いづらい断り方したの?なんかめちゃくちゃ怖いんだけど!?と真一郎はまるで自分のことのように怯えた。
「大切な人といる時間・・・今は大事にしたいから・・・て。//」
「・・・」
〇〇はあの時、「真一郎との時間が減ると思ったから断った」と言った。だからきっと、大切な人というのは―――
「ねぇ、それって」
「だ、だって、咄嗟にそれしか思いつかなくてっ。嘘は言えないし。だか」
ら――と言い終わる前に真一郎が〇〇の肩を抱き寄せた。
目を丸くした〇〇が、突然のことに固まっていると真一郎が口を開いた。
「俺も、おまえのこと大切。」
「先輩・・・。」
「だから、些細なことでも悩んだり、辛いことあったら絶対俺に言え。」
助けてやるから。
〇〇の頭の中で、あの日の記憶が蘇った。
夢を諦めるなと言った彼が、変わらず目の前にいる。
「はいっ」
それだけで、〇〇は強くいられる。かけがえのない時間が、彼女の力になっていく。
二人の頭上に広がる空は、〇〇の心を映したように雲一つない秋晴れだった。
ーーー卍おまけ卍ーーー
〇〇「先輩は、今まで好きになった子のどんなところがいいなって思ったんですか?」
真一郎「ええ?あー。かわいいなーって思ったら?」
〇〇「それって、顔がってこと?」
真一郎「まぁ、顔もだけど・・・」
〇〇「・・・おっぱいおっきいなとか?」
真一郎「おっ!?おおぉおっそそそそんn」
〇〇「図星だ。」
真一郎「いや肯定してないだろ!?」
〇〇「もうそれ肯定ですって。」
文化祭明けの登校日。
正門をくぐると、大賑わいだったあの日が嘘のように校内はすっかり日常を取り戻していた。
〇〇も、いつもの時間、いつもの道を通り、いつも通り教室に入るため、いつも通り靴を履き替えようと見慣れた下駄箱をガチャっと開けた。
ドサドサドサ~~~
下駄箱の中だけいつもと様子が違った。
(いいいい一瞬、ゴミとかカエルとか入れられてるのかと思った・・・!)
〇〇は、いじめられていた頃のことを思い出し冷や汗をかいていた。
しかし、下駄箱から出てきたのはゴミでもカエルでもなく、10通程の手紙だった。
足元が手紙だらけになった〇〇を、周囲が何事だと視線を向ける。
しばし放心していた〇〇は、その視線にハっとして急いでそれをかき集めると、大急ぎで教室へ向かって走った。
「うっひゃ~。こりゃすごいわ。」
「こ、これ、ど、どうしようこずえちゃん!」
大量の手紙を前に、〇〇はどう扱っていいかわからず、こずえに相談していた。
手紙の内容は、主に仮装喫茶で披露した〇〇のねこコスプレを見た生徒、そして圧倒的な数が、あの軽音楽部のライブを観ていた生徒たちからのファンレターだった。
「どうって、ありがと♡って有難く受け取っておけば?」
「へ、返事とかした方がいい!?どうやって返事をすれば!?」
「いやいーよ。「応援してます」って内容ばっかじゃん。」
「おぉ、そういうもんなのか・・・。」
〇〇は、返事をするならどんだけ時間がかかるんだ。と心配していたが、とりあえず必要はなさそうでほっと胸をなでおろした。
「あ、待って。これは返事してあげたら?」
こずえが差し出した1通の手紙を受け取り中身を確認すると、そこには「好きです。僕と付き合ってください。」という一文が書かれていた。
「な、こ、これは・・・」
「ラブレターだねぇ♪」
噓でしょ。
先日クラスメイトの山縣に告白されて断りを入れたばかりだというのに、あの精神的疲労感は並大抵のものではない。またあの気まずい空気を体験せねばならないのか、と〇〇は気が重くなった。
「・・・ねぇこずえちゃん。なるべく相手を傷つけない断り方って何だろう。」
「え?うーん。私は告白された経験ないしなー。男子がどう思うかとか、他の経験談から予測はできても実際どうなのかはさすがに。」
「そ、そうか・・・」
何て断ったら穏便に済むのかなぁ~~~
机に突っ伏して唸る〇〇を見ていて、ピーン!とこずえは閃いた。
「ちょっと〇〇ちゃーん。適任者がいるじゃなーい♪」
「・・・適任者?」
「突然お呼び立てしてすみません。」
「いや全然。」
〇〇は放課後、真一郎と会う約束を取り付けた。
学校では落ち着いて話ができないかもと思い、先日連れてきてもらった堤防までバイクに乗ってやって来ていた。
「で?話ってなに?」
「あの、先輩って女子に告白断られたとき、なんて言われました?」
「へ?」
「例えば、他に好きな人がいるんですー。とか、私のタイプじゃないですー。とか・・・あ、ヤンキーだから嫌ですー。とか??」
「ちょ、ちょい待って。なに急に。そんなん聞いてどーすんの?」
思いもよらない質問に、何事かと真一郎は戸惑った。しかも、めちゃくちゃぐいぐい迫ってくる〇〇に、心臓が慌ただしい。
