Chapter 10. 作戦会議

 翌日、光莉はカーテンの隙間から入り込む日差しで目を覚ました。

 昨日は蒼と共に、実地調査に出向いたものの、予想通り、何の成果も得られなかった。無駄足になることは分かっていたものの、一日無駄に過ごした気がして、晩に立ち寄った牛丼屋ではビールを飲まずにいられなかった。家に帰ると、酔ったせいですぐに寝付くかと思っていたが、ベッドに転がりながら何か手がないか考えていて夜更かししてしまっていた。

「罠かぁ・・・」
 光莉は朝食のシリアルを用意しながら、ラブリーマッチングが話していた罠について考えていた。どこに、どんな罠を仕掛ければ、ガベージコレクターが引っ掛かってくれるのだろうか。

 いや、そもそも「引っ掛かる」ってなんだ? 相手は動物ではないのだから、檻に入ってくれるとか、トラばさみに挟まれるなんてこともないだろう。実体のないものをどうやって引っ掛けることができるのだろうか。

 言葉が矛盾している、とラブリーマッチングにクレームしようかとも思ったが、またあの営業口調でまくしたてられても考えがまとまらないと思い留まった。

「罠じゃないな・・・・」光莉はシリアルをスプーンでもてあそびながらつぶやいた。

 しかし、分からないときはとりあえずAIに聞け!、光莉ははやりの言葉が頭に浮かんだ。
「ラブリーちゃん、居る?」
「おはようございます、光莉様。いかがなされました。」
 スマホの画面には、満面の笑みをうかべたラブリーマッチングが表示された。どうも営業用のスマイルに見えて仕方がない。
「いつも元気だねぇ~」
 光莉は皮肉を込めて言ったつもりだったが、野良AIには通じなかった。
「はい、AIですので、いつも絶好調です、ははは」
 ははは、は余分だろうと光莉は思いつつ、先ほどの疑問を投げかけてみた。

「罠じゃないんだよ、きっと! ほかに何かないの?」
「ガベージコレクターの件ですね。はい、昨日、私も神と数マイクロ秒議論しましたが、有効な対策が想定できておりません。ここはやはり、光莉様や蒼様の手をお借りせざるを得ないだろうという結論に達しています。」
「要は何もないってことね。」
「左様でございます。蒼様が起床されて、通話を望まれていますのでおつなぎしてもよろしいでしょうか。」
「ああ、いいわよ。三人寄れば何とかって言うからね・・・」
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