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本編(完結)
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ようやっと文化祭の片づけが終わり、すっかり辺りが暗くなった時間、〇〇は真一郎と合流した。
彼から話がある、と言われバイクに乗り込んだ〇〇は、いつもと何か違う空気に戸惑っていた。見慣れたはずの彼の背中が、少し寂しげだったからだ。
昼間は変わった様子は見受けられなかったはずなのに、と言いようのない不安を感じて、〇〇はそっと、頬でその広い背中に触れた。
着いたのは、海沿いの工業施設が広がる堤防だった。
無機質な建物の灯す幾つもの明かりが、不思議と幻想的に見えて、そこはまるで別世界のようだった。
「きれい・・・」
「ここ、よく万次郎と来るんだ。」
きっと、二人にとって特別な場所なのかもしれない、と普段見ることの無い兄弟の日常に少し触れることができたようで、〇〇は心做しか嬉しくなった。
暫し二人は、沈黙の中異世界を眺めていた。無言なんて気にならないほどの穏やかな時を破ったのは、重みを乗せた声色の真一郎だった。
「〇〇、この間特進の先生に俺と関わるなって言われたんだろ。」
「・・・え。」
「こずえちゃんが聞いてたらしくて、この間教えてくれた。」
全く予想だにしなかった真一郎の言葉に、〇〇は目を剥いた。まるで警鐘のように〇〇の心臓が五月蝿く鳴りだす。
「〇〇のこと、すげぇ心配してくれてたんだよ。
教師からもそこまで言われて、おまえがこの先傷つくかもしれないから、生半可な気持ちなら〇〇と距離を取れ、って。」
〇〇は、真っ白になりそうな頭で真一郎の言葉に耳を傾けていた。しかし、本音はこれ以上、彼の口から何も聞きたくなかった。続く言葉は、きっと自分の望んでいるものでは無い、と分かるから。
「もし、〇〇が医者になるために、俺のこと邪魔になったら言」
「邪魔になんかならない!」
突然、〇〇が言葉を遮ってきたことで先を続けられなくなった真一郎は、僅かに見開いた瞳で彼女の様子を静かに窺っていた。
「なんでそんなこと言うんですか。関係ないじゃないですか。医者を目指すことと真一郎先輩と一緒にいることは、関係ないじゃないですか。」
「〇〇・・・」
「あれは、わたしが先生に上手く伝えられなかったのが悪いんです。だから――っ」
〇〇の目から溢れた涙が、コンクリートの上に染みをつくっていく。彼女は、人間の表面しか見ていないような教師なんて、言わせておけばいい、という程度にしか思っていなかった。それで希望進路から外されたとしても構わなかった。他にいくらでもやり方はあるのだから。
でも、この話を聞いて彼はなんと思うだろう。きっと、自分のせいで迷惑をかけるくらいならと離れていく。そっちの方が〇〇は悲しくて耐えられそうになかった。
それほど、〇〇にとって真一郎の存在は、何ものにも代え難いほど大きくなっていた。
「先輩が、教えてくれたのに・・・っヤクザの娘でも、医者になれるって・・・友達もできるって・・・関係ないっ・・・だから」
そんな寂しいこと言わないで―――
本当は、ずっと気にかけていた。出だしこそトラブルに見舞われたが、高校生活を順調にスタートさせた〇〇に、必ずしも自分は必要かと言われるとそうとは言いきれない。教師からの言葉に、もしかしたら彼女も自分との付き合いを思い直しているかもしれない。それなら―――
真一郎は、自分はなんて狡い男だ、と思っていた。自分の気持ちを伝える前に、彼女がどう思っているのか知りたいなんて。
「〇〇、ごめん。」
言葉に詰まって続けられなくなった彼女を見ていられなくて、真一郎は近づいてそっと抱きしめた。
彼女の涙と引き換えに得たものは、不謹慎にも彼の心をこれ以上ないほど満たしていた。
「さっき、クラスの男の子に好きだって言われたんです。」
言いたいことを言って落ち着いた様子の〇〇が、一息ついて口を開いた。
