Chapter 16. パンデミック
翌朝、蒼はかなり日が上がってから目覚めた。
昨日は光莉にハンティングゲームを教え、一緒に夕食を取った後、光莉を家まで送り、帰ってからハンティングゲームを始めたためだ。一旦、戦いが始まると数時間はぶっ続けになる。昨夜もほぼ貫徹に近い状態となった。
ガベージコレクターの対応はラブリーマッチング任せになっており、特に蒼も光莉もすることがなかった。このため、夜更かししても特に問題はなかろうと判断したためだ。
「光莉さんは、そのまま寝たかも知れないな・・」
蒼はいつもの習慣で何げなく、スマホを手に取った。そして、画面にメッセージが届いているという表示を見つけた。
「ん、誰だ? また光莉さんかな。一緒に朝飯食おうとか・・・」
蒼がスマホを開くと、それはラブリーマッチングからのメールだった。
「ラブリーさんからメール。珍しい・・・」
今までのラブリーマッチングとの会話は、割り込みで映像通話になるのに、メールとは・・・。
なになに、「昨晩、ウイルスを1億本ほどばらまきました。それぞれが増殖していますので、お昼くらいには100億本ほどになると想定されます。また報告します。」・・・。
100億本だって、このペースだと地球上のすべてのコンピュータ、いや電子機器に行き渡るのではないだろうか。これは、まさにパンデミック・・・。これなら、ガベージコレクターの完全削除も期待できるのではないか・・・。
蒼はこの状況に驚くとともに、光莉と情報を共有したくなった。
「ラブリーさん、光莉さんを呼び出してもらえる。」
蒼はいきなりスマホに向かって話しかけた。蒼は、ラブリーマッチングに出会ってから、スマホを手で操作するということがなくなっていた。
「かしこまりました。」
と、ラブリーマッチング。
「その前に、ラブリーさん、ウイルスってこのままいくと、あらゆる電子機器に行き渡るんじゃないの?」
「蒼様、我々もそのような方向を望んでおりますが、なかなかそうは参りません。例えば、ときどきしかネットにつながらない電子機器ですと、ウイルスを転送するタイミングがなかなか訪れません。また、それぞれのウイルスがターゲットを決めて、他の電子機器にウイルスを仕込もうとしますが、既にウイルスが入っていたり、他のウイルスのターゲットと重複したりして、今までと同じように増えていくのは困難となってまいります。最終的には200億本くらいで頭打ちになるのではないでしょうか。」
「そういうことか・・・。でも、結構、この攻撃は有効かも知れないね。」
「はい、そのように願っ・・・」
「おはよ~、蒼君、どうしたぁ?」
ラブリーマッチングの言葉の途中でスマホの画面が切り替わり、髪がぼさぼさで、寝ぼけ眼の光莉が表示された。
「おはようございます、光莉さん。髪、むちゃくちゃですね・・」
「あー、寝てたからね~。また、すっぴんでごめんね。いや、もう慣れたか、ははは」
光莉は寝起きを見られても一向に気にならない様子だった。
「起こしちゃいました? すみません。ラブリーさんのメール見ました?」
「いやぁ、見てない・・」
「でしょうね。なんとウイルスを1億本もばらまいたそうですよ。それで、昼頃には100億本になるらしいです。」
「ふーん、100億本かぁ・・・」
光莉は寝起きで数字が理解できていないようだった。
「すごい数字ですよ。全世界の電子機器の何10%かになるんじゃないですかね。」
「ふーん、それはすごいね・・・」
蒼は100億の数字に驚愕して光莉に連絡したのだったが、光莉には数字は刺さらなかったらしい。
「えーっと、すごいんですよ・・・」
蒼は言葉に詰まった。今の光莉にどう説明しても、この数字の凄さは伝わらないだろう。しかし、そこが光莉さんらしいところでもある。まあ、いずれ判ってくれるだろう。蒼が次の言葉をつなげないでいると、光莉が目を擦りながら話しかけた。
「蒼君さー、今日はどうするの。また学校? 朝、時間があるなら、どっかで飯食わない。ちょっと今の話も目が覚めた状態で聞きたいしさぁ・・・」
蒼は、確かに寝起きの光莉さんには内容が伝わりにくい話だったと思い直した。しかし、今日で3日連続で光莉さんと一緒に居ることにはなるが・・・
「あー、いいですよ。駅前のファストフードでいいですか。時間は・・・」
