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番外編
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「『ゲーセン』って楽しいところ?」
透が神保に来てから1年ほど経ったある日、〇〇と透は二人で外出をしていた。〇〇がゲーセンへ行ったことが無いと聞いた透が、じゃあ連れてってやろうと〇〇を外へ連れ出した。
「おもしれーよ。F1レースできたり、かわいいぬいぐるみもいっぱいあるぞ。」
「くまのぬいぐるみ欲しいっ。」
「よし、取ってやろ。」
二人が楽しそうに話しながらゲーセンへ向けて歩いていると、前方に挙動の不自然な男が二人、辺りを見回している姿を捉えた。透は、そのナリから同業者だと瞬時に判断すると、〇〇に声をかけた。
「〇〇、ちょっと寄り道するぞ。」
「え?」
男二人から距離を取るため来た道を引き返そうとした透だったが、その瞬間男たちと目が合った。妙にこちらの動きを気にしている。一人なら対峙しても問題なかったろうが、今は勝手が違う。〇〇の身を優先した彼は、彼女を脇に抱えて走った。
「アイツだ!追え!」
追われるようなことをした覚えはない。だが、敵はこちらへ向かって追いかけてきていた。ひとまず逃げ込もうと、身を隠せるところを探しながら透は全力で走った。
「はぁっ。〇〇、取りあえずここにいて。」
あまり人通りのない裏道へ入り、〇〇ひとり身を隠せる場所を見つけると、透は彼女に待つよう言った。
「透くん。うちに帰ろう?」
透もできることならそうしたかったが、〇〇を抱えて逃げ切る自信がなかった。ここは、ヤツらの言い分を聞いて応援を呼ぶ方が賢明だと判断した。どこの組の人間かも分からない。下手をすれば兄貴たちに迷惑をかけることになるかも、と彼は考えた。
「大丈夫。ちょっとアイツらと話し合いするだけだから。すぐ戻るよ。」
「うん・・・。」
心配そうに見つめる〇〇の頭に手を置いて、透は立ち上がった。
駆けてくる足音が聞こえ、その方向へ透が振り向いた瞬間、
パァン!―――・・・
銃声の音と共に、彼は膝から崩れ落ちた。
「お、おい。コイツ・・・っ」
「!?いい、サツが来る。ずらかるぞ。」
そう言葉を交わした男二人は、足早にその場を立ち去った。
「・・・透くん?」
〇〇は、とうとう倒れこんだ透を見て彼の傍へ駆け寄った。
足元を見ると、真っ赤な血だまりが止めどなく広がっていて、〇〇が透の名前を呼んで肩を揺すっても、彼が返事を返すことはなかった。
「透くん。もうあの人たちいなくなったから、帰ろ・・・?」
〇〇は分かっていた。彼は今、あの男たちに撃たれたんだと。でも、信じたくなくて、きっと大丈夫だと自分に言い聞かせながら、彼に声をかけ続けた。
「うちに帰って、柴田に早く・・・手当て・・っしてもら・・・っ」
〇〇は、銃声を聞きつけその様子を見ていた野次馬の姿に気づいた。ここは、近くにいる大人に助けを求める方が早い。そう思った彼女は、今にも泣き叫びたい気持ちを押し殺し、周りを見渡して叫んだ。
「誰か・・・!透くんがっ怪我、しててっ!助けてください!!」
しかし、幼い彼女の叫びに手を貸す者は一人もいなかった。
「お願い・・・」
無慈悲にも、皆ヤクザの抗争だと怯え、二人の姿を遠巻きに見ているだけだった。力なく項垂れる〇〇の目から溢れる涙が、透の上に一つ二つと落ちていく―――
「っ誰か、助けて・・・透くんが、死んじゃう―――」
―
――
―――
以前、〇〇と真一郎が夜景を見に来た防波堤前に車を停めた。
二人が車から降りると、柴田が話の続きを始めた。
「透は、人違いで撃たれた。」
「え!?」
「ヤツらが追っていた別の男と間違われた。お嬢を連れていたもんだから、とっさに逃げたのがヤツらの勘違いを生んだみたいでな。」
「それ、〇〇は・・・」
「知っとる。」
そんな惨いことあっていいのか。自分を救ってくれた最愛の兄を目の前で、勘違いで殺されるなんて。彼女なら、絶対に自分を責める。その心情を思い、真一郎はこぶしを強く握った。
「でも、お嬢は立ち直った。俺らがビビるくらいに。夢ができたって言うて。」
「!・・・医者。」
目の前で救えなかった大事な命を、今度こそは救いたい―――
「お前は透に似とる。真一郎。」
「え?」
「笑った顔が特に。」
もしかしたら、彼女もそう思っているんだろうか。死んだ兄に重ねて自分を見ているのかもしれないと思ったら、真一郎は正直複雑だった。
「お嬢が、お前の目の前で大泣きしとったの見て、コイツの前では泣けるんかって驚いた。」
「・・・」
「だから、お前に頼みたい。俺が傍にいられん間、あの子のこと守ってやってほしい。」
「柴田さん・・・」
柴田は、折った両膝に手をついて真一郎に頭を下げた。幼いころから傍にいて、彼女のことを父親のように思ってきた男のその姿に、真一郎は心が震えた。
「柴田さん、聞いてたでしょ?俺、もう〇〇と約束したんだよ。」
その言葉に、柴田が顔を上げてまっすぐ真一郎に視線を合わせた。
「『おまえのこと、守ってやるから』って。」
柴田は、初めて真一郎を見た時のことを思い出していた。ボロボロになっても喧嘩相手に果敢に立ち向かう姿を、亡き弟に重ねて見ていた。不敵に笑う諦めの悪そうなその顔が、彼にそっくりだった。
これ以上、あの子には大切なものを失ってほしくない――柴田は、彼女の今後のゆく道が穏やかであるようにと、任せろと言わんばかりの笑顔を向ける目の前の男に、その未来を託した。
ーーー卍おまけ卍ーーー
柴田「お嬢のこと頼むっつったけど、調子こいてるとぶっコ●すからな。」
真一郎「ええ!?柴田さん公認になったんじゃないの!?」
柴田「ァア゙?んなわけあるかアホ。」
