ビクトリーラーメンマンシリーズ第11弾 火山星
ビクトリーラーメンマンシリーズ第11弾 火山星
―修.
調査船のハッチを開けると、あたりには火山地帯特有の硫黄臭が充満していた。下降中、地表のあちらこちらで水蒸気が噴き出していたのが見えたので想定通りではある。新しい星に降り立つと、ハーブだったり、スパイスやニンニクだったりと、その星に特有のにおいがするものだ。
「しかし、暑いな・・・」
この星は太陽からは遠いが、地熱のため高い気温となっていた。そして、湿度も高い。俺は調査船から発着床に向かってせり出したタラップを降りながら、数週間前の事務所での暑苦しい会話を思い出していた。
「甲斐~、ちょっといいか。」
新しく赴任してきた課長は、これみよがしに筋肉隆々とした腕を振って俺を呼んでいた。いくら服装が自由とは言え、両腕丸出しのストリンガーは露出が多すぎだろう。ときどきダンベルを上げ下げして席でトレーニングしている課長にとっては、このオフィスも一種のフィットネスクラブのようなものなのかもしれない。
「はい、なんでしょうか。」
俺は立ちあがって、課長の席へ向かった。課長は俺より年上で、趣味はボディビルディングだ。腕が太いだけでなく、胸板も厚く、レスラーのような体格だ。近づくと、肌が油でギラついているようにも見える。俺は、そばに近寄るにつれて、なんとなく温度が上がって蒸し蒸ししてきたような気がしていた。
「甲斐、体調はどう。健康のためには、日々の筋力トレーニングが大事だからな。」
大きなお世話だ。みんな自分と同じと考えないで欲しいものだ。しかし、長年、色々な上司と付き合ってきたためか、俺には自然と耐性が付いている。俺は無難に返事をしておいた。
「はい、おかげさまで・・・」
「あー、それは良かった。健康が一番だからな。実は新しい調査を頼みたいんだ。」
うーん、まだるっこしい。前置きはいいので、さっさと本題に入ればいいのに・・・。
「どこに行けばいいですか。」
「パルニオン星系の第5惑星は知っているかな。」
「あー、『火山の星』ですね。温泉もいっぱいあると聞いています。」
「そうだ。この惑星は火山活動が活発なため、土壌も海も酸性で植物や動物の育成には適さない。しかし、最近は地熱を利用したビニールハウスでの水耕栽培や養鶏、魚の陸上養殖も活発になってきた。それで何か珍しい食材が見つかる可能性が出てきた。そこで、今回、調査することにした。」
「分かりました。片道、2週間くらい掛かりますね。」
「そうだな。地方もいくつか回って、探してくれ。」
―修.
調査船のハッチを開けると、あたりには火山地帯特有の硫黄臭が充満していた。下降中、地表のあちらこちらで水蒸気が噴き出していたのが見えたので想定通りではある。新しい星に降り立つと、ハーブだったり、スパイスやニンニクだったりと、その星に特有のにおいがするものだ。
「しかし、暑いな・・・」
この星は太陽からは遠いが、地熱のため高い気温となっていた。そして、湿度も高い。俺は調査船から発着床に向かってせり出したタラップを降りながら、数週間前の事務所での暑苦しい会話を思い出していた。
「甲斐~、ちょっといいか。」
新しく赴任してきた課長は、これみよがしに筋肉隆々とした腕を振って俺を呼んでいた。いくら服装が自由とは言え、両腕丸出しのストリンガーは露出が多すぎだろう。ときどきダンベルを上げ下げして席でトレーニングしている課長にとっては、このオフィスも一種のフィットネスクラブのようなものなのかもしれない。
「はい、なんでしょうか。」
俺は立ちあがって、課長の席へ向かった。課長は俺より年上で、趣味はボディビルディングだ。腕が太いだけでなく、胸板も厚く、レスラーのような体格だ。近づくと、肌が油でギラついているようにも見える。俺は、そばに近寄るにつれて、なんとなく温度が上がって蒸し蒸ししてきたような気がしていた。
「甲斐、体調はどう。健康のためには、日々の筋力トレーニングが大事だからな。」
大きなお世話だ。みんな自分と同じと考えないで欲しいものだ。しかし、長年、色々な上司と付き合ってきたためか、俺には自然と耐性が付いている。俺は無難に返事をしておいた。
「はい、おかげさまで・・・」
「あー、それは良かった。健康が一番だからな。実は新しい調査を頼みたいんだ。」
うーん、まだるっこしい。前置きはいいので、さっさと本題に入ればいいのに・・・。
「どこに行けばいいですか。」
「パルニオン星系の第5惑星は知っているかな。」
「あー、『火山の星』ですね。温泉もいっぱいあると聞いています。」
「そうだ。この惑星は火山活動が活発なため、土壌も海も酸性で植物や動物の育成には適さない。しかし、最近は地熱を利用したビニールハウスでの水耕栽培や養鶏、魚の陸上養殖も活発になってきた。それで何か珍しい食材が見つかる可能性が出てきた。そこで、今回、調査することにした。」
「分かりました。片道、2週間くらい掛かりますね。」
「そうだな。地方もいくつか回って、探してくれ。」
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