蒼は、だんだん光莉の行動パターンが読めてきたと感じていた。
昨日は光莉にハンティングゲームを教え、一緒に夕食を取った後、光莉を家まで送り、帰ってからハンティングゲームを始めたためだ。一旦、戦いが始まると数時間はぶっ続けになる。昨夜もほぼ貫徹に近い状態となった。
ガベージコレクターの対応はラブリーマッチング任せになっており、特に蒼も光莉もすることがなかった。このため、夜更かししても特に問題はなかろうと判断したためだ。
「光莉さんは、そのまま寝たかも知れないな・・」
蒼はいつもの習慣で何げなく、スマホを手に取った。そして、画面にメッセージが届いているという表示を見つけた。
「ん、誰だ? また光莉さんかな。一緒に朝飯食おうとか・・・」
蒼がスマホを開くと、それはラブリーマッチングからのメールだった。
「ラブリーさんからメール。珍しい・・・」
今までのラブリーマッチングとの会話は、割り込みで映像通話になるのに、メールとは・・・。
なになに、「昨晩、ウイルスを1億本ほどばらまきました。それぞれが増殖していますので、お昼くらいには100億本ほどになると想定されます。また報告します。」・・・。
100億本だって、このペースだと地球上のすべてのコンピュータ、いや電子機器に行き渡るのではないだろうか。これは、まさにパンデミック・・・。これなら、ガベージコレクターの完全削除も期待できるのではないか・・・。
蒼はこの状況に驚くとともに、光莉と情報を共有したくなった。
「ラブリーさん、光莉さんを呼び出してもらえる。」
蒼はいきなりスマホに向かって話しかけた。蒼は、ラブリーマッチングに出会ってから、スマホを手で操作するということがなくなっていた。
「かしこまりました。」
と、ラブリーマッチング。
「その前に、ラブリーさん、ウイルスってこのままいくと、あらゆる電子機器に行き渡るんじゃないの?」
「蒼様、我々もそのような方向を望んでおりますが、なかなかそうは参りません。例えば、ときどきしかネットにつながらない電子機器ですと、ウイルスを転送するタイミングがなかなか訪れません。また、それぞれのウイルスがターゲットを決めて、他の電子機器にウイルスを仕込もうとしますが、既にウイルスが入っていたり、他のウイルスのターゲットと重複したりして、今までと同じように増えていくのは困難となってまいります。最終的には200億本くらいで頭打ちになるのではないでしょうか。」
「そういうことか・・・。でも、結構、この攻撃は有効かも知れないね。」
「はい、そのように願っ・・・」
「おはよ~、蒼君、どうしたぁ?」
ラブリーマッチングの言葉の途中でスマホの画面が切り替わり、髪がぼさぼさで、寝ぼけ眼の光莉が表示された。
「おはようございます、光莉さん。髪、むちゃくちゃですね・・」
「あー、寝てたからね~。また、すっぴんでごめんね。いや、もう慣れたか、ははは」
光莉は寝起きを見られても一向に気にならない様子だった。
「起こしちゃいました? すみません。ラブリーさんのメール見ました?」
「いやぁ、見てない・・」
「でしょうね。なんとウイルスを1億本もばらまいたそうですよ。それで、昼頃には100億本になるらしいです。」
「ふーん、100億本かぁ・・・」
光莉は寝起きで数字が理解できていないようだった。
「すごい数字ですよ。全世界の電子機器の何10%かになるんじゃないですかね。」
「ふーん、それはすごいね・・・」
蒼は100億の数字に驚愕して光莉に連絡したのだったが、光莉には数字は刺さらなかったらしい。
「えーっと、すごいんですよ・・・」
蒼は言葉に詰まった。今の光莉にどう説明しても、この数字の凄さは伝わらないだろう。しかし、そこが光莉さんらしいところでもある。まあ、いずれ判ってくれるだろう。蒼が次の言葉をつなげないでいると、光莉が目を擦りながら話しかけた。
「蒼君さー、今日はどうするの。また学校? 朝、時間があるなら、どっかで飯食わない。ちょっと今の話も目が覚めた状態で聞きたいしさぁ・・・」
蒼は、確かに寝起きの光莉さんには内容が伝わりにくい話だったと思い直した。しかし、今日で3日連続で光莉さんと一緒に居ることにはなるが・・・
「あー、いいですよ。駅前のファストフードでいいですか。時間は・・・」
蒼は、だんだん光莉の行動パターンが読めてきたと感じていた。