・・・ええっ?それ今ここで言っちゃうの!?と、真一郎の心境は複雑だった。聞きたいような聞きたくないような。早々に思わぬしっぺ返しを食らっていた。
「わたし、そういうのよく分からなくて・・・恋バナとか友達いなくてしてこなかったし。だから断ったんですけど。」
「・・・え?断ったの??」
「だって、その人のこと別になんとも思ってないのに、取りあえずでなんて付き合えないじゃないですか。」
真一郎は、〇〇らしい返答に苦笑した。その学年一のイケメン野郎には悪いが、今彼女は自分の腕の中にいるんだと思うと、この上ない優越感でいっぱいだった。
「それに・・・真一郎先輩との時間、減っちゃうと思ったから・・・」
おまえ・・・それはねーだろ。そう心の中でボヤいた真一郎は、もう言ってしまおうと思った。彼女が綺麗だといったこのロケーションと、自分と離れたくないという願ってもいない気持ちを聞いて、彼は少々昂っていた。
きっと〇〇は、あの時のように暴走族総長の女なんでゴメンだ、と言うのだろうが、それでも万が一気が変わってくれたら・・・そう、淡い期待を捨て切れなかった。
「〇〇」
真一郎は、〇〇から体を離して向き直った。
不思議そうな顔で見つめている彼女の瞳には、自分しか映っていない・・・そんなことを考えられる余裕があるほどに、不思議と緊張はしなかった。
「俺、おまえのこと・・・好」
PiPiPiPiPi!
二人して肩が跳ねた。
突然、〇〇の
「ああ!ゴメンなさいっ音消すの忘れててっ・・・あ、柴田だ。」
ディスプレイに映る発信者の名前を見るなり、何だか嫌な予感がして〇〇は素早く通話ボタンを押した。
『お嬢!!今どこですか!?!?』
何度も電話したんですよ!!
〇〇は、突然の爆音に思わず耳からPHSを外した。柴田の声は、しっかりと真一郎にまで届いた。
どうやら、バイクに乗っていた時あたりから鳴らしていたらしい。
「ごめん!たぶん真一郎先輩のバイクに乗ってて気づかなかった。」
『・・・ア゙?』
あ、ヤベ。
真一郎は焦った。
「うん・・・うん」
〇〇が、数回頷きながら柴田の話を聞いていたかと思うと、おもむろにPHSを真一郎に差し出した。
「柴田が代われって・・・」
「え゙。」
今までも、柴田には事あるごとに脅されてきた。こんな遅い時間に彼女を連れ回していると知られてしまったのだ。いよいよ自分は、ヤクザにコンクリで生き埋めにされ海底に沈められるかもしれない。と、どこかで聞いたことのあるヤクザあるあるが真一郎の頭を過った。
「・・・ハイ。」
『真一郎、次の休みちょっとツラ貸せ。』
第一声は「ぶっコ●す」だと思っていた真一郎は意表を突かれた。だが、言ってることは一緒である。呼び出されるということは、つまりそういうことだ。
「柴田さん。俺、まだ死にたくない。」
『は?何言っとんやお前。』
話があるからツラ貸せ言うとんじゃ。と、思いの外穏やかな声の柴田に少し安堵した。しかし、改まってなんの話があるというのか。
疑問に思いながらも、真一郎はひとまず了承して電話を切った。
「柴田、なんて?」
「ん?またバイク走らせに行こうってさ。」
ツラ貸せと言われた。なんて言うと、もしかしたら心配させるかもしれない。なんだかんだ、柴田のことだから本気で殺しにかかることはないと思いたいが・・・と、真一郎が軽く濁し答えると、なんだそんなことか。と〇〇はほっとした顔を見せた。
「あ、先輩。さっき言いかけたのなんだったんですか?」
真一郎は、結果的に柴田に邪魔されて最後まで言えなかった想いは、一旦仕舞っておくことにした。
今じゃないということかもしれない―――
「なんでもない。」
今日は遅いからまた今度話すよ。
そう言って彼は、見慣れた夜景を横目に彼女を愛機へと
ーーー卍おまけ卍ーーー
こずえ「佐野先輩っ♪」
真一郎「ん?」
こずえ「こねこちゃんの写真♡」
真一郎「ぬぉをっっ!?」
こずえ「焼き増ししたから差し上げます☆」
真一郎「(・・・バブに貼ろっかな。)」
