ビクトリーラーメンマンシリーズ第11弾 火山星

 俺は、人呼んで「ビクトリーラーメンマン」。とは言っても別に格闘家ではない。俺は汎銀河コングロマリット「ビクトリー・ラーメン社」の食材調査担当の単なるサラリーマンだ。ビクトリー・ラーメン社は「食」と名のつくものならなんでも扱っている。食品はもちろん、食虫植物図鑑とか、食玩なんかも扱っている。そして、人々は我々社員をビクトリーラーメンマンと呼ぶのだ。

 会社支給の調査船は、操縦席、寝室と簡易シャワー室があり、寝室には運動不足にならないよう最低限のトレーニング機器も備え付けてある。俺にとっては豪華すぎると言えるだろう。しかし、調査船が大気圏中も移動でき、ホテル代わりにもなることを考えれば、会社としては案外安上がりなのかもしれない。俺はこの調査船で2週間宙航して、火山星に到着していた。

 宇宙港には3階建てのビルがあり、入国管理局とレストランやお土産物屋が入っており、温泉目当ての観光客らしき人々で結構にぎわっていた。俺は、迷わず観光案内所を目指した。経験上、観光案内所で珍しいものがないか聞くのが、王道で、間違いないと確信していた。

「名物ですかー、そうですね。ここのレストランだと温泉豆腐と温泉卵ですかね。この星のソウルフードになっていて、観光協会も推しているんですよ。」
 さらに聞くと、この星では食料や家畜の飼料として大豆を大量に輸入しているらしく、その大豆で作った豆腐と弱アルカリ性の温泉水で作る湯豆腐がおいしいらしい。また、温泉卵は言うまでもなく、火山地帯の定番である。

 俺は早速レストランに向かい、温泉豆腐と温泉卵を注文した。
「うーん・・・・」
 俺は出された料理を食べて、うなってしまった。これといった特徴がない。もちろん、おいしいのはおいしいが、火山星特有の目新しさといったものは全くなかった。

 俺は早々に食事を切り上げ、宇宙港のある街を歩き回った。しかし、珍しい食材も料理もなく、温泉豆腐と温泉卵も含め、どの星でも見かけるようなものばかりだった。俺は、調査船に戻ると、暑さと湿気でどろどろになった体にシャワーを浴び、地方の調査計画を練っていった。
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