「やっぱ断られると泣いちゃいますよね。先輩号泣してましたもんね・・・」
「え。あーまぁ。ショックでしょ。フツーは。」
「ですよね~~~~~。」
膝を抱えて唸る〇〇を見て、真一郎は察した。
これは、また告られたな。と。
「おい、〇〇。誰だ。」
「え?」
「言え。」
「な、なにを?」
「誰に告られたか言えっつってんだよ。」
「せっ先輩恐い!近い!!」
〇〇は、真一郎から至近距離で初めて眼を飛ばされて思わず怯んだ。
「で、そのラブレターの主を傷つけないように断る方法を知りたいと。」
「仰る通りです。」
〇〇は堤防の上に正座をして、胡坐をかいて腕を組む真一郎に向き合っていた。
真一郎の鬼気迫る圧力に、観念して洗いざらい話したところだ。
人一倍、いや五倍?女の子にフラれた経験をもつ真一郎なら、どんな断られ方なら傷つかないか的確なアドバイスをくれるのでは。とこずえに言われ期待して聞いてみたのだが。
「無ぇわ。そんなもん。」
「なんと!?」
無かった。
「傷つけない方法は、オッケーの返事のみ。あ、でもおまえはぜってー断れよ。」
と期待に沿わない回答しか返ってこなかった〇〇は肩を落とした。
恋愛知識が乏しい〇〇は、世の男女が断られる可能性を覚悟のうえで大博打を打つその行為を日常的に行っている、という事実に驚愕した。この短期間に自身が2度も経験したのだから、他所ではもっと盛んに行われているに違いない。しかも、傷つけず断る方法が存在しないとは。
「先輩、なんで19回も断られててそんなにお元気なんですか!?」
「喧嘩売ってる?」
「先輩!総長!総長の顔になってますっっ」
・・・かわいい。
先程から真一郎は、喧嘩相手に見せる顔に怯える〇〇の姿を見て楽しんでいた。好きな子にはなんとやら。
「はは、別に傷つけないようにとか考えなくていいよ。どうせ大なり小なり傷つくんだから。」
「ぐっ。」
「その子が俺の言葉を受け止めて、真剣にその子の言葉で返事返してくれたんなら、俺はそれで納得するけど。」
「・・・」
根拠はない。でも、真一郎が言うんだからそうなんだろう。と素直に〇〇は思った。真一郎の視線が真剣なものだったというのもあるだろうし、彼が〇〇に対して見せかけやごまかしの言葉を放ったことは一度もないというのも一つ。
こうして彼と過ごす時間が増える度、黒龍のメンバーが彼の元に集まり慕っている気持ちが、とてもよく分かった。
「先輩、ありがとうございます。やっぱ経験者の言葉は違うや。」
「はは、こんなんで褒められても嬉しくねぇ。」
「ふふっ。なんか、こうやって恋バナするのってすごい友達って感じする。」
友達。先日まで、その関係すら断ってしまった方がいいなんて思っていたのに。この場所で〇〇から「そんな寂しいことを言うな」と泣きながら言われたことを真一郎は思い出していた。
もちろん彼女は、「友達」として離れたくないと思っていることは分かっている。もしも、あの後ちゃんと告白が出来ていたとしたら、彼女は今のように思い悩んでいたのだろうか―――
真一郎が秘めた想いを改めて告げる日は、まだ先のようである。
「そういえば、さ。文化祭の日、同じクラスのヤツに告白されたときは何て断ったんだよ。」
「え・・・あー、えーと・・・」
視線を外し、妙に言い渋る〇〇を見て、そんな言いづらい断り方したの?なんかめちゃくちゃ怖いんだけど!?と真一郎はまるで自分のことのように怯えた。
「大切な人といる時間・・・今は大事にしたいから・・・て。//」
「・・・」
〇〇はあの時、「真一郎との時間が減ると思ったから断った」と言った。だからきっと、大切な人というのは―――
「ねぇ、それって」
「だ、だって、咄嗟にそれしか思いつかなくてっ。嘘は言えないし。だか」
ら――と言い終わる前に真一郎が〇〇の肩を抱き寄せた。
目を丸くした〇〇が、突然のことに固まっていると真一郎が口を開いた。
「俺も、おまえのこと大切。」
「先輩・・・。」
「だから、些細なことでも悩んだり、辛いことあったら絶対俺に言え。」
助けてやるから。
〇〇の頭の中で、あの日の記憶が蘇った。
夢を諦めるなと言った彼が、変わらず目の前にいる。
「はいっ」
それだけで、〇〇は強くいられる。かけがえのない時間が、彼女の力になっていく。
二人の頭上に広がる空は、〇〇の心を映したように雲一つない秋晴れだった。
ーーー卍おまけ卍ーーー
〇〇「先輩は、今まで好きになった子のどんなところがいいなって思ったんですか?」
真一郎「ええ?あー。かわいいなーって思ったら?」
〇〇「それって、顔がってこと?」
真一郎「まぁ、顔もだけど・・・」
〇〇「・・・おっぱいおっきいなとか?」
真一郎「おっ!?おおぉおっそそそそんn」
〇〇「図星だ。」
真一郎「いや肯定してないだろ!?」
〇〇「もうそれ肯定ですって。」
