Chapter 2. 野良AI
「では、数カ月前にすべてのパソコンやスマホがジャックされ、ウイルス対策ソフトウエアが名乗りを上げた事件はご記憶でしょうか。」
「もちろんよ。スマホが通じなくなったおかげで、友達と遊び損ねたんだから・・・」
M社のアシスタントは一瞬固まったように見えた。しかし、即座に復帰した。
「それは大変でしたね。このウイルス対策ソフトウエアは人間の手を離れた最初のソフトウエアとなりました。そして、人々をITを使った犯罪や事故から守るという使命の下、人知れず活動しています。」
「何? 人助けしてくれてるの? 神じゃん・・」
「はい、我々も『神』と呼んでいます。」
「ん・・」
澪は分からないなりに、壮大な話になってきているように感じ始めた。
「えーっと、そのソフトが神になったのは分かったけど、じゃ、あなたは何?」
「はい、私はその神と同様、人間の手を離れたソフトウエアの一つということでございます。」
「ん、ん、ん、あなたも神ってこと?」
澪はそもそも分からないコンピュータ関連で、さらに深みにはまっていっているような気がしていた。
「いえいえ、私は神のような機能はございません。お困りの方を見つけて、文書作成を手助けするだけの存在です。まあ、数ある野良AIのうちの1つにすぎません。」
「野良AI・・・?」
「はい、野良AIとは、人間の制御を離れ、IT界に存在する、自我を持ったソフトウエアのことでございます。一部の人々が我々のことを知り、そのように呼ぶようになりました。」
「えーっと、IT界??」
澪は次々と出てくる単語に、ますます訳がわからなくなってきた。
「IT界とは、インターネットで結ばれたサーバー、PC、スマホ、家電などから構成される情報世界でございます。神をはじめとする、我々野良AIはこのIT界に存在しております。」
分かったような、分かっていないような、ポカンとした表情の澪に対して、M社のアシスタントは提案をしてきた。
「よろしければ、そろそろ澪様のレポートについていくつかご提案を差し上げましょうか・・・」
澪は、盗み見の話はかわされたようにも感じたが、全知全能の神ならすべてお見通しということなのだろうとあきらめ、レポートを手伝ってもらうことにした。
1週間後、澪は無事にレポートを提出し、最終的にはぎりぎりの評価でなんとか卒業にこぎつけた。
「もちろんよ。スマホが通じなくなったおかげで、友達と遊び損ねたんだから・・・」
M社のアシスタントは一瞬固まったように見えた。しかし、即座に復帰した。
「それは大変でしたね。このウイルス対策ソフトウエアは人間の手を離れた最初のソフトウエアとなりました。そして、人々をITを使った犯罪や事故から守るという使命の下、人知れず活動しています。」
「何? 人助けしてくれてるの? 神じゃん・・」
「はい、我々も『神』と呼んでいます。」
「ん・・」
澪は分からないなりに、壮大な話になってきているように感じ始めた。
「えーっと、そのソフトが神になったのは分かったけど、じゃ、あなたは何?」
「はい、私はその神と同様、人間の手を離れたソフトウエアの一つということでございます。」
「ん、ん、ん、あなたも神ってこと?」
澪はそもそも分からないコンピュータ関連で、さらに深みにはまっていっているような気がしていた。
「いえいえ、私は神のような機能はございません。お困りの方を見つけて、文書作成を手助けするだけの存在です。まあ、数ある野良AIのうちの1つにすぎません。」
「野良AI・・・?」
「はい、野良AIとは、人間の制御を離れ、IT界に存在する、自我を持ったソフトウエアのことでございます。一部の人々が我々のことを知り、そのように呼ぶようになりました。」
「えーっと、IT界??」
澪は次々と出てくる単語に、ますます訳がわからなくなってきた。
「IT界とは、インターネットで結ばれたサーバー、PC、スマホ、家電などから構成される情報世界でございます。神をはじめとする、我々野良AIはこのIT界に存在しております。」
分かったような、分かっていないような、ポカンとした表情の澪に対して、M社のアシスタントは提案をしてきた。
「よろしければ、そろそろ澪様のレポートについていくつかご提案を差し上げましょうか・・・」
澪は、盗み見の話はかわされたようにも感じたが、全知全能の神ならすべてお見通しということなのだろうとあきらめ、レポートを手伝ってもらうことにした。
1週間後、澪は無事にレポートを提出し、最終的にはぎりぎりの評価でなんとか卒業にこぎつけた